DC53

DC53
SKD11より優れた靭性、強度をもつ汎用冷間ダイス鋼
特 長
■高温焼戻し
(520∼550℃)で、61±1HRCの高
硬度が得られ強度、耐摩耗性の点で優れた性能を
発揮します。
■SKD11の約2倍の靭性を示し、割れ、欠けのトラ
ブル防止と寿命向上が期待されます。
■炭化物の微細化により被切削性、被研削性とも優
れていますので加工の点で有利です。
■高温焼戻しにより残留応力が軽減されますので、
ワ
イヤ放電加工による高精度加工ができます。
■焼入れ性を改善した合金設計になっておりますか
ら真空熱処理に最適です。
品 質 特 性
■焼入焼戻し曲線
■硬さと衝撃値
60
64
62
60
58
56
DC53 1040℃ 空冷
DC53 1030℃ 空冷
DC53 1020℃ 空冷
SKD11 1030℃ 空冷
52
(試片寸法:φ30×10mm)
54
焼入れ
のまま
200
300
400
cm2
30
3
20
2
10
1
cm2
10Rノッチ試験片
500 520 540 560 580
56
58
DC53
(180∼300℃)
DC53
(520∼560℃)
SKD11
(180∼300℃)
SKD11
(500∼540℃)
60
62
硬 さ
(HRC)
■回転曲げ・疲労強さ
(1000)
100
+0.05
80
(800)
長さ方向
mm2
mm2
DC53
熱処理1030℃、520℃(2回)63HRC
SKD11
熱処理1030℃、520℃(2回)59HRC
SKD11
熱処理1030℃、200℃
61HRC
︶
直径方向
(600)
試片寸法
φ20×50mm
品質特性
−0.10
焼入れ
のまま
100
200
300
400
500
600
105
焼戻し温度
(℃×1h×2回)
比重(g/cm3) 7.87
熱伝導率 600℃
W/m・K 26.0
熱膨張係数 20∼500℃
-6
×10 /K 13.2
ヤング率
5
2
×10 N/mm 2.13
︶
0
︵kg・f/
120
応力振幅︵N
変
寸
率 ︵%︶
(1200)
+0.10
−0.05
282
4
焼戻し温度
(℃×1h×2回)
DC53 1030℃ 空冷
SKD11 1030℃ 空冷
+0.15
40
0
■熱処理変寸率
+0.20
5
︵kgf・m/ ︶
シャルピー衝撃値 ︵J/ ︶
硬
さ
︵HRC︶
50
6
〔焼入温度 1030℃〕
106
繰返数(N)
焼なまし硬さ ≦255HB
60
107
DC53
■微細・均一なミクロ組織
■目的・用途に応じた熱処理サイクルの選定
用途・目的
DC53
SKD11
焼入れ(℃)
焼戻し
目標硬さ(HRC)
一般的用途
(SKD11と同一の熱処理サイクル)
180∼200
500∼550
60∼62
60∼63
強度重視
(摩耗・ヘタリ・かじり・疲労強度対策)
520∼550
62∼63
靭性重視
(割れ・折損・チッピング)
200∼350
59∼62
1020∼
350∼510
1040
59∼62
放電加工・ワイヤ放電加工
トラブル対策
500∼550
60∼63
経年変化対策
500∼550
+400
60∼63
PVD処理の前熱処理
520∼550
62∼63
熱処理変寸対策
■ワイヤ放電加工精度
熱処理条件とワイヤ放電加工後の歪量との関係
SKD11
焼 入 れ
焼 戻 し
硬さ(HRC)
1030゜C×2hr 真空ガス冷 520゜C×3hr 520゜C×3hr 空冷
62.6
〃
〃
530゜C×2hr 520゜C×2hr 空冷
62.2
〃
530゜C×2hr 520゜C×2hr 空冷
59.4
〃
サブゼロ(−80゜C)180゜C×3hr
61.2
200
歪 量
40
(加工形状・寸法)
a
f
c
b
30
(μm)
d
e
e
d
a=140.0mm
b= 62.5
c= 20.0
d= 20.0
e= 17.0
f=スタート穴=O
ファイバー方向
DC53
40
20
10
0
200
a
b
c
d
e
測定位置 (加工形状図参照)
f
■被切削性と被研削性
ドリル工具寿命
研削性比較
(円筒研削)
70
50
DC53
研
削
比
20
10
5
1
50
試験片研削
容積
砥石
摩耗容積
試験条件
工具:SKH51φ10テーパーシャンクドリルα=118°
送り:0.15/rev
穴深さ:30
(止まり穴)
切削油:なし
寿命判定:工具溶損
DC53 (211HB)
SKD11
(207HB)
70 100
300
500 7001000
切削長 (mm)
2000 3000
8
6
4
品質特性
切削速度V
︵m min︶
30
焼入れ焼戻し
(62HRC)
SKD11 焼入れ焼戻し
(61HRC)
2
0
テーブル送り(mm/min)
周 速 (m/min)
6.9
10.4
6.9
10.4
切込み深さ (μ/回)
×
研 削 回 数( 回 )
5
×
20
5
×
10
10
×
35
5
×
40
1300
2600
283
DC53
高温焼戻しをした場合、残留オーステナイトの分解反応に伴う経年変化が問題になる場合は「安定
化処理」追加により、経年変化を極小に抑える事ができます。
経年変化処理:安定化処理
■高温焼戻しの場合経年変化(寸法膨張)が生じま
す。
(SKD11も同様に経年変化が生じます)
■安定化処理の実施で経年変化が極小に抑える事が
できます。
■サブゼロ処理(−70∼−196℃)では経年変化を
完全に防止ができません。
■低温焼戻しでは経年変化が生じません。
安 定 化 処 理
■焼入れ処理
■高温焼戻し
1030℃
■安定化処理
530∼540℃
(2回)
400℃
+
GC
■530℃経年変化
1030ー530ー530 62.9HRC
100
80
40
20
mm
20
80
60
60
40
0
−20
0
0
50
100
経過時間
(日)
150
0
50
100
経過時間(日)
150
200
■低温焼戻し
1030ー
(ー196)
ー530ー530 61.2HRC
100
80
40
ミクロン/300
80
mm
20
mm
20
60
0
1030ー180ー180 61.0HRC
100
ミクロン/300
品質特性
284
−20
200
■サブゼロ処理
−20
1030ー530ー530ー400 62.4HRC
100
ミクロン/300
ミクロン/300
mm
■400℃安定化処理
60
40
0
0
50
100
経過時間
(日)
150
200
−20
0
50
100
経過時間(日)
150
200