大学サッカー選手のグループ戦術遂行能力向上の為の取り組み 中村 謙吾(競技スポーツ学科 コーチングコース) 指導教官 北村 哲 キーワード:グループ戦術,共有イメージ,戦術形成 1. 緒言 ②共有すべき課題,③具体的な対応方法について 本学サッカー部の 2014 年のシーズンは昨年と 抽出し整理した.主なグループ戦術として「A. は異なり飛び抜けたパフォーマンスが高いプレイ 相手のくさびのパスを防ぐプレー」 , 「B.相手ロ ヤーがいないことから,チーム全員が上手く連携 ングボールへの対応」 , 「C.相手 2 列目の選手の してプレーすることが求められ,特に失点を防ぐ マークの受け渡し」の 3 つの戦術を対象とした 為のディフェンスのパフォーマンス向上が必要で 3. 結果と考察 あった. 米原(2014)は, グループでプレーする際, 1) 各戦術形成のポイントとして, 「A.相手の イメージを共有して連動することが大切であり, くさびのパスを防ぐプレー」はパスコースの その為にはチーム内の共有イメージが効果的な連 限定の仕方をより詳細に共有できたこと(図 動性を生むことを述べている. 1) , 「B.相手ロングボールへの対応」は, そこで,本研究はチームの課題であったディフ 競い合う選手をはっきりさせたこと(図 2) , ェンスにおいて著者と周囲の選手で構成されるグ 「C. 相手2列目の選手のマークの受け渡し」 ループ戦術が,どのようにイメージや注意点につ は,試合後の VTR 分析により,ボランチの選 いて共有することで形成されていくのかを,著者 手が後ろディフェンス選手とのスペースを のトレーニング活動の記録から明らかにすること 意識でいるようになったことが挙げられた. を目的とする. 2) グループ戦術が形成される過程から,イメー 2. 研究方法 ジを共有する選手の数が徐々に増えていく 関西学生サッカー後期リーグ戦における全 11 試合,天皇杯 2 試合,インカレ 3 試合における著 に従って,戦術の遂行能力が高くなった. 4. 主な引用参考文献 者を含めた 3~5 人によるグループ戦術について, 米原隆幸(2014)サッカー3 対 3 トレーニング集, 著者のサッカー日記から①共有すべきイメージ, ベースボール・マガジン社,東京 図1 A.相手のくさびのパスを防ぐプレーの形成過程 図2. B.相手ロングボールへの対応のプレーの形成過程 図 3. C.相手 2 列目の選手のマークの受け渡しのプレーの形成過程
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