さ く ら ん ぼ ~やさしく・かしこく・たくましく~ N0.4 平成28年7月14日発行 山口大学教育学部附属幼稚園 URL:http://[email protected] 雨ばかりでなかなかプールや水遊びができないなと困っていた ら、今度は暑い日が続き、体がついていきませんね。子どもたちに も疲れがたまりやすい時期です。七夕やお祭りを楽しく過ご したり、砂や水や泡に触れて涼しさを感じたりしながら、こ の時期を乗り切っていきたいなと思っています。 おじいちゃんおばあちゃんと七夕を楽しみに 今年は普段幼稚園に来られないおじいちゃんとおばあちゃんに 来てもらって七夕飾りを一緒につくったり、子どもたちの遊ぶ様子 を見てもらったりする日を設けました。ご都合のつく方だけでとい うお声かけでしたが、ご夫婦で来てくださるところもあり、たくさ んご参加いただきました。年長さんは遊戯室で2クラス一緒に。花 と風組は各保育室で七夕飾りをつくりました。 「Aくんのおばあちゃ んです」と自分のおばあちゃんが紹介されると、嬉しくてしかたが なくてもじもじしたり、 顔を赤らめて笑ったりする姿がありました。 折り紙の三角つなぎや四角つなぎ、輪飾りの他に、花組さんはスイ カやアイス、風組は織姫と彦星、星組さんは提灯や天の川などそれ ぞれの学年にあった飾りもつくりました。手先の器用さはそれぞれ で、大人にとって簡単に見える輪飾りでも、色がついた方が見える ように輪にするところ、輪に通してから次の輪を合わせることが最 初は分からなかったりします。子どもたちにとって折り紙を角や線 に合わせて折ったり、はさみを使って切ったり、ノリで貼ったりす ることは、なかなか簡単なことではなかったりします。子どもたち が「あーん、わからん。やってー」 「ねえ、これはどうするん?」 「私 もやってー」 と一度にたくさん言ってきます。 それをおじいちゃん、 おばあちゃんたちは温かく穏やかに受け止めてくださって「はいは い。ちょっと待っててよ」 「まあまあ、そねえかね」と言いながら手 伝ってくださいました。ゆったりかかわっていただけ、子どもたち もおじいちゃん、おばあちゃんたちの空気に包まれて、ゆっくりと した時間が過ごせました。とても暑い日でしたが、お時間が許せる 方は、外で一緒に遊んでもらいました。幼稚園を紹介するようにお ばあちゃんと手を繋いでまわる姿もありました。こうして、七夕の 日をおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に飾りをつくりながら楽し みにしていました。さて、七夕の日。おうちの人とどんなお願い事 を書いたでしょう?前日に、風組では「短冊は欲しい物を書くんじ ゃないのよ。欲しい物は、サンタさんが持って来てくれるでしょ? お星さまは“お願い事”を叶えてくれるのよ。お願い事っていうの は、 “大きくなったらケーキやさんになりたいな”とか、 “家族みん なが元気に過ごせますように”とかね」とお話していました。 短冊を見てみると夢が膨らむ、かわいいお願いごとがたくさんあ りましたよ。おうちの方と一緒に願う短冊もありました。 ・ドラえもんにあえますように ・うちゅうじんになりたい ・おかしいっぱいたべられますように・おひめさまになりたい ・こばんがたくさんほしいです・ウルトラマンをつくりたい ・じいたんのあしのけがはやくなおりますように ・みんなともだちになりますように ・じけんがおこりませんように つなみがきませんように など… ドラえもんに会えたらどうしましょ♪お菓子いっぱいのお部屋なの かな?未来に願いをもったり夢をもったり大人も忘れたくないです ね。みんなの願いを お星さま、叶えてくださいね。 (辻村) 互いの考えを聞きながらみんなですすめることが楽しい星組 幼稚園祭りは、星組のお兄さんお姉さんたちが威勢よく声を出し て大庭をめぐるお神輿で始まりました。そのお神輿は毎年どんなも のにするのかを、星組のみんなで相談して決めています。今年も遊 戯室に集まってどんなお神輿にするのかを話し合う機会をもちまし た。女の子たちは「宝石箱のようなお神輿がいい」という意見がで ると、すぐに同意する声が上がり、そのイメージで次々に考えを伝 えようと手があがりました。女の子はそれまでの遊びの中でアクセ サリーをつくったり、 宝石屋さんを開いたりした経験があったので、 つくるもののイメージがもちやすかったようです。 「私はダイアをつ くって飾りたい」 「リボンをつけるのはどうですか?」 「ハートの飾 りもあった方がいい」 「光るものでキラキラにしたい」などと友達と お互いの考えを出し合いながらつくりたい気持ちが盛り上がってい くようでした。 女の子のお神輿のイメージが大体決まってから、今度は男の子の お神輿の話になりました。男の子は「車のお神輿がいい」 「汽車のお 神輿がいい」と普段からミニカーで遊んだり、ブロックを組み合わ せて乗り物をつくったりしている子どもたちは「乗り物のお神輿」 のイメージでした。それとは別に「手裏剣を付けたい」 「鉄砲を付け たい」 「お城がいい」など、戦いごっこや基地遊びが好きな子どもた ちは侍のイメージでした。二つのイメージがかみ合うようにと他の 考えはないかと話をすすめていると、 「赤いこんなのを屋根につける のはどうですか」と指先で神社の鳥居の形を示していう意見が出ま した。すると「ああ、分かったそれ神社にあるやつね」 「それがいい」 と急に友達同士で同意する姿が増えました。 「それなら犬みたいなの もあった方がいい」 「石の上にいるのよね」 「そうそう」 (後で分かっ たのですがそれはお稲荷さんのキツネでした)鳥居や 神社、キツネという意見で子どもたちは共通のイメー ジがもてたようでした。 翌日から星組の女の子は宝石型の紙に、男子は手裏剣型の紙に思 い思いの絵を描いてはそれぞれのお神輿に貼ったり、宝石やハート の飾り、鈴や手裏剣などをつくったり飾ったりしていきました。幼 稚園祭り当日は天気に恵まれ、みんなで考えて一緒につくったお神 輿を無事に園庭でかつげました。星組の堂々とした姿は、みんなで 考え、みんなですすめる楽しさがあってのことでした。 (高田) 中国地区国立大学附属学校連盟幼稚園部会研究集会(島根大会) に行ってきました 今年は島根大会ということで、どうしても保育ができず、7月1 日を休園にさせていただきました。保護者の皆様には普段と違う日 程にご協力いただき、ありがとうございました。1日は鳥取、岡山 の先生の研究発表、2日は島根大学教育学部附属幼稚園での公開保 育・分科会があり、子どもたちの遊んでいる様子や環境を見せてい ただきました。中国地区には大学・教育学部の附属幼稚園が岡山、 島根、鳥取、山口に1園ずつ、広島に2園(広島・三原)あります。 年に一度集まるこの機会にこの時期の子どもたちの様子や各園での 取り組みについて語り合えるのが大変勉強になります。島根大の幼 稚園は4歳2クラス、5歳2クラスです。木育に力をいれてらっし ゃって、おもしろい木のおもちゃや、子どもたちが組み合わせてつ くれる木の材料がたくさんありました。木の香りがよく、子どもた ちも大事に使っているのが手にとって見ると分かりました。園舎の 北側が玄関、南側が大きな園庭でどのクラスからも外の様子が見え ます。芝生が全面に茂っていて、中学校のグラウンドとつながって いますが、芝生で自然と境界が分かるようになっていました。何と 言っても大きな木が何本もあるのが魅 力的でした。 イメージしやすいのは 「こ の木なんの木~♪」でしょうか。幹が 太く枝が大きく横に広がっていて、そ こに竹や木を渡されて大きな木と木を 使った遊び場ができていました。たくさん木に触れてほしいという 先生たちの願いがこめられているそうです。木陰が涼しく、木の上 で感じる風はとても気持ちよさそうでした。触れているだけで心も 穏やかになりそうだなと感じました。砂場は一つでどのクラスも一 緒に遊んでいたり、高い築山から走り抜けたり、そりで滑ったり… 周りが広いので、動線もぶつからず、子どもたちがいきいきと楽し そうに遊んでいる姿が印象的でした。それぞれ園で環境は違います が、今ある環境をいかし工夫されています。本園でも子どもたちの ために今回の研修をいかし、よりよい保育や環境を考えていきたい と思います。 (第4号編集:辻村)
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