三原市立宮浦中学校第3学年 数学科学習指導案 単元名:2次方程式 指導者:三原市立宮浦中学校 久保髙 卓実 1 日 時 2 場 所 3 学年・学級 4 単 元 名 (1)単 元 観 : : : : 平成28年10月12日(水) 第5校時 3年4組教室 第3学年4組 基礎クラス(男子6名 女子3名 計9名) 2次方程式 中学校学習指導要領において, 「二次方程式について理解し,それを用いて考察することができるようにす る」ことが目標として示されている。第3学年では,2次方程式を解くことができ,それを具体的な問題解決 の場面で活用できるようにし,方程式をこれまでより多くの場面で問題の解決に活用できるようにすることが ねらいとなる。正方形の一方の辺を1cm長くし他方の辺を1cm短くした長方形の面積が24cm2であっ たとき,もとの正方形の1辺の長さを求めるといった場面では,既習の1次方程式や連立方程式では求められ ず,2次方程式を用いることで問題の解決が容易になる。そのように,具体的な場面で2次方程式を利用する と,これまで解決できなかった問題も解決できることを理解し,積極的に利用しようとする力を育てたい。 (2)本単元において育成しようとする資質・能力とのかかわり 本校で育成しようとする資質・能力は以下の 5 点である。 【知識】 【スキル】 ①課題解決能力 【意欲・態度】 ③主体性 ②表現力 ④協調性 【価値観・倫理観】 ⑤公共心 この中から,本単元において育成しようとする資質・能力とのかかわりについて,次の1点に重点を置くもの とする。 【知識・スキル】 ① 課題解決能力 課題を解決するために見通しを立て,効率的に解決する能力を身に付けている。 (3)生 徒 観(調査結果からみる課題) 今年1月に行った標準学力調査の結果では,学年の平均正答率は 62.9%(三原市は 60.8%)だったが,正答 率 40%以下の生徒が学年で 29 人(24.4%)と多く,学力の格差が大きいことが学年の課題となっている。昨年 の広島県「基礎・基本」定着状況調査の質問項目「数学の授業はよく分かります」に対して,肯定的評価をした 生徒は 87%と多かったが,否定的評価をした生徒は学力低位の生徒だった。そのため,今年度の少人数習熟度別 学級の編成において,この学力低位の生徒に基礎的な学力をつけるために基礎クラスを7~8人編成とし,授業 の中で,困っている生徒に個別対応が しやすい体制をとることにした。 また,広島県「基礎・基本」定着状 況調査の質問項目「数学の授業で学ん だことを,ふだんの生活で使ったり, 学んだことがどのような場面で使える か考えたりしています。 」 に対して肯定 的評価をした生徒は 54%と低く,具体的な場面で学習内容を活用する活動を授業に取り入れることが課題といえ る。 (4)指 導 観(指導改善のポイント) 本時は,長方形の土地の中にいくつかの条件に当てはまるような道をつけ,その道幅を求めるという課題を2 次方程式を利用して解決していく授業である。条件にあてはまる道の付け方は,多様に考えられるため,できる だけ生徒に見つけさせたい。そのために,基礎クラスの生徒の学力を考慮に入れながら,課題の把握の手助けと なるように発問を工夫していく。また,それぞれの場合において,道幅を x mとして2次方程式を利用すると課 題解決が容易に図れることに気付かせ,積極的に利用しようとする力を育てたい。そのために,考えられる6つ の道の付け方をホワイトボードで提示するとともに,ワークシートにも記入させ,花だん(長方形)の面積に着 目して2次方程式が作れるような指導を工夫していく。 5 単元の目標と評価規準 単元の目標 ○2次方程式を解くことができ,それを具体的な問題解決の場面で活用できるようにする。 単元の評価規準 数学への関心・意欲・態度 数学的な見方や考え方 様々な事象を2次方程式 2次方程式についての 数学的な技能 因数分解や平方根の考 数量や図形などについて の知識・理解 2次方程式の必要性と意 で捉えたり,それらの性質や 基礎的・基本的な知識及び え及び解の公式などを用 味及びその解の意味などを 関係を見いだしたりするな 技能を活用しながら,事象 いて2次方程式を解いた 理解し,知識を身に付けてい ど,数学的に考え表現するこ を数学的な推論の方法を り,数量の関係を2次方程 る。 とに関心をもち,意欲的に数 用いて論理的に考察し表 式で表したりするなど,技 学を問題の解決に活用して 現したり,その過程を振り 能を身に付けている。 考えたり判断したりしよう 返って考えを深めたりす としている。 るなど,数学的な見方や考 え方を身に付けている。 6 指導と評価の計画 全16時間 (本時は15/16) 主な学習内容 次 学習内容(時数) 関 考 技 知 1 2次方程式とその解(2) 評 価 規 準 ◎ ◎2次方程式の必要性と意味及び その解の意味を理解している。 課題の設定 ○ ○2次方程式とその解に関心をも ち,その必要性と意味を考えたり, 様々な数を代入するなどして解を 資質・能力の評価 (評価方法) 求めたりしようとしている。 2 因数分解を使った解き方(3) ◎ ◎因数分解を用いて,2次方程式 を解くことができる。 情報の収集 ○ ○因数分解を用いた2次方程式の 解き方を理解している。 3 平方根の考えを使った解き方 ◎ (3) ◎平方根の考えを基にして,2次 方程式を平方の形に変形するなど して解くことができる。 情報の収集 ○ ○平方根の考えを基にした2次方 程式の解き方を理解している。 4 2次方程式の解の公式(3) ◎ ◎解の公式を用いて,2次方程式 を解くことができる。 情報の収集 ○ ○解の公式を用いた2次方程式の 解き方を理解している。 5 2次方程式の利用(4) 本時 4/4 ◎ ◎具体的な事象の中で数量の関係 ①課題解決能力 を捉え,2次方程式をつくること (行動観察, ができる。 整理・分析 まとめ・創造・表現 ワークシート) ○ ○2次方程式を利用することに関 心をもち,問題の解決に活かそう としている。 6 まとめと問題(1) 振り返り 7 本 時 の 展 開 (1)本時の目標 具体的な問題場面に2次方程式を利用し,解の吟味を含めて問題を解決することができる。 (2)観点別評価規準 ◎具体的な問題場面に2次方程式を利用し,問題を解決することができる。 【見方や考え方】 評価方法:行動観察,ワークシート (3)準備物 ・ワークシート,定規、ホワイトボード、ホワイトボードマーカー (4)学習の展開 学習活動 (努力を要する生徒への指導の手立て◆) ○2次方程式の解き方を復習する。 導 入 ○育成しようとする 指導上の留意事項(■) 資質・能力 ●教科の評価 ■問題を2問提示し,全体で解き方 ・因数分解を利用した解き方 を確認する。 ・解の公式を利用した解き方 ◆因数分解の仕方や解の公式を忘 れている生徒がいたら,ペアで支援 をさせる。 ○本時の目標の確認をする。 【本時の目標】 土地に道を作り,その道幅を求めよう。 ○課題を把握する。 課題の設定 【課題】 4m 右の図のような縦3m,横4mの長方形の土地 がある。この土地に幅が一定の道を作り,残りを 花だんにしたい。今,この道の面積と花だんの 面積が等しくなるようにしたい。 (ただし,花だ 3m んは一か所にまとめ,道は一つなぎとする。 ) ① どのような道の作り方があるか考えよう。 ② それぞれの道幅を求めよう。 展 開 ○①どのような道の作り方があるかを考え ◆縦3m×横4mの模造紙を準備 る。 情報の収集 個人思考 し,反例を提示して条件に合う道の 作り方について理解させる。 A B C D E F ○問題①の作り方について,意見を交流す ■グループで交流後,グループで出 る。 た意見を交流しあう。 集団思考 ○②について考える。 ・図 A と図 B の道幅を求める。 ・図 C の道幅の求め方を考える。 ■道幅を x mとして2次方程式を ①課題解決能力 作り,解くことが課題解決につなが 課題を解決するため (3-x) (4-x)=6 ることに気づかせる。 に見通しを立て,効率 ◆x=1,7となるが,7mは問題 的に解決することが x=1 に不適であることを理解させる。 できる。 (行動観察, ・図 D、図 E、図 F の道幅の求め方を考え ワークシート) る。 ●具体的な問題場面 D (3-x) (4-2x)=6 に2次方程式を利用 𝑥= ◆D,E,F の解き方がわからない し,問題を解決するこ 5 − √13 2 生徒には,解の公式を使うように支 とができる。 E (3-2x) (4-x)=6 11 − √73 4 𝑥= (ワークシート) ■解の吟味が必要であることに気 F (3-2x) (4-2x)=6 𝑥= 援を行う。 付かせる。 1 2 ・D、E、F の考え方を交流する。 創造・表現 ま ○本時の振り返りをする。 ■道の作り方がいろいろ考えられ, 振り返り と 道幅を求めるために2次方程式が 利用できることを確認する。 め (5)本単元で育成したい資質・能力の評価基準 資質・能力 評 価 基 準 A 課題解決のために多様な考えを見つけ出し,2次方程式を利用して解決 し,その考え方を他の人に説明することができる。 ①課題解決能力 B 課題解決のために見通しを立て,2次方程式を利用して効率的に解決す ることができる。 C 課題解決のために2次方程式を利用することを理解はできる。 (6)板書計画 本時の目標 2次方程式を利用して,道幅を求めよう。 【課題】 右の図のような縦3m,横4mの長方形の土地 がある。この土地に幅が一定の道を作り,残りを 花だんにしたい。今,この道の面積と花だんの 面積が等しくなるようにしたい。 (ただし,花だ んは一か所にまとめ,道は一つなぎとする。 ) ① どのような道の作り方があるか考えよう。 解の公式 𝑥= −𝑏±√𝑏2 −4𝑎𝑐 2a A B C D E F ② それぞれの道幅を求めよう。 8 参 考 文 献 ○「教育科学 数学教育 2006 5月号」 :明治図書 ○「中学校学習指導要領解説 数学編(平成20年9月) 」 :文部科学省 ワークシート【2次方程式】 【課題】 右の図のような縦3m,横4mの長方形の土地 がある。この土地に幅が一定の道を作り,残りを 花だんにしたい。今,この道の面積と花だんの 面積が等しくなるようにしたい。 (ただし,花だ 3m んは一か所にまとめ,道は一つなぎとする。 ) ① どのような道の作り方があるか考えよう。 ② それぞれの道幅を求めよう。 C D 3年数学プリント 4m A B E F 【本時の振り返り】
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