平成28年度 事 業 計 画 - 公益財団法人 広告審査協会

平成28年度 事 業 計 画
概 要
平成28年度は、中国をはじめとする新興国経済の下振れリスクがあるものの、原油
などの資源価格の低下が、引き続き企業収益に寄与するとみられている。また雇用状況
も堅調に推移することで、所得の増加も期待され、消費増税が予定通り平成29年4月の
実施が決定すれば駆け込み需要も見込まれる。一方少子高齢化の進行など市場環境の変
化はさらに進むものとみられる。
またインターネット広告の拡大による国内メディア市場の構造変化もさらに進むのは
確実で、当協会ではこのような会員社を取り巻く環境に対応し、会員社の業務に、より
効率的に貢献するために下記の事業展開を進めていく。
1.会員専用ウェブサービスの普及推進ならびに改良
平成24年4月に審査実績のインターネット検索システム、平成25年11月には広告業務
支援システムが稼働し、会員向けウェブサービスの両輪が揃う体制が整った。いずれも、
媒体社・広告会社の日々の審査・制作支援に活用されている。必要な時に迅速に関連情
報を収集できるウェブサービスとして、一層の活用を促進するために機能と利点をPR
していく。
設立40周年記念事業として開始したこれらのウェブサービスの利便性をさらに向上
させるために、改良を進める。これまでの検討では、コンテンツの強化や視認性・操作
性の引き上げなどの点で改善の必要性が指摘されており、会員社ニーズを踏まえて検証
を継続し、実施案を策定する。また、現在協会ホームページとインターネット検索シス
テムと広告業務支援システムは独立しているため、この3つのサイトを統合し、会員社
がワンストップで必要な情報を効率的に得ることができるサービスの提供を目指す。
2.調査・審査能力の向上
課徴金制度を開始させる改正景品表示法が平成28年4月1日に施行され、不当表示規
制が強化された。また、昨年4月にスタートした食品の機能性表示についても、消費者
庁では制度開始2年後を目途に施行状況を検討し、必要な措置をとっていく方針を打ち
出している。広告表示に影響を与える重要な法令の変更は、当協会の日々の調査・審査
業務に直接に関連するため、調査部・審査部員の能力向上が欠かせない。広告の適法性
の見極めに必要な調査・審査関連知識習得のために、内部研修や外部セミナーを積極的
に活用し、迅速適切な調査・審査能力を向上させていく。
3.会員社研修会、媒体連絡会の開催
会員の媒体社と広告会社両方を対象とする会員社研修会を4回、媒体社を対象にした
媒体連絡会を3回開催する。
会員社研修会では、法改正や時事性が高く問題広告が多く見受けられる分野に関わる
テーマと適切な講師選定を行い、会員の情報ニーズに応える。
媒体連絡会は、会員媒体社の審査業務に直結するテーマを選定し、実務に役立つこと
を主眼に企画・実施していく。
4.関係官公庁・団体との連携強化
広告表示に関わる官公庁や団体との良好で緊密な関係の維持は、当協会の活動の要諦
のひとつである。広告適正化連絡会では、関係官公庁や団体の出席を得て、問題広告、
消費者トラブル、関連法令の適用や解釈等について情報交換を行う。
消費者行政や広告表示、悪質商法の最新動向、法令違反の広告について定点確認でき
る機会として開催する。
5.広告審査基礎講座の充実
年に2回開催する広告審査基礎講座は、6月は一日、10月は午後半日の講習によって、
広告表示関連法令に関して、会員社の社員が基礎的な知識を得られることを目的に企
画・実施する。法令の条文を平易に説明すると同時に、当該法令に触れた広告実例を示
し、実践的な研修機会を提供する。
6.協会の社会的役割の啓蒙と情報発信
広告主、媒体社、広告会社に対し広告の事前調査・審査を通じて当協会と連携する意
義をさらに訴求していくことに取り組んでいく。同時に会員社とともに公正適切な広告
活動を支えている当協会の社会的役割に対する認知・理解を広げる。広告業界のみなら
ず官公庁、各種団体、教育機関等に対する情報発信も強化し、啓蒙活動を進めていく。
7.設立45周年記念事業~一般向けセミナーの実施
調査・審査業務を通じて問題広告の発生を事前に防ぎ、消費者を保護することに貢献
する広告自主規制団体として、会員社以外に向けた情報発信・啓蒙活動に取り組む。上
記6の取り組みを通じた当協会の果たす社会的役割や活動意義を、一般の消費者や非会
員企業に向けて発信する。設立45周年にあたる今年度は東京で実施予定、公益財団移
行5周年となる来年度以降には札幌・名古屋・福岡で開催していく計画。問題広告とは
どのようなものか、消費者はどのような点に注意したらいいのか等をわかりやすく説明
するセミナーを行い、社会経済の健全な発展、国民の生活向上に寄与する当協会の認知
度向上を図る。