情報番号:11743225 テーマ:社員自身に自分のマナーの欠如を気づかせ、改善させる研修 編著者:心理学博士 鈴木丈織 (関連情報:11743225~11743236) 1.マナー徹底の重要性 ビジネスマナーやビジネス知識は企業人にとってはパスポートのようなも のです。マナーや態度が対外的企業活動をするうえでも、社内の組織運営を円 滑にするうえでも、きわめて重要になるからです。それを身につけていればど こででも対等な立場でビジネス環境に入っていくことができ、周囲と調和する ことができます。 ビジネスの場では、たとえ、営業力や事務能力が抜群に優れていても、マナ ーや話し方がぞんざいであるというだけでその信頼、信用を失うことが少なく ありません。またコミュニケーションをとることにも支障がでてきて、本来の 業務がうまく遂行できなくなってしまいます。このようなマナー徹底の重要性 は新入社員だけでなく全社員が認識し、実践できなければなりません。中堅社 員や管理職はとくに新入社員の見本にならなければいけない存在です。全社を あげてマナー強化に取り組んでほしいものです。 2.マナー研修の実施 1)新人研修 新入社員のマナー研修は、必ず新人研修のプログラムの中に盛り込みます。 会社の経営方針も重要ですが、会社を代表する人間として恥ずかしくないマナ ーの基本を身につけるようにしっかり最初に教育します。一般的なテキストを 座学で勉強するだけでは不十分です。頭ではわかっていてもできないことのほ うが多いからです。できるだけ実習をしながら感じのよいマナー行動が実践で きるように、意味を理解させ練習を繰り返します。きっちり指導できる専門の 講師の指導を受けることが最も望ましい研修です。 2)社内インストラクターによる研修 新人は、最初のマナー研修で基本を理解し、マニュアルをきっちり覚えても、 実際の現場では頭で分かっているようには行動できません。何をどこでどのよ うに応用するのかが分からなければ使えないからです。実践応用できるように するには、OJT や社内インストラクターによる研修が望ましいでしょう。 社内インストラクターは「自社のマナースタンダード(標準レベル)」を明 確に示すことができ、新人の不慣れな点を指摘してレベルアップさせる指導力 をもっていなければなりません。下記の【マナーチェックリスト】を活用して *この情報の無断コピーを禁じます。 (株)経営ソフトリサーチ・JRSレファレンス事業本部 1 定期的にレベルチェックし、その解決を図るような研修計画を立てるとよいで しょう。 この場合、3 年目までの社員および中途採用の社員を同席させると、それぞ れに効果があります。3 年目までの社員は、慣れによる横柄さ、仕事への自信 があらわす傲慢さなどが態度にでてきて「自分流」でやってしまっています。 ときに、それが新人に悪い影響を及ぼします。また、中途採用の社員は、最初 の会社できっちりとした研修を受けていれば良いのですが、受けていてもすっ かり忘れていて、これまたほとんど「自分流」であることが多く見られます。 したがって、マナーの見直し研修ということで参加させると「自社のマナース タンダード」の徹底、統一ができます。新人がいることで、新人に対して見本 とならなければいけないという意識も働くので、効果があります。新人にとっ ては身近な頼れる存在として安心感を得ながら実践教育を受けることができ ます。優れた先輩の行動を見ると憧れと目指す存在として目標となり、成長意 欲を持たせることができます。 3)フォロー研修 たいてい半年か 1 年までに新人のフォロー研修が行われます。仕事に対する 意識や仕事全体の取り組み方に関してフォローが行われますが、ここでもマナ ーの見直しをすると効果的です。社内インストラクターによる研修ができなけ れば、このフォロー研修で上記の内容を盛り込みます。また、社内インストラ クターによる研修が実施されているときには、専門講師によるチェックを受け る研修とすれば、「自社のマナースタンダード」をよりレベルアップすること ができます。 4)特化研修 ビジネスマナーが重要であることはだれもがわかっていますが、「自社のマ ナースタンダード」として実践レベルを統一することはなかなか難しいもので す。結局最初の新人研修だけで、「マナーは心がけの問題だから、自分で気を つけろ」でおしまいになってしまう場合が多いのです。 また、ビジネスマナーというと、行動面を中心として考えられがちですが、 行動、態度、接遇面、言葉遣い、ビジネス文書などすべての分野において必要 かつ重要なものです。 そこで、「受付研修」「電話応対強化研修」「接遇研修」「文書研修」など とテーマを特化した研修にすれば、実践的に細かい指導ができ、受講者も具体 的な技能を身につけることができます。 3.マナーチェックを定期的に実施する ビジネスマナーや「自社のマナースタンダード」を常に意識づけるためには、 定期的に【マナーチェック】(下表)を実施するのが効果的です。 1)実施手順 ①まず自己チェックします。 ②次に自分周りの身近な人にチェックしてもらいます。他人の目を知ること です。 *この情報の無断コピーを禁じます。 (株)経営ソフトリサーチ・JRSレファレンス事業本部 2 ③最後に上司にチェックしてもらいます。あなたに対する上司の期待がわか ります。 2)評価 周りの人から歓迎されていません。自分に課題を課して 改善していくようにしましょう。 組織人として、社会人としての仲間入りは大丈夫。さら ○の数が45以上 にレベルアップを目指しましょう。 ○の数が30以下 【マナーチェックリスト】 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 該当するところ(はい)に○をつけてください チェック内容 言葉遣い・話し方 尊敬語、謙譲語 丁寧語の使い分けができる 言葉遣いが丁寧である 投げやりな言い方はしない 「どうも」や「すみません」はあまり使わない 「~とか」「~なんでぇ」「~ですけどぉ」はあまり 使わない 「~行くんでぇ」「~やるんでぇ」はあまり使わない 「~じゃないですか」「~見たい」「~とか」はあま り使わない 流行語、仲間言葉、省略語はあまり使わない 大きな声ではっきり話す 語尾がはっきりしている 人の話の腰を折らないで最後まで聞いている 反応しながら(うなづき、相づち)話を聞いている 態 度 挨拶は自分からすすんでしている 挨拶や返事は大きな声でしている 用を頼まれたら快く引き受ける 人に何かを頼むときに丁寧に頼み、お礼がきちんと言 える 相手を無視した態度をとらない いつも笑顔である 相手とアイコンタクトをとりながら話す 仕事の指示の際はメモをとり復唱している 座っているとき、立っているときの姿勢がよい 出かけるとき、帰って来たときにあいさつがきちんと できる 私用電話はしない *この情報の無断コピーを禁じます。 自己 他人 (株)経営ソフトリサーチ・JRSレファレンス事業本部 上司 3 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 身だしなみ 服装や身だしなみは自社にあっている(制服をきちん と着ている) いつも清潔である(シャツ、ブラウスの袖口は汚れて いない) 頭髪はいつも整えられている 顔は洗っている くつは磨いてある 名刺、手帳など仕事に必要なものは携帯している 遅刻しそうな時はあらかじめ連絡をしている 接遇(電話応対・来客応対) 電話が鳴ったら2~3回のコールでとっている きちんと名乗って出ている 挨拶をしている 取次ぎの時間は長くならないように迅速に取り次いで いる たらいまわしにしない 間違い電話にも丁寧に対応する 電話の聞き違い、連絡ミスはしない 伝言はきちんと復唱して確認している 来客には近付いて挨拶をしている 来客の取次ぎは迅速に行っている 応対用語がよくわかって使えている 笑顔で応対している 応接室、廊下での案内のマナーを心得ている お見送りの際は来客の姿が見えなくなるまで立ってい る 時間管理 出社には余裕をもって出かけている 遅刻しそうなときは予め連絡をしている 会議など打ち合わせは5分前には席についている 顧客、取引先との面会は事前に必ず アポイントメント をと っている 顧客、取引先の訪問には5分前頃に着いているように している 外出、出張などの時は定時連絡をするようにしている 文書管理・整理整頓 机の上はいつも整理されている 書類は取り出しやすいようにファイルされている 余分なコピーはとらない 回覧などの文書は読んだらすぐにまわす 受信文書のうち返信のいるものはすぐに処理している *この情報の無断コピーを禁じます。 (株)経営ソフトリサーチ・JRSレファレンス事業本部 4
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