『大陸の風に誘われて』 カナダ横断 サイクリングの旅 =文芸社 (’09.12.15 初版第1刷発行) = http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-08099-4.jsp 執 筆:岡本孝之(おかもとたかゆき) 1940 年(昭和 15 年〉 横浜市生 横浜市在住 趣 味:サイクリノグ 旅 登山 サッカー 横浜サイクリング・クラブ所属 著 書:「カナディアンロッキー・一周の旅 60 歳で挑戦 3000km サイクリング」:2005 年日本文学館刊 サイクリングの旅…を始めて 3 回目。 1 回目はカナディアンロッキーを回った後、バンクーバー島を縦断し、3 ヶ月で 3500 キロ走った。2 回目はロッキ山脈沿いにカナダからアメリカ合衆国に入り、イエローストーン国立公園を回った後、ワンント州まで、同じく 3 ヶ 月で 3200 キロ走った。 ・・・・・・ 過去 2 回の旅は、ロッキ-山脈に代表される北アメリカ大陸の大自然が中心だったので、今回は大陸をも っと広く見てみようと、カナダを太平洋岸から大西洋岸まで横断する旅を計画した。7000 キロ以上の長距 離となるためこれまで以上に長期の旅となるが、それだけにより多くの人達との交流もできると思う。 一度足った道は避けようと、出発点はパンクーバーより 800 キロ北の小さな港町プリンスルパートにした。 ・・・・・・ 過去 2 回の挑戦で、とりあえず長距離を走る自信はついた。とはいえ 7000 キロもの距瀦を走り切れるか どうかは、やってみなければわからない。 どのくらいの日数がかかるのかも計り知れないので、まずは余裕 をみて 5 ヶ月間と考え、5 月 31 日出発、10 月 24 日帰国の往復切符を買った。 さあ、出発! ・・・・・・・ 昼過ぎに地元のサイクリストと会い、「どこから来たのですか」「カナダを横断してここに・・・・」と答えると、 「おめでとう」と言って握手を求められた。まだ大西洋岸まで達していないのだが、ここまで来れば地元の 人からすれば横断したのと同じなのであろう。半分その気になる。 ・・・・・・・ 知らぬ間にハリファックスの市内に入る。コンテナー埠頭を右に見て坂道を上り、住宅街に入った頃には、 既に辺りは薄暗い。街の南外れにあるユースホステルに到着したときには、すっかり夜の帳が下りていた。 私の長い 長い大陸横断の旅は、今終わった。 1年前に構想を抱いた北アメリカ大陸横断を、ここ成し遂げたのだ。 3ヶ月半前に漕ぎ出したときは、 達成できるかどうか、まったく自信はなかったが、やはり 「なせば成る。なさねば成らぬ何事も」である。 長くもあり短くもある。太平洋側の小さな町を発った 6 月 2 日が遠い昔のように思えるし、つい先日のよう にも思える。ロッキ-の山々、穀倉地帯の大平原、森と潮の大地、ヨーロッパ人が切り開いた街々、セントロー レンス川、赤土のプリンス・エトワート島・・・ ここにたどり着くまでに見てきた数々の自然と、出会った人々が、 走馬灯のように意の中を駆け巡る。 自宅に電話を入れ、無事横断できたことを伝え、喜びを共にする。 でも目の前には喜びを分かち合える仲間はいない。乾杯する相手もいない、一人旅はやっぱり寂しい。 でも一人味わう達成感もまた良し。静かに喜びと充実感を噛みしめ、自己満足に浸る。 1 大陸の風に誘われて カナダ横断サイクリングの旅 ∼ 風に誘われ 風と語り 風に歌う ∼ = 目 次 = 第 1 章 ロッキ−山脈を越えて 1 2 3 4 5 太平洋岸の小さな港町からスタート 人里離れて山奥へ キャンプ場で熊と遭遇 熊に追われて ロッキ一山脈の盟主ロブソン山と再会 第2章 豊穣の大平原をゆく 1 2 3 4 5 6 7 ∼オンクリオ州 西部/中部∼ とうとう大陸の東半分に突入 伴走車を従えて横断するサイクリストたち 再び熊の縄張りへ 五大湖・スペリオル湖に到達 森の中で一人野宿 狼の群れに遭う ヒューロン湖の北岸を行く 第4章 カナダの歴史舞台を走る 1 2 3 4 5 6 7 ∼アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州∼ 今年もローター家でお世話に 天国から地獄へ サイクリングの醍醐味を満喫 ロッキ-で出会った母娘を訪問 カナダ建国記念日に招待される 危険人物と間違えられる 州都ウィニペグで 「くまのプーさん」 と会う 第3章 森と湖の国 1 2 3 4 5 6 7 ∼ブリティシュ・コロンビア 州∼ ∼オンタリオ州・東部 ケベック州∼ 見知らぬおじさんと一晩を 若い女性から朝食に誘われて 北アメリカ大陸大停電に巻き込まれる オタワ刑務所出所後、すぐにパトカーに捕まる 第2のフランス、ケベック州 (モントリオール) 女性サイクリストと一緒に (ケベック・シティ) 憧れのセントローレンス河畔を走る 第5章 大西洋沿岸に入る ∼ニュー・ブランズウィック州 プリンス・コウドワード州 ノバ・スコシア∼州∼ 1 Hなところでお世話になる 2 世界一大きい潮位の差 (モンクトン) 2 赤毛のアンの島 (プリンス・エドワード島) 4 横断達成!ハリファックス到看 5 タイタニック号避難者を弔う 第6章 再会の旅 l 2 3 4 5 ∼ハリファックスからパンクーバーヘ∼ 先生に叱られて ナイアガラの滝で喉につかえた刺が取れる 往路で出会った家族と再会 (トロント キッチナ-) 永遠の別れの抱擁 (エドモントン) 自転車との別れ (パンクーバー) * ツアー暦:退職後、海外サイクリングの旅を始める 2001年:カナダ・ロッキ-山脈周回等(3500km 走行) 2003年:カナダ(北アメリカ)大陸横断(7100km) 2005年:ニュージーランド(2800km)・ハワイ(800km) 2007年:中、東ヨーロッパ(3800km〉 2 2002年:カナダ∼アメリカ・ロッキ-山脈縦断(3200km〉 2004年:オーストラリア (4000km) 2006年:西ヨ−ロッパ(4200km) 2008年:英国、北∃一ロッパ(3600km)
© Copyright 2024 Paperzz