2005 年 8 月 4 日(月)―2005 年 8 月 5 日(金) 総括 「ドル安円安時代

2005 年 8 月 4 日(月)―2005 年 8 月 5 日(金)
総括 「ドル安円安時代」
需給「ビッグバン効果とドル安円安」
テクニカル「監督」
当局 「規制しやすいところから規制する?」
ID為替「短期は規律と根性」
横浜湘南便り 「オールバックス?」
ドル円 110-113
ユーロ円 135−138
FX湘南IG (FSIG) 代表 野村雅道
(事務所 田園、山下、伊豆稲取) 中京大学講師
日経インデックス(2000 年=100) 8 月 3 日東京引け 前回 7 月 29 日からの変
化 円 91.1 強し ドル 91.6 弱し ユーロ 120.4 若干弱し 8 月 3 日ドルインデックス
IN NYBOT88.03 弱し CRB 315.32 強し 日経平均ドルベース 8 月 3 日東京引
け 107.08 IMM円投機筋 7 月 26 日−47768(前週比+11288)
1. (今週の予定)
1(月)日 路線価、独 製造業 PMI、ユーロ圏製造業 PMI、米 ISM製造業指数、
建設支出
2(火)日 マネタリーベース、 豪 RBA金融政策委員会、ユーロ圏 PPI、失業率
米 個人所得、製造業受注
3(水) 豪 RBA政策金利発表、独 サービス業PMI、ユーロ圏 小売売上、サー
ビス業PMI、米 ISM 非製造業指数
4(木) ECB理事会
5(金) 日 景気動向指数、全世帯家計調査、独 鉱工業生産、米 雇用統計
(来週の予定)
8(月)日 マネーサプライ、日銀政策決定会合、景気ウォッチャー調査
9(火)日 日銀政策決定会合、金融経済月報、機械受注、独 貿易収支、米 2Q
労働生産性、FOMC
10(水)日 企業物価指数、消費者態度指数、
11(木)日 国際収支、NZ 2Q失業率 豪 失業率、独 2QGDP、ユーロ圏2QG
DP、米 小売売上、新規失業保険、企業在庫
12(金) 日 2QGDP、NZ 小売売上、米 貿易収支、ミシガン大消費者信頼感指
数
2.総括 「ドル安円安時代」
ドル下げの解説としては各国中銀が外貨準備をユーロにシフト、スノー財務長官
の金利上昇の懸念、日本株年初来高値更新、IMFがドル高懸念などを上げればよ
いのだろう。
さてアジアサッカー選手権の盛り上がりぶりや審判の対応を見ていると中国、韓国、
北朝鮮は一体化している気がした。スポーツでの感覚はそのまま 6 カ国協議にも当
てはまっているようだ。日本のカラーのなさ、個性のなさ。米国寄りと思っていても米
国からも重要視されなくなり、日本のアジア首脳外交の欠如の影響も出てきたようだ。
解散とか小泉首相交代は円安との見方もあるがアジア政治経済外交にとってはメリ
ットだろう。しかし所詮、日本の首相交代は従来どおり材料でもないと思う。
米国は双子の赤字があり、日本はついに先行き不安で個人が資金海外流出への
緒に就いた。今年のこれまでのドル高は金利上昇などの要因ではなくただただ本
国投資法の影響と思うこの頃である。6 月が過ぎたらユーロが下落しなくなったのが
それを表している。
ドル安円安時代が始まったようだ。ドル円が下がってもひところのようなクロスを含め
ての円独歩高はないようだ。 8 月でドル円が下がりやすい傾向は既述通りだが、今
年はドル円で円高が進行してもクロス円が円高に反応しにくいようだ。クロス円は買
い場なのだろう。
さて以下は去年(2004 年 7 月 29 日)頂いた為替相場のメールである。
月の特徴なども相場判断の材料としているが、前年(それ以上の過去も)同月同日
あるいは同曜日などに起きたことも参考に取引していたが、最近は体力の衰えとと
もにそれほど緻密には追っていないが。
時々このように大口の取引が出た時のメールを保存していてその後相場がどう推移
したかもチェックしている。このときは電話でも日本の生保が大口でドルを売ったこと
を聞いたがその後はまったく戻らずそのレベルの戻ったのはつい先月のことある。
ユーロ円も昨年の今頃は全く同レベルであった。ただ豪円は 78 円、NZ円は 72
円程度であり今よりは円高レベルであった。
+++「日本の変化日(111.75)」7 月 29 日=フィスコ
「「「 ドル・円は本邦輸出企業、本邦機関投資家からのドル売りで 111 円 83
銭から 111 円 48 銭まで下落、米系の押し目買いで 111 円 65-70 銭付近で下げ
渋っている。 本日は、ドル・円、日経平均株価が一目均衡表の変化日。 ド
ル・円は陽線新高値 9 手、日経平均株価は陰線新安値 8 手を数えており、酒
田の 骨子である 8 手 10 手の利食いの日柄に入っており、ドル・円は戻り売
り、日経平均株価は押し目買いが基本的なスタンスとなる。 (以下略)ロシ
ア石油大手ユーコスの原油生産量は約 170 万バレル、70% が輸出とのことで、
120 万バレルの減少が懸念されている。」++++++
3.需給
「ビッグバン効果とドル安円安」
為替証拠金取引は活況を呈しているようだ。出来高や手数料収入の増加にも表れ
てきている。業界の繁栄を期待したい。1998 年のビッグバンの影響は大きかったと
思う。当時も「フリー」「フェアー」「グローバル」の号令で日本の個人資金が海外へ
流出するのでドル高円安が 98 年 4 月より進む予想が多かった。
しかし実際は 130 円から 101 円へドルは急落、その後もまずは円高推移している
といって良いだろう。(最近はかつての円高レベルと言われた 110 円台に戻っただ
けで円安と喜んでいる人も多いがもう少し大きな目、レンジで見てみたい。)
また 98 年のビッグバン開始時の円安予想は必ずしも外れているわけでもなかった。
クロス円は総じてその後上昇、円安推移となっていた。ユーロ円では 100 円割れも
あり少しは下落もしたが。
日本人は為替=ドル円にならざるを得ないので円安という感じはしなかったが総
合的(ユーロ円、スイス円、カナダ円、ポンド円、豪ドル円、NZ円など)には 98 年より
円安は進んでいた。日本人感覚ではドル円が今年のように 101 円から 110 円のせ
にならないと円安ではないが、クロス円では 98 年から今までの 7 年間相当上昇して
いた。早くから為替個人取引で高金利を追っていた人は為替益、金利差益を享受
できていたのである。
日本国の先行き不安があり資金流出したいという個人にビッグバンでその流出ツ
ールも整ってきたのだろう。
このドル安円安という感覚は需給的にも見合っているし、双子の赤字の米国とア
ジアで取り残されかねない日本をも表している。
4 テクニカル
「監督」
移動平均では一昨日の 8 月 2 日に 5 月 18 日(スポットレベル 106 円 91 銭)以来
21 日線が下向きに転じた。また 5 日線が 21 日線を下抜いた。
さてなかなか 100%あたるチャートを見つけることは難しい。幸か不幸か 100%外
れるチャートも見つけることも出来ない。70 から 80%あたるチャートや手法は多い。
移動平均線、ローソク足、ボリンジャーバンド、トレンドライン、ポイント&フィギュア
ー(これは 100%儲かるが体力がついていかない)などだ。また需給は分かれば
100%当たるが数字が掴みにくいこともあり、つかめる数字はせいぜいリアルタイム
で 80%程度だろう。
この 8 割程度当たる手法を自分で毎度毎度選んでいくのも面白い。野球の監督
になって選手起用するものだ。あたる手法はかわいくなっていく。しかし一旦起用し
た手法は腹を決めて使っていかない時もある。
5.リスク(想定済みにしよう) 「長引くイラク、パレスチナ、日中問題」
北朝鮮暴発(北朝鮮開国?)、イラン、地震、ビンラディン現る、日本物格上げ、米
国物格下げ、貿易戦争(FTA)、米軍イラク撤退、領土教科書靖国問題、内閣総辞
職、衆議院解散
6.当局 「規制しやすいところから規制する?」
相変わらず金融商品にかかわる事件が次から次へと出てくるが、問題点は一点に
つきる。業者の顧客資金の持ち逃げだ。金、株、牛、為替、ワラント、オプション等々
投資対象は様々だが真面目にその商品に投資していればそれ程損は出ていない
し、いや例えば為替での高金利投資ならかなりの高利回りとなっていたのだろう。悪
徳業者にとっては投資する商品は何でもよいのだ。はやりもの、あるいは洋もの、カ
タカナものがいいのだろう。どうせその商品で運用しないのだから。グローバル FX
マーバラス オプション ハイハイイールドとか喜ばれそうなものを名付ければよい。
しかし新聞等で騒がれると金融当局はその商品へ規制をかけ始める。それぞれ
の商品のシステムには問題がないのに問題の解決とはかけ離れた規制しやすいと
ころへ規制をかける傾向がある。さらに規制団体や協会をつくる(天下りの温床とな
る、ボランティアまがいのもので十分と思うが)。
為替は世界中で既に取引され洗練された商品であるがそんなところへも日本独自
の規制をかける。
原因は資金持ち逃げである。いくら規制をかけても政府登録とか唄ってもそれを知
らない個人に口八丁手八丁で個人を勧誘し持ち逃げされる。規制を強化して解決
するには刑罰の強化や個人の啓蒙があろう。
心配なのは「フリー、フェアー、グローバル」で日本の金融市場が育ってきたとこ
ろへ勘違いした規制がかけられ市場の発展が損なわれ、「コントロールド、アンフェ
アー、アイソレイティッド」市場に逆戻りすることだろう。取り締まりするのは良いのだ
が取り締まりしやすいところを取り締まりするのではなく犯人逮捕につながる取り締
まりをして欲しいものだ。何があったわけでもないが、最近そういう兆しが耳にはいっ
てくる。
7.ID為替 「短期は規律と根性」
アサヒニュースターというテレビの為替討論会に参加させていただいた。討論者は
3 人で酒匂さんと慶応大学の今井さんであった。ほぼ好きに話して良いということで
打ち合わせなしで始まった。いつもこんなテレビ出演なら楽なのだが。司会は蟹瀬
誠一氏。朝までテレビのようにまったく自由奔放であった。
私は「短期取引は規律と根性」「10%から 20%程度の利回り希望ならバタバタ売
買しなくても稼げる」「米国と日欧ファンダメンタルズは較べる必要はない。いつも米
国が勝っており相場との直接関連はない。」「ここ 8 年はドル安円安であったが今後
も続く。」「外貨を買っていれば上がっても下がっても儲かる。」と好きなことを言わせ
ていただいた。とても寛容な番組であった。居酒屋で話している雰囲気で私も顔は
真っ赤であった。海水浴帰りで皮がむけだし、2 度目の脱皮中であったからだが。
私は人の話を聞くのが苦手であるが(自分で分かっているだけましだと思う。)、酒
匂さん、今井さんからも貴重な意見をご教授いただいた。酒匂さんも個人の顧客に
へつらうことなく現実的に適切に損切ることの大切さを説いておられた。今井さんに
も中国の経済状況の貴重な情報していただいたし最近為替で儲ける本も出版され
たようだ。
放映は 8 月 6 日(土)18:05∼19:05
8 月 13 日(土)17:00∼18:00
ASAHI NEWSTAR スカパー 256 チャンネル
日経掲載原稿
http://www.nikkei-ad.com/kinyu/saizen/kawase/index.html
内需拡大−規制緩和−市場開放−小政府−財政均衡−自己責任−公明正大
50―超円高−100―円高−150−普通円−200―円安−250−超円安−
「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」
FX湘南社是 「面白く正しく」
FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 中京大学講師
(事務所 横浜田園、山下公園、伊豆稲取)
「付録 *横浜湘南便り*」
「オールバックス?」
常に最悪の事態を想定研究していれば異変が起きてもパニックにならなくて冷静
に対処出来る。最近ドルには及ばないがNZドルのポートフォリオが増えてきたので、
NZそのものについて研究し始めた。変動相場制移行後 440 円から 40 円まで下落、
ドル円の下落幅を大きく上回る下落幅を誇る(?)だけに、今後も現在の 76 円から
10 分の1の 7.6 円になるかもしれない。そういう時は現引きしていっそ移住をするの
が最悪の事態かなと思って研究していると結構楽しそうな国であることがわかってき
て、いやすぐにでも拠点探しでもしてもいいかなと思うこのごろである。(最悪を認識
すれば後はそこから浮かびあがるだけだ。カーネギーの考え方であったと思う)
オーストラリアやスペインのようなリタイアメントビザはあるのだろうか。日本の面積
の 7 割で火山国で温泉国だが、湿気はなく日本ほど人々は風呂に入りたくはならな
いようだ。
人間 350 万に羊 6000 万頭で牛馬が 900 万頭いる。牛馬を 1 頭あたり 6 人とす
れば合計で 1 億 1750 動物であり,日本とは動物密度でほぼ同じになるそうだ。
ニュージーランドと言えばラグビーであり、ラグビーと言えばオールブラックスだが
この名前の由来はマオリ族で黒い人が多かったからではない。イギリスで試合をし
た時にニュージーランドのチームはバックスだけではなくフォワードも全員が足が速
かったからだそうだ。それで新聞記者が「オールバックスのような機敏で強いチー
ム」と原稿を書いたところ印刷工が誤って「オールブラックス」と打ってしまったことか
ら始まったらしい。「オールフォワーズ」だったらもっと重厚で面白かったかな。 とり
あえずニュージーランド研究のさわりとして。