ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞

─世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている─
若手女性科学者の育成を支援する、日本ロレアルの社会貢献活動
2010 年度 第 5 回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」
受賞者 4 名、特別賞・宇宙飛行士 山崎直子氏決定
<報道資料>
2010 年 8 月 23 日
世界最大の化粧品会社ロレアルグループ(本社:パリ)の日本法人である日本ロレアル株式会社(本社:東京都
新宿区、代表取締役社長:クラウス・ファスベンダー)は、『世界は科学を必要とし、科学は女性を必要としている』を
キーメッセージに掲げ、2010 年度 第 5 回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の受賞者を、物質科学
分野から 2 名、生命科学分野から 2 名決定し、本日 8 月 23 日、六本木アカデミーヒルズ(東京)で発表および
授賞式を行いました。
「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」は、日本の若手女性科学者が、国内の教育・研究機関で研究活動を
継続できるよう奨励することを目的として、2005 年 11 月、日本ロレアルが日本ユネスコ国内委員会との協力の
もと創設しました。対象者は、物質科学、生命科学の分野で、博士課程(後期課程)に在籍または、博士後期
課程に進学する予定の女性科学者で、受賞者には、それぞれ賞状と奨学金 100 万円が贈られます。候補者の募集
は、2009 年 11 月 16 日から 2010 年 2 月 28 日まで、全国の大学や研究機関に対して推薦を募り、選考委員会により、
研究内容、専門知識、着想力など日本の未来を担う女性科学者としての可能性を総合的に評価しました。
また、今年は当奨励賞設立5周年を記念し、日本ユネスコ国内委員会と共同で「ロレアル-ユネスコ女性科学者
日本奨励賞―特別賞」を設立し、宇宙科学の発展への功績を称え、JAXA宇宙飛行士・山崎直子氏が授賞しました。
山崎氏は今年スペースシャトル ディスカバリー号に搭乗し、結婚・出産を経験しながらも継続的な研究を続け、未来
の女性技術・研究者のロールモデルの1人と言われています。日本ロレアルは今後、より多くの若い女性科学者が
研究を継続できるよう支援するとともに 、若い世代に科学の楽しさやキャリアとしての 無限の可能性を伝え、
主要な社会貢献活動として積極的に推し進めていきます。
日本奨励賞の受賞者は以下の 4 名です。 (詳細は、参考資料 2-5 を参照)
■物質科学
富永 依里子(とみなが・よりこ) (26 歳) 京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 設計工学専攻
研究分野 : 電気電子材料工学、半導体工学
研究内容 : 周囲温度の変化に対して発光波長が変動しない光通信用半導体レーザの開発
― 一般家庭において、より高速かつ大容量な光通信の実現に貢献
中村 優希(なかむら・ゆき) (24 歳) 東京大学大学院 理学系研究科 化学専攻
研究分野 : 物理有機化学、触媒反応化学
研究内容 : 炭素−フッ素結合の活性化による新規合成反応の開発とナノサイエンスへの応用
― 抗がん作用を持つ新しい医薬や、高い発電機能を持った有機太陽電池の設計への応用に貢献
■生命科学
野澤 佳世(のざわ・かよ) (25 歳) 東京大学大学院 理学系研究科 生物化学専攻
研究分野 : 構造生物学
研究内容 : 22 番目の新規アミノ酸ピロリジンのタンパク質組み込み機構の解明
― 医療・工業に有用な新規タンパク質合成技術開発に貢献
依田 真由子(よだ・まゆこ) (28 歳) 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディカルゲノム専攻
研究分野 : 生化学
研究内容 : small RNA の作用メカニズム~small RNA 医薬品の実用化に向けて~
― 癌などの疾患に対する small RNA の機能を利用した新しい医薬品開発に貢献
「ロレアル‐ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」選考委員会
物質科学
生命科学
白川英樹 (日本ユネスコ国内委員会委員)
筑波大学名誉教授 (高分子化学・物質科学)
2000年ノーベル化学賞受賞
小林 昭子 日本大学文理学部化学科教授、東京大学名誉教授 (物理化学)
2009年「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」受賞
川合 眞紀
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 (表面化学)
理化学研究所理事
北原 和夫
国際基督教大学教授 (統計力学)
山本 嘉則
東北大学大学院 理学研究科教授 (有機化学)
岡崎 恒子
名古屋大学名誉教授 (分子生物学)
2000年「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」受賞
永田 和宏
京都産業大学教授、京都大学名誉教授 (細胞生物学)
御子柴 克彦 理化学研究所 脳科学総合研究センター (神経生物学)
グループディレクター
黒木 登志夫 日本学術振興会学術システム研究センター副所長 (細胞生物学)
東京大学名誉教授
中西 友子 (日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会)
東京大学大学院農学生命科学研究科教授 (放射線植物生理学)
ステファン・オルティス
日本ロレアル研究開発センター所長
ロレアルグループおよび日本ロレアル
ロレアルグループについて(www.loreal.com)
1909 年にパリで化学者ウージェンヌ・シュエレールによって設立され、世界 130 ヵ国・地域で事業を展開し、65,000 人の
従業員を擁する世界最大の化粧品会社です。「ランコム」「シュウ ウエムラ」「キールズ」「イヴ・サンローラン」「ロレアル パリ」
「ロレアル プロフェッショナル」「メイベリン ニューヨーク」など、23 の主要ブランドをグローバル規模で展開。また、創立当初
から女性研究者を積極的に登用しており、現在約 3,300 名の研究者のうち 55%を女性が占めています。
社会貢献活動においては、2007 年 10 月、より良き企業市民を目指すべく、3 本柱である「科学」「教育」「連帯」分野の
活動を支援する「ロレアル財団」を創設。「科学」ではユネスコとの協力のもと「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」を通じて、
約 1,000 名の女性科学者を世界的に支援、「教育」では、ユネスコと「美容師とともに行う HIV/エイズ予防教育活動」を、
「連帯」では、女性癌患者の自信回復のためのメイクアップや「国境なき医師団」とともに戦争や病気、栄養失調などで
傷ついた外見を再生するプログラムを支援しています。
日本ロレアルについて (www.nihon-loreal.co.jp)
1963 年から事業を開始し、1996 年に日本法人である日本ロレアル株式会社が設立されました。2,500 人の従業員を擁し、
化粧品の輸入、製造、販売、マーケティングを行っています。現在、上記のブランドを含め 17 のブランドを展開しています。
また、ロレアルグループの 3 大創造拠点の一つとして、「日本ロレアル研究開発センター」(川崎市高津区)を置き、日本、
アジア、グローバル向けの製品開発を行っています。160 名以上の研究者のうち、女性研究者は 62%を占めています。
社会貢献活動においては、2005 年に創設され、生命・物質科学分野における若手女性科学 者を支援する奨学金
「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」のほか、2008 年より、日本ユネスコ国内委員会と共に、「美容師とともに行う
HIV/エイズ予防教育活動」を新たに展開しています。2009 年、ロレアルグループ創立 100 周年を機に、「100 LOVE
HANDS」 プロジェクトを発足し、女性癌患者の方や難病のお子さんを抱えるお母さん 方にハンドマッサージなどの
“タッチセラピー”を実施しています。
ユネスコおよび日本ユネスコ国内委員会
ユネスコについて (www.unesco.org)
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は、本部をパリに置き、諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じ、国際
平和と人類の福祉を促進することを目的とした国際連合の専門機関です。2010 年現在の加盟国数は、193 ヵ国、また、
世界 52 ヵ所に地域事務所を置いて活動を展開しています。
日本ユネスコ国内委員会について (www.mext.go.jp/unesco/index.htm)
ユネスコ憲章に基づき、加盟国はユネスコ国内委員会を設置しています。日本では「ユネスコ活動に関する法律」に
基づき、文部科学省の特別の機関として日本ユネスコ国内委員会が設置されています。日本ユネスコ国内委員会は、
教育、科学、文化等の各分野を代表する 60 名以内の委員で構成され、日本国内におけるユネスコ活動の基本方針の
策定、ユネスコ活動に関する助言、企画、連絡及び調査等の任務を行っています。会長は田村哲夫 学校法人渋谷教育学
園理事長です。事務局は文部科学省に置かれ、文部科学省国際統括官が事務総長を務めています。