薬価基準収載 生物学的製剤基準 特定生物由来製品 乾燥抗 D(Rho)人免疫グロブリン 処方せん医薬品 (注 意 - 医 師 等 の 処 方 せ ん に よ り 使 用 す る こ と ) 平成 23 年 5 月 日本製薬株式会社 この度、乾燥抗 D(Rho)人免疫グロブリン[弊社製品:抗 D グロブリン筋注用 1000 倍「ニチヤク」]につ きまして、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知 申請への該当性に係る報告」(公知申請)が取り纏められ、平成 22 年 10 月 29 日 の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会にて承認事項一部変更承認申請が可能であると判断され、 承認を取得しましたので、お知らせ申しあげます。[承認日:平成 23 年 5 月 20 日] 「効能・効果」「用法・用量」変更のご案内 ■「効能・効果」、「用法・用量」変更承認に伴う改訂 D(Rho)因子陰性で、これまでに D(Rho)因子で未感作の女性に対し、流産後、人工妊娠中絶後、 異所性妊娠後、妊娠中の検査・処置後または腹部打撲後 72 時間以内の投与及び、妊娠 28 週前 後の投与の効能効果が承認されました。 承認 後の 【効能・効果】、【用法・用量】 【効能・効果】※ D(Rho)陰 性 で 以前 にD(Rho)因子 で感 作 を 受けていない女性に対し、以下の場合に投与することにより、 D(Rho)因 子 に よる 感作 を 抑 制す る。 ◇ 分娩 後 、流 産 後、人 工 妊 娠 中絶 後 、異 所 性妊娠後、妊娠中の検査・処置後(羊水穿刺、胎位外回転術等)又は腹 部打撲後等 の D(Rho)感 作 の 可能 性が あ る場合 ◇妊娠28週前 後 【用法・用量】※ 本剤 は、1瓶 を添付 の溶 解 液 (日 本薬 局方 注射用水)2mLに溶解し、効能・効果に応じて以下のとおり投与する。 ◇分 娩後 、流 産後 、人 工妊 娠中 絶後 、異 所性 妊娠後、妊娠中の検査・処置後又は腹部打撲後: 72時 間以 内 に 本剤 1瓶 を筋 肉内 に注 射 する。 ◇妊娠28週前 後: 本剤 1瓶 を筋 肉内 に注 射 す る。 ※既に平成 22 年 10 月 29 日付、保医発 1029 第 4 号により保険適用となっております。 また、上記の承認に伴い、「使用上の注意」も一部追記または改訂しました。 改訂後の内容 禁忌 1.D(Rho)陽 性 の新 生児 及 び妊産婦[本剤を投与すると溶血を起こす可能性がある。] <効能・効果に 関連する使用 上の注意> (1)本剤の注射にあたっては、事前に妊産婦の D(Rho)陰性を確認しておくこと。 (2)本剤は、新生児が D(Rho)陽性である場合、胎児・新生児の父親が D(Rho)陽性である場合、又は 父親が D(Rho)陰性であることが不明であり、胎児・新生児も D(Rho)陰性であることが不明の場 合も、妊産婦に投与すること。 (3)本剤は D(Rho)因子に未感作の D(Rho)陰性の妊産婦に投与すること。既に D(Rho)因子で感作さ れ、抗 D(Rho)抗体を持っている婦人(分娩前の本剤投与により受動抗 D(Rho)抗体を持っている 婦人を除く)及び D(Rho)陰性の新生児を分娩した婦人には、本剤投与による予防は無効である ため、投与しないこと。 (4)妊娠 28 週前後及び妊娠に関連した D(Rho)感作が疑われる場合の妊娠中の投与に加え、新生児 が D(Rho)陽性の場合、分娩後にも産婦へ本剤投与を行うこと。 重要な基本的 (3)妊娠後期又は分娩時の胎児母体間出血により、D(Rho)陰性の母親の循環血中に胎児の D(Rho)陽 注意 性赤血球が存在した場合には、母親の血液型判定において、誤判定を起こすおそれがある。 妊婦、産婦、授乳 本剤の投与によりヒトパルボウイルス B19 の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児 婦等への投与 への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。 臨床検査結果 (2)妊娠中に本剤を投与した場合、母体血清中の受動抗 D(Rho)抗体により、間接クームス試験が陽 に及ぼす影響 性になることがある。また、そのような母体から出生した新生児においては出生時の直接クー ムス試験で弱い陽性反応を示すことがある。このような場合でも、新生児が D(Rho)陽性であれ ば分娩後にも本剤を母親に投与すること。 - 1 - 部 : 2011年 5月 改 訂 ■改訂後の「禁忌・使用上の注意事項」 【 禁 忌 (次 の 患 者 に は 投 与 し な い こ と )】 1. D(Rho)陽 性 の 新 生 児 及 び 妊 産 婦 [本 剤 を 投 与 す る と 溶 血 を 起 こ す 可 能 性 が あ る 。] 2.本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者 【 原 則 禁 忌 (次 の 患 者 に は 投 与 し な い こ と を 原 則 と す る が 、特 に 必 要 と す る 場 合 に は 慎 重 に 投 与 す る こ と )】 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 <効 能 ・効 果 に 関 連 す る 使 用 上 の 注 意 > (1)本 剤 の 注 射 に あ た っ て は 、 事 前 に 妊 産 婦 の D(Rho)陰 性 を 確 認 し て お く こ と 。 (2)本 剤 は 、新 生 児 が D(Rho)陽 性 で あ る 場 合 、胎 児・新 生 児 の 父 親 が D(Rho)陽 性 で あ る 場 合 、又 は 父 親 が D(Rho)陰 性 で あ る こ と が 不 明 で あ り 、 胎 児 ・ 新 生 児 も D(Rho)陰 性 で あ る こ と が 不 明 の 場 合 も 、 妊 産 婦 に 投 与 す る こ と 。 (3)本 剤 は D(Rho)因 子 に 未 感 作 の D(Rho)陰 性 の 妊 産 婦 に 投 与 す る こ と 。既 に D(Rho)因 子 で 感 作 さ れ 、抗 D(Rho)抗 体 を 持 っ て い る 婦 人 (分 娩 前 の 本 剤 投 与 に よ り 受 動 抗 D(Rho)抗 体 を 持 っ て い る 婦 人 を 除 く )及 び D(Rho)陰 性 の 新 生 児 を分娩した婦人には、本剤投与による予防は無効であるため、投与しないこと。 (4)妊 娠 28週 前 後 及 び 妊 娠 に 関 連 し た D(Rho)感 作 が 疑 わ れ る 場 合 の 妊 娠 中 の 投 与 に 加 え 、 新 生 児 が D(Rho)陽 性 の 場 合、分娩後にも産婦へ本剤投与を行うこと。 【使用上の注意】 1.慎 重 投 与 (次 の 患 者 に は 慎 重 に 投 与 す る こ と ) (1)IgA 欠 損 症 の 患 者 [ 抗 IgA 抗 体 を 保 有 す る 患 者 で は 過 敏 反 応 を 起 こ す お そ れ が あ る 。] (2)溶 血 性 ・ 失 血 性 貧 血 の 患 者 [ ヒ ト パ ル ボ ウ イ ル ス B19 の 感 染 を 起 こ す 可 能 性 を 否 定 で き な い 。感 染 し た 場 合 に は 、発 熱 と 急 激 な 貧 血 を 伴 う 重 篤 な 全 身 症 状 を 起 こ す こ と が あ る 。] (3)免 疫 不 全 患 者・免 疫 抑 制 状 態 の 患 者[ ヒ ト パ ル ボ ウ イ ル ス B19 の 感 染 を 起 こ す 可 能 性 を 否 定 で き な い 。感 染 し た 場 合 に は 、 持 続 性 の 貧 血 を 起 こ す こ と が あ る 。] 2.重 要 な 基 本 的 注 意 [患者への説明] 本剤の投与にあたっては、疾病の治療における本剤の必 要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止す るための安全対策が講じられているが、ヒト血液を原料 としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に 排除することができないことを、患者に対して説明し、 理解を得るよう努めること。 (1)本剤の原材料となる血液については、HBs 抗原、抗 HCV 抗体、抗 HIV-1 抗体及び抗 HIV-2 抗体が陰性であること を確認している。さらに、プールした試験血漿について は、HIV-1、HBV 及び HCV について核酸増幅検査(NAT)を実 施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当 該 NAT の検出限界以下のウイルスが混入している可能性 が常に存在する。その後の製造工程である Cohn の低温エ タノール分画及びウイルス除去膜によるろ過処理は、HIV をはじめとする各種ウイルスに対し、不活化・除去作用 を有することが確認されているが、投与に際しては、次 の点に十分注意すること。 1)血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイル ス B19 等のウイルスを完全に不活化・除去することが困 難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否 定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。 2)現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしな がら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの 報告があるものの、理論的な vCJD 等の伝播のリスクを完 全には排除できないので、投与の際には患者への説明を 十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。 (2)ショック等重篤な副作用を起こすことがあるので、注意 して使用し、経過を十分観察すること。 (3)妊娠後期又は分娩時の胎児母体間出血により、D(Rho)陰 性の母親の循環血中に胎児の D(Rho)陽性赤血球が存在し た場合には、母親の血液型判定において、誤判定を起こ すおそれがある。 3.相互作用 [併用注意](併用に注意すること) 機 序・ 薬剤名等 臨 床 症 状 ・措 置 方 法 危険因子 本剤の投与を受けた 本 剤 の 主 成 非経口用 者 は 、生 ワクチンの 効 果 が 分 は 免 疫 抗 生ワクチン 得られないおそれが 体 で あるた 麻 疹 ワクチン おたふくかぜワクチ あ る の で 、生 ワクチンの 接 め、中 和 反 応 種 は 本 剤 投 与 後 3カ 月 に よ り 生 ワクチ ン ンの 効 果 が 減 以上延期すること。 風 疹 ワクチン 弱されるお こ れ ら 混 合 ワクチン それがある。 水 痘 ワクチン等 4.副作用 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる 調査を実施していない。(再審査対象外) (1)重 大 な 副 作 用 ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を 十分に行い、悪心、嘔吐、発汗、四肢冷感、血圧低下等 の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置 を行うこと。 (2)そ の 他 の 副 作 用 頻度不明 過 敏 症注) 発熱,発疹等 注射部位 疼痛,腫脹,硬結 注)このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 5.妊 婦 、 産 婦 、 授 乳 婦 等 へ の 投 与 本 剤 の 投 与 に よ り ヒ ト パ ル ボ ウ イ ル ス B19の 感 染 の 可 能 性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流 産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。 6.臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼ す 影 響 (1)本 剤 に は 各 種 感 染 症 の 病 原 体 又 は そ の 産 生 物 質 に 対 す る 免 疫 抗 体 が 含 ま れ て お り 、投 与 後 の 血 中 に こ れ ら 免 疫 抗 体 が 一 時 検 出 さ れ る こ と が あ る の で 、臨 床 診 断 に は 注 意を要する。 (2)妊 娠 中 に 本 剤 を 投 与 し た 場 合 、母 体 血 清 中 の 受 動 抗 D(Rh o)抗 体 に よ り 、間 接 ク ー ム ス 試 験 が 陽 性 に な る こ と が あ る 。ま た 、そ の よ う な 母 体 か ら 出 生 し た 新 生 児 に お い て は出生時の直接クームス試験で弱い陽性反応を示すこ と が あ る 。こ の よ う な 場 合 で も 、新 生 児 が D(Rho)陽 性 で あれば分娩後にも本剤を母親に投与すること。 7.適 用 上 の 注 意 (1)投 与 経 路 : 筋肉内注射にのみ使用すること。決して静脈内に注射し てはならない。 (2)筋 肉 内 注 射 時 : 筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避 けるため、下記の点に注意すること。 1)神 経 走 行 部 位 を 避 け る よ う 注 意 す る こ と 。 2)注 射 針 を 刺 入 し た と き 、激 痛 を 訴 え た り 、血 液 の 逆 流 を み た 場 合 は 、直 ち に 針 を 抜 き 、部 位 を か え て 注 射 す る こ と。 (3)調 製 時 : 1)溶 解 時 に 著 し い 沈 殿 が 認 め ら れ る も の は 投 与 し な い こ と。 2)本 剤 は チ メ ロ サ ー ル そ の 他 の 保 存 剤 を 含 有 し て い な い の で 、 一 度 溶 解 し た も の は 1時 間 以 内 に 使 用 し 、 残 液 は 再使用しないこと。 (4)ア ン プ ル カ ッ ト 時 : 溶 解 液 の ア ン プ ル は「 一 点 カ ッ ト ア ン プ ル 」を 使 用 し て い る の で 、ヤ ス リ を 用 い ず 、ア ン プ ル 枝 部 の マ ー ク( 青 ) の反対方向に折りとること。 な お 、ア ン プ ル カ ッ ト 時 の 異 物 混 入 を 避 け る た め 、ア ン プル首部の周りをエタノール綿等で清拭し折りとるこ と。 - 2 -
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