二中PTA通信 −平成23年 12 月21 日− 子育てかわら版 編集・発行 第2号 二中PTA 会長 松田 佳子 子ども達により添って 心と耳をかたむけよう 言葉にしよう! カウンセリングルーム初訪問! みなさん、カウンセリングルームがどこにあるのか ご存知ですか? 中央の玄関から入って東側に進む とカウンセリングルームがあります。 「実際何をするのかよくわらない!?」「心の悩みの ある人が行くところ!?」と思っている方も多いのでは ないでしょうか? 私たちもそうでした。当日は会 長・副会長の3人でお二人の先生にいろいろお話を伺 ってきました。 カウンセリングルームの扉を 少し緊張しながらノック、出迎 えてくださった先生の優しそ うな微笑みにホッとしました。 お部屋は校庭からの日差しで とても明るく広々とした、静か カウンセリングルーム な落ち着ける雰囲気でした。 Q.カウンセリング・ルームではどんなことがで きますか? ・一人でも友達同士、もちろん保護者も気軽に相談で きます。 ・絵を描いたり、箱庭にミニチ ュアの人形や木などを置いて、 自由に自分の気持ちを表現する ことができます。 ・話しながらゆっくり気持ちを 箱庭 落ち着けたり、気分転換することもできます。 (相談ではなくても、おしゃべりやグチ、楽しかった ことや趣味の話などでもOKです。) ・一人ひとりのプライバシーを尊重するので、安心し て話すことができます。 ・病院やクリニックなど、他の専門機関への紹介もし ます。 Q.生徒からはどんな相談事が多いですか? ・対人関係について(友達と気まずい、グループに入 っていけない、グループから外された、友達と仲良く するにはどうしたらいいのか、家族とケンカしてしま った、部活でうまくつきあうにはどうしたらいい か・・・など) ・心と体の健康について(最近すごく疲れる、食欲が ない、なんだかテスト前に過剰に緊張する、よく眠れ ない、朝起きられない、やる気がわかない・・・など) ・勉強について(集中できない、頑張っているのに成 績が伸びない・・・など) ・進路について(自分のやりたいことがわからない、 自分が何に向いているかわからない、自分は将来どん な高校に進み、職業につきたいかわからない・・・など) カウンセラーの先生とは、個々を尊重し、ともに悩 み、ともに考え、ともに喜び、より充実した日々を送 れるように、お手伝いしてくださるのだと思いました。 あまり堅苦しく考えずに、だれにも話せず悩んだ時は 気軽に訪ねてみてはいかがですか? ちなみに当日は期末考査一日目、帰宅してきた子ど もにどのような声掛けをしたらいいのかなど思春期 の子供とのコミュニケーションの方法など取材に便 乗して相談してしまいました(^^ゞ スクールカウンセラーの お二人の先生を紹介します。 ・二中は今年で 2 年目 相談日 毎週木曜日 10:00 から 17:00 ・10 月から二中に。 相談日 毎週金曜日 8:50 から 17:20 カウンセラー室電話番号 042-382-3122 「ありがとうの連鎖」 スクールカウンセラーの先生より 今回は子育てという枠ではなく、人とどう関わって いくかという少し大きな枠でお話ししたいと思いま す。 人は常に誰かと関わりながら生きています。家族、 友達、職場の人など自分に身近であればあるほど、そ の関係がうまくいかなくなったときに感じるストレ スは強くなる傾向にあります。人間関係がうまくいか ないとき、みなさんはどのように対処していますか? これは私がOL時代の話です。営業事務をしていた のですが、自分なりにいろいろと気を配り、一生懸命 仕事をしているのに誰も認めてくれないし、感謝もさ れない。 「なんでだろう?」と悩んだり、 「どうせ誰も 分かってくれない!」と心の中で怒り、どんよりと重 たい毎日を過ごしていました。ずいぶんと長い間考え てたどり着いた答えは 自分が周りの人に感謝してい なかった ということでした。 次の日から私は同じ部署の人たちに「ありがとう」 を心がけて使うようにしました。するとおもしろいこ とに自分にも「ありがとう」が返ってくるようになっ たのです。今考えると私は「自分が正しい。分かって くれない周りがおかしい。 」と考え、周りが変化する ことを強く望んでいたのだと思います。でも、それで は何も変わりませんでした。 人を変えるよりも自分 が変わる方が、実は簡単で効果がある こんなことを 学んだ一件でした。 これは職場の人間関係に限った話ではないと思い ます。親子関係でも、夫婦関係でも同じことが言える のではないでしょうか?自分の思いを一方的に伝え るだけでは相手に受け入れられないものです。 どう したら相手に伝わるか をイメージして、話し方や言 葉の使い方を意識するだけでも、今までと違った関係 が築けるのではないかと思います。 そうは言っても、行き詰まった状態の時に自分で方 向転換するのは難しいものです。もしお子さんのこと で悩んだり、どうしたらよいか分からなくなったとき は、カウンセリングルームを利用してみてください。 一緒に考えて進んでいくパートナーとして、お手伝い させていただきます。 「思春期って?!」 スクールカウンセラーの先生より 小学生の頃はうるさいくらい寄っ てきて、甘えて何でも話してくれた のに、 「別にぃ」とか「うるせぇ」 とか言って何も肝心なことを話して くれない、家では仏頂面で不機嫌そ うにしていて、一体何を考えているのか分からな い ・・・・ 中学生 のお子さんとのつきあいはこん な感じで進んでいるのでしょうか。 もちろん友好的に仲の良い親子関係を続けていら っしゃる方も多くいらっしゃることでしょう。 どのような形であれ、 中学生 というこの時期、 子供の時代を締めくくり、大人時代の幕開けに備える 発達の節目に立って、子供たちはさまざまに過激で微 妙な反応、行動を繰り返していきます。それが「思春 期」なのです。 その第一歩は、急激な身体的成長に伴って第二次性 徴として現れます。性的衝動の高まりと性的関心の芽 生え、この両者が車の両輪のように展開していきます。 身体的には自分の意志とは無関係に、今までと違っ た身体感覚が生じ、上手くつきあえない感じが出てき ます。 性的関心、即ち性の心理学的、社会学的側面はジェ ンダーと言われ、 「女性であること」 「男性であること」 に深く思いを致すようになり、悩み、 「自分はどうみ られているのか」 「自分はどう振る舞ったらよいのか」 などについて考えるようになってきます。 おおむね自分の身体の発達に自信をもつことがで きるようになると、自分の力でやり遂げよう完成させ ようという気持ちが強くなり、自分の興味が向いた事 柄や趣味、スポーツ、そして勉強にも自発的積極的に 取り組むことができるようになってきます。 そして同世代の仲間に、あたかも追われているかの ような競争心を向け、そこに生じる緊張感や不安は予 想以上に高まっていきます。しかしそのような葛藤状 況の中で自らの力をつけ、成就感を得るとき、思春期 にある子供たちは確実に大人への階段を登り始めて いるのだと言えます。 今はいろいろな人に支えてもらっているけれど、や がては親から独立して自分の力で進んでいく、そのよ うな道筋を見通しながらも、自分だけではまだまだと いう思いもあり、しかし素直に親に頼るのははばから れ、勢い寡黙となり、親とは一定の距離を保つように して、自らの内面は見せず、内向きになり、秘密を抱 えているような態度を取ったりもします。「秘密」は 親の側からは心配なことでありますが、中学生が不安 や心配を抱えつつ、自分の中でそのしんどさに耐えな がら抱え続ける、そして内省を深めることにつなげて いけるのであれば、それはそれでなかなか素敵なこと であると思われます。 「私とは何か」 「私らしい、私にしか表現できない こととは」等、自分自身への関心が急速に進んでいき ます。このことがアイデンティティ(自我同一性)の 確立に向けての第一歩と言えるのです。 大人が絶対的な存在であった小学生時代とは異な り、中学生ともなると、大人を客観的に見つめるよう になり、思春期特有の潔癖さ、正義感で、大人のある 種のいい加減さ、それは柔軟性であったりもするので すが、また終始一貫していない矛盾点などを追求した りしてきます。さらに反発を強め、反抗したり、拒否 に及ぶこともあります。 このような「依存と独立の葛藤」が思春期の中でも 中学生期の最大のテーマであります。この「親離れ」 の儀式は、子供の思春期を大きく揺れ動かすと同時に、 親世代にとっての「子離れ」の儀式と表裏一体の関係 にあるといえます。 この時期親世代は、人生の中核期に至り、社会的に も重要な位置を占めて多忙を極め、様々な危機状況に さらされつつある、成熟期に向かう節目の時でもあり ます。 子供たちの揺さぶりが親世代に自身の思春期を思 い起こさせ、親自身が揺さぶられていきます。子供た ちの思春期に対して、成熟期に向かう(中年世代の) 「思秋期」と言われる状況といえましょう。 子供も親世代もよりよい次の時期を、子供たちは 「思春期」から「青年期」を、親世代は「成熟期」を 迎えられるよう、かかわりあい、ぶつかりあうことに よって影響し合うことが求められているように思わ れます。 最後に、カウンセラーの先生 に会ってお話を伺いたい!とい う私たちの急な申し出にも拘わ らず、快諾していただき本当に ありがとうございました。
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