長良川の水質を調査しよう2!! 岐阜市立東長良中学校 2年 杉山 裕規 1.研究の動機 校区を流れる長良川の水質が年々どのように変化 しているのか疑問をもった。昨年は,1地点で1回 の調査を行ったが,今年は午前と午後2回調査を行 い,昨年のデータと比較することで,長良川の水質 の変化を調べることにした。 次のような形式で調査の結果を記録した。 2.研究の内容 (1)化学分析と目視による水質調査 平成23年7月21日から平成23年7月31日 までの10日間,午前7時と,午後5時に水を採取 し,次の14項目について調査を行った。 <項目> <方法> ①天気 目視 ②気温, 湿度乾湿計 ③水温 温度計 国土交通省長良橋水位計測値 ④長良橋の水位 ⑤pH pH 試験紙 ⑥COD(化学的酸素要求量) パックテスト ⑦アンモニウム態窒素(NH4+‐N) パックテスト パックテスト ⑧亜硝酸態窒素 (NO2-‐N) - パックテスト ⑨硝酸態窒素 (NO3 ‐N) 3- ⑩リン酸態リン(PO4 ‐P) パックテスト ⑪川及び水の採取場所の状況 目視 ⑫川及び水の採取場所の様子 デジタルカメラ画像 ⑬採取した水の状況 目視 ⑭採取した水の様子 デジタルカメラ 川の状況ついては,川の様子と水採取場所の様子を デジタルカメラで記録し, 前日の記録と比較をした。 また,採取した 水をフラスコに入 れ,様子をデジタ ルカメラで記録し, 前日の記録と比較 した。 (2)調査結果の分析 累積した記録を表やグラフにして,水質との相関 関係を分析した。 今年の水質調査の結果を一覧にまとめると次のよ うになった。 ,亜硝酸 pH,アンモニウム態窒素(NH4+‐N) - 態窒素(NO2 ‐N),リン酸態リン(PO43-‐ P)の値が昨年よりも小さくなっていた。特に, この一覧表において,化学的調査項目をみると, CODと,硝酸態窒素(NO3-‐N)以外の項目に は大きな変化がみられないことがわかった。 そこで,CODと,硝酸態窒素(NO3-‐N)の 午前,午後の調査の結果をグラフにして,変化の様 子を調べた。 ・亜硝酸態窒素(NO2-‐N) 0.0460(昨年)→0.0048(今年) ・リン酸態リン(PO43-‐P) 0.090(昨年)→0.021(今年) の値に大きな変化がみられた。 3.研究のまとめ 今年の調査では午前,午後の比較と昨年との比較 を行った。午前と午後の比較では特に COD や硝酸 態窒素が天候によって数値が変化することから,雨 の影響が強いということが分かった。 昨年との比較では pH,アンモニウム態窒素,亜 硝酸態窒素,リン酸態リンの平均値が下がっていた ことから,長良川の水はきれいになっていることが 分かった。 いつまでも鵜飼いが続けられる,きれいな水の長 良川であってほしい。 (指導教諭 東長良中学校理科部) COD,硝酸態窒素(NO3-‐N)の上昇が27 日に見られた。他の調査項目との関係を考察したと ころ,天候が悪い日にCODが上昇していることが わかった。 また,今年の水質調査の結果の平均値と昨年の水 質調査の結果の平均値を比較した。 4.審査評 昨年同様,継続的な観察やグラフを用いた結果の 処理がよくできています。昨年は,1日1回(午前 7時)の調査でしたが,今年は午前と午後の違いに 着目し,同地点(昨年と同じ)で1日2回(午前7 時と午後5時)の調査を行い,比較することができ ています。さらに,昨年と今年のデータを比較し, 長良川の水がきれいになっていることを結論付ける ことができています。
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