授業科目 展開方法 交通論 講義 単位数 担当教員 2 単位 開講年次・時期 板垣 朝之 2 年・後期 必修・選択 選択 授業のねらい 20 世紀は地球規模で人とモノの移動が大幅に拡大した世紀といえるが、特に現代に至る交通という移動手段の発達 が観光の発展にも不可欠の要素であった。この講義では特に人の移動手段としての交通機関の発達と観光の発展とが どの様に関連しつつ現在の隆盛を形成したのかという視点を中心に、現代交通の現状と今後の課題等を、歴史的、社 会的に考察し、交通が国や地域の産業、経済、文化の発展にいかに貢献してきたか、また今何が問題になっているか を、交通機関別に体系的に学ぶ。 学生の授業における到達目標 評価手段・方法 評価比率 20% ・態度 移動手段としての交通が地球的規模で社会にどう貢献してき たかに積極的な関心を持って関連事項を俯瞰し、大きな流れ 授業中の発表、質疑 が理解できる。 思考・判断 交通が社会に及ぼす影響を観光という視点から理解できる。 定期試験 30% 技能・表現 交通と観光の相互関係と問題点を、授業で得た知識を活用し 小テスト て説明できる。 10% 知識・理解 各交通機関の歴史や現状について正しく述べることができ 定期試験 る。 小テスト 30% 10% 出 席 受験要件 合 計 100% 関心・意欲 評価基準及び評価手段・方法の補足説明 ・定期試験 60%、小テスト 20%(いずれも筆記)の成績合計 80%、授業中の発表、質疑、小問答等 20%で評価する。 ・定期試験は、ある課題や問題に対して、どの殿程度理解できたかを筆記と択一で評価する。 授 業 の 概 要 授業は主に講義を中心に進める。知識の習得部分と自分で考えまとめる作業とを並列で評価する。特に今後の課題 や問題点については、すぐに結論や解決策を示さず、どの様な解決策があり得るのかを自分で考える事の大切さを学 ぶ。適宜プリント等資料を配布し、毎回の授業では何がポイントかを示し、現実の交通機関そのもののあり方にも関 心を持って受講できるようにする。 教 科 書 ・ 参 考 書 教科書:特に指定しない 参考書:授業中に必要に応じ紹介する 授業外における学修及び学生に期待すること いわゆる「鉄ちゃん」的な興味からのスタートでも良いので、実際の交通機関に関心を持って授業に臨み、知見を 広め交通の諸問題への認識を深めてほしい。特に長崎県や自分の故郷、大都市部における地域交通問題等を身近な関 心もって捉えられるように、意識を高めてほしい。 回 テ ー マ 授 業 の 内 容 予習・復習 1 オリエンテーションおよ 交通論をいかに学ぶか、交通と観光の関係の基本的 「交通」を学ぶ事の意味再確 び序論 視点について考える。 認 2 交通の発達とその歴史 3 資本主義の発展が鉄道の発達に及ぼした影響を、主 資本主義の発展と鉄道発 産業革命が交通に及ぼした影 にイギリスにおける鉄道発達の歴史と観光の大衆化 達の歴史 響の再確認 の視点から学ぶ。 4 日本の鉄道発達の歩み 5 新幹線網の発展と現状の 新幹線網の発展が現代日本の地域社会に及ぼしてい 九州新幹線開通が地域に及ぼ 問題点 る影響と観光について学ぶ。 した影響について予習 6 国内鉄道輸送の現状、問 JR 各社、私鉄各社の現状の問題点と今後の課題につ 日常鉄道を使用して感じる事 題点と今後の課題 いて学ぶ。 のまとめ予習 7 都市交通の現状と問題点 過疎と過密、大都市交通の現状について学ぶ。 8 乗合バス、観光バス、長距離高速バス、ツアーバス 現代バス運送事業の現状 日々のバスによる移動時に感 の問題と観光への影響について学ぶ。 と問題点 じている事をまとめる予習 9 バス事業と規制緩和 大きな変化をもたらした規制緩和と長距離バス運送 遠距離バスの利用の優位点に 事業の現状と問題点について学ぶ。 ついて考えておく予習 10 航空運送事業の歴史 JAL/ANA 国内 2 社体制から航空規制緩和後の実情、外 国航空会社と航空自由化、躍進する LCC(格安航空会 現状までの航空運送事業の歩 社)等、航空輸送事業発達の歴史と観光との相関を み復習 学ぶ。 11 航空運送事業の現状 世界的規模での人の移動の主要な手段として、航空 現状の航空運送事業のあり方 運送事業と観光との関係の今日的課題と今後の展開 復習 を学ぶ。 12 空港整備の現状と将来 我が国の空港整備の現状、羽田空港のハブ化と成田 空港が地域や国の人の動きに 空港との住み分け論、関空と伊丹空港の統合等から どう影響するのかを考えてみ 日本の空港整備の現状を学ぶ。 る予習 13 都市交通の問題点の整理と復 習 高速道路の歴史と現状、道路関係団体の民営化、高 日頃高速道路を利用して感じ 速道路通行料金等について学ぶ。 る事をまとめてみる予習 少子高齢化社会の中で各公共 今後の運送需要動向と観 運送需要の鈍化と交通に対するニーズの多様化、少 交通機関のあり方を考えてみ 光のあり方 子高齢化社会での観光と交通の関係を学ぶ。 る予習 16 定期試験 明治期の国策による鉄道発達の歴史から、現代鉄道 日本の鉄道の歴史の復習 の現状と観光への影響を俯瞰的に学ぶ。 クルマ社会と公共交通機 クルマ社会の進展と地域社会の関係、公共交通機関 現状のクルマ社会の問題点の 関の共存 との関係、今後の観光との関係について学ぶ。 あり方を考えてみる予習 14 高速道路の現状と問題点 15 交通によって人がどの様に移 交通が古代社会から現代にいたる時代の変遷の中 動し、社会はそれによってど で、どの様に発展してきたのかを学ぶ。 う変遷したのか再確認
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