平成 26 年度 離島漁業再生支援交付金による取組概要 1.集落協定の概要 都道県名:鹿児島県 市町村名:南種子町 「種子島」 協定締結集落名:南種子集落 交付金額:7,752千円 協定参加世帯数:57人(うち漁業世帯57人) 2.協定締結の経緯 南 種 子 町 は3方 を海 に囲 まれ優 良 な漁 場 が多 く,これまで漁 業 世 帯 個 々が海 域 環 境 の管 理 を行 っている現 状 にあったが,近 年 水 産 資 源 の減 少 や魚 価 の低 迷 ,ま た漁 業 者 の減 少 や高 齢 化 等 の課 題 を抱 えているため、水 産 資 源 の豊 富 な優 良 漁 場 の形 成 や,魚 価 の安 定 化 を図 ることなどを目 指 して,離 島 漁 業 再 生 支 援 交 付 金 による漁 業 再 生 活 動 に取 組 むこととした。 3.取組の内容 ①漁場の生産力の向上に関する取組状況 近 年 ,魚 介 類 の漁 獲 量 が減 少 している状 況 のため,カナコ篭 ・イカ柴 の投 入 による イカの産 卵 場 ・育 成 場 の整 備 や藻 場 増 殖 プレート設 置 ・移 設 により藻 場 の再 生 やサ メ駆 除 ・漁 場 監 視 など資 源 管 理 等 漁 場 の生 産 力 の向 上 に関 する取 組 を実 施 するこ とにより,地 域 漁 業 の活 性 化 を図 ることを目 指 して離 島 交 付 金 による漁 業 再 生 活 動 に取 組 むこととした。 また,海 岸 に流 木 ・ロープ等 のごみが漂 着 し,海 岸 線 の環 境 が悪 化 しているため, 15ケ浦 の海 岸 清 掃 を行 い環 境 保 全 に努 めた。 ②集落の創意工夫を活かした新たな取組状況 今 後 の漁 具 漁 法 の普 及 を図 るため,「メカジキ漁 」「雑 魚 カゴ漁 業 」の操 業 を昨 年 に引 き続 き実 施 した。本 年 度 においては,新 たな漁 法 の模 索 ・資 源 調 査 として「小 型 底 曳 網 漁 」の試 験 操 業 を実 施 した。南 種 子 町 漁 業 協 同 組 合 主 催 の「お魚 祭 」にて 協 賛 として参 加 し魚 食 普 及 活 動 を行 った。その他 市 場 開 拓 事 業 により,魚 の流 通 ・ 鮮 度 保 持 等 について研 修 を行 った。 4.取組の成果 ①漁場の生産力の向上に関する取組の成果 イカの産 卵 場 ・育 成 場 の整 備 事 業 については,前 年 度 投 入 したカナコ網 の引 き上 げ を行 ったところ,産 卵 の痕 跡 が多 数 みられた。 藻 場 増 殖 プレート設 置 については,昨 年 同 様 ,広 田 浦 の沖 合 に500枚 のアミノ酸 入 りプレートを設 置 し,昨 年 設 置 したプレートを牛 野 浦 港 内 に移 設 設 置 した。今 後 の 藻 場 増 殖 ・再 生 に期 待 ができるものと思 われる。 サメ駆 除 につては,集 団 駆 除 を5箇 所 において,9月 に2日 間 ,10 月 に1日 間 ,11 月 に3日 間 実 施 し,買 上 げを含 め,合 計 209匹 のサメを駆 除 した。なお,買 取 価 格 については尾 びれ 30 ㎝未 満 は 1,000 円 /匹 ,30 ㎝以 上 50 ㎝未 満 は 3,000 円 / 匹 ,50 ㎝以 上 とマオナガについては,5,000 円 /匹 と定 めた。駆 除 後 ,数 日 間 はサメ による被 害 がなかったことから,定 期 的 に実 施 して漁 場 の保 全 を行 うことにより,生 産 力 向 上 に繋 げることができた。 漁 場 監 視 作 業 では,現 場 で会 った住 民 等 に積 極 的 に密 漁 禁 止 のことを PR するこ とで,密 漁 者 の減 少 につながることができた。 海 岸 清 掃 については,漁 協 組 合 員 等 にも声 かけを行 なって実 施 し,海 岸 の環 境 保 全 に努 めた。 ②集落の創意工夫を生かした取組の成果 メカジキ漁 操 業 については,計 4回 の操 業 を行 った結 果 ,エサを取 られることなどは あっ たが,釣 果 はなかった。漁 具 の見 直 しや操 業 時 期 など検 討 が必 要 である。 雑 魚 カゴについては,計 4回 の操 業 を行 った。カゴの出 入 り口 の改 良 や時 期 をずら しての操 業 を行 ったが,思 うような結 果 は得 られなかった。 小 型 底 曳 網 試 験 操 業 については,小 型 機 船 をチャーターし,浜 田 浦 沖 合 から広 田 浦 沖 合 にかけて,2日 間 操 業 したが,小 型 のカレイが約 30匹 ,甲 イカ3匹 と思 うよう な結 果 は得 られなかった。 市 場 開 拓 については,北 九 州 市 の株 式 会 社 ナノクス・丸 福 水 産 株 式 会 社 にてナノ パブル発 生 装 置 (商 品 名 :ナノフレッシャー)について研 修 を行 った。装 置 を導 入 でき れば, 魚 の鮮 度 保 持 を行 い魚 価 の安 定 化 を図 る事 が期 待 できるとともに,安 定 供 給 も行 えるものと期 待 ができる。鹿 児 島 市 の鹿 児 島 県 漁 連 では意 見 交 換 を行 い, 今 後 の魚 価 安 定 について協 議 を行 った。また,株 式 会 社 山 ロ水 産 においては,自 社 の保 有 するブライン凍 結 機 を無 償 リースし,南 種 子 において一 次 加 工 (三 枚 おろし 後 ,真 空 パックしたのちブライン凍 結 )をしたものを市 場 値 より付 加 価 値 をつけて買 い 取 ること,またアジ子 ・サバ子 ・イワシなど今 まで未 利 用 だったものについても取 引 を したいとのことで,今 後 ,加 工 に関 する人 件 費 ・商 品 輸 送 の方 法 など検 討 し,魚 価 の 付 加 価 値 ・安 定 供 給 に期 待 できる。また,近 年 は消 費 者 における安 心 ・安 全 を求 め るニーズが高 いため,生 産 者 ・販 売 者 が協 力 し合 いながら南 種 子 産 の魚 をブランドと し販 路 拡 大 に繫 げていきたい旨 も話 し合 った。 漁 協 との協 賛 で魚 食 普 及 を図 るため,アサヒガニ味 噌 汁 の提 供 と子 供 たち主 とし た魚 のつかみ取 りを実 施 した。アサヒガニのおいしさを知 らせることや子 供 たちが魚 と 触 れ合 うことにより,今 後 における町 内 や島 内 での消 費 拡 大 につなげることができ た。 色 々な話 し合 いや取 り組 み方 法 について再 度 検 証 し,今 後 に活 用 していけるもの と期 待 が持 てる。
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