の効能・効果 - 日本製薬株式会社

-医 薬品 の 適 正使 用に 欠 かせない情報です。必ずお読みください。-
添
生物学的製剤基準
付
文
書
改
訂
の
お
知
ら
せ
乾燥抗 D(Rho)人免疫グロブリン
日本製薬株式会社
この度、乾燥抗 D(Rho)人免疫グロブリン[弊社製品:抗 D グロブリン筋注用 1000 倍「ニチヤク」]につ
きまして、
「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
公知申請への該当性に係る報告」
(公知申請)が取り纏められ、平成 22 年 10 月 29 日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会にて承
認事項一部変更承認申請が可能であると判断され、平成 23 年 5 月 20 日付で承認を取得しました。
この承認に基づき、「効能・効果」及び「用法・用量」が追加されると共に、これに伴い「使用上の
注意」等の添付文書内容を改訂しましたので、下記の通り「使用上の注意」を改訂いたしましたので、
併せてご案内申しあげます。
今後のご使用に際しましては、本「お知らせ」の内容をご参照くださいますようお願い申しあげます。
なお、流通在庫の関係から改訂添付文書の封入された製品がお手元に届くまでには、若干の日数
が必要ですので、ご理解いただきますようお願い申しあげます。
今後とも弊社製品のご使用にあたって副作用等の治療上好ましくない有害事象をご経験の際に
は、弊社MRまでご連絡くださいますようお願い申しあげます。
■「効能・効果」、「用法・用量」変更承認に伴う改訂
D(Rho)因子陰性で、これまでに D(Rho)因子で未感作の女性に対し、流産後、人工妊娠中絶後、
異所性妊娠後、妊娠中の検査・処置後または腹部打撲後 72 時間以内の投与及び、妊娠 28 週前
後の投与の効能効果が承認されました。
改訂後の【効能・効果】、【用法・用量】
【効能・効果】※
D(Rho)陰性で以前にD(Rho)因子で感作を受けていない女性に対し、以下の場合に投与するこ
とにより、D(Rho)因子による感作を抑制する。
◇分娩後、流産後、人工妊娠中絶後、異所性妊娠後、妊娠中の検査・処置後(羊水穿刺、胎位外回
転術等)又は腹部打撲後等のD(Rho)感作の可能性がある場合
◇妊娠28週前後
【用法・用量】※
本剤は、1瓶を添付の溶解液(日本薬局方注射用水)2mLに溶解し、効能・効果に応じて以下のと
おり投与する。
◇分娩後、流産後、人工妊娠中絶後、異所性妊娠後、妊娠中の検査・処置後又は腹部打撲後:
72時間以内に本剤1瓶を筋肉内に注射する。
◇妊娠28週前後:
本剤1瓶を筋肉内に注射する。
※既に平成 22 年 10 月 29 日付、保医発 1029 第 4 号により保険適用となっております。
- 1 -
また、今回の承認に伴い、「使用上の注意」も一部追記または改訂しました。
改訂後の内容
禁忌
1.D(Rho)陽 性 の新 生児 及 び妊産婦[本剤を投与すると溶血を起こす可能性がある。]
<効能・効果に関
連する使用上の
注意>
(1)本剤の注射にあたっては、事前に妊産婦の D(Rho)陰性を確認しておくこと。
(2)本剤は、新生児が D(Rho)陽性である場合、胎児・新生児の父親が D(Rho)陽性である場合、又は
父親が D(Rho)陰性であることが不明であり、胎児・新生児も D(Rho)陰性であることが不明の場
合も、妊産婦に投与すること。
(3)本剤は D(Rho)因子に未感作の D(Rho)陰性の妊産婦に投与すること。既に D(Rho)因子で感作さ
れ、抗 D(Rho)抗体を持っている婦人(分娩前の本剤投与により受動抗 D(Rho)抗体を持っている
婦人を除く)及び D(Rho)陰性の新生児を分娩した婦人には、本剤投与による予防は無効である
ため、投与しないこと。
(4)妊娠 28 週前後及び妊娠に関連した D(Rho)感作が疑われる場合の妊娠中の投与に加え、新生児
が D(Rho)陽性の場合、分娩後にも産婦へ本剤投与を行うこと。
重要な基本的注
意
(3)妊娠後期又は分娩時の胎児母体間出血により、D(Rho)陰性の母親の循環血中に胎児の D(Rho)陽
性赤血球が存在した場合には、母親の血液型判定において、誤判定を起こすおそれがある。
妊婦、産婦、授乳婦 本剤の投与によりヒトパルボウイルス B19 の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児
等への投与
への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
臨 床 検 査 結 果 に (2)妊娠中に本剤を投与した場合、母体血清中の受動抗 D(Rho)抗体により、間接クームス試験が陽
及ぼす影響
性になることがある。また、そのような母体から出生した新生児においては出生時の直接クー
ムス試験で弱い陽性反応を示すことがある。このような場合でも、新生児が D(Rho)陽性であれ
ば分娩後にも本剤を母親に投与すること。
■「効能・効果」、「用法・用量」の一部変更承認に基づく改訂
改訂 後(
追記 ・改 訂 箇 所)
改訂前
【効能・効果】
【効能・効果】
D(Rho)陰 性 で 以 前 に D(Rho)因 子 で 感 作 を 受 け て い な
い 女 性 に 対 し 、以 下 の 場 合 に 投 与 す る こ と に よ り 、
D(Rho)因 子 に よる 感作 を 抑 制す る。
◇ 分 娩 後 、流 産 後 、人 工 妊 娠 中 絶 後 、異 所 性 妊 娠 後 、妊
娠 中 の 検 査 ・ 処 置 後 (羊 水 穿 刺 、胎 位 外 回転 術等)又
は腹 部打 撲 後 等の D(Rho)感作 の可 能 性 がある場合
◇妊娠28週前 後
【用法・用量】
本剤 は、1 瓶 を添 付の 溶 解 液(日本 薬局 方注 射用水)
2mL に溶 解し 、効 能・ 効果 に応 じて 以 下 のとおり投与
する。
◇分娩後、流産後 、人 工妊 娠中 絶後 、異 所性妊娠後、妊
娠中 の検 査 ・ 処置 後又 は 腹 部打 撲後 :
72 時 間 以内に本 剤 1 瓶 を 筋肉 内に 注 射 する。
◇妊娠 28 週前後 :
本剤 1瓶 を筋 肉内 に注 射 す る。
Rh式血液型のD(Rho)陰性の産婦で、D(Rho)陽性の
胎児を分娩した後に投与することにより、D(Rho)因
子の感作を予防する。
【用法・用量】
母 子 ABO式 血 液 型 適 合 で 、Rh式 血 液 型 の D(Rho)陽
性 (直 接 ク ー ム ス 試 験 陰 性 )の 胎 児 を 分 娩 し た D
(Rho)陰 性 (間 接 ク ー ム ス 試 験 陰 性 )の 産 婦 に 対
し 、分 娩 後 遅 く と も 72時 間 以 内 に 本 剤 1瓶 を 添 付
の 溶 解 液 (日 本 薬 局 方 注 射 用 水 )2mLに 溶 解 し 、筋
肉内に注射する。
<改訂理由>
従来より承認されていた分娩後72時間以内の本剤(抗D人免疫グロブリン製剤)投与に加え、
妊娠28週前後にも本剤を投与することや、流産後や人工妊娠中絶後等、D(Rho)因子による感作
リスクのある場合に本剤を投与することが、D(Rho)因子の感作の抑制において有用であること
が国内外のガイドライン 1~ 3) で推奨されていると共に、海外で広く承認されています。
このような状況を踏まえ、本剤について「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会
議 公知申請への該当性に係る報告」(公知申請)が取り纏められ、平成22年10月29日の薬事・
食品衛生審議会医薬品第一部会にて承認事項一部変更承認申請が可能であると判断され、この
度承認を取得しました。
なお、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会での事前評価が終了した段階で、薬事承認を待
たずに上記効能・効果に対する本剤投与は保険適用(平成22年10月29日付、 保医発1029第4号)
となっています。
1)EMEA Guidline on the core SPC for Human ant-D immunoglobulin for intravenous use – Revision1.2007:3-4
2)Hartwell EA. Use of Rh immune globulin: ASCP practice parameter. Am J Clin Pathol 1998;110:281-292
3)日 本 産 科 婦 人 科 学 会 ・日 本 産 婦 人 科 医 会:日 本 産 科 婦 人 科 学 会 ・日 本 産 婦 人 科 医 会 産 婦 人 科 診 療 ガ イ ド ラ イ ン 産 科 編
2008:62-65
- 2 -
■「使用上の注意」の改訂内容〔承認事項の一部変更承認に伴う改訂〕
(7頁に改訂後の「使用上の注意」全文を記載しておりますので、併せてご参照下さい。)
(1)「禁忌」の改訂(自主改訂)
改訂 後(
追記 ・改 訂 箇 所)
改訂前(
【禁 忌(次の 患者には 投 与 しな いこ と)】
削除(移動)箇所)
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1.D(Rho)陽 性 の 新 生 児 及 び 妊 産 婦 [本 剤 を 投 与 す る と
溶血 を起 こ す 可能 性が あ る 。]
2.本 剤の 成 分 に対 しシ ョ ッ クの 既往 歴 の ある 患者
1.新生児[D(Rho)陽性の児に本剤を投与すると溶血を
起こす可能性がある。]
2.抗 D(Rho)抗 体 を 持 っ て い る 婦 人 及 び D(Rho)陰 性 の
新 生 児 を 分 娩 し た 婦 人 [本 剤 に よ る 予 防 は 無 効 であ
る。]
「効能・効果に関連する使用上の注意
(3)」に移動
3.本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
<改訂理由>
・改訂後の(1)について
本剤のD(Rho)陽性者への投与は溶血を起こす可能性があることから、D(Rho)陽性の新生児の
みではなくD(Rho)陽性の妊産婦への投与も禁忌として記載しました。また、海外の添付文書
においても、「禁忌」や「警告及び使用上の注意」等の項目にD(Rho)陽性者に対しての投与
を禁止しています。
・改訂前の(2)について
本剤投与が無効となる場合を周知するための注意文であることから、「効能・効果に関連す
る使用上の注意(3)」(新設)の項に記載することになりました。
(2)「効能・効果に関連する使用上の注意」の改訂
改訂 後(
≪新設≫(自主改訂)
追記 箇所)
改訂前
〈効能・ 効 果 に関連す る 使 用上 の注 意 〉
(1)本 剤 の 注 射 に あ た っ て は 、事 前 に 妊 産 婦 の D(Rho)陰 性 を 確 認 し て お く こ
と。
(2)本剤 は 、新 生 児 がD(Rho)陽 性 であ る 場 合、胎児・新生児の父親がD(Rho)陽性
で あ る 場 合 、又 は 父 親 が D(Rho)陰 性 で あ る こ と が 不 明 で あ り 、胎 児 ・新 生
児もD(Rho)陰 性で ある こ と が不 明の 場 合 も、妊産婦に投与すること。
(3)本 剤 はD(Rho)因 子 に未 感 作 のD(Rho)陰 性 の妊産婦に投与すること。既にD
(Rho)因 子 で 感 作 さ れ 、 抗 D(Rho)抗 体 を 持 っ て い る 婦 人 (分 娩 前 の 本 剤 投
与 に よ り 受 動 抗 D(Rho)抗 体 を 持 っ て い る 婦 人 を 除 く )及 び D(Rho)陰 性 の
新 生 児 を 分 娩 し た 婦 人 に は 、本 剤 投 与 に よ る 予 防 は 無 効 で あ る た め 、投 与
しないこと。
(4)妊 娠 28週 前 後 及 び 妊 娠 に 関 連 し た D(Rho)感 作 が 疑 わ れ る 場 合 の 妊 娠 中 の
投 与 に 加 え 、新 生 児 が D(Rho)陽 性 の 場 合 、分 娩 後 に も 産 婦 へ 本 剤 投 与 を 行
うこと。
≪設定なし≫
<改訂理由>
・(1)について
これまで「重要な基本的注意(4)」に記載していた本剤投与前に患者のD(Rho)陰性を確認し
ておくことの注意喚起文を本項に記載しました。
・(2)について
本剤を投与すべき対象者を明確にするために記載しました。
・(3)について
妊産婦(婦人)への投与にあたって投与すべき対象者を明確にするとともに、これまで「禁
忌」の項に記載していた本剤を投与しても無効な対象者についても注意喚起するため記載
しました。
・(4)について
国内外のガイドライン、海外の添付文書記載内容を参考とし、妊産婦(婦人)においてD(Rho)
因子の感作の抑制が確実に行われるよう、本剤の投与時期を記載しました。
- 3 -
(3)「重要な基本的注意」の改訂(自主改訂)
改訂 後(
改訂 箇所 )
2.重要な基本的 注意
(1)省略(変 更 なし )
(2)省略(変 更 なし )
(3) 妊 娠 後 期 又は 分 娩 時の 胎児 母 体 間出 血に よ り 、
D(Rho)陰 性 の 母 親 の 循 環 血 中 に 胎 児 の D(Rho)
陽 性 赤 血 球 が 存 在 し た 場 合 に は 、母 親の 血 液 型
判定 にお い て 、誤 判定 を起 こす おそ れ が ある。
改訂前(
削除・移動箇所)
2.重要な基本的注意
(1)省略
(2)省略
(3)D(Rho)因 子 で 未 感 作 の D(Rho)陰 性 婦 人 の 分 娩 後
72時間以内に投与すること。なお、D(Rho)因子
で 未 感 作 の D(Rho)陰 性 婦 人 で 人 工 妊 娠 中 絶 そ
の他の産科的侵襲後にも投与することができ
る。
削除
(4) 本 剤 の 注 射 に あ た っ て は 、事 前 に 産 婦 の Rh式 血
液型のD(Rho)陰性を確認しておくこと。
「効能・効果に関連する使用上
の注意(1)」に移動
<改訂理由>
・ 改訂前の(3)について
新たな「効能・効果」が追加されたことに伴い、これまでの本記載内容については改訂され
た「用法・用量」の項へ記載されることとなったことから削除しました。
・ 改訂前の(4)について
本記載は新設された「効能・効果に関連する使用上の注意(1)」の項に移動しました。
・ 改訂後の(3)について
海外の添付文書記載を参考に、妊娠後期又は分娩時の胎児母体間出血により母親の血液型判
定において誤判定を起こすことがあることを注意喚起するために追記しました。
(4)「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の改訂(自主改訂)
改訂 後
改訂前(
5.妊婦、産婦、授乳 婦等 へ の 投与
本 剤 の 投 与 に よ り ヒ ト パ ル ボ ウ イ ル ス B19の 感 染
の可能性を否定できない。感染した場合には胎児
へ の 障 害 (流 産 、胎 児 水 腫 、胎 児 死 亡 )が 起 こ る 可 能
性がある。
削除箇所)
5.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上
の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ
投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立
していない。本剤の投与によりヒトパルボウイルス
B 19の 感 染 の 可 能 性 を 否 定 で き な い 。 感 染 し た 場 合
に は 胎 児 へ の 障 害 (流 産 、胎 児 水 腫 、胎 児 死 亡 )が 起 こ
る可能性がある。]
<改訂理由>
本邦における妊娠中の本剤投与については、日本産科婦人科・新生児血液研究会の全国調査 4)
で広く使用されていることは明らかであり、また、文献報告 5、 6) において妊婦に対する本剤投
与は、D(Rho)陽性児に対して安全であることが報告されていることから、妊娠中の本剤投与
については問題ないと判断され、改訂前の波線部分を削除しました。
4)浮 田 昌 彦 ら : 日 本 産 婦 人 科 ・ 新 生 児 血 液 学 会 誌 1994;4:57-58
5)Pilgrim H.et al.: Health Technol Assess 2009;13:25-47
6)浮 田 昌 彦 ら : 周 産 期 医 学 1992;22:1605-1608
- 4 -
(5)「臨床検査結果に及ぼす影響」の改訂(自主改訂)
改訂 後(
追記 箇所 )
改訂前
6.臨 床検 査 結 果に 及ぼ す 影 響
(1)本 剤 に は 各 種 感 染 症 の 病 原 体 又 は そ の 産 生 物 質 に
対 す る 免 疫 抗 体 が 含 ま れ て お り 、投 与 後 の 血 中 に こ
れ ら 免 疫 抗 体 が 一 時 検 出 さ れ る こ と が あ る の で 、臨
床診 断に は 注 意を 要す る 。
(2)妊 娠 中 に 本 剤 を 投 与 し た 場 合 、母 体 血 清 中 の 受動
抗 D(Rho)抗 体 に よ り 、間 接 ク ー ム ス 試 験 が 陽 性 に
な る こ と が あ る 。 ま た 、そ の よ う な 母 体 か ら 出 生
した新生児においては出生時の直接クームス試
験で 弱い 陽 性 反応 を示 す こ とが ある 。こ のよ うな
場 合 で も 、新 生 児 が D(Rho)陽 性 で あ れ ば 分 娩 後 に
も本 剤を 母 親 に投 与す る こ と。
6.臨床検査結果に及ぼす影響
本剤には各種感染症の病原体又はその産生物質に
対 す る 免 疫 抗 体 が 含 ま れ て お り 、投 与 後 の 血 中 に
これら免疫抗体が一時検出されることがあるの
で、臨床診断には注意を要する。
<改訂理由>
改訂後の(2)については、「効能・効果」が追加されたことに伴い、妊娠中の本剤投与により
妊産婦の血清中に受動抗D(Rho)抗体が存在する場合や、妊娠中に本剤を投与した母親から生
まれた新生児の血清中には母体から移行した抗D(Rho)抗体が存在する場合があり、その場合
にはクームス試験結果に影響を及ぼして誤判定を引き起こすことが考えられることから、注
意喚起のために追記しました。
■その他の改訂
(1)「効能・効果」の追加に伴い【薬効薬理】の記載整備を行いました。
改訂項目
改訂内容
【薬効薬理】 胎児 又 は新 生 児の D(Rho)陽 性 赤 血 球 抗 原 が D(Rho)陰 性 の 母 体 に 移 行 し 、抗 D(Rho)抗 体 が 産生 さ
れ る前 に 本 剤 を 筋肉 内 投 与 す る こ と に よ り 、D(Rho)陰 性 妊 産 婦 の 母 体 血 中 に 移 行 し た D(Rho)陽
性 赤 血球 を 破 壊 しD(Rho)感 作 を 防 止 す る 。 こ れ に よ り 、次 回 妊 娠 時 の 新 生 児 溶 血 性 疾 患の 発 症
を防 ぐこ と が でき る。
(2)【包装】に記載している「患者血液型カード」に関する記載を整備しました。
改訂 後(
抗D(Rho)抗体
改訂 箇所 )
改訂 前
1,000倍 (2mL相 当量 )含 有
溶解 液( 日 本 薬局 方注 射 用 水)
2mL
1瓶
抗D(Rho)抗体1,000倍(2mL相当量)含有
1管添付
1瓶
溶解液(日本薬局方注射用水) 2mL 1管添付
患者 血液 型 カ ード (患 者 携 帯用 ) 1枚 添 付
患者血液型カード(患者携帯用) 1枚添付
※添 付の「患 者血 液型 カ ー ド」に 必 要事 項を 記入の上、 ※添付の「患者血液型カード」に必要事項を記入の上、
今後 の妊 娠 時に担 当の 医 師 へ提 示で き る ように、
今後の妊娠時に担当の医師へ提示できるように、
妊産婦へ お 渡 しく ださ い 。
産婦 へお渡しください。
- 5 -
■患者血液型カード(患者携帯用)の変更
「効能・効果」の追加に伴い、投与を受けた妊産婦が、次回本剤投与が必要となる場合を認
識して頂くため、「血液型記録カード」の記載整備をしました。
改訂 後(
変更 箇所 )
改訂前
患者血液型カード
氏
患者血液型カード
名
(女 )
氏
生年月日:
年
月
日
上記の者はRh式血液型〔D(Rho)〕陰性であり、妊娠中、分娩後の
D(Rho)因子による感作を抑制するため、乾燥抗D(Rho)人免疫グロ
ブリンの投与を受けました。
今後、D(Rho)陽性の児を妊娠し、かつその時点で抗D(Rho)抗体陰
性で、その後も妊娠を希望する場合には、妊娠28週前後、分娩後
などに乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリンの投与を受ける必要があり
ます[投与方法等については添付文書を参照してください]。
投与日:
施設名:
主治医名:
年
月
名
生年月日:
(女 )
年
月
日
上 記 の 者 は Rh式 血 液 型 〔 D(Rho)〕 陰 性 で あ り 、 今 回 の 分 娩
後 に 乾 燥 抗 D(Rho)人 免 疫 グ ロ ブ リ ン の 投 与 を 受 け ま し た 。
今 後 、 D(Rho)陽 性 の 児 を 分 娩 し 、 か つ そ の 時 点 で 抗 D(Rho)
抗 体 陰 性 で 、 そ の 後 も 妊 娠 を 希 望 す る 場 合 に は 、 分 娩 後 72
時 間 以 内 に 乾 燥 抗 D(Rho)人 免 疫 グ ロ ブ リ ン の 投 与 を 受 け
る必要があります。
日
投与日:
施設名:
- 6 -
主治医名:
年
月
日
部 : 2011年 5月 改 訂
■改訂後の「禁忌・使用上の注意事項」
【 禁 忌 (次 の 患 者 に は 投 与 し な い こ と )】
1. D(Rho)陽 性 の 新 生 児 及 び 妊 産 婦 [本 剤 を 投 与 す
る と 溶 血 を 起 こ す 可 能 性 が あ る 。]
2.本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者
【 原 則 禁 忌 (次 の 患 者 に は 投 与 し な い こ と を 原 則 と す る が 、特
に 必 要 と す る 場 合 に は 慎 重 に 投 与 す る こ と )】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
<効 能 ・効 果 に 関 連 す る 使 用 上 の 注 意 >
(1)本 剤 の 注 射 に あ た っ て は 、 事 前 に 妊 産 婦 の D(Rho)陰 性 を 確 認 し て お く こ と 。
(2)本 剤 は 、新 生 児 が D(Rho)陽 性 で あ る 場 合 、胎 児・新 生 児 の 父 親 が D(Rho)陽 性 で あ る 場 合 、又 は 父 親 が D(Rho)陰 性
で あ る こ と が 不 明 で あ り 、 胎 児 ・ 新 生 児 も D(Rho)陰 性 で あ る こ と が 不 明 の 場 合 も 、 妊 産 婦 に 投 与 す る こ と 。
(3)本 剤 は D(Rho)因 子 に 未 感 作 の D(Rho)陰 性 の 妊 産 婦 に 投 与 す る こ と 。既 に D(Rho)因 子 で 感 作 さ れ 、抗 D(Rho)抗 体 を
持 っ て い る 婦 人 (分 娩 前 の 本 剤 投 与 に よ り 受 動 抗 D(Rho)抗 体 を 持 っ て い る 婦 人 を 除 く )及 び D(Rho)陰 性 の 新 生 児
を分娩した婦人には、本剤投与による予防は無効であるため、投与しないこと。
(4)妊 娠 28週 前 後 及 び 妊 娠 に 関 連 し た D(Rho)感 作 が 疑 わ れ る 場 合 の 妊 娠 中 の 投 与 に 加 え 、 新 生 児 が D(Rho)陽 性 の 場
合、分娩後にも産婦へ本剤投与を行うこと。
【使用上の注意】
1.慎 重 投 与 (次 の 患 者 に は 慎 重 に 投 与 す る こ と )
(1)IgA 欠 損 症 の 患 者 [ 抗 IgA 抗 体 を 保 有 す る 患 者 で は 過
敏 反 応 を 起 こ す お そ れ が あ る 。]
(2)溶 血 性 ・ 失 血 性 貧 血 の 患 者 [ ヒ ト パ ル ボ ウ イ ル ス B19
の 感 染 を 起 こ す 可 能 性 を 否 定 で き な い 。感 染 し た 場 合
に は 、発 熱 と 急 激 な 貧 血 を 伴 う 重 篤 な 全 身 症 状 を 起 こ
す こ と が あ る 。]
(3)免 疫 不 全 患 者・免 疫 抑 制 状 態 の 患 者[ ヒ ト パ ル ボ ウ イ
ル ス B19 の 感 染 を 起 こ す 可 能 性 を 否 定 で き な い 。感 染
し た 場 合 に は 、 持 続 性 の 貧 血 を 起 こ す こ と が あ る 。]
2.重 要 な 基 本 的 注 意
[患者への説明]
本剤の投与にあたっては、疾病の治療における本剤の必
要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止す
るための安全対策が講じられているが、ヒト血液を原料
としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に
排除することができないことを、患者に対して説明し、
理解を得るよう努めること。
(1)本剤の原材料となる血液については、HBs 抗原、抗 HCV
抗体、抗 HIV-1 抗体及び抗 HIV-2 抗体が陰性であること
を確認している。さらに、プールした試験血漿について
は、HIV-1、HBV 及び HCV について核酸増幅検査(NAT)を実
施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当
該 NAT の検出限界以下のウイルスが混入している可能性
が常に存在する。その後の製造工程である Cohn の低温エ
タノール分画及びウイルス除去膜によるろ過処理は、HIV
をはじめとする各種ウイルスに対し、不活化・除去作用
を有することが確認されているが、投与に際しては、次
の点に十分注意すること。
1)血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイル
ス B19 等のウイルスを完全に不活化・除去することが困
難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否
定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
2)現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・
ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしな
がら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの
報告があるものの、理論的な vCJD 等の伝播のリスクを完
全には排除できないので、投与の際には患者への説明を
十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
(2)ショック等重篤な副作用を起こすことがあるので、注意
して使用し、経過を十分観察すること。
(3)妊娠後期又は分娩時の胎児母体間出血により、D(Rho)陰
性の母親の循環血中に胎児の D(Rho)陽性赤血球が存在し
た場合には、母親の血液型判定において、誤判定を起こ
すおそれがある。
3.相互作用
[併用注意](併用に注意すること)
機 序・
薬剤名等
臨 床 症 状 ・措 置 方 法
危険因子
本剤の投与を受けた 本 剤 の 主 成
非経口用
者 は 、生 ワクチンの 効 果 が 分 は 免 疫 抗
生ワクチン
得られないおそれが 体 で あるた
麻 疹 ワクチン
おたふくかぜワクチ あ る の で 、生 ワクチンの 接 め、中 和 反 応
種 は 本 剤 投 与 後 3カ 月 に よ り 生 ワクチ
ン
ンの 効 果 が 減
以上延期すること。
風 疹 ワクチン
弱されるお
こ れ ら 混 合 ワクチン
それがある。
水 痘 ワクチン等
4.副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる
調査を実施していない。(再審査対象外)
(1)重 大 な 副 作 用
ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を
十分に行い、悪心、嘔吐、発汗、四肢冷感、血圧低下等
の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置
を行うこと。
(2)そ の 他 の 副 作 用
頻度不明
過 敏 症注)
発熱,発疹等
注射部位
疼痛,腫脹,硬結
注)このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 へ の 投 与
本 剤 の 投 与 に よ り ヒ ト パ ル ボ ウ イ ル ス B19の 感 染 の 可 能
性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流
産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。
6.臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼ す 影 響
(1)本 剤 に は 各 種 感 染 症 の 病 原 体 又 は そ の 産 生 物 質 に 対 す
る 免 疫 抗 体 が 含 ま れ て お り 、投 与 後 の 血 中 に こ れ ら 免 疫
抗 体 が 一 時 検 出 さ れ る こ と が あ る の で 、臨 床 診 断 に は 注
意を要する。
(2)妊娠中に本剤を投与した場合、母体血清中の受動抗 D(Rho)
抗体により、間接クームス試験が陽性になることがある。
ま た 、そ の よ う な 母 体 か ら 出 生 し た 新 生 児 に お い て は 出
生時の直接クームス試験で弱い陽性反応を示すことが
あ る 。こ の よ う な 場 合 で も 、新 生 児 が D(Rho)陽 性 で あ れ
ば分娩後にも本剤を母親に投与すること。
7.適 用 上 の 注 意
(1)投 与 経 路 :
筋肉内注射にのみ使用すること。決して静脈内に注射し
てはならない。
(2)筋 肉 内 注 射 時 :
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避
けるため、下記の点に注意すること。
1)神 経 走 行 部 位 を 避 け る よ う 注 意 す る こ と 。
2)注 射 針 を 刺 入 し た と き 、激 痛 を 訴 え た り 、血 液 の 逆 流 を
み た 場 合 は 、直 ち に 針 を 抜 き 、部 位 を か え て 注 射 す る こ
と。
(3)調 製 時 :
1)溶 解 時 に 著 し い 沈 殿 が 認 め ら れ る も の は 投 与 し な い こ
と。
2)本 剤 は チ メ ロ サ ー ル そ の 他 の 保 存 剤 を 含 有 し て い な い
の で 、 一 度 溶 解 し た も の は 1時 間 以 内 に 使 用 し 、 残 液 は
再使用しないこと。
(4)ア ン プ ル カ ッ ト 時 :
溶 解 液 の ア ン プ ル は「 一 点 カ ッ ト ア ン プ ル 」を 使 用 し て
い る の で 、ヤ ス リ を 用 い ず 、ア ン プ ル 枝 部 の マ ー ク( 青 )
の反対方向に折りとること。
な お 、ア ン プ ル カ ッ ト 時 の 異 物 混 入 を 避 け る た め 、ア ン
プル首部の周りをエタノール綿等で清拭し折りとるこ
と。
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