ランドスケープデザインから自然を評価する 自然の人工化・装置化による時間と空間の尺度を探る 吉村元男(地球ネットワーク会議) ヒトへの B 領域 ランドスケープ ヒトにとって、自 ランドスケープデザインは、自然や大地(ランド) デザインが目指 文明の 然は征服的関係 す第三の道 圧力度大 のありようを、見る(スケープ)という視点から「見 失われ、破壊さ る人」の視覚体験によって評価し、創作をする行為か C 分岐点 れた自然の修 らなる。この場合、得られた「見た人」の映像は、主 近代・産業革命 復・再生への道 観的なものとなり、実際に存在していた「見た人の対 象」と「見た人の映像」は異なる。この両者の乖離が、 構図1;自然とヒ 文明の持つ力の源泉である。 トとの関係からみ 文明は自然を抑圧する。しかし、文明は、自然と共 るランドスケープ にあるという意思を内在させる。 「ヒトに文明の圧力が デザインの評価 自然の回復度大 の構図 かかればかかるほど、ヒトは<緑という装置化された 自然>を求める。」という真理に依拠しているからだ。 自然の破壊度大 そのことは、文明、自然、ヒトのトライアングルの関 A 領域;ヒトにとって、自然は、従属 係を浮かび上がらせる。このトライアングルこそ、ラ 的かつ順応的関係 ンドスケープデザインが登 構図2;自然の人工化・ ヒトは、野生の 場する磁場である。 装置化からみたランド 大地の 自然に対して 、 スケープデザインの構 このランドスケープデザ 人工化の軸 2つの「文明化」 図 の力で、生き抜 インの磁場を、三つの構図 原自然 大地の人工化軸;緑の いてゆく から、説明し、その構図の 被覆度・自然度 なかで、具体的には、吉村 自然の装置化度;自然 自然の 元男の三つの作品(万博記 A 象限 B 象限 のシステム化度 装置化の軸 自然公 農業な 念公園、新梅田シティ、大 A 象限 園など ど B 象限 阪国際会議場)の紹介をし 装置化度 C 象限 ます。 大 D 象限 参考文献;吉村元男著 C 鎮守の D 象限 「都市は野生でよみがえ 文明化する自然の力 森・中自 都市公 る」(学芸出版社) 園など 然の森 抽象化 庭園な ど 「エコハビタ環境創造の =コモン 人工化度 共有される自然と精神 都市」(学芸出版社) 枯山水盆 大 性 栽など 「地域油田ー環節都市が 開く未来」(鹿島出版会) 自然の大き さ規模の軸 大自然 自然への 持続的働きか けの時間の軸 大自然 中自然 + 景観 10年 風景 100年 風土 1000年 自然の大きさ 規模の軸 ライフスタイル 自然の中で遊ぶ レクリエーション = 景 観 ヒトと自然 が一体化 循環と共生 中自然 風景 100年 利用する 自然 文化とし ての自然 小自然 小自然 構図3;ヒトによって認識される規模と時間 による自然の評価の構図と中自然の位置 風土 1000年
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