悪性リンパ腫の症状

講義
悪性リンパ腫(第三内科)
2016/9/6
悪性リンパ腫の症状
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•
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•
リンパ節腫脹
原因不明の発熱(38℃以上の発熱)
6か月間で体重が10%以上減少する
倦怠感
寝汗をかく:盗汗
(衣服を着替えるほどの汗)
• 免疫力の低下、
感染症にかかりやすい
皮質
リンパ洞
B症状
リンパ濾胞
傍皮質・髄索
傍皮質
リンパ節領域図
髄索
2次濾胞
髄質 リンパ洞
髄質
1次濾胞
辺縁 リンパ洞
リンパ節腫脹をきたす代表的疾患
• 感染症
– ウイルス:伝染性単核球症(EBウイルス、サイトメガロウイルス)、麻疹、風疹、
帯状疱疹など
– 細菌:溶血性連鎖球菌、ブドウ球菌、猫ひっかき病、結核、非定型抗酸菌症、
梅毒など
– 真菌:クラミジア、リケッチア
– 寄生虫:トキソプラズマなど
• 悪性腫瘍
– リンパ系腫瘍:ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ性白血病など
– 転移性:頭頸部腫瘍、肺癌、消化器癌、卵巣癌など
• 自己免疫疾患
– 慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、混合性結
合組織病、皮膚筋炎など
• その他
– 薬剤過敏症、サルコイドーシス、亜急性リンパ節炎、Castleman病、川崎病など
リンパ節腫脹を鑑別するには(理学所見から)
• 部位
• 大きさ
– 1cm以下のものはほとんど良性
– 1.5cmを超えるサイズは悪性リンパ腫や転移性悪性腫瘍、
サルコイドーシスなど
• 性状
– 軟、弾性硬(悪性リンパ腫)、硬(転移性悪性腫瘍)
• 圧痛の有無
– 感染症では有痛性、悪性リンパ腫では無痛性
• 可動性の有無
– 可動性がない・・・転移性悪性腫瘍の可能性(悪性リンパ
腫では可動性が保たれる)
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悪性リンパ腫(第三内科)
2016/9/6
年齢階級別の罹患率と死亡率
罹患率
死亡率
← 悪性リンパ腫
年間発生率:
10万人あたり10人
男女ともに増加傾向
年間1200例の新規発症
← 悪性リンパ腫
出典:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
リンパ節生検
腋窩リンパ節から採取された病変
• 最も早く確実に診断できる方法
• 腫大しているリンパ節や腫瘤の一部を切除生
検し、良悪性、組織型、悪性度を判定する
反応性病変
画像検査(エコー検査)
肝
画像検査(CT検査)
膵
L
L
L
L
悪性リンパ腫
L
脾静脈
腎静脈
L
L
L
L
L
椎体
いまさら聞けない腹部エコーの基礎 秀潤社
大動脈
© Copyright 2003 by Y. Higashi / Illust. E. Kosano
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悪性リンパ腫(第三内科)
画像検査(PET/CT検査)
2016/9/6
臨床病期分類
病期Ⅰ:単独リンパ節領域の病変、または単独リンパ外臓器
または部位の限局性病変
病期Ⅱ:横隔膜の同側にある2つ以上のリンパ節領域の病変、
または所属リンパ節病変と関連している単独リンパ外臓器
または部位の限局性病変
病期Ⅲ:横隔膜の両側にあるリンパ節領域の病変
病期Ⅳ:1つ以上のリンパ外臓器のびまん性または播種性病変
細胞表面マーカーとは
血液疾患のマーカー
• 細胞表面に露出している抗原性を持つ蛋白質(その細胞
に特異性を与える構造物)
• 現在CD(cluster of differentiation)として整理され、CD1〜
CD350まで決められている
マーカーは特定の細胞のみならず、特定の分化段階に
応じて発現を認める
汎CD
一度特定の血球系統に出現したら、幼弱・未熟・成熟
の各段階を通じて一貫して姿をあらわし続けるもの。
幼弱・未熟細胞CD
ごく幼弱な分化段階にだけ出て、あとは姿を消してし
まうもの。
成熟細胞CD
成熟細胞になって初めて表出。
特定の分化段階に応じて表出。
染色体検査


濾胞性リンパ腫におけるt(14;18)(q32;q21)
G-Band
Fluorescence in situ hybridization(FISH)
G-Band:診断における意義



疾患特異的な染色体異常の検出
(例:濾胞性リンパ腫におけるt(14;18)(q32:q21)など)
腫瘍か非腫瘍かの鑑別(クローナリティ-)
予後の推定
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FISH法(染色体の中の特定遺伝子の検出法)
FISH:Bcl2/IgH(=t(14;18)(q32;q21))
正常細胞では赤色のBCL2 シグナル2個と緑色のIgH シグナル2個が別個に検出されるが、
14;18転座陽性細胞では赤色1個、緑色1個と転座に伴いシグナルが分断・融合した黄色
シグナル2個が検出される
染色体転座の病態における意義
組織診(生検)
画像検査
免疫検査・遺伝子検査
がんは遺伝子の変化により引き起こされる
がん遺伝子
アクセル
細胞増殖
がん抑制遺伝子
ブレーキ
細胞分化
BCL6 t(3;14)
t(14;18), t(11;18)
BCL1/cyclin D1
t(11;14)
BCL2, API2-MALT1
リンパ腫の病型を詳細に分類
病期(ステージング)を判断
細胞死
治療法を決定
悪性リンパ腫:WHO分類第3版(2001年)
前駆B細胞ならびにT細胞腫瘍
前駆Bリンパ芽球白血病/リンパ腫
前駆Tリンパ芽球白血病/リンパ腫
成熟B細胞腫瘍
慢性リンパ性白血病/小リンパ球リンパ腫
B細胞前リンパ球白血病
リンパ形質細胞リンパ腫
脾辺縁帯B細胞リンパ腫
ヘヤリー細胞白血病
形質細胞腫瘍
MALT関連節外性辺縁帯B細胞リンパ腫
節性辺縁帯B細胞リンパ腫
濾胞性リンパ腫
マントル細胞リンパ腫
びまん性大B細胞リンパ腫
バーキットリンパ腫/白血病
成熟T細胞ならびにNK細胞腫瘍
白血化/散布
T細胞前リンパ球白血病
T細胞大顆粒リンパ球白血病
攻撃性NK細胞白血病
成人T細胞白血病/リンパ腫
皮膚
菌状息肉腫
セザリー症候群
原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫
リンパ腫様丘疹症
他の節外性
節外性NK/T細胞リンパ腫/鼻型
腸症型T細胞リンパ腫
肝脾T細胞リンパ腫
皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫
節性
血管免疫芽球T細胞リンパ腫
末梢T細胞リンパ腫、非特異
未分化大細胞リンパ腫
系列ならびに分化過程不明の腫瘍
芽球NK細胞リンパ腫
悪性リンパ腫:
WHO分類第4版(2008年)
第3版(2001):35種類
旧来の分類を踏襲しつつ、病理学的な分類に加え染色体、
遺伝子変異をも網羅した包括的な分類
ホジキンリンパ腫
結節性リンパ球優勢ホジキンリンパ腫
古典型ホジキンリンパ腫
結節硬化型ホジキンリンパ腫
リンパ球豊富古典型ホジキンリンパ腫
混合細胞型ホジキンリンパ腫
リンパ球減少型ホジキンリンパ腫
第4版(2008):55種類
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ホジキンリンパ腫
ホジキンリンパ腫
• Thomas Hodgkin
– イギリスの医師(1798‐1866)
– 1832年にリンパ節と脾臓を主病
変とする疾患を報告
Hodgkin細胞
Hodgkin細胞
• 結節性リンパ球優位型
• 古典的ホジキンリンパ腫
–
–
–
–
結節硬化型
混合細胞型
リンパ球減少型
リンパ球豊富型
Reed‐Sternberg(RS)細胞
ホジキンリンパ腫の特徴
ホジキンリンパ腫の標準治療
• 限局期(病期I. II)
→ 多剤併用化学療法(ABVD療法) 4コース
+ 領域放射線療法
• 頻度:全悪性リンパ腫の8%
• 年齢:若年者層(20歳代)と中年層(50‐60歳)にピー
クを有する二峰性の分布
• 進行期(病期III. IV)
→ 多剤併用化学療法(ABVD療法) 6‐8コース
• 多くの症例は無痛性の表在リンパ節腫脹を契機に
診断される
• 約75%で頚部リンパ節腫脹が初発症状であり、連
続性に進展する
• 縦隔に病変を認めることが多い
• 約40%で診断時に発熱、体重減少、盗汗(→B症状)
を伴う
25mg/m2 静注
ブレオマイシン
10mg/m2 静注
Day1, 15
ビンブラスチン
6mg/m2 静注
Day1, 15
ダカルバジン
375mg/m2 静注 Day1, 15
9% 1%
投与日
Day1, 15
近畿・中国・四国
(n=173)
B
T/NK
Hodgkin
others
20%
• B細胞性
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
濾胞性リンパ腫
マントル細胞リンパ腫
MALTリンパ腫
バーキットリンパ腫
投与量・方法
ドキソルビシン
悪性リンパ腫 大分類
非ホジキンリンパ腫
–
–
–
–
–
薬剤
2%
8%
東北・北海道
(n=331)
B
T/NK
Hodgkin
others
20%
70%
6% 2%
30%
など
70%
9%
九州 (n=761)
62%
B
T/NK
Hodgkin
others
2%
関東 (n=457)
B
T/NK
Hodgkin
others
20%
69%
• T/NK細胞性
– 末梢T細胞リンパ腫
– 未分化大細胞リンパ腫
– 血管免疫芽球性T細胞リンパ腫
10%
など
3%
沖縄 (n=292)
49%
38%
5%
2%
中部 (n=244)
18%
B
T/NK
Hodgkin
others
B
T/NK
Hodgkin
others
75%
5
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悪性リンパ腫(第三内科)
2016/9/6
悪性リンパ腫 小分類
近畿・中国・四国
(n=173)
5%
5%
21%
4%
5%
6%
18%
31% DLBCL
4%
6%
20%
Follicular
ATLL
AILT
PTCL, unspecified
Others
成熟B
DLBCL
Follicular
MALT
AILT
PTCL, unspecified
Others
35%
4%
5%
19%
急性リンパ性白血病
B
未熟B
関東 (n=457)
32%
CD34 TdT PAX5
CD79a 骨髄
CD20
CD10
mu Pre-B
IgL再構成
DLBCL
Follicular
AILT
PTCL, unspecified
MALT
Others
38%
九州 (n=761)
21%
18%
DLBCL
Foliicular
MALT
AILT
Others
IgH再構成
マントル帯
CD20
末梢
リンパ組織
CD10
胚中心
MUM1
5%
CD27
中部 (n=244)
沖縄 (n=292)
25%
5%
6%
6%
26%
11%
21%
DLBCL
ATLL
Follicular
Extranodal NK/T
MALT
PTCL, unspecified
Others
24%
38%
5%
5%
5%
5%
18%
辺縁帯
DLBCL
Follicular
MALT
Mantle
AILT
PTCL, unspecified
Others
CD138
Memory B
Plasma cell
非Hodgkinリンパ腫の悪性度による分類
B細胞性
T細胞性(NK細胞性を含む)
低悪性度
小リンパ球性・慢性リンパ性白血病
*大顆粒リンパ球性1
indokent
リンパ形質細胞性
菌状息肉症2
*有毛細胞白血病
慢性型ATLL1
年単位
脾辺縁帯B細胞性(+/-絨毛を有するリンパ球)
MALT型節外性辺縁帯B細胞性
節性辺縁帯B細胞性(+/-単球様B細胞)
濾胞性(grade 1, 2, 3a)
中~高悪性度
aggressive
月単位
形質細胞腫/骨髄腫
前リンパ球性白血病1
マントル細胞
末梢T細胞性、非特定4
濾胞性(grade3b)
血管免疫芽球型4
びまん性大細胞型
節外性NK/T細胞性、鼻型3
*縦隔(胸腺)大細胞型B細胞型
未分化大細胞型4
*血管内大細胞B細胞型
*アグレッシブNK細胞白血病1
*原発性滲出液
週単位
*腸型T細胞型3
*肝脾T細胞型3
*皮下蜂窩織炎様T細胞型2
超高悪性度/急性 リンパ芽球型
リンパ芽球1,4
very aggressive
リンパ腫型・急性型ATLL1,4
Burkitt(非定型を含む)
形質細胞白血病
小リンパ球性リンパ腫
マントル細胞リンパ腫
BCL6
バーキットリンパ腫
濾胞性リンパ腫
びまん性大細胞型
B細胞リンパ腫
細胞の分化と腫瘍
32%
37%
29%
Pro-B
東北・北海道
(n=331)
小リンパ球性リンパ腫
MALTリンパ腫
びまん性大細胞型
B細胞リンパ腫
形質細胞腫 /
多発性骨髄腫
濾胞性リンパ腫
(Follicular lymphoma:FL)
•
•
•
•
•
低悪性度リンパ腫(緩徐に進行する)
非ホジキンリンパ腫に占める頻度は7‐15%(増加傾向)
発症年齢中央値:60歳 男女比 1:1.7
特徴的な染色体転座 t(14;18)(q32;q21)をもつ
基本的には多発性リンパ節腫大を生ずる節性リンパ腫
であるが、経過中に節外部位、とくに骨髄、末梢血、脾
臓などに浸潤する頻度が高い
• 診断時75‐90%の症例が臨床病期III/IVの進行期であり、
骨髄浸潤を高率に認める
• 生存期間中央値は7‐10年と長期間であるが、治癒割合
は低く、5年以上完全奏功を維持するのは10%以下とさ
れる
MALT: 粘膜関連リンパ組織、ATLL:成人T細胞白血病・リンパ腫。 *希少例。 1:白血病型、2:皮膚型、3:皮膚以外の節外型、4:節性 濾胞性リンパ腫
濾胞性リンパ腫の標準治療
RT: 放射線治療
CMT: 放射線併用化学療法
R: リツキシマブ
日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版
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悪性リンパ腫(第三内科)
2016/9/6
リツキシマブ(Rituximab)
• 限局期(I/II)
– 病巣部放射線治療が推奨される
– 多剤併用化学療法と放射線治療の併用も考慮され得る
が、二次がんリスク上昇の問題あり
– 無症候性の患者には無治療経過観察が考慮され得る
• 進行期(III/IV):
マウス/ヒトキメラ型CD20モノクローナル抗体
補体依存性細胞障害作用
抗体依存性細胞介在性細胞障害作用
– リツキシマブを併用した化学療法が従来の化学療法単独
よりも全生存期間延長に寄与する
– 無症候性の患者では、注意深い観察のもとに治療開始を
延期することも考慮されるべきである
– 低腫瘍量の患者にはリツキシマブ単独を初期治療として
考慮してもよい
– 高腫瘍量例において、リツキシマブ併用化学療法により
奏功がえられた場合、リツキシマブ維持療法は無増悪生
存期間の延長を期待した治療として推奨される
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
(Diffuse large B‐cell lymphoma, not otherwise specified:DLBCL,NOS)
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
•
•
•
•
中‐高悪性度リンパ腫(月単位で病勢進行)
発症年齢中央値:63歳 男女比 1.3:1
約1/3にB症状(発熱、体重減少、盗汗)を認める
約40%の症例でリンパ節以外の臓器(消化管、骨、
精巣、脾臓、唾液腺、甲状腺等)にも認められる
• 約半数で血清LDHが基準値以上となる
• 限局期と進行期が約半数ずつである
• 急速に進行するが化学療法に対する反応性は良好
であり、早期に適切な治療を行うことにより約半数
は治癒可能である
DLBCLの標準治療
• 限局期(I/II)
– R‐CHOP療法を3コース行った後に病巣に限局した放射線
治療(IFRT)を行う放射線化学併用療法が推奨される
– R‐CHOP療法6‐8コースが推奨される
– なお巨大病変(最大腫瘍径10cm以上)を有する例はR‐
CHOP 療法3コースとIFRT とのCMT は推奨されない
• 進行期(III/IV):
– 進行期DLBCL に対する化学療法は,大規模な比較試験の結果により
6‐8 コースのR‐CHOP 療法が標準治療である
薬剤
投与量・方法
投与日
リツキシマブ
375mg/m2 点滴
Day1
シクロホスファミド
750mg/m2 点滴
Day2
ドキソルビシン
50mg/m2 静注
Day2
ビンクリスチン
1.4mg/m2 静注
Day2
プレドニゾロン
50mg/m2 静注
Day2‐6
3週間ごとに
繰り返す
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講義
悪性リンパ腫(第三内科)
2016/9/6
International Prognostic Index (IPI)
•
•
•
•
•
年齢
61歳以上
血清LDH 正常上限を超える
Performance Status 2‐4
病期
IIIまたはIV
節外病変 2か所以上
Low risk: 0‐1個
Low‐intermediate risk: 2個
High‐intermediate risk: 3個
High risk: 4‐5個
Revised IPI (R-CHOP時代の予後予測モデル)
•
•
•
•
•
年齢
61歳以上
血清LDH 正常上限を超える
Performance Status 2‐4
病期
IIIまたはIV
節外病変 2か所以上
very good: 0個
good: 1‐2個
poor: 3‐5個
4年OS 94%
79%
55%
標準的治療(CHOP療法)における予後不良群の同定に有用
〈大量化学療法の適応〉
若年者(65 歳以下)で救援療法に
より奏効(CR,PR)が得られる場合
再発・再燃aggressive NHLに対する自家造血幹細胞移植
併用大量化学療法と通常化学療法の比較試験
Philip T et al : N Engl J Med 333:1540‐1545,1999
5y OS 53% vs 32%
〈救援化学療法〉
(R‐)ESHAP 療法(mPSL, ETP, AraC, CDDP)
DHAP 療法(DEX, CDDP, AraC)(+R)
(R‐)ICE 療法(IFM, CBDCA, ETP)
CHASE(R)療法(CPA, AraC, DEX, ETP)
Dose adjusted(DA)‐EPOCH(‐R)療法(ETP, PSL, VCR, CPA, DER)
MINE 療法(MIT, IFM, メスナ,ETP)
GDP 療法(Gem, DEX, CDDP)
バーキットリンパ腫
• (超)高悪性度リンパ腫(日ごとに増悪)
• 発症年齢中央値:55歳 男女比 2:1
• 小児期から若年成人に好発するとされるが、40歳以降の中高年
齢層の発症頻度も必ずしも低率ではない
• 特徴的な染色体異常 t(8;14)(q24;q32)をもつ
• しばしば腹部に巨大な腫瘤を形成し、B症状を呈する
救援化学療法に感受性のある再発→自家造血幹細胞移植併用大量化学療法の適応
バーキットリンパ腫
弱拡大では核片貪食マクロファージ
の数が非常に多く、星空像
(starry-sky appearance)を示す
• 急速に病勢が進展するため、初発時に骨髄浸潤や中枢神経浸潤
をきたしていることもある
• 進行期では血清LDHや可溶性IL‐2Rは日々上昇が認められ、化学
療法に際しては急速な腫瘍細胞死を生じ、腫瘍崩壊症候群を発
症する頻度も高い
• R‐CHOP療法の治療成績は不良であり、急性リンパ性白血病に準
じ、短期間に強力かつ集中的に化学療法を行うことにより治癒が
期待できる
8
講義
悪性リンパ腫(第三内科)
2016/9/6
バーキットリンパ腫の標準治療
まとめ
•
•
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•
•
悪性リンパ腫の症状、リンパ節腫脹の特徴
悪性リンパ腫の診断方法
悪性リンパ腫の分類
標準的治療法
予後予測因子
• 質問は以下まで
E‐mail: tanakay●yamaguchi‐u.ac.jp
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