高校生のための「超」教養講座 Vol.13 「メディア・リテラシー概論 ∼メディアを活かす人間になるためのヒント」 明治大学国際日本学部 蟹瀬 誠一 教授 1950 年石川県生まれ。上智大学文学部卒。米国 AP通信社記者、フランス AFP 通信社記者等を 経て、91 年TBS『報道特集』のキャスターに。 2004 年、明治大学教授に就任。2008 年からは 新設された「国際日本学部」の学部長を努める。 テレビに雑誌、新聞、インターネットにケータイサイト・・・・・・私たちの周囲に は、さまざまなディアがあふれ、それらを通じて大量の情報がもたらされてい ます。しかし、それらは正しい情報ですか? 何らかの意図をもってつくられ たものではありませんか? メディアの発達は、さまざまな問題を私たちにも たらしています。具体的には、 「私たちは情報に踊らされる」ようになっていま す。ナチス時代のドイツがその典型ですが、 「私たちは情報に操作される」危険 性も捨て切れません。実は、ネット技術の進歩によって、そうした懸念はます ます強まっています。どうすれば、メディアを活かし正しい判断ができるよう になるのでしょうか。そのためのヒントやテクニックを、ジャーナリストとし てマスコミの世界でもご活躍の明治大学・蟹瀬誠一先生にご講義いただきます。 Chapter1 Chapter2 Chapter3 Chapter4 変容する私たちの情報環境 マスメディア依存の現代人 インターネットは15分以上見るな 変化の時代でも変わってはいけない価値がある Chapter1 変容する私たちの情報環境 第1章では、メディアの歴史を見ていきます。声から文字に、そして印刷術へ (ここで、マスメディアが誕生) 。さらに、電話、テレビ、インターネットへと 発達していきます。とくに、近年の情報環境の変化は劇的です。しかし、それ にともなって、さまざまな問題も生じています。情報環境の変化は、私たちの 暮らしや考え方にも影響を与えるようになったのです。それだけに、どんな問 題があるのかを認識することは、とても重要になります。 Chapter2 マスメディア依存の現代人 では、具体的にはどのような問題が、メディアの発達とともに生じているのか。 まずは、私たちは「イメージで行動する」ようになってしまった。次に、 「情報 に踊らされる」ようになった。もっと進めば、 「情報に操作される」危険にさら される可能性もあります(ナチス時代のドイツがその典型)。メディア論・社会 心理学の名著を紹介しながら、「メディアと人間」の問題点を見ていきます。 Chapter3 インターネットは15分以上見るな とても刺激的な題ですが、実際、多くの人がインターネット上で「これほんと?」 と疑問を感じる情報に接した経験があるでしょう。便利で役に立つインターネ ットですが、残念なことにインターネットの出現は、情報の信頼性を著しく低 下させてしまいました。インターネットには功の部分と罪の部分がある。しか も、罪の部分を無視しては、正しい行動や判断ができない。ここでは、罪を明 らかにしたうえで、蟹瀬流のインターネット活用術、さらには情報収集法をご 紹介いただきます。 Chapter4 変化の時代でも変わってはいけない価値がある 最後は全体のまとめ。とくに、テキスト・クリティーク(内容を批判的に分析 する力)の重要性が改めて強調されています。加えて、直感力を強めること、 誠実さや礼節・勇気などの価値観をも大切にすること。これらをしっかり実践 し磨くことで、正しい情報と間違った情報の見分けがつくようになるわけです。
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