2015年9月2日 情報提供資料 今回のテーマ 底堅いメキシコ経済 9 月 号 IMFは世界経済の成長率を引き下げ メキシコ・レポート IMFは北米を中心とした2015年第1四半期の経済活動の 失速を背景に、7月に2015年の世界経済の成長率見通し を4月時点の+3.5%から+3.3%に引き下げました。一方、 2016年の経済成長率見通しは+3.8%を維持しました。 長期的には、先進国の経済活動は燃料価格の下落や労 働市場環境の改善などを受けて段階的に加速すると見ら れています。しかし新興国市場では、一次産品価格の下 落や中国経済の鈍化などに加え、地政学リスクに関連し た経済の停滞などを背景に減速が続くと見られています。 メキシコの2015年経済成長率見通しは、原油価格の下落 などを受けて+2.4%へ引き下げられています。 米国経済の回復 メキシコの輸出相手国(2013年度) メキシコ中央銀行も8月に輸出の下振れや国内石油生 産 の 不 振 を 背 景 に 2015 年 の 経 済 成 長 率 見 通 し を +1.7%~+2.5%へ引き下げましたが、足元のメキシコ経 済は堅調に推移しています。第2四半期の実質経済成 長率は前年比+2.2%と第1四半期の同+2.6%から鈍化 しているものの、季節調整済前期比年率では+2.0%と +1.7%から加速しています。米国も、第2四半期経済成 長率改定値が+3.7%へ上方修正されており、回復が見 られます。メキシコは米国と地理的、経済的な結びつき が強く、米国の経済回復とともに今後も底堅く推移する と見られます。 自動車輸出で米国とともに経済成長 ドイツ インド 日本 1.0% 0.9% 0.6% ブラジル 1.3% その他 コロンビア 9.6% 1.4% 中国 1.7% スペイン 1.9% カナダ 2.8% 米国 78.8% 出所:2014年通商⽩書(経済産業省)より⼤和住銀投信投資顧問作成 メキシコは自由貿易協定を活用し、海外企業の工場を誘致して外資の輸出拠点となることで経済発展を目指していますが、 NAFTA締結後は米国への依存度を高めており、2013年の輸出のうち約8割を米国が占めています。さらに、自動車産業に焦 点を当てると、隣国の米国は世界第2位の自動車市場をもつこともあり、2011年以降には日系自動車メーカー4社がメキシコ への生産投資を発表するなど、自動車産業が活発です。メキシコの自動車輸出台数のうち約7割を米国が占めており、米国 市場でのメキシコ製自動車の競争力は着実に増しています。米国の自動車販売台数は増加傾向が続いていることからも、今 後同産業が牽引役となり、メキシコ経済は拡大基調が続くと考えられます。 ■当資料は情報提供を目的として大和住銀投信投資顧問が作成したものであり、特定の投資 信託・生命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。■当資料は各種 の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するも のではありません。■当資料に記載されている今後の見通し・コメントは、作成日現在のもので あり、事前の予告なしに将来変更される場合があります。■当資料内の運用実績等に関する グラフ、数値等は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。■当 資料内のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
© Copyright 2024 Paperzz