参考資料 2 - 転ばないコツ 札幌発!雪みちを安全・快適に歩くための

【参考資料 2】
2005年度版
高齢者用転倒防止啓発ビデオ シナリオ(案)
ビデオのポイント
・ 北海道在住の方(特に高齢者)をターゲットとする。
・ 講習会等での視聴も想定し、「歩き方」、「トレーニング」を中心に学習性のある対処方法を紹介する。
・ 視聴者は凍結路面等の知識と経験がある前提だが、「滑りやすい場所」
「転倒事故の現状等」を盛り込み、改めて注意を喚起する。
・ 4 章構成とする(歩行者はモデルを用意し、補足の解説はナレーターによるナレーション)。
シナリオ(案)
・ 構成概要を表 1 に示す。
・ シナリオ(案)を次ページ以降に示す。
・
表 1 構成概要
テ
ー
マ
※矢印の部分は今冬期撮影を行う
内
容
撮影時期
時
間
Ⅰ 冬の歩道と転倒事故
滑りやすい路面、転倒事故の発生状況
8∼10 月
2 分 30 秒
Ⅱ 雪みちの歩き方
雪みちの基本の歩き方
8∼10 月
2 分 10 秒
実際の歩道で気をつける箇所、そこでの歩き方
12∼1 月
3 分 30 秒
トレーニングの重要性とアドバイス
8∼10 月
1 分 00 秒
転倒防止トレーニング《基本編》
8∼10 月
5 分 00 秒
転倒防止グッズで転倒を予防
8∼10 月
3 分 00 秒
※歩行実験結果を反映
Ⅲ 転倒防止トレーニング
Ⅳ 転倒防止・衝撃吸収用具の紹介
全体まとめ、締めくくり
しめくくり
0 分 20 秒
合計
※暫定版合計
1
17 分 30 秒
14 分 00 秒
【参考資料 2】
※12月1日用暫定版
時間
編集台本
構成項目
・
映
像
ナレーション
Ⅰ.北海道(札幌)の雪みちと転倒事故
0:00
タイトル
1:札幌の雪事情
動画:札幌の街の風景(大通公園俯瞰)
・資料:世界の都市の人口と降雪量
・
0:35
2:どんな雪道があり、
滑りやすいのはどん
な路面か?
1:18
1-1:札幌市の人口は 180 万人以上。世界中を見ても年間 5m もの降雪
がある都市で、このような大都市はありません。
1-2:このように雪が多い中、人間の活動や、降雪や気温などの条件に
よって、さまざまな路面が発生します。
動画:再び札幌市内雪模様
・
動画:新雪路面
字幕:あまり滑りやすくない
降った量が多いと歩くのが大変
凍った路面の上に積もると滑りやすい
・動画:圧雪路面
字幕:比較的歩きやすい
・動画:凍結路面
(ただしガタガタ路面はなし)
字幕:滑りやすく注意が必要
・動画:雪降る街を歩く人々
1:43
3:転倒事故の発生状
況
2-4:雪国で生活している皆さんは、路面によって滑りやすさや歩きやす
さが刻々と変化することを実感しているでしょう。しかし、知っていて
も、転ぶ時もあるのが現実です。
2-5:では転倒により、どのくらいの人がケガをしているのでしょうか。
・
資料:転倒事故による救急搬送グラフ
字幕:転倒事故は増加の傾向
・資料:年齢によるケガの傾向グラフ
3-1:これは転倒事故によって救急搬送された人数です。
3-2:平成 16 年度冬期には 1000 人を超える転倒者が救急搬送されて
います。
また、特に年齢が高くなるほど、転んだ時に大きなケガになりやすい
のが特徴です。年を重ねるほど一層の注意が必要なのです。
字幕:年齢が高くなるほど大きなケガに
2:21
2-1:降ったばかりの新雪の路面は、あまり滑りやすくはなりません。
ただ、降った量が多いと歩くのが大変になることがあったり、凍った
路面の上に積もると滑りやすくなります。
2-2:新雪がある程度固められた圧雪路面は、適度に平らで、それほど
滑らない場合が多く、比較的歩きやすくなります。
2-3:雪が一度融けて凍った凍結路面になると、かなり滑りやすく、注意
が必要です。またガタガタのままで路面が凍ると、たいへん歩きづら
くなることがあります。
4:雪みちと転倒事故
についてのまとめ
・動画:薄暮の交差点、凍結路面を歩く人々
2
4-1:では、転倒事故にあわないためには、また転倒した場合にもケガを
軽くするためには、どのような工夫が必要なのでしょうか?
【参考資料 2】
時間
2:27
構成項目
映
像
ナレーション
Ⅱ雪みちの歩き方
5:基本の歩き方
コーナータイトル
※ポイントの色を
変えていく
「転びにくい歩き方」
①
②
③
④
小さな歩幅で歩く
足の裏全体をつけて歩く
歩き始めと速さを変える時は特
に注意する
急がず、焦らず、余裕を持って
歩く
5-1:転びにくい歩き方の基本は4つです。
(以下1つづつ解説)
2:35
「1:小さな歩幅で歩く」
コーナータイトル→イラスト①
①-1 悪い例:歩幅が大きく、足を高く上げすぎ
良い例:小さな歩幅で歩く
①-2 左右の足幅
良い例:左右に適度に開く
悪い例:細い道を歩く時は足幅が狭くなるので
注意
3:12
・逆に左右の足は適度に開いたほうがバランスがとりやすくなりま
す。
・特に細い道を歩くとき、自然に両足の左右の幅が狭くなりますの
で、気をつけましょう。
5-2:②足の裏全体をつけて歩く
・特に「つるつる路面」では、歩幅は小さくしてすり足気味に歩くのが
おすすめです。
・ただし、完全に地面を擦らしてはつまづきの原因となってしまいま
す。「軽く足を浮かせて」という感じで歩いてみましょう。
「2:足の裏全体をつけて歩く」
コーナータイトル→イラスト②
②-1 良い例:歩幅は小さく、すり足気味に
良い例 2:完全に地面にすらさず
軽く足を浮かせて歩く
3:37
5-2:①小さな歩幅で歩く。
・歩幅が大きいと足を高く上げなければならず、重心の移動つまり、
体の揺れが大きくなって転倒しやすくなります。
歩幅は小さくして歩きましょう。
「3:歩きはじめと速さを変える時は特に注意する」
コーナータイトル→動画:横断歩道、待つ人、歩き出し
・動画:歩く足元いろいろ
3
5-3:③歩きはじめと、速さを変える時には特に注意する。
・横断歩道などで止まっている状態から歩き始める時や、歩いている
途中で急ぎ足になったり、急に速度を遅くするなど、歩く速さを変更す
る場合には転びやすいので注意してください。
【参考資料 2】
時間
構成項目
4:01
4:35
Ⅲ
ナレーション
5-4:③急がず、焦らず、余裕を持って歩く
・冬は夏より移動に時間がかかることは仕方がありません。ケガをし
ないで楽しい冬を過ごすためには
「余裕をもって」行動し、「いそがず、あせらず」に歩くことが大事です。
・余裕を持って歩くことで、滑りそうな道を確実に見分ける事ができ、
転倒防止につながります。
転倒防止トレーニング
7:転ばないためのか
らだづくりと、 転んで
もケガをしないからだ
づくり
4:56
映 像
「4:急がず、焦らず、余裕を持って歩く」
コーナータイトル→動画:冬道を歩く人(雑感)
字幕:
冬は夏より移動に時間がかかる
イラスト④-1
良い例:時間に余裕をもって行動する
悪い例:急がず、あせらない
良い例:滑りそうな道を見分けて転倒防止
動画:雪みちを歩く人々(雑感)
7-:歩き方を気をつけていても、転びそうになることはどうしてもありま
す。そんなときに転倒しないために、また実際に転倒してしまったとき
に大きなケガにつながらないように、日々の適度なトレーニングを行
うことも重要なポイントです。
動画:話している鈴木委員
字幕:札幌市身体障害者福祉センター
鈴木 英樹 さん
・体の機能を高めておくことも重要
・歩くだけでは鍛えられない筋肉や、柔らか
くならない体の部分もある
・体を動かす習慣を持つとよい
5:40
4
鈴木委員の話
「冬道を安全に歩くためには、滑りにくい靴を選ぶとか、転びにくい安
全な歩き方に注意するとか、いろいろな方法がありますが、体の機
能を高めておくことも同じくらい重要だと思います。
高齢者の方の中には、「私は毎日散歩をしているから」と言われる方
が多くいらっしゃいますが、ただ歩いているだけでは鍛えられない体
の筋肉ですとか、あるいは、ただ歩いているだけでは柔らかくならな
い体の部分もありますので、毎日の散歩・歩くということとは別に、体
を動かしていく習慣を持つと良いと思います。」
【参考資料 2】
時間
5:45
5:50
構成項目
8:誰でもできる
簡単メニュー
映
像
ナレーション
コーナータイトル
「転倒予防になるトレーニング」
・腰と股関節の筋肉を柔らかくする運動
・両手を広げ両ひざを左右へ倒し腰をねじる
・悪い例:ねじった方向と反対の肩は浮かさない
・腕を床につけたままで行う
・動きはゆっくり、痛いところまでねじらない
6:49
・背中と腰の筋肉を柔らかくする運動
・ 肩に力を入れずに座る
・ 両手を床につけるよう体を曲げて5秒保つ
・悪い例:手は無理に床までつけない
・息を吐きながらか数をかぞえながら行う
7:38
8-1:仰向けに寝て、両手をゆったり広げます。両膝を立てた姿勢から、
左右へ倒し、腰をねじります。
鈴木委員の声
【腰の筋肉を伸ばすように意識して、1.2.3.4.5
ハイ反対 1.2.3.4.5 戻します】
8-2:ねじった方向と反対の肩を浮かさないように、腕は床につけたまま
にして行ってください。
鈴木委員【ゆっくりもっていって・・・】
8-3:動きはゆっくりと、痛いところまでねじらない事が大切です。
8-4:肩に力をいれずにリラックスして座ります。両手を組んで、床に両
手をつけるように体をゆっくりと曲げていき、5秒保ちます。
鈴木委員【静かに倒して、そこで 1.2.3.4.5。
静かに戻します。】
8-5:無理に手を床までつけないように気をつけてください。
8-6:息を止めると血圧が上がりやすくなるので、息を吐きながらまた
は、数を数えながら体を倒してください。
8-7:いすの背に手を添えて、肩幅に足を開いてたち、両方のかかとを
ゆっくりとあげていきます。かかとを浮かせたまま5秒保ちます。
鈴木委員【手の力もう少しリラックスして・・・。
・ふくらはぎ周囲の筋力を強化する運動
・肩幅に足を開いて立ちかかとを上げる
・ 手に力を入れすぎて前方に体重をかからない
ように
・ ゆっくりと5回程度行う
8:14
5
8-8:手に力を入れすぎないように。前方に体重がかかるとあまり
運動にはなりません。5回繰り返しましょう。
鈴木委員【ハイ、1.2.3.4.5、ゆっくりおろします】
【参考資料 2】
時間
8:14
構成項目
映 像
・お尻や太もも後ろ側の筋力を強化する運動
・いすにつかまり片足づつひざを伸ばしたまま
あげる
・床から 10cm程度上げる
・お尻の筋肉に力を入れる感じで
・左右交互に5回づつ行う
・悪い例:腰をそらせすぎない
・悪い例:前に体重をかけすぎない
9:05
10:02
・片足立ちで筋力やバランスを強化する
運動
・ 肩幅に足を開き、ひざを少し曲げ、片足で
立つ
・ 立つ足に体重をのせてから足を上げ、手を
離す
・5秒たったら足を戻す
・右、左各5回行う
・ 悪い例:あげた足を反対の足につけない
・空間に字を書いてみよう
足全体の筋力やバランスを強化する運動
片足立ち運動の応用
・ 両手を支えるいすを用意
・ いすに手を添えて片足をあげ、空間に字を
書く
・ 利き足だけでなく両方の足で書く
10:39
6
ナレーション
8-9:いすにつかまったままで、片足づつ後ろへ伸ばしながら
あげていきます。
鈴木委員【戻します。今度は左、1.2.3.4.5。戻します】
8-10:あげる高さは床から 10cm程度で十分です。おしりの筋肉に力を
入れる感じで動かしてみましょう。左右交互に5回づつ行ってく
ださい。
8-11:腰をそらせすぎないこと。また、前に体重をかけすぎて前のめり
にならないように気をつけてください。
8-12:肩幅に足を開きひざを少し曲げて、片足で立ちます。
鈴木委員【はい、つかまって。今度は反対側です。】
8-13:立つ足に体重をしっかりのせてから反対の足を上げ、静かに手を
いすから離していきます。5秒たったらゆっくり戻し、右、左それぞ
れ5回行います。
鈴木委員【左に体重をのせて膝を曲げ1.2.3.4.5】
8-14:あげた足を反対の足につけないこと。つけてしまうとバランスがと
りやすくなり運動にはなりません。
8-15:両手を支えるいすを用意し、手を添えながら片足を上げ、
自分の名前を空間に書いて見ましょう。
利き足だけでなく必ず交互に両方の足で書いてみてください。
これは片足立ち運動の応用になります。
【参考資料 2】
時間
10:39
構成項目
Ⅳ
像
ナレーション
転倒防止、ケガ防止のための服装やグッズ
9:転倒防止・衝撃吸
収用具などの便利グ
ッズ情報
10:54
映
「転倒防止、ケガ防止のための服装やグッズ」
イラスト
・基本の身じたく
①くつ
②手袋
③帽子
※装備の具体例を紹介
①くつ 路面にあわせたくつをはく
画像:雪道に備えた靴
・ピン、金具付き
・深い溝のある底
・柔らかいゴム底
・滑り止め剤が入った底
11:37
11:57
12:29
9-1:転ばない工夫をすること、大きな怪我にならないように予防するこ
とも大切です。
そのための基本となる身支度は3つです。
9-2:まず靴は、路面にあわせた靴をはく事が大切です。
いろいろな冬靴が開発されています。
・ピンや金具がついたもの
・深い溝のある底
・柔らかいゴム底や
・滑り止め剤が入ったゴムの底
などです。
動画:雪みちを歩く人々(雑感)
9-3:ただ、全ての路面に万能な靴はありません。どんな雪みちを歩くこ
とが多いかを意識して靴を選ぶことが大切です。
②手袋 手袋を着用する
再びイラスト 手袋をクローズアップ
悪い例:手袋をしないでポケットに手を入れると
突発的な動きに反応できない
9-4:雪みちに手袋は必須アイテムです。
寒くてポケットに手を入れてしまうと突発的な動きに反応できず、
ケガにつながる可能性が高くなります。
③帽子 帽子をかぶる
グラフ:転倒事故での部位別ケガ
9-6:3つめは帽子です。
9-7:転倒事故による救急搬送者のケガの位置でもっとも多いのが「頭
部」です。男性の約半数、女性の1/3が頭部へのケガに集中して
います。
再びイラスト
字幕:雪道では帽子を着用しましょう
9-8:雪みちを歩くときには是非帽子をかぶることをお勧めします。
7
【参考資料 2】
時間
構成項目
12:29
映 像
ケガ帽子のおすすめグッズ
④保護帽
イラストと写真(実物)
ナレーション
9-9 さらに最近ではケガ防止のお勧めのグッズも販売されています。
・保護帽はファッション性と機能性を兼ね備えたデザインもあります。
12:45
⑤つえ
イラスト 自分の杖先に取り付ける部品もある
アタッチメント写真3種
・幅広のゴム付き
・尖った金具付き(ピン型)
・尖った金具付き(王冠型)
13:06
9-10:雪みちにはつえも効果的です。
自分のつえ先に取り付けるだけの部品もあります。
幅広のゴムタイプ、先のとがった金具つきなどがあり、使う場面に
合わせて活用してみてはいかがでしょうか。
9-11:骨折を防止するためのプロテクタを装備した下着も販売されてい
ます。
転倒によるケガが不安なかたは、このようなグッズをうまく利用す
ることも効果的です。
⑥保護プロテクター付き下着
イラストと転倒の動画
13:21
10:砂箱を使おう
13:45
Ⅴ
全体まとめ、締めくくり
11 . 転 倒 を 予 防 し て
楽しい冬を
14:05
10-1:また滑りづらい路面を作るため、砂をまくことも一つの方法です。
道路に備え付けの砂箱の砂は自由に使えますので利用しましょ
う。身の回りに滑りづらい環境を作ることも、転倒防止の大切なポ
イントです。
動画:凍結路面
写真:砂箱と散布状況
字幕:砂箱の砂は自由に使えます
動画:砂の撒かれた路面
11-1:転倒事故は一瞬にして起こります。楽しい冬をおくるためにも、
しっかり準備して転倒事故を予防しましょう。
動画:つるつる路面で転倒する人
動画:イルミネーションの美しい街並み
企画:つるつる路面転倒防止委員会
制作:国土交通省北海道開発局札幌開発建設部
札幌市
8