一般的な施工手順(内装壁面) ①下地の処理・清掃 ・下地表面は、ほこり、エフロ、油分、水分等、 接着を阻害する汚れを予め取り除き、出来るだけ 凹凸の無い状態にする。 コンクリート躯体面のジャンカやクラック等 の不具合に関しては事前に補修を行う。 ・下地の表面強度の弱い材料(表面の剥がれや すいもの)への使用は避け、プラスターボードは 使用不可とする。 ・適用目地:目地は3mm以上を確保してください。 ②割付け ・最下段の石材(巾木、根石等)の据付精度が壁面全体の仕上がりに大きく影響 する為、墨出しをして正確に行う。 一般的な施工手順(内装壁面) ③接着剤の計量・混合 ・主剤(A)と硬化剤(B)をA:B=1:1(重量比)になるように計量し、 全体が均一な色となる用よう充分に混合する。 注意:計量混合が不十分な場合は、石材汚染、シミの原因となるので注意をする。 一般的な施工手順(内装壁面/ダンゴ貼り) ④接着剤の塗布 ・石材接着面の清掃も確実に行う。 ・十分に混合した接着剤を石材の接着面にへら等を使用し、ダンゴ状に5ヶ所 塗布する。(塗布量の目安:1.5∼3kg/㎡・・・下地精度により異なる) ・最下部段は衝突等による割れの恐れがあるため、幅木が無い場合であっても 高さ200mm程度まで、接着剤全面塗布による補強を施す。 ダンゴ貼り1ヶ所当りの大きさの目安 約40mm 約50∼60mm 約10mm 一般的な施工手順(内装壁面/ダンゴ貼り) ⑤圧着 ・接着剤を塗布した石材を下地に圧着し、くさび(パッキン)を石材の下端及び 躯体との間に差し込み仮据えをし、水平位置及び面位置を調整する。 ・貼り代調整は吸盤などを使用して出し入れする。 ・仕上がり具合を、水平器で確認して精度を高める。 一般的な施工手順(内装壁面/ダンゴ貼り) ⑥仮固定 ・水平位置及び面位置の調整後、石材の上下端部(4ヶ所)を急結セメント(BDシ スイエース)で仮固定する。 (硬化が非常に早い為、使用の都度作る) 一般的な施工手順(内装壁面/ダンゴ貼り) ⑦養生・目地詰め ・1日以上養生し、石材が動かなくなったことを確認した後、目地材を充填する。 (状況に応じ、縦方向、横方向の伸縮目地の設置を検討する) 特殊部位の施工方法(内装壁面) (a)階高が高い場合(3m以上) ・1階エントランス他、高さ3m以上の接着張りのみの石張り施工は不可とする。 ・3m以上の施工においては、石材の自重を緩和する措置として、荷重受け金物を 1.2m毎に設置することとし、施工可能な上限高さは2フロアまでとする。 (b)あげ裏、まぐさ、梁下部分 ・接着剤張りのみの石張り施工は禁止とする。 やむをえず石張りを行う場合は、流し筋、吊り金物、受け金物を用いて石材の 自重を支える方法を検討する。 この場合の施工は、乾式工法に基づく施工方法とし、石材は金物等の設置が可 能な30mm以上の厚みをもつ石材を採用する。 石材の汚染対策 ○石材汚染の要因 ・接着剤;混合不足、計量ミス,選定ミス ・石材の種類による,下地の汚染物質 ○吸水防止の必要性について 石材は、その生成過程で生じる隙間(細孔)を持っており、水と共に汚れが浸透し シミとなる可能性がある。よって吸水防止剤の塗布施工等により、“アク”の吸い 上げを防止する必要性のある石種があるので注意を要する。 (参考)吸水防止剤によるシーラー処理の要否判断 シーラー処理施工が望ましい石種 ・石灰石(白色系吸水性大) ・蛇紋石(台湾、ギリシャ、インド産) ・大理石(タンスホワイト等) ・砂岩(吸水性大) ・人造石(ベルデ等) なるべくシーラー処理した方が良い石種 ・御影石(白系の中国産G603等) ・大理石(ホワイトカララ等) ・人造石(ロッソベローナ、ロッソデカルダ等) 出来ればシーラー処理した方が良い石種 ・大理石(ベージュ系ボテチッソ等) ・人造石(ビアンコ等) <注意>石材接着面(裏面)の吸水防止剤によるシーラー処理により、接着力が低下す る場合があるので吸水防止剤の選定には注意をする。
© Copyright 2024 Paperzz