実験Ⅲ.二酸化炭素の製法と性質

理科教育法【化学】
実験Ⅲ.気体の製法と性質
実験Ⅲ.二酸化炭素の製法と性質
気体の製法のうち,3-1 で示された,炭酸カルシウム(CaCO3:石灰石・大理石)に希塩酸を
注ぐ反応とBのガス発生装置を用いた方法で,二酸化炭素を発生させて捕集し,その性質につい
て調べる。また,化学反応の量的関係から,反応に用いた希塩酸の濃度と体積がわかれば,反応
した炭酸カルシウムの質量や発生した二酸化炭素の体積が求められることを理解する。
CaCO3
+
2HCl →
CaCl2
+ CO2↑ + H20
「器具」
三角フラスコ,ビーカー,メートルグラス,メスシリンダー,メスフラスコ,ホールピペット,
パスツールピペット,こまごめピペット,試験管,試験管立て,ガスバーナー,沸騰石,ろ紙,
安全ロート,ろうと立て,集気びん,ゴム管,安全メガネ,ろうそく,ろうそく立て,pH メー
ター,リトマス紙,マッチ,雑巾,軍手
* 上記器具をすべて用いるとは限らない。用いた器具の数量・容量などをメモするように。
「試薬・試料」
大理石,石灰水,蒸留水,塩酸(4mol/ℓ)
「実験・操作」
(1)あらかじめ大理石が入れてある三角フラスコに、安全ロートとガス排出管の付いたゴ
ム栓を付け,B図の気体(ガス)発生装置を組み立てる。
(2)4mol/ℓの塩酸をメスシリンダーで 50~100mℓはかりとる。
[メモリを読み取る]
(3)安全ロートから塩酸が溢れないよう適量を加え,三角フラスコの中がどのようになる
かを観察する。反応の様子から,必要なら塩酸を追加する。
(4)三角フラスコ内の気泡が発生することで,気体が発生しているのを確認し,ガス排出
管の端を集気ビンの奥深く入れ,二酸化炭素を捕集する。
(5)二酸化炭素が十分集められたかどうか,また二酸化炭素はどのような性質をもつかを,
下記(a)~(f)の方法で調べる。
(a)二酸化炭素を捕集した集気ビン(A)に火のついたろうそくを入れる。注)
(b)二酸化炭素を捕集した集気ビン(A)と空の集気ビン(B)の口を合わせ,空の集気ビンが
下になるように配置してしばらく待ち,二酸化炭素が移動したことを確認してみる (上下そ
れぞれの集気ビンに火の付いたろうそくを入れて確認する) 。
(c)蒸留水を適量加えたビーカー(A,B)を用意し,一方(A)のビーカーの液中にガス排出管
を入れて二酸化炭素を十分溶かし,(A,B)それぞれの pH 値を pH メーターで測定する。注)
(d)石灰水 Ca(OH)2 を適量加えた試験管 (A,B) を用意し,試験管(A)の液中にガス排出管を
入れて二酸化炭素を溶かし,変化を観察する。さらに溶かすとどうなるか観察する。注)
(e)(d)で変化した試験管(A)を加熱して色の変化を観察する。注)
(f)残った試験管(B)にパスツールピペットで息を吹き込み,変化を観察する。注)
*メスシリンダー内に余った塩酸のメモリを読み取り,最終的に加えた塩酸の体積から,
反応した炭酸カルシウムの質量や,発生した二酸化炭素の体積を計算する。
注)このような定性実験は,二酸化炭素を捕集してない空気のみが入った集気ビン,二酸
化炭素を溶かさない蒸留水や石灰水を用意した対照実験を行い,違いを確認する。
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