新春特別号② ~2016年の注 点 “為替編”

2016年1⽉5⽇
新春特別号② ~2016年の注⽬点 “為替編”~
<2015年を振り返って>
2015年の為替市場は2014年同様、⽶ドル⾼、資源国通貨安となりました。⽶国では利上げ観測が⾼まったこと
などを背景に⽶ドルが堅調な推移となりました。⼀⽅、資源国通貨は中国の景気減速懸念に加え、原油価格の下
落を背景として軟調に推移しました。2015年の対円での騰落率はブラジルレアルは▲32.6%、南アフリカラン
ドは▲24.9%、カナダドルが▲15.7%となりました。
ユーロはギリシャ債務問題などを背景として年初から軟調な推移となりました。その後ギリシャ債務問題の鎮静
化などからユーロはしっかりとした推移に転じましたが、10⽉下旬以降、ECBの追加⾦融緩和観測などから再び
ユーロ安となり、2015年のユーロの対円での騰落率は▲9.8%の下落となりました。
円は主要通貨の中で相対的にしっかりとした推移となりました。⽇本は⾦融緩和環境が続いたもののサプライズ
となるほどの追加⾦融緩和策が発表されなかったこと、年末にかけて株式市場が軟調に推移したことなどが背景
です。なお、⽶ドル円は115円台後半~125円台後半での推移となり、2015年の⽶ドルの対円での騰落率は
+0.4%の上昇(円安)となりました。
<2016年の展望>
⽶ドル⾼・円安の展開が続くと予想します。2016年は⽶国の景気拡⼤とともに利上げが続く⼀⽅、⽇本では⾦
融緩和環境が続く可能性が⾼く、情勢次第では⽇本銀⾏が追加⾦融緩和策を導⼊する可能性が⾒込まれます。
2015年に⼤きく下落した資源国通貨の中でブラジルレアルは、資源安に加えてブラジル国内の政治情勢の不透
明感、財政再建の遅れ、格付け会社による信⽤格付けの引き下げなどを受けて下落が続いてきました。2016年
も政治情勢や財政が市場の注⽬点になることが予想されます。⽶国の利上げが続くことが新興国や商品市況から
の資⾦流出につながり、通貨安につながる可能性がある点には留意が必要ですが、既に悪材料を相当程度織り込
んできていることもあり、政治情勢の安定化や財政再建の進展を背景にブラジルレアルが反転するのか注⽬が集
まります。
<対円での為替騰落率(2015年)>
-40% -30% -20% -10%
⽶ドル
0%
10%
<⽶ドル円の推移>
128
(円)
(2014/12/31~2015/12/31)
126
124
ユーロ
カナダドル
122
120
118
南アフリカランド
ブラジルレアル
116
114
14/12
15/03
15/06
15/09
15/12
(年/⽉)
出所:Bloomberg
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