まかせてね、我が家のごはんとみそ汁

第5学年家庭科学習指導案
平成21年10月22日(木)5校時
指 導 者
1
題材名
2
題材の目標
○
教 諭
池 田
由 美
まかせてね、我が家のごはんとみそ汁
毎日の食事や食事に使われている食品に関心をもち、家庭生活に生かそうとしている。
(関心・意欲・態度)
○
ごはんとみそ汁が同時にできあがるよう調理計画を工夫してたてている。 (創意工夫)
○
調理用具を安全に使い、計画にそってごはんとみそ汁を作ることができる。
○
ごはんやみそ汁の作り方や食品の栄養的な特徴や体内での主な働きが分かる。
(技能)
(知識・理解)
3
題材と児童
(1) 題材について
新学習指導要領解説家庭編では、生活や学習の基盤となる食育の推進のため、食事の役割
や栄養を考えた食事のとり方、調理などの学習活動をいっそう重視することとしている。調
和の良い食事と調理に関する基礎的・基本的な知識及び技能を身につけ、食生活をよりよく
しようと工夫する能力と実践的な態度を育てることが家庭科の学習で求められている。
1学期の「簡単な調理をしてみよう」では、野菜の調理計画を立て、サラダ作りを行った。
どんな野菜を食べているのかチェックする中で、野菜には、洗ってすぐに食べるものとゆで
てから食べた方がおいしいものがあることに気づくことができた。いろいろなものを作って
みたいという思いは高まってきている。
本題材は、新学習指導要領「B日常の食事と調理の基礎(3)調理の基礎」である。この
題材の大きなねらいは、米飯及びみそ汁の調理の仕方についてその知識と技能の習得と習熟
を図ることである。同時に、家庭での実践につなげ、家族にほめてもらったり、感謝された
りする喜びを味わい、調理ができるという自信と身につけた知識と技能を活用しようとする
意欲を高めていきたい。そして、本題材で身につけた知識や技能を生かし、6年生の朝食や
1食分の食事作りへとつなげていきたい。
(2) 児童の実態(男子6名
女子6名
計12名)
家庭科学習としての調理への意欲は高く、実習を楽しみにしている。しかし、家庭での食
事作りに参加している児童は多いとは言えない。食生活については、用意された食事の中で
好きなものだけを食べる児童が多い。本校では、3年ほど前から月に1回の朝食チェックを
行っている。カードを見てみると、主食・主菜・副菜・汁物の全てを常に満たしている児童
は次第に増えてきた。また、バランスのよい食事を心がける児童も増えてきている。反面、
ごはんやパンだけという児童もいるのが残念である。1学期に行ったPTCでのキャンプで
は、飯盒でごはんを炊く経験をした。その中で、水の量とごはんの硬さに関係があることに
気づくことができた。また、総合では、
「松代の米・棚田を探ろう」というテーマで調べ学習
を進めている。その中で、お米の種類がたくさんあり、それぞれ特徴が違うことを学んだ。
また、自分たちでも、コシヒカリともち米の両方を作り、それらを活用して調理をしたいと
いう思いが高まっている。
本題材では、ごはんの炊き方やみそ汁の作り方を調べ、手際よく調理するコツやおいしく
作るコツを実習や観察を通して感じ取らせる活動を大切にしたい。その際、気づいたことを
学習カードに書いたり、少人数で意見を交換し合ったりする言語活動を大切にし、思考を深
めることで、食生活への理解を促していきたいと考える。
「家庭科ファイル」を家庭へ持ち帰
ることにより、家族の協力を得て、家庭での実践をより確かなものとしていきたい。
4
単元展開の構想
(1) 研究テーマ
家庭実践に結びつく授業作りを目指して
(2) 研究テーマ設定の意図
サラダ作り、縦割り班遠足、キャンプなどの調理を楽しみにし、当日も協力して実践する
姿が見られるが、家庭でのお手伝いを進んで行ったり、習得したことを日常生活で活用した
りしていこうという実践的な態度はまだ弱い。また、今まで家庭科を教えてきた中で、せっ
かく、家庭科の時間に学んでも、家庭実践での復習がないと知識や技能をすぐに忘れてしま
ったり、生活の改善につながらなかったりということもあった。また、実践したことに対し
て家の人のコメントをもらうことで、実践意欲につながるのではないかと考える。そこで、
家族を巻き込んだ取組を行うことで子どもたちの実践力や意欲が向上すると考えた。家庭実
践に対してのコメントをいただくことで、自分も家族の役に立っているという充実感を高め、
さらに、自分ができることをやってみようという意欲につなげていきたい。
そのために、まず、自分が知っていることとまだ知らないことをはっきりさせる。そして、
よくわからなかったことやおいしい料理を作るための工夫などについて調べ活動を進めて
いく。調査活動については、家の人や栄養職員に直接インタビューし、それをもとに、実践
計画につなげていく。また、食べ比べなど子供たちの味覚に訴える活動を取り入れることで、
おいしく作るコツをつかませ、実践計画に取り入れさせたい。
実践計画で必要な技能については、それをチェックし、家での練習につなげていく。家の
人からはカードに感想を書いてもらうことでやって良かったいう充実感をもたせたい。
(3) 研究仮説と検証の方法
① 研究仮説
家庭生活から見つけた課題について、食べ比べや調べ活動、家での技能練習など
の活動を通して、
「課題を解決する力」を身につければ、家庭実践へとつながってい
くだろう。
② 検証の方法(何を、どんな方法で検証していくかを明らかにする。)
ア
食べ比べの活動が、おいしさの秘密を見つける上で有効であったかどうか、
児童の発言や学習カードから見とる。
イ
調べ活動や家での練習が、家庭実践につながったかどうか、学習カードから
見とる。
(4) 具体的な方策・手だて
① 家庭生活を振り返る場を工夫する。
(問題発見場面)
② インタビュー・比較する活動・話し合いなどを通して、おいしい○○の秘密を探る。
③ 技能チェック表を作る。
○○を作りたいという目標に向け、調べ活動を進める。その中で、必要な技能を洗い出し、
チェック表にまとめる。
④ 家での練習時間をもつ。
チェック表をもとに自分ができることとできないことをチェックし、できないことについ
ては、家で練習してくるように練習計画を立てる。
⑤ 学習後、各自の家での実践を通して、一人でもできるという自信を高めたり、家の人から
感想をもらうことでさらなる実践意欲につなげる。
⑥ 栄養職員の協力を得て、資料を提供していただいたり、話し合いの際にアドバイスをいた
だいたりする。
5
単元の評価基準
家庭生活への関心・意 生活を創意工夫する 生活の技能
家庭生活についての
欲・態度
知識・理解
能力
○ごはんやみそ汁作 ○おいしいごはんの ○調理用具を安全に ○おいしいごはんの
りに関心をもち、進ん 炊き方やみそ汁の作 使い、計画にそってご 炊き方やみそ汁の作
で調べたり計画を立 り方を調べたり、作り はんとみそ汁を作る り方が分かる。
てたりしている。
方を工夫したりして ことができる。
いる。
6
指導計画(全10時間
次
見いだす①②
☆お米からご飯へ!変身の秘密を探ろう
時数
本時4/10)
学習内容
学習活動
主な評価の観点と方法
○おいしいご ・自分が知っているごはんの炊き方を ・米やごはんに興味をもって
はんの炊き方 発表する。
調 べ よ う と し て い る 。( 発
のポイントを ・飯盒と炊飯器での炊飯の様子を比べ、 言・学習カード)
話し合う。
おいしいごはんの炊き方のポイントを
話し合う。
・家で聞いてくることをチェックする。
○ごはんを炊 ・家での調査活動をもとにごはんの炊 ・ごはんの炊き方に興味・関
く計画を立て き方のポイントをまとめる。(洗い方、 心をもって調べようとして
る。
吸水時間、火加減など)
いる。(発言・学習カード)
・米と水の量を教科書で調べる。
・米の洗い方、水加減、浸水
(学習カード)
・米を洗い、吸水時間とお米の変化の 時間がわかる。
様子を調べてまとめる。
追究する・生かす③
○米からごは ・ごはんを炊き、水と米の変化を観察 ・おいしいごはんの炊き方を
んへの変化の する。
工夫している。
(学習カード)
様 子 を 調 べ ・試食する。
・加熱の仕方に注意して炊飯
る。
(自習の様子)
・家庭で「米とぎ1週間トライ」に取 ができる。
り組む。
(家庭学習)
・ごはんの炊き方がわかる。
見いだす④(本時)
○みそ汁に必 ・これまで食べた中でイチオシのみそ ・みそ汁に興味をもち、おい
要な三要素に 汁を発表する。
気づく。
しいみそ汁の秘密を調べよ
・
「特製みそ汁」との食べ比べを通して、 う と し て い る 。( 学 習 カ ー
みそ汁に必要な三要素(☆だし☆みそ ド・発言)
☆実=3つそろって三つ星みそ汁)に
気づかせる。
・みそ汁の三要素について家の人にイ
追究する⑤⑥⑦生かす⑧
☆レッツトライ!三つ星みそ汁
(学習カード)
ンタビューしてくる。
(家庭学習)
○ だ し ・ み ・「だし・みそ・実」の3班に分かれ、 ・グループの話し合いで自分
そ・実につい 調べてきた内容をまとめ発表する。
の考えを述べることができ
(発言)
て調べたこと ・分かったことをもとに、さらに調べ る。
をまとめる。
てみたいことを考える。
・おいしいみそ汁に必要な要
・さらに調べてみたいことを栄養職員 素が分かり、調理計画を立て
にインタビューしたり、資料を提供し ることができる。(発言・学
ていただいたりして解決する。
習カード)
・みそしるの調理計画を立てる。
○だしの効果 ・だしのありなしの実験を通して、だ ・だしの効果に気づくことが
を味わう。
しの効果を味わう。
できる。
(発言・学習カード)
(観
○実とみその ・実とみそを入れてみそ汁を作る。実 ・みそ汁の調理ができる。
入れ方を実践 の切り方やみそによる味の違いなどを 察・学習カード)
してみる。
味わう。
・家庭での実践を通して、主
・家族のためのみそ汁作りをすること 体的に関わる大切さを感じ
で、学習の内容を生かす。
7
る。
(学習カード)
本時の指導
(1) ねらい
特製みそ汁と今まで食べたイチオシみそ汁との違いを考えることでみそ汁の三要素に気
づく。
(2) 展開の構想
ご飯の実践を通して、おいしく作るには、水の量や火加減などの工夫が必要であることに気
づき、実際に鍋での炊飯に生かしてみた。本時では、みそ汁でも、おいしく作るには、いろい
ろな秘訣があるのではないかという思いを高め、学習に入る。自分のイチオシみそ汁と池田特
製みそ汁(だしなし・みその分量多い・何分も煮立たせている・具はわかめのみ)を比べてみ
ることで、みそ汁の三要素に気づき、それぞれどのような物を選び、どんな調理の仕方をする
とおいしくなるのかについて調べたいという思いを高めていくことを期待する。
(3) 展開
時
学習活動
□評価○支援・留意点
の反応
間
5
○教師の働きかけ・予想される児童
課題をつかむ
○おいしいみそ汁を作るためには、
○おいしいご飯の炊き方を思
どんなことに気をつければよいか
い出し、おいしいみそ汁を作
考えよう。
るためにも何か工夫があり
・おいしいみそ汁を作るためにはど
そうだと予想させる。
うすればいいのだろう。
10
今まで食べたイチ
オシみそ汁につい
てシートにまとめ
○今まで食べたイチオシみそ汁をシ
ートに書いて発表しよう。
・自分の好きなみそ汁を書こう。
て発表する。
○自分がおいしいと思ったみ
そ汁を発表することで、具や
みそなど、中に入っている物
にも注意を向け、おいしいみ
そ汁作りへの見通しをもた
せる。
10
食べ比べをする。
○池田特製みそ汁を食べ、イチオシ
みそ汁との違いをシートにまとめ
○気づいたことをできるだけ、
くわしく書き込ませる。
よう。
・池田特製みそ汁は、何だかおいし
くないな。
15
みそ汁のおいしさ
○気づいたことを発表しよう。
の秘訣を話し合う。 ・だしがないのでは。
・しょっぱいだけなので、みそが多
いのかな。
・具も少なくて寂しい。
・発表の中から、
「だし・みそ・
実」の観点に分けてまとめて
いく。
□おいしいみそ汁の秘訣に気
づくことができたか。
・なんだか、みその味もおいしくな
いな。
5
おいしさの三要素
に気づく。
○ おい しいみ そ汁 を作る ため には
□おいしいみそ汁を作るため
「だし・みそ・実=三つ星みそ汁」
には、三要素が必要なことが
を作ることが大切です。どんなだ
分かる。
し・みそ・実を選んで調理してい ・家や給食では、どんな工夫を
くといいのか調べてみよう。
しているのか、自分たちの予
想は当たっているのか調べ
てみたいという思いを高め、
家庭での調べ学習につなげ
る。