使用済み割り箸の再資源化活動

平成 23 年度受賞活動の現在(2014 年)の状況
受賞者名
平
平成
成 2233 年
年度
度
環
環境
境大
大臣
臣賞
賞
「「「個
個
人
グ
ル
ー
プ
学
校
分
野
個人
人・・・グ
グル
ルー
ープ
プ・・・学
学校
校」」」分
分野
野
の
の継
継続
続状
状況
況
向井
哲朗
所在地
鳥取県米子市
受賞テーマ
『使用済み割り箸の再資源化活動』
1.
活動継続 あり
こどもたちが使用済み割り箸の回収・再資源化に取り組む姿は、リサイクル等資源の保全、森林資源の保
全等、地球温暖化防止活動を地域に広げる良い手段であり、地域住民の関心度も高く、住民の中に環境保
全意識が浸透している。 家庭で、学校で、地域で身近にできる環境教育実践の好事例となっている。
祭りでの割り箸回収
地域の割り箸回収ステーション
割り箸処理体験学習
2. 活動の広がり あり
一般家庭の割り箸、県内外の学校、企業、飲食店、ホテル、旅館、行政にまでその回収の輪が広がってお
り、全国各地で回収された使用済み割り箸は王子製紙のそれぞれの工場に搬入され、紙に再生している。
使用済み割り箸3膳でA4コピー用紙1枚かハガキ1枚に生まれ変わる。 しかし、日本の食伝統文化である
割り箸の使用を否定する取り組ではない。
王子製紙米子工場
王子製紙米子工場内割り箸リサイクル室
3. 活動の進化 あり
鳥取県米子市発の地球にやさしい活動の一つである。 この原動力と結成後25年の実績を持つ彦名地
区チビッ子パトロール隊の活動は、多くの地球を愛する心を持った子ども達を育ててきた。 割り箸の再資源
化運動は、「継続は力なり」のコンセプトのもと続けていく。 このクラブで育った子ども達により、「人づくり」と
「継続」の良い実践例として全国へ紹介することにより、更なる進化が期待される。
4. 今後の計画
この活動の大きな特徴として挙げられるのが、「継続」である。 使用済み割り箸の回収再資源化という身
近なテーマが、環境問題全般を考える素地をつくり、地球温暖化問題への理解も深めさせ、豊かな心を持
った環境を考えることができる「人づくり」へと「こころ育む活動」に発展している。 県内外の多くの学校等に
呼びかけ実践の輪をさらに大きくしていきたい。
5. その他
使用済み割り箸を回収し紙に再生する活動を通じてモノを大切にする、地球環境にやさしい心を持とうと
する活動である。 使用済み割り箸の回収・再資源化といった地球温暖化防止活動への理解に繋がり、多く
の地域住民と共に活動の輪を広げている。
1
【H23 年度 表彰概要】
同氏は、
「子どもも大人も身近な環境問題を五感で感じることが課題解決へ繋がる近道」との発想から、1990 年にこ
どもを中心としたエコクラブ「彦名地区チビッ子環境パトロール隊」を結成し、体験型環境学習の指導をしている。
同氏が、こども達との勉強会で質問された「教科書には緑が大切と書いてあるのに、おじさんの紙工場では森林破壊
しているの?」という問いかけは、全国で初めての試みでもあった、使用済みの割り箸を回収し、製紙工場で紙資源
として再利用する取り組みへと発展した。
社員食堂での割り箸回収がスタートしたのは、1994 年。翌年には、地元温泉旅館の協力を得て、温泉街の使用済み
割り箸を回収するシステムを構築した。米子市内の各郵便局やスーパー等に割り箸回収箱を設置してもらい、県内の
学校、企業、飲食店、行政へと回収の輪が広がった。3 膳の使用済みの割り箸で A4 コピー用紙が 1 枚か、ハガキ 1 枚
に再生される。また、2,500 膳ではティッシュボックス 15 箱に生まれ変わる。鳥取県米子市発のこの取り組みは、今
では全国運動として定着し、点から線、線から面の活動展開となった。回収当初から今日までに(1995 年~2011 年 3
月)、全国各地から送られてきた使用済み割り箸は、製紙会社全体(全国 9 工場で受入れ)で 6,200 トン。割り箸に含
まれる 1/2 相当の繊維分の 3,100 トンが、紙に再生されている。紙にならない残りの樹脂やリグニン等の木質部分は、
発電用ボイラーの燃料に利用されるため、その分の化石燃料が節約され、CO2 の発生が抑制され、地球温暖化防止にも
寄与するリサイクルになっている。
1999 年夏には「割り箸の夢とロマンの旅を語ろう」と米子市で『全国割り箸サミット』を開催、その後も 7 回米子
で開催、香川県高松市でも開催している。使い捨てされていた割り箸が紙に生まれ変わって再び役に立つという内容
が反響を呼び、ゴミの減量、資源保護、節約などの環境意識の啓発、教育面で大きな共感を得ている。割り箸回収運
動は「地球を救うために、いま私たちが誰でも身近にできること」として資源を無駄にしないライフスタイルとして、
社会に浸透しつつある。
使用済み割りばし再生と森のサイクル
子ども達が書いた PR ポスター
町内に設置している割り箸回収ボックス
来県したロシアの皆さんに体験学習の指導
2