第4学年1組 社会科学習指導案 平成25年5月30日(木)5校時 授業場所 4年1組教室 授業者 林 和寛 児童数 男子19名 女子18名 計37名 1 単元名 安全なくらしを守る 2 単元について 「事故や事件をふせぐ」 (1)児童の実態 本学級の児童は全体的に元気よく、学習に対する態度もおおよそ積極的である。また、学習問題に対し て確信がもてなくても発表することに挑戦したり、自分の思いを述べたりすることにも慣れてきた。しか し、調べ学習やグループでの話し合いには積極的であるものの、役割を自覚したグループ活動などの学習 には不十分さが見られる。また、考えを発表するものの、根拠に乏しいことも多い。 (2)指導観について 本単元では、交通事故や犯罪から人々の安全を守るために、警察署が中心となって、市役所や企業、店 舗、地域の自治会やボランティア団体などの市民が協力、連携して交通安全運動や防犯活動をしているこ とや、地域では事故防止や防犯のための様々な工夫がされていること、事故や犯罪の発生時には、警察署 が中心となり、関係機関と連携して事故や事件の処理・捜査に当たっていることなどを学習する。 その中で、特に、警察署だけでなく、日頃から様々な人たちが交通事故の防止と防犯のための活動を行 い、協力したり共に助け合ったりして地域の安全を守っていることを重点的にとり上げる。なぜなら、多 くの人々が安全で安心なまちになることを願い、そのために努力や協力をし合っていることを自分の生活 と関連付けてとらえることが、本単元における地域の一員としての自覚をもつことにつながるからである。 そこで、本単元では、まず、警察署が地域の安全を守っていること(公助)や、地域の人たちが地域の 安全を守るために協力していること(共助)を自分の生活と関連付けてとらえさせる。その上で、それで も交通事故や事件が起きている原因を考えることを通して、自分の安全は自分で守ること(自助)の大切 さに気付かせ、自分の事として安全で安心なまちづくりについて考えられるようにする。多くの子どもは、 地域の安全を守っているのは、警察署であるととらえている。そのような子どもに、警察署だけでなく、 地域の人たちを始め、ボランティア団体や企業、店舗、市役所など、様々な人たちが協力して、市全体で 安全で安心なまちづくりをしていることをとらえさせたい。そして、それらの活動を行っている人たちの 願いや、活動の目的を知ることを通して、自分の安全は自分で守るという地域の一員としての自覚をもて るようにする。そのために、自分の身近な生活場面での気付きを大切にすることで、多くの人々が安全で 安心なまちになることを願い、そのために努力や協力をし合っていることを、自分の生活と関連付けてと らえられるようにする。また、本単元の学習を通して、『根拠を明確にして意見を述べること』について も身につけられるようにしたい。 (3)教材構造図について(学習指導要領より) 支える具体的内容 ア 内容(4)ア・イ 関係機関は地域の人々と協 力して,災害や事故の防止に努 学習内容(4)のア・イを めていること。 学習指導要領 具体的内容を学習するために取り上げる社会的事象 地域 の防犯活動 や施 ・地域の人やPTAの活動 設・設備 ・地域の安全施設・設備 ・子ども110番の家 安全を守るための活動 ・交通安全協会の活動 ・交通安全教室 ・自転車免許講習会 安全を守る法やきまり ・登下校のきまり ・交通事故防止のための法やきまり イ 関係の諸機関が相互 に連携して,緊急に対処す る体制をとっていること。 3 ・警察官の事故処理と交通整理 交通事故の処理 ・救急隊員の救助活動 ・110番通報 緊急時の連絡体制 ・通信司令室からの連絡経路 関係の諸機関との連携 ・警察、消防、交番、パトカー、白バイ、交通管制セ ンターとの連絡、連携 研究主題に迫る手だて 【研究主題】 自信をもって自分の考えを表現し、学び合う児童の育成 ~言語活動を重視した学習活動の工夫~ 柱1 体験・経験を重視した学習問題の設定 柱2 自分の考えを整理・表現するための『書く』活動の工夫 柱3 自分の考えを深めるための『伝え合う』活動の工夫 【柱1 体験・経験を重視した学習問題の設定】 実際に起きた児童の交通事故と事件の件数を提示し、疑問の焦点化による学習問題の設定。 ・事故件数の推移から、児童の考えや予測を短冊に書いて分類することで焦点化していく。 【柱2 自分の考えを整理・表現するための『書く』活動の工夫】 資料から読み取った事柄を整理し、表現しやすくするためのワークシートの工夫。 ・新聞記事を読む際の視点をワークシートに示し、整理しながら書くことができるようにする。 【柱3 自分の考えを深めるための『伝え合う』活動の工夫】 事故や事件を減らすために働く、警察署や地域の人々の活動を調べ交流する際に、相手に分かりや すく伝えるために図や絵を用いて説明する、イメージの視覚化。 ・自分の考えを分かりやすく説明するために、人々の活動一覧や設備の写真などを用いて説明する。 4 単元の目標と評価規準 (1)目標 警察署は地域の人々と協力して事故の防止に努めていることや、関係の諸機関が相互に連携して緊急に対 処する体制をとっていることを見学、調査したり、資料を活用したりして調べ、人々の安全を守るための関 係諸機関の働きとそこに従事している人々や地域の人々の工夫や努力を考える。 (2)評価規準 社会的自称への 社会的な 社会的事象についての 観察・資料活用の技能 関心・意欲・態度 思考・判断・表現 知識・理解 ①人々を事件や事 ①人々を事件や事故から守 ①地域の人々を事件 ①地域の人々を事件や事故 故から守るための るための諸活動から学習 や事故から守るた から守るために関係機関 評 諸活動に関心を の問題を見いだしている。 めのしくみや人々 と地域の人々が互いに協 もち、それを意欲 ②学習問題を追求・解決し、 の働きなどについ 力していることや、関係 価 的に調べている。 関係機関の働き、そこに て、警察署を見学・ 機関に従事している人々 ②地域社会の一員 従事している人々や地域 聞き取り調査した や地域の人々が様々な工 として人々の安全 の人々の工夫や努力、協 り、 資料を活用した 夫や努力をしているこ 規 を守る活動に取り 力について思考・判断し りして調べ、作品な と、それらの諸活動は地 組もうとしている。 たことを言語などで適切 どにまとめている。 域の人々の安全な生活の 準 に表現している。 維持と向上に役立ってい ることを理解している。 5 単元構想図 ①②交通事故処理や救助活動 ③さいたま市の交通事故と事故件数にかかわる疑問 【学習問題】 事故や事件をふせぎ、わたしたちのくらしを守るために、どんな人た ちが、どのようなくふうや努力をしているのだろう。 ④⑤⑥グループで調べる計画を立て、調べたことをもとに話し合う。 警察の仕事 交通安全協会の活動 地域の安全施設・設備 地域の人やPTAの活動 【学習問題の結論】 けいさつしょと地域のたくさんの人たちは、事故や事件をふせぐために、協力して安全のための しせつをつくったり、見回りをしたり、よびかけをしたりしている。 ⑦既習を基にした安全を守るための工夫や努力と、無くならない事故への疑問 【新たな学習問題 】~自分の生活に生かす~ 事故をなくすために、自分たちに何ができるだろう。 ⑧⑨事故の原因から、自分にできることを考え、話し合う。 【新たな学習問題の結論】 自分自身の安全は、交通ルールを守ることに加え、身の回りにある危険を知り、意識することで より安全にくらすことができる。また、そのことを家族や友達にも伝えることなどにより、自分も 地域の安全を守る一員として生活をしていきたい。 6 指導と評価の計画( 9時間扱い 〇は本時) 過 程 時 主な学習活動・内容 つ 1 1 交通事故処理の様子の写真か か ・ ら、交通事故について知る。 む 2 ・警察官の事故処理と交通整理 ・救急隊員の救助活動 2 〇指導上の留意点 ◇具体の評価規準【評価方法】 〇交通事故の惨たらしさよりも、そこで処理に 動く人々の姿に目が向けられるようにする。 主な資料 交通事故処理の 写真 〇「火事をふせぐ」の既習を生かして資料を丁 寧に読み取らせる。 交通事故が起きたとき、警察や救 〇今までの経験や、事故現場を目撃したことを 急車にどのように連絡がいくのか予 基に話し合いを進めるようにする。 想する。 〇しくみ図については、連絡の順序や協力体制 がよく分かるように児童への提示の仕方を 工夫する。 交通事故が起き たときの連絡の 3 交通事故が起きたときの連絡 〇事故処理のために真剣に、迅速に、協力して のしくみについて調べる。 動く人々の働きを理解させ、事故や事件から ・110番通報は通信司令室へ 地域を守っていることにも目が向くように ・通信司令室→警察、消防、交番、 する。 しく み 警察署の人の話 パトカー、白バイ、交通管制セ ◇人々を事件や事故から守るための諸活動に ンター 関心をもち、それを意欲的に調べている。 【関-① ノート】 3 1 交通事故発生件数等の統計資 〇事故件数が減少傾向にあることを知り、そこ 料から、交通事故について知る。 には火災を防ぐために多くの人々の努力や ての統計資料 ・交通事故の現状 工夫と同じように尽力する人々の存在と関 交通安全協会の 連づけて予想できるようにする。 役員さん ◇人々を事件や事故から守るための諸活動か ら学習の問題を見いだしている。 【思-① 発言 ノート】 【学習問題】 事故や事件をふせぎ、わたしたちのくらしを守るために、どんな人たち が、どのようなくふうや努力をしているのだろう。 2 グループで調べる計画を立てる。 〇これまでの活動を基に予想させ、調べる内容 <グループの例> A 警察の仕事 を具体的に考えるようにする。 ◇事故や犯罪から人々の安全を守る工夫や努 B 交通安全協会の活動 力について、問いや予想、調べる計画などを C 地域の人やPTAの活動 考え、記述している。 D 地域の安全施設・設備 【思-② ノート・発言】 交通事故につい 交差点安全対策 ワークシート 調 4 1 調べることについて確認する。 〇調べることを明確にし、方法やまとめ方を ・事故や事件を防ぐための仕事や取 選択してから取り組む。 べ ・ り組み ◇資料を活用し、事件や事故から人々の安全 る 5 ・事故、事件を防ぐための施設・設備 を守る工夫や努力についての情報を集め ・事故や事件にあわないためのルー て読み取っている。 ルや決まり 【技-① ノート】 関係諸機関や団 体の活動が分か るも の 交通事故を 防ぐ ための施設や設 備の写真 学区地図 ま 6 1 調べたことを基に、交通事故や事 件を防ぐためのくふうや努力につい て話し合い、学習問題の結論を導き 出す。 と ・ め ⑦ る ・ ・ 8 生 ・ か 9 す ◇地域の人々が、警察署と協力して、事故や 犯罪の防止に努力していることが分かっ ている。 【知-① ノート・発言】 ◇関係機関の働きや地域の人々の工夫や努 力、協力について思考・判断したことを適 切に表現している。 【思-② 発表内容、ノート】 関係諸機関や団 体の活動が分か るも の 【学習問題の結論】 けいさつしょと地域のたくさんの人たちは、事故や事件をふせぐために、協力して安 全のためのしせつをつくったり、見回りをしたり、よびかけをしたりしている。 2 平成16年までの事故件数推移 ○人々の働きにより、事故発生件数は減って を基に予想を立てたうえで、現在ま きていることを理解させる。 での事故件数の推移を知る。 3 新聞記事や映像から、まわりの 人々の努力だけではふせぎきれな いことに気づくようにする。 4 事故がなくならない原因を確認 し、新たな学習問題を考える。 ・事故から身を守るのは自分 〇減ってはいるものの、まわりの人々の努力 だけではふせぎきれないことに気づくよ うにする。 ◇学習内容から、より安全にくらすために必要な ことを考えることができる。 【思-① ワークシート・発言】 グ ラフ 新聞記事 映像 ワークシート 〇事故の原因が、自分たちの行動にあること に気づくようにする。 〇自分自身でも工夫や努力をしないと、事故 はふせぎきれないことを再確認する。 【新たな学習問題】 事故をなくすために、自分たちに何ができるだろう。 5 自分たちにできる工夫や努力を ◇調べたことから必要な情報を選んで、グラ 話し合い、学区の白地図にまとめた フや白地図、作品などにまとめている。 り、ポスターを作成したりし、学習 【技-① 白地図 作品】 についてまとめる。 ◇地域社会の一員として人々の安全を守る 活動に取り組もうとしている。 【関-② 発言 】 【新たな学習問題の結論】 自分自身の安全は、交通ルールを守ることに加え、身の回りにある危険を知 り、意識することでより安全にくらすことができる。また、そのことを家族や 友達にも伝えることなどにより、自分も地域の安全を守る一員として生活をし ていきたい。 学区の白地図 7 本時の学習指導( 7/9 ) (1)目標 事故から人々の安全を守る様々な工夫や努力がある一方で、それでも起きてしまう交通事故の原因を資 料や実体験から考え、新たな学習問題を立てることができる。 (2)展開 主な学習活動・内容 1 資料から、今後の事故件数に 〇指導上の留意点◇具体の評価規準【評価方法】 〇これまでの学習内容を想起し、とても多くの 資料等 既習事項をま ついて考え、予想する。 人々が安全を守るために、できる限りのことを とめた資料 ・警察署の仕事 していることを確認できるようにする。 ・地域の安全活動 ・本当に減り続けるのか 2 新聞記事を読み、記事を読ん でわかったこと、思ったことを 記述し、話し合う。 ・事故はゼロにならない 時間 5 〇なぜそう思うのか、理由を明確にして述べられ るように促す。 〇自分が考えたことを、新聞記事をもとに理由を 新聞記事 明確にして述べられるようにする。 25 ワークシート 〇事故の中でも、子どもが被害者になる事故は多 いことに気づかせるようにする。 ・子どもの事故は多い 3 事故の再現映像を見て、事故 が起きてしまう原因を考える。 ・不注意による事故 ・安全意識の低さによる事故 4 事故がなくならない原因を確 認し、新たな学習問題を考える。 ・事故から身を守るのは自分 〇事故はまわりの人々の努力だけではふせぎき れないことに気づくようにする。 事故映像 5 写真 〇映像と同じような体験がないか問い、身近な事 例であることを意識させるようにする。 〇事故の原因が、自分たちの行動にもあることを 写真 5 確かめてから学習問題を考えるようにする。 〇自分自身でも工夫や努力をしないと、事故はふ せぎきれないことを再確認する。 ◇学習内容から、事故が起きてしまう理由を考え ることができる。 【思-① ワークシート・発言】 【新たな学習問題】 事故をなくすために、自分たちに何ができるだろう。 5 今後の活動の見通しを立て、 本時のまとめをする。 〇単元の最終的な結論を導くことを伝え、次時の 見通しをもたせる。 5 8 備考 (1)板書計画 5/30(木) 事故の写真① 1 事故の数 2 事故についてわかること 事故の写真② 事故の原因 自分たちにもあるのか ・ もしれない!? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 【新たな学習問題】 事故をなくすために、自分たちに何ができるだろう。 ホワイトボード ・左右のかくにん 安全マップ 学区の地図 ・ルールを守る ポスター 登下校で見てくる ・気をつけて行動する よびかけ インタビュー 調べた内容の掲示 【学習問題の結論】 けいさつしょと地域のたくさんの人たちは、事故や事件をふせぐた めに、協力して安全のためのしせつをつくったり、見回りをしたり、 警察の仕事 まちのパトロール お祭りでのけいび PTAや地域の活動 交差点でのはたふり 交通安全のよびかけ 交通安全協会 交通安全教室 自転車の乗り方こうしゅう会 交通安全指導 交通安全パンフレット作り 地域の安全施設・設備 カーブミラー がい灯 ガードレール 地域安全マップ 道路標示 信号機 よびかけをしたりしている。 へっていく ふえていく 変わらない (2)資料 新聞記事 平成25年5月13日(木)朝日新聞 動画 交通事故の再現(スケアードストレート) グラフ 警視庁 交通事故発生件数の推移 1年ごと 1年おき H5から
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