不眠の緩和 平成 25 年 9 月 18 日作製 緩和ケアチーム監修 1.不眠とは 夜間の睡眠困難のため,日中の眠気,集中力低下,全身倦怠感などが出現し,QOL が低 下した状態をいう。症状により入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の 4 つのタイプ に大別される. 2.原因 1)身体的要因 痛み、呼吸困難、嘔気・嘔吐、下痢、頻尿、かゆみ 睡眠パターン(昼夜逆転) 、空腹感 睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群など 2)精神的要因 不安、抑うつ、恐れ、怒り、焦燥感、孤独感、人間関係の悩みなど 3)環境要因 騒音、照度、昼寝、嗜好品(コーヒー、紅茶) 薬剤性(コルチステロイド、利尿薬、鎮静薬など)など 3.治療 1)原因の除去 2)薬物療法 ①超短時間型 ・マイスリー錠5mg 1錠 分1 就寝前 ・アモバン錠7.5mg 1錠 分1 就寝前 ・ハルシオン錠0.25mg 1 錠 分1 就寝前 ②短時間型 ・リスミー錠1mg 1錠 分1 就寝前 ・レンドルミン錠 0.25mg 1錠 分1 就寝前 【肝・腎機能が低下している場合】 ・エバミール錠1mg 1錠 分1 就寝前 ③中間型 ・ロヒプノール錠2mg 0.5-1 錠 分1 就寝前 ・ベンザリン錠5mg 1-2錠 分1 就寝前 ・ユーロジン錠 2mg 0.5-1 錠 分1 就寝前 ④長時間型 ・ドラール錠20mg ・メイラックス錠2mg 1錠 分1 就寝前 0.5-1 錠 分1 就寝前 ⑤メラトニン受容体作動薬 高齢者には、良い適応 ・ロゼレム錠8mg 1錠 分1 就寝前 【中途覚醒して再入眠できない場合】 超短時間型の追加投与 ③内服困難な場合 ・ミダゾラム注10mg+生理食塩水100ml 1 時間で点滴静注 ・ロヒプノール2mg+生理食塩水100ml 1 時間で点滴静注 全身状態や年齢で、適宜調整を必要とする 5.ケア 1)環境整備 ・外界の刺激(光、騒音、臭気)が少なくなるように工夫する ・ベッドや寝具が快適になるように工夫する ・心の和む音楽を流す 2)昼間を活動的に過ごすようにする 3)不安や恐怖心の緩和 ・ベッドサイドに座り話を十分に聞く。家族の協力を得て夜間付き添ってもらう 4)就寝前のケア ・足浴やマッサージを行う ・暖かい飲み物を飲ませる 【参考資料】 ・日本緩和医療学会 PEACE プロジェクト資料 2013 年 2 月版 ・トワイクロス先生のがん患者の症状マネージメント第 2 版 2010 年 9 月 15 日
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