科目名 金属材料工学

科目名
金属材料工学
英文科目名
担当教員
Engineering Materials
特任教授 恒川好樹
メール
講義コード
B5004101
開講学期
5
単位数
2
tsunekawa
授業の目的・方針
多くの金属、セラミックス、高分子そして複合材が、結晶または非晶質状態の単相または多相からなる材料として、さまざまな機械・
構造材料分野で利用されている。この講義では、構造材料の代表として金属を取扱い、その高強度化を実現するための具体的方法を
学ぶ。力学的性質の起源となる構成相の定量的解釈から始まり、ミクロ組織とその形成過程、塑性変形のメカニズムを理解した上で、
金属材料を高強度化する具体的方法を学ぶ。質問をするなど、積極的な講義への参画が内容の理解に重要な意味を持つ。
授業の達成目標(この授業科目終了時において達成すべき重要な目標)
①平衡状態図の意味を理解でき、任意の温度、化学組成における構成相を定量的に推定できる。
②核発生と成長、変態速度の支配的要因を理解する。
③拡散変態、無拡散変態によるミクロ組織形成過程の基礎を理解する。
④塑性変形とすべり変形機構の基本および塑性変形のし易さを理解する。
⑤固溶体強化、ひずみ硬化、析出硬化など材料強化のメカニズムを理解する。
ディプロマポリシーに基づく学習・教育目標〔対応する授業の達成目標〕
―
◎
(ⅰ)十分な工学基礎の知識を修得し、それを工学分野の学習、研究に適用する能力
(ⅱ)機械システム、電子情報および物質工学の各分野の基礎知識とこれらの内少なくとも1分野の専門
知識・技術ならびにそれらを応用する能力
〔
〕
〔①~⑤〕
―
(ⅲ)目標を把握し、解決策を立て実行する問題解決能力
〔
〕
―
(ⅳ)物事に対して幅広い見方、考え方ができ、技術者の果たすべき役割と社会的責任を理解する能力
〔
〕
―
(ⅴ)日本語による的確なコミュニケーション能力および英語による基本的なコミュニケーション能力
〔
〕
成績評価の方法〔評価対象となる授業の達成目標〕
定期試験 60%〔①~⑤〕
小テストと課題レポート 40%〔①~⑤〕
授業時間外の学習〔準備学習等〕および学習上の注意事項
・講義内容を理解するには授業への出席は勿論のこと、予習・復習が大切であり、授業中に質問するなど、自ら理解しようとする姿
勢が強く望まれる。当該講義内容に関係する小テストおよび課題レポートの作成を課す。
※履修しておくことが望ましい科目
なし
教科書
配布資料 [参考書(1)の内容を抜粋した資料]
参考書
(1) L. H. Van Vlack 著「Elements of Materials Science and Engineering (6th ed)」
(Addison-Wesley)1989 年 ISBN0201093146
(2) 佐久間健人、井野博満共著「材料科学概論」
(朝倉書店)2000 年 ISBN4254236913
(3) 渡邊慈朗、齋藤安俊、菅原茂夫共著「基礎材料工学」
(共立出版)1992 年 ISBN4320080688
授業計画
回
テーマ
内容
範囲(章、ページ番号)
1
相平衡 (1)
平衡相の化学組成
配布資料第 5 章
2
相平衡 (2)
状態図の定性的解釈
配布資料第 5 章
3
相平衡 (3)
状態図の定量的解釈
配布資料第 5 章
4
反応速度 (1)
均一核発生と原子拡散
配布資料第 6 章
5
反応速度 (2)
不均一核発生
配布資料第 6 章
6
ミクロ組織 (1)
結晶粒界
配布資料第 7 章
7
ミクロ組織 (2)
析出によるミクロ組織形成
配布資料第 7 章
8
ミクロ組織 (3)
共析変態によるミクロ組織形成
配布資料第 7 章
9
ミクロ組織 (4)
マルテンサイト変態、焼戻しマルテンサイト
配布資料第 7 章
10
塑性変形 (1)
転位の運動
配布資料第 8 章
11
塑性変形 (2)
塑性変形
配布資料第 8 章
12
塑性変形 (3)
変形機構
配布資料第 8 章
13
強化機構 (1)
固溶体強化
配布資料第 9 章
14
強化機構 (2)
加工硬化、回復・再結晶
配布資料第 9 章
15
強化機構 (3)
析出硬化
配布資料第 9 章
16
定期試験
授業オフィスアワー(曜日・時間帯・場所等)
授業後・講義室 / 教授室