特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める意見書 先の臨時国会に提出されたこの法案は、衆議院で法案審議中に行われた福島での 地方公聴会でも公述人全員から反対や慎重審議を求める意見が相次いだにもかか わらず翌日の衆議院特別委員会で強行採決をされたことは極めて遺憾であります。 又、参議院で強行採決された後の世論調査でも「廃止・修正」を求める国民の声は 8割を超えています。特に本県では政府が東京電力福島第一原発事故の衛星画像を 『秘密保全』を理由に情報公開せず、事故の対応に活用されなかったばかりか、我々 浪江町民が無用な被ばくをするなどの問題が明らかになっています。 この法律にいう「特定秘密」には、防衛、外交、安全脅威活動の防止、テロ活動 の防止の4つの分野が指定されています。しかし、指定される秘密情報とは「我が 国の安全に関する重要な情報」とされており、秘密の対象とその範囲、秘密の指定 期間、第三者機関による秘密監視機関の設置など、国民的議論をふまえ慎重に判断 すべきとの指摘がなされています。 これまで日本弁護士連合会や、多くの学者文化人、マスコミは勿論、各界各層の 国民が、知る権利や報道の自由など、基本的人権を侵害する恐れがあることから法 案への反対や不安の立場を明らかにしています。 しかしながら、国会の審議では懲役10年などの厳罰主義の根本的見直しや、プ ライバシーを侵害しないための公平な第三者によるチェック機関の設置、国家安全 保障と情報の権利に関する国際原則(ツワネ原則)との整合性の検討など慎重審議 が求められていたにもかかわらず、強行採決で本法案を成立させたことは国会の汚 点であり、民主主義の冒涜であります。これから我が国が進むべき道は、国民のデ モをテロと同一視するような独裁権力集中のファッショ政治ではなく、徹底した情 報公開であり、情報統制を助長する法案の制定ではないと考えます。 よって国会及び政府は、下記事項について措置されるよう強く求めるものです。 一、特定秘密の保護に関する法律は、国民の声を十分にふまえ廃止すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。 平成25年12月18日 福島県双葉郡浪江町議会 (提出先) 衆 議 院 議 長 様 参 議 院 議 長 様 内 閣 総 理 大 臣 様 内 閣 官 房 長 官 様 法 務 大 臣 特定秘密保護法担当大臣 様 様
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