薬局だより No. 73 号 H27 年 5 月 話題の新薬 グラナテック点眼液 逆流性食道炎について No5-2 緑内障・高眼圧症治療 逆流性食道炎の薬物療法(前号より続き) よく使われるのは、胃酸の分泌を抑える薬です。胃酸 興和創薬は、Rho キナーゼ阻害剤と呼ばれる、緑内障・ を中和する薬、粘膜を保護する薬、胃の運動を活発に 高眼圧症治療「グラナテック点眼液0.4%」を新発売し する薬を一緒に飲むこともあります。 た。本剤は、Rho キナーゼを選択的に阻害し、線維柱帯 細胞、細胞外マトリクスやシュレム管内皮細胞に作用す ることにより、線維柱帯- シュレム管を介する房水主流 ③ 粘膜保護薬 食道の粘膜をおおって、逆流してきた胃液から食道 出路の流出抵抗を減少させる。これにより、房水流出量 を増加させ、眼圧下降作用を示す。1 回1 滴、1 日2 回 を守り、炎症の改善をたすける働きがあります 点眼する。 ●粘膜抵抗強化薬 プロマック(ポラプレジング)D 錠 75 アルサルミン(スクラルファート)90%細粒 アルロイド G(サンメール)内用液 マーズレン S(グロリアミン)配合顆粒 ● 粘膜産生・分泌促進薬 セルベックス(テプレノン)カプセル 50mg ムコスタ(レバミピド)錠 100mg ● 胃粘膜微小循環改善薬 アプレース(トロキシピド)錠 100mg ウルグートカプセル 200mg ドグマチール(スルピリド)錠 50mg ソロン(トファルコン)錠 50mg ガスロン N・OD 錠 2mg 副作用情報 デベルザ錠 20mg 興和創薬から販売されている糖尿病治療薬「デベルザ錠 20mg」は、販売開始から直近5ヶ月の間に同剤投与と因 果関係が否定できない副作用として、「腎盂腎炎」が認 められた症例2例(うち死亡0例)が報告された。そのた め、 「重大な副作用」の項に「腎盂腎炎」が追記された。 ④ 制酸薬 糖類はスプーン 6 杯まで 胃で分泌された胃酸や、食道に逆流してきた胃酸を 世界保健機関(WHO)は、肥満や虫歯防止のため、砂 中和して、食道粘膜が障害される程度を軽くした 糖などの糖類の1日当たり摂取量を総エネルギー摂取 り、症状を速やかに和らげる働きがあります 量の5%未満に抑えるのが望ましいとの新たな指針を コランチル配合顆粒 正式に発表した。平均的な大人の場合、「5%」は砂糖 マーロックス懸濁用配合顆粒 約25グラム、ティースプーンでおよそ6杯分に相当す るという。指針は、10%未満に抑えることを「強く勧 ⑤ 消化管運動機能改善薬 食道の運動機能を改善し、胃酸の逆流を生じにく 告する」とした上で、さらに可能であれば5%未満に抑 くしたり、消化管の運動を活発にして、食物が胃 えることで「より健康に良い効果が得られる」とした。 糖類は砂糖やシロップなどに含まれているほか、ケチャ に長時間留まらないようにします ップのような意外なものにもたくさん「隠れている」と ガスモチン(モサプリドクエン酸塩)錠 5mg して、WHOは注意するよう促している。日本など各国 ガナトン(イトプリド塩酸塩)錠 50mg セレキノン(トリメブチンマレイン酸塩)錠 100mg の具体的な平均摂取量は不明だが、5%の基準は多くの 先進国の摂取量を下回るとみられる。 ふれあい東戸塚ホスピタル 薬剤部 DI室
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