ゆとり世代がメキメキ育つ! ヒューマンパワー・コーチング 執筆 株式会社ヒューマンパワー・リサーチ 代表取締役 森 真一 目 1章 次 コーチングを学びましょう! (第1節)コーチングとティーチングの違い ・・・・・P2 (第2節)コーチングの3つの基本スキル ・・・・・P3 (第3節)GROWモデル ・・・・・P7 2章 人間力=ヒューマンパワーを学びましょう! (第1節)人間力とは何か ・・・・・P8 (第2節)体験による人間力の重要性 ・・・・・P8 (第3節)ゆとり世代のびっくり発言と、とんでもない行動 ・・・・・P9 (第4節)人間力作る5つの要素 ・・・・・P10 (第5節)人間力を高める方法 ・・・・・P16 (第6節)人間力の自己評価ワーク ・・・・・P16 3章 ヒューマンパワー・コーチングを学びましょう! (第1節)ヒューマンパワー・コーチングとは何か ・・・・・P18 (第2節)「山本五十六(いそろく)元帥式」指導法 ・・・・・P19 (第3節)今どきのゆとり世代は褒めて伸ばす ・・・・・P20 (第4節)最強の部下指導法 ・・・・・P21 ~1~ 1章 第1節 コーチングを学びましょう! コーチングとティーチングの違い 皆さんは、コーチというとどんなイメージがありますか? スポーツで指導するコーチをイメージする方が多いのではないでしょうか。 スポーツで指導するコーチのように相手に教えることを「ティーチング」と言います。 「コーチング」とは相手に教えることではなく、潜在的な能力を引き出す支援をするこ とを言います。 ティーチング 教えること コーチング 潜在能力を引き出すこと ~2~ 第2節 コーチングの3つの基本スキル コーチングには「傾聴」・ 「承認」・ 「質問」の3つの基本スキルがあります。 傾聴 コーチング 承認 質問 (1) 傾聴 傾聴とは、相手の話しを聴くことです。 ここで「聴く」という字を使用していることに注目しましょう。 聴 聴くという字は、大きな耳で十四の心をきくという意味です。 つまり、少なくても 14 個程度の感情を聴きなさいということですね。 【傾聴の7つのポイント】 傾聴には留意すべき7つのポイントがあります。 ① うなずく ② あいづち ③ 繰り返す ④ 要約する ⑤ うながす ⑥ アイコンタクト ⑦ 沈黙 ~3~ うなずく 沈黙 あいづち 傾聴 アイコン タクト 繰り返す うながす 要約する 簡単に説明しましょう。 ① うなずく 相手の話しに「うん。うん。」と、うなずくことです。 ② あいづち 相手の話しに「へぇーそうなの。なるほど」と、あいづちを打つことです。 ③ 繰り返す 相手の話しに「同じ言葉をオウム返しのように」繰り返すことです。 ④ 要約する 相手の話しに「つまり、あなたの言いたいことは●●ですね」と、要約することです。 ⑤ うながす 相手の話しに「それからどうしたの」と、次の話しをうながすことです。 ⑥ アイコンタクト 相手の目を見て話しを聴くことです。 ⑦ 沈黙 相手が黙っていたら聴く方も沈黙することです。 ~4~ (2) 承認 承認とは、相手のすべてを受け入れること。相手の良い所を見つけて褒めることです。 相手のすべてを受け入れるということは、 「価値観の違い」を受け入れることに他な りません。 例えば下の 2 枚の絵をみてください。 何の絵にみえるでしょうか? あなたの答えは①ですか②ですか? ① 「お嬢さんの絵」と「馬の絵」 ② 「おばあさんの絵」と「カエルの絵」 実は①、②どちらも正解です。 人によって見え方が違います。 つまり、同じ絵を見ても見え方が違うということは、人の価値観は違うということです。 承認では、この価値観の違いを受け入れなければいけません。 次に相手の良い所を見つけて褒めることですが、3つのメッセージ方法があります。 ① Iメッセージ 私は感動したというように「私」に焦点をあてて褒めるメッセージです。 ② Youメッセージ あなたは素晴らしいというように「あなた」に焦点をあてて褒めるメッセージです。 ~5~ ③ Weメッセージ 新しいプロジェクトが成功したのは君の活躍が大きいと部長もすごく褒めていたよと いうように「第三者=部長」に焦点をあてて褒めるメッセージです。 (3) 質問 質問とは、相手の潜在能力を引き出すための最も重要なスキルです。 コーチングでは、まず相手の話しを傾聴し、相手のすべてを受け入れ(承認)し、最 後に有効な質問を投げかけることで潜在能力を引き出します。 【質問の4つのポイント】 ① オープン・クエスチョン(拡大質問) あなたの好きなフルーツは何ですか? この質問を受けた場合の答えは「イチゴ」 ・ 「メロン」 ・ 「桃」等大きく展開していく可能 性があります。 このような質問をオープン・クエスチョンと言います。 ② クローズド・クエスチョン(閉鎖質問) あなたは「イチゴ」が好きですか? この質問を受けた場合の答えは「好きです」または「嫌いです」とYesかNoで終了 してしまい大きく展開していきません。 このような質問をクローズド・クエスチョンと言います。 ③ 過去質問 例えば、部下がミスをした場合に、「なぜこんなミスをしたのか?」というようにすで に起きてしまった出来事に対する質問を過去質問と言います。 ④ 未来質問 例えば、部下がミスをした場合に、 「再発防止のためにこれからどうしたら良いと思う?」 というように未来の対策に対する質問を未来質問と言います。 【コーチングの基本サイクル】 コーチングは、基本的に以下のサイクルで実践します。 ① 相手の話しを良く聴きます(傾聴) ② 相手のすべてを受け入れて、良い所を見つけて褒めます(承認) ③ 有効な質問により、自分自身で気づかせ潜在能力を引き出します(質問) ※コーチングでは答えは自分の中にあると考えて質問をしていきます。 ~6~ 第3節 GROWモデル GROWモデルは、目標を達成させる為の手法として、コーチングで活用されています。 それぞれの頭文字をとっています。 G=ゴール(目標) R=リアルティ・リソース(現状・資源) O=オプション(選択肢) W=ウイル(意思) コーチングにおいては、有効な質問により、最初にゴール(目標)を決めます。 次に、現状を把握します。 現状を把握したら使用可能な資源は何か、どんな選択肢があるかを質問します。 最後に目標を達成させる覚悟(意思)を確認する質問をします。 最終的には、本人に目標を達成するためにはどうしたら良いかを気づかせます。 ゆとり世代にはコーチングが効く! コーチングは、教えることではなく相手の力を引き出すスキルですから、命令調の指導 ではありません。 「あなたは、どう思う?」と質問していきますから「ゆとり世代の社員」にとっても心 を開きやすいスキルです。 ~7~ 2章 人間力=ヒューマンパワーを学びましょう! 第1節 人間力とは何か あなたは、「人間力」と聞くとどんなことをイメージしますか? 本講座「ヒューマンパワー・コーチング」では、以下の定義としています。 「人間力=ヒューマンパワー」とは人間的魅力のことであり、一言でいうと 「徳」のことです。 あの人には、「人徳がある」とか、「人望がある」などと良く耳にしますね。 企業を取り巻く経営環境は厳しさを増し、超一流企業でも容赦ないリストラ が実行されています。 これからは、学歴や過去の実績とは関係の無い、人から好かれる魅力をもった 「人間力=ヒューマンパワー」のある人が活躍する時代です。 上司や先輩社員に「徳」があると部下や後輩は心服しますから、特に指示をしなくて も物凄いモチベーションで頑張ってくれます。 したがって、「人間力=ヒューマンパワー」を高めることは究極のマネジメント手法 にもなるわけです。 さあ、「人間力=ヒューマンパワー」を高めて徳のあるリーダーを目指しましょう。 第2節 体験による人間力の重要性 私は、推薦入学だった工業大学をたった1年で中退してしまいました。 大学に行ったのは、実際には5回位です。 (入学手続き・通学2回・退学手続き) こんな落ちこぼれの私でしたが、中途採用で何とかプロミス(株)に入社できました。 19 歳でプロミス(株)に入社後は、以下のような活躍ができました。 ① 回収専門部署での個人回収額トップの実績 ② 最年少(28歳)で支店長に就任 ③ 支店長・マネージャー(管理職)として、常にトップクラスの実績 ④ 銀行系金融会社モビットの設立に参画し、銀行員への消費者金融ノウハウの伝授 ~8~ 特に、銀行員への消費者金融ノウハウの伝授では、超一流大学(東大・京大)出身 者への指導を経験しました。 なぜ、こんなことができたのでしょうか? それは、勉強が嫌いな分、アルバイトによる社会勉強を徹底的にやりました。 高校1年生から大学1年生までの4年間は、ほとんどアルバイトの毎日でした。 仮面ライダーの悪役のエキストラから寿司屋、そば屋、居酒屋、スーパーの値札貼り 引越屋、漬物の訪問販売等、かなりの仕事を経験しました。 この経験は、私の「人間力」を飛躍的に高めてくれました。 「学歴」は仕事を成功させる武器にはなりません。 最も重要なのは、「人間力」なのです。 人から好かれる魅力さえあれば、生きていくうえで困るようなことはありません。 逆に、この力が無いと何をやってもうまくいきません。 このことは、20年を超える管理職としての経験から断言できます。 皆さんも「人間力」を高めることに意識を集中させてください。 必ず大きな成果が期待できます。 第3節 ゆとり世代のびっくり発言と、とんでもない行動 ゆとり世代とは、1987年生まれを中心とする 20 歳代前半の若者でゆとり教育を 受けています。 この世代の社員によるびっくり発言と、とんでもない行動が管理職の悩みの種となり、 ひいては会社の課題となってきました。 【ゆとり世代のびっくり発言やとんでもない行動の具体例】 〔事例1〕 歓迎会に嫌々出席した新入社員(ゆとり世代)が残業代出ないのですか? と質問した。 〔事例2〕 取引先から電話があり、 「先方が●●さん、お願いします。」と言ったが、良く聞き 取れなかったために「誰をご指名ですか?」と答えた。 〔事例3〕 自分のすぐとなりの席にいる社員に話もせずにメールで用件を伝える ~9~ このような、びっくり発言やとんでもない行動が課題となっているのです。 私の息子が平成2年生まれの24歳ですから、まさにゆとり世代です。 けれども、事例のような発言や行動はなく、とてもモラルがあります。 これは、小さい時から勉強よりも人間力の重要さを教えてきたからだと思います。 ◎ゆとり世代が問題なのではなく、きちんとした指導が大事なのです。 第4節 人間力を作る5つの要素 人間力は「印象」 ・ 「性格」 ・ 「能力」 ・ 「行動」 ・ 「教養」の5つの要素による複合的なパワ ーです。 人生経験や学習により個人差が大きなものとなります。 このパワーによって人間の器が決まり、成功に大きな影響を与えます。 印象 教養 性格 人間力 行動 能力 ~ 10 ~ まず、印象の5つのポイントを説明します。 容姿 笑顔 清潔感 印象 オシャ レ 身だし なみ 【印象の5つのポイント】 ① 容姿 容姿において、美男美女は有利ですね。 それは、好感度の高さが格段に有利になるからです。 よほど、特別な事情が無い限り、美男美女が嫌いだという人はいません。 人間力において容姿の影響は大きいものです。 ② 清潔感 容姿がいくら美男美女であったとしても清潔感が無いとダメですね。 毎日、お風呂に入り、下着やハンカチもきれいな物に取り替えましょう。 ③ 身だしなみ 男性であれば、きれいにヒゲを剃りましょう。 寝ぐせを直し、靴を磨いて、ズボンには折り目をつける。 シャツはアイロンの効いたパリッとしたものを着用しましょう。 ④ オシャレ あまりに流行遅れの服装はNGです。 男性ならネクタイもスーツにコーディネートされた品の良い良質な物をつけましょう。 ⑤ 笑顔 容姿が良く、清潔感があり、身だしなみもOK、更にオシャレなら素晴らしいですね。 そこでもう1つ、笑顔があれば印象は完璧なものとなります。 ~ 11 ~ 次に性格の5つのポイントを説明します。 素直 明る い 誠実 性格 温厚 謙虚 【性格の5つのポイント】 ① 素直 人の話しや教えを「素直な心」で受け止めることはとても重要なことです。 「歪んだ心」では人間力を高めることはできません。 とにかく、余計なことを考えずに「素直」になりましょう。 ② 誠実 人間性において重要なキーワードであり、信頼関係を築くのに必要です。 誠実とは、私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること。 約束を守り、嘘をつかず何事にも真面目に取り組むことが大事ですね。 ③ 謙虚 自らの未熟さを認識し、他人から学ぶ姿勢で行動することです。 「謙虚」で人に嫌われるという話しを聞いたことはありません。 昔から日本人の美徳としても大きな評価を受けてきました。 ④ 温厚 人に優しく親切なことです。 例えば温厚な上司に対して、部下は何でも真実を報告してくれるようになります。 ⑤ 明るい 明るい性格の人は、プラス思考で行動的ですから幸運を引き寄せるパワーが あります。 ~ 12 ~ 3番目に能力の5つのポイントを説明します。 健康 力 決断 力 思考力 能力 集中力 眼力 【能力の5つのポイント】 ① 健康力 生きていく上で何より重要なのが、健康を維持できるパワーである健康力です。 病気にならない免疫力とも解釈できますが、気力・体力・知力の基本となるの は、心身共に健康であることです。 ② 思考力 成功哲学では「思考は現実化する」と言われています。 つまり、何をどう考えるかが、人生を変えてしまう程の影響力を及ぼします。 ③ 眼力 眼力とは、物事の善悪・真偽・本質を見抜く力のことです。 人を見抜いて騙されないようにすることも重要な能力ですね。 ④ 集中力 オリンピックで金メダルを取るためには、本番で成功する集中力が重要だと 言われています。 ビジネスでもここ一番の集中力が勝負の決め手になります。 ⑤ 決断力 何かを決めることが多いのがリーダーです。 変化の激しい時代には、即断即決で対応したいものですね。 ~ 13 ~ 4番目に行動の5つのポイントを説明します。 哲学 質 道徳 行動 量 迅速 【行動の5つのポイント】 ① 哲学 人生観、世界観と呼ばれるような自分の生き方における価値観のことです。 「自分は何のために生きているのか」「何のために仕事をするのか」このよう な内容を自問自答します。行動にとって最も重要なのが哲学です。 ② 道徳 「この行動は人として正しいのか」「常識として問題ないのか」このような内容 を自問自答します。 どんなに利益につながることであっても道徳に反した行動はいけませんね。 ③ 迅速 世の中の変化は激しく、行動のスピードが益々重要になっています。 人よりスピードがあるということは、大きな差別化になります。 ④ 量 行動の「質」を語る前に圧倒的な「量」をこなすことが必要です。 営業では、大量の顧客へのアプローチ経験によりセールストークの質を語れます。 ⑤ 質 「量」をこなした後は、「質」が重要です。 高い品質で効率の良い行動を実行できます。 ~ 14 ~ 最後に教養の5つのポイントを説明します。 読書 一般 常識 旅行 教養 文化 歴史 芸術 鑑賞 【教養の5つのポイント】 ① 読書 僅か2,000円未満で、他人の人生を模擬体験できるのが読書の最大の価値です。 最近では電子書籍も充実してきましたので、更に割安で模擬体験ができます。 教養を高める上で、読書は重要です。 ② 一般常識 例えば、インドの人口は日本より多いですか? こんな質問にも答えられない人がいるという話しを聞いたことがあります。 最低限の一般常識は新聞を読んで押さえておきましょう。 ③ 芸術鑑賞 クラッシック音楽とか絵画鑑賞をぜひ経験してみましょう。 教養を高めることに大きな効果が期待できます。 ④ 文化・歴史 日本の文化・歴史についても基本的なことは押さえておきたいものですね。 外国人との会話では必ず自分の国の文化・歴史について話題になります。 ⑤ 旅行 時間の許す限り、旅行に行きましょう。 見聞が広まりますから、教養を高めることに大きな効果が期待できます。 ~ 15 ~ 第5節 人間力を高める方法 人間力を高めるためには、人生経験において徳を積む必要がありますが、下記の3つを 意識することで早い時期に効果を期待できます。 ① 紳士になる(女性であれば淑女) ② 明るくなる ③ 健康になる 明るくなる 紳士になる 健康になる 人間力 紳士とは、上品で礼儀正しく、教養の高い、立派な男性のことです。 つまり、「紳士」になることが人間力を高めるための、最も近道なのです。 第6節 人間力の自己評価ワーク ここまで人間力について勉強してきました。 この節では、自分自身の人間力について自己評価をします。 チェックリストを使って早速始めてください。 時間は3分間です。 以下にあげたチェックリストは、あなたの人間力がどのくらいのレベルかを判定するた めのものです。 この判定の結果によって、あなたの長所と改善余地を見つけて下さい。 次にあげられている人間力のチェックリストの一つひとつについて、正直に判定して下 さい。 ちゃんとやっているもの・そう思うものには○印を、やっていないもの・そう思わない ものには×印をつけて下さい。 ~ 16 ~ 【チェックリスト】 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ ⑳ 人を見抜く力がある ( ) いつも笑顔を絶やさない ( ) 身だしなみに気をつけている ( ) オシャレに気を使っている ( ) 芸術鑑賞に興味がある ( ) 素直な性格である ( ) 誠実である ( ) 謙虚である ( ) 温厚である ( ) 明るい性格である ( ) 健康に自信がある ( ) 物事をじっくり思考する ( ) 日本の文化・歴史が好きだ ( ) 本番に強い ( ) 決断は早い方だ ( ) 人生哲学が明確にある ( ) 道徳に反した行動はしない ( ) 行動は迅速だ ( ) 読書が好きだ ( ) 新聞をよく読む ( ) 【自己評価の目安】 ○が18個以上 素晴らしいです ○が15個以上 普通です ○が10個以上 やや改善努力が必要です ○が5個以上 改善努力が必要です ○が5個未満 かなり改善努力が必要です この判定は現状のあなたの長所と改善余地を見つけるためのものですから結果にはあ まりこだわらないでください。 重要なのはこれからの改善です。 ~ 17 ~ 3章 ヒューマンパワー・コーチングを学びましょう! 第1節 ヒューマンパワー・コーチングとは何か 「ヒューマンパワー・コーチング」とは、人間力(ヒューマンパワー)を高めたコーチ がコーチングスキルと助言によって相手の潜在的な人間力(ヒューマンパワー)を引き 出し、「自主・自発・自律」のできる人財に導くスキルです。 人間力を高めた徳のある上司に対しては、部下は心服しますから、高いモチベーション を維持して活躍してくれます。 【ヒューマンパワー・コーチング】 傾聴 助言 質問 承認 自主 人間力 自律 自発 ~ 18 ~ 【ヒューマンパワー・コーチングのやり方】 まず、コーチとなる上司自身の人間力(ヒューマンパワー)を高め、徳を積みます。 ※人間力を高めるためには、①紳士になる ②明るい性格になる ③健康になることが 重要なポイントです。 コーチングスキルと適切な助言により、部下の人間力を高め、自分自身で気づかせるこ とで潜在能力を引き出します。 潜在能力を引き出された部下は、自主・自発・自律ができる人財になります。 第2節 「山本五十六(いそろく)元帥式」指導法 部下指導のセオリー 山本五十六(いそろく)元帥は太平洋戦争時の連合艦隊司令長官ですが、部下指導につ いて、有名な言葉を残しています。 まず、やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ ~ 19 ~ 簡単にまとめると、①手本を示す ②説明する ③実際にやらせる ④褒める ① ~④をしなければ人は動かないと言っています。 太平洋戦争は今から約 70 年前に開戦しました。 つまり、70 年以上前から部下指導にはセオリーがあったわけです。 しかも、海軍という厳しい場所でのセオリーだけに注目に値します。 第3節 今どきのゆとり世代は褒めて伸ばす 誰でも、いくつになっても褒められると嬉しいものですね。 心理学で「ピグマリオン効果」というのがあります。 これは、アメリカのジョージ・ローゼンタール博士という教育心理学者が唱えた人間関 係の仮説で「人は認め、期待すれば、期待した方向へ行くものである」というものです。 【ピグマリオン効果の由来】 ギリシャ神話のピグマリオンは自分で彫刻をした女性を本気で愛してしまいました。 そして、毎日妻になって欲しいと願って愛情を注いでいたら、本当の人間の女性になり 結婚することになりました。 このように愛情をもって期待すれば、期待した方向になることの例えとされています。 約 70 年前の海軍でも褒めて伸ばしていたのですから、今どきのゆとり世代は、それこ そ褒めて伸ばす必要があります。 ゆとり世代に聞いてみると、 「自分は褒められて伸びるタイプです。」とみんな異口同音 に答えます。 とにかく褒めて、期待していることを伝えましょう。 必ず良い結果が出ます。 ~ 20 ~ 第4節 最強の部下指導法 「ヒューマンパワー・コーチング」により、部下の潜在的人間力(ヒューマンパワー) を引き出すことで「自主・自発・自律」の人財に導くことができます。 そして、ビジネススキルの指導をする時に「山本五十六(いそろく)元帥式」指導法を 活用し、褒めて伸ばすことを実践すれば部下は必ず成果をあげてくれます。 ※ヒューマンパワー・コーチングの地ならしをした後でビジネススキルを教えれば効果 が格段に違ってきます。 私は、この指導法により各部署をたらい回しにされていた、お荷物扱いの部下を活躍さ せることに成功しましたので絶対の自信があります。 【2 段階式部下指導法】 ヒューマンパワ ー・コーチング 最強の部下 指導法 山本五十六元帥 式指導法 ~ 21 ~
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