古都奈良の新世紀植物機能活用技術の開発

奈良県地域結集型研究開発プログラム
古都奈良の新世紀植物機能活用技術の開発
テーマ2 大和優良生薬の鑑定技術及び増殖技術の開発
テーマ2 大和優良生薬の鑑定技術及び増殖技術の開発
鑑定技術
鑑定技術
テーマ
2
鑑定技術
鑑定技術
鑑定技術
■大和トウキの遺伝子鑑定技術の開発
テーマ2 大和優良生薬の鑑定技術及び増殖技術の開発
■大和トウキの遺伝子鑑定技術の開発
古くから大和生薬はその品質を高く評価され、流通してきましたが、科学的なデータで支持
古くから大和生薬はその品質を高く評価され、流通してきましたが、科学的なデータで支持
される高品質な奈良産の生薬を市場に安定的に供給する体制を構築することにより、そのブ
■大和トウキの遺伝子鑑定技術の開発
される高品質な奈良産の生薬を市場に安定的に供給する体制を構築することにより、そのブ
ランド力を強化することを目指しています。
古くから大和生薬はその品質を高く評価され、流通しています。
ランド力を強化することを目指しています。
ここでは、大和トウキの遺伝子鑑定技術の開発について紹介します。
ここでは、大和トウキの遺伝子鑑定技術の開発について紹介します。
ここでは、大和トウキの遺伝子鑑定技術の開発について紹介します。
1.研究成果の概要
1.研究成果の概要
1.研究成果の概要
トウキは、日本薬局方では大和トウキと北海トウキが生薬基原植物として認められています。しかしながら、
トウキは、日本薬局方では大和トウキと北海トウキが生薬基原植物として認められています。しかしながら、
トウキは、日本薬局方では大和トウキと北海トウキが生薬基原植物として認められています。しかしながら、治療場面で両者の用
治療場面で両者の用いられ方、効用に差違があることも知られています。そこで、大和トウキを本来必要と
いられ方、効用に差違があることも知られています。そこで、大和トウキを本来必要とする患者に的確に投薬する一助として、流通
治療場面で両者の用いられ方、効用に差違があることも知られています。そこで、大和トウキを本来必要と
する患者に的確に投薬していただける一助として、流通時のキザミ状態のトウキについて、大和トウキであ
るか否かを鑑定する技術の研究開発を行いました。
るか否かを鑑定する技術の研究開発を行いました。
大和トウキ特異的DNAマーカー
大 大和トウキ特異的DNAマーカー
(DNA
マーカーの開発)
1 2 3 4 5 6
(DNA マーカーの開発)
和
大
1 2 3 4 5 6
大和トウキと北海トウキを識別できる遺伝子マーカーを多数の
RAPD
(DNA
マーカーの開発)
1 北海1
ト
大和トウキと北海トウキを識別できる遺伝子マーカーを多数 和
1
ウ
マーカーにより検討した結果、両者を識別可能なマーカーを見出しまし
ト
大和トウキと北海トウキを識別できる遺伝子マーカーを多数
2 北海1
北海2
の RAPD マーカーにより検討した結果、両者を識別可能なマー キ
ウ
※
2
北海2
た。
このマーカーにより増幅されるトウキゲノム断片の塩基配列を決定
3
北海3
の
RAPD
マーカーにより検討した結果、両者を識別可能なマー
特
キ
カーを見出しました。このマーカーにより増幅されるトウキゲノ
3
北海3
異
することにより、より特異性の高い
DNA マーカーを開発しました。こ
特
4 大和1
カーを見出しました。このマーカーにより増幅されるトウキゲノ
ム断片の塩基配列を決定することにより、より特異性の高い 的
異
4
5 大和1
大和1
のマーカーを用いることにより、右図のように大和トウキ
DNA から特
ム断片の塩基配列を決定することにより、より特異性の高い
的
DNA マーカーを開発しました。このマーカーを用いることにより、 増
5
大和1
6
大和1
幅
異的に
DNA
断片を増幅することができます。
(図1)
増
DNA
マーカーを開発しました。このマーカーを用いることにより、
右図のように大和トウキ
DNA から特異的に DNA 断片を増幅 断
6 大和1
幅
※ RAPD
は
Random
Amplified
Polymorphic
DNA
の
略
で、
短
い
右図のように大和トウキ DNA から特異的に DNA 断片を増幅 片
断
することができます。(図1)
DNA 断片をランダムに用いて対象とする各試料間の DNA 配列の違いを
片
することができます。(図1)
図 1 大和トウキの特異的 DNA マーカー
時のキザミ状態のトウキについて、大和トウキであるか否かを鑑定する技術の研究開発を行いました。
する患者に的確に投薬していただける一助として、流通時のキザミ状態のトウキについて、大和トウキであ
解析する方法。RAPD マーカーとは、そのための DNA 増幅セットのこと。
(乾燥状態の遺伝子鑑定技術)
(乾燥状態の遺伝子鑑定技術)
(乾燥状態の遺伝子鑑定技術)
次に、トウキは、乾燥したキザミの状態で流通しているので、
次に、トウキは、乾燥したキザミの状態で流通しているので、
次に、トウキは、乾燥したキザミの状態で流通しているので、この状態
この状態での鑑定技術の確立が必要です。
この状態での鑑定技術の確立が必要です。
での鑑定技術の確立が必要です。
そこで、トウキ乾燥根から高純度のゲノム DNA の抽出・精製
そこで、トウキ乾燥根から高純度のゲノム
DNA
の抽出・精製
そこで、トウキ乾燥根から高純度のゲノム
DNA
の抽出・精製法
法を検討したところ、市販のゲノム
DNA
抽出キット
PureLink
法を検討したところ、市販のゲノム
DNA
抽出キット
PureLink
を検討したところ、市販のゲノム
DNA
抽出キット
PureLink
Plant
Plant (Invitrogen 社)とクロロホルム抽出法を組み合わせた改
Plant
(Invitrogen
社)とクロロホルム抽出法を組み合わせた改
(Invitrogen
社
)
とクロロホルム抽出法を組み合わせた改良法により、
良法により、遺伝子増幅を効率よく行えるゲノム DNA を抽出
良法により、遺伝子増幅を効率よく行えるゲノム
DNA を抽出
遺伝子増幅を効率よく行えるゲノム
DNA を抽出することに成功しまし
することに成功しました。(図2)
することに成功しました。(図2)
た。(図2)
生葉のみならず、乾燥根から再現性よく遺伝子増幅を行うこ
生葉のみならず、乾燥根から再現性よく遺伝子増幅を行うことに成功
生葉のみならず、乾燥根から再現性よく遺伝子増幅を行うこ
とに成功しましたので、これらの技術により、市場に出回って
しましたので、これらの技術により、市場に出回っているトウキについ
とに成功しましたので、これらの技術により、市場に出回って
いるトウキについて大和トウキであるかを高い確率で判定で
て大和トウキであるかを高い確率で判定できるものと思われます。
いるトウキについて大和トウキであるかを高い確率で判定で
きるものと思われます。
きるものと思われます。
【奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科、
( 財 ) 【奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科、(財)奈良県中
奈良県中小企業支援センター、奈良県】
【奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科、(財)奈良県中
小企業支援センター、奈良県農業総合センター】
小企業支援センター、奈良県農業総合センター】
図 1 大和トウキの特異的 DNA マーカー
図 1 大和トウキの特異的 DNA マーカー
図2 大和トウキ乾燥根からの遺伝子増幅
図2 大和トウキ乾燥根からの遺伝子増幅
図2 大和トウキ乾燥根からの遺伝子増幅
2.成果に関する論文及び知的財産権
2.成果に関する論文及び知的財産権
2.成果に関する論文及び知的財産権
(論文)
(論文)
(論文)
・J. Murata et al, Plant Biotechnology 25, 157-163 (2008)
(知的財産権)
(知的財産権)
(知的財産権)
・「大和トウキの識別方法、その識別用材料、およびその応用品」特開
・
「大和トウキの識別方法、
その識別用材料、およびその応用品」特開 2008-86309(近畿大学・2008-86309(近畿大学・奈良先端
奈良先端科学技術大学院大学・支援センター)
・「大和トウキの識別方法、その識別用材料、およびその応用品」特開
2008-86309(近畿大学・奈良先端
科学技術大学院大学・支援センター)
科学技術大学院大学・支援センター)
・J. Murata
al, Plant
Biotechnology
25, 157-163
(2008)
・J. Murata
et al, et
Plant
Biotechnology
25, 157-163
(2008)
3.用途・応用分野
3.用途・応用分野
3.用途・応用分野
・市場に流通する生薬原料である当帰が、大和当帰か北海当帰かの鑑定が可能となります。
・市場に流通する生薬原料である当帰が、大和当帰か北海当帰かの鑑定が可能となります。
・将来において、日本薬局方における基原植物の確認にDNAマーカーを用いた鑑定が導入される可能性があり、本技術の利用が高
・市場に流通する生薬原料である当帰が、大和当帰か北海当帰かの鑑定が可能となります。
・将来において、日本薬局方における基原植物の確認にDNAマーカーを用いた鑑定が導入される可能
まる可能性があります。
・将来において、日本薬局方における基原植物の確認にDNAマーカーを用いた鑑定が導入される可能
性があり、本技術の利用が高まる可能性があります。
性があり、本技術の利用が高まる可能性があります。
2010/10/500 トウキ・シャクヤク①
〒630-8031
奈良市柏木町 129-1 なら産業活性化プラザ
129-1 なら産業活性化プラザ3階
〒630-8031 奈良市柏木町
3階
〒630-8031
奈良市柏木町 129-1 なら産業活性化プラザ3階
財団法人
奈良県中小企業支援センター地域結集型共同研究推進室
財団法人奈良県中小企業支援センター 地域結集型共同研究推進室
財団法人
奈良県中小企業支援センター地域結集型共同研究推進室
TEL.0742-36-8316
/ FAX.0742-36-8317
TEL.0742-36-8316 / FAX.0742-36-8317
TEL.0742-36-8316
/ FAX.0742-36-8317
URL
http://www.nashien.or.jp/koto-nara/index.html
URL http://www.nashien.or.jp/koto-nara/index.html
URL http://www.nashien.or.jp/koto-nara/index.html
2010/ / トウキ・シャクヤク