9 月 26 日靭帯の伸長と短縮を完全理解するセミナー参加者の質問です。 ■日常生活の中でクセの出ている逆の動きを指導することによって予防になりますか? 回答:その発想は素晴らしいと思います。そのために反射誘発法が有ります。癖をなくす ことはできません。癖の出ていない側の中間位の指導は癖を中間位で使わせる結果が生ま れると考えています。 ■腰痛(亜急性の方の)肩こりなど一連の施術の評価の流れを教えて下さい。 回答:問診により症状の期間的 症状発生起点 症状の変化などを聞き、触診視診にて四 肢の左右差の発見をできるだけ多く診て、筋腱自体の損傷部位の有無、神経系の症状の有 無を確認、靭帯起因かを決定して、靭帯特定を行います。その靭帯に施術して結果を確認 します。その確認も当日よりも次の日の結果を期待します。それは患者さんの要求による 必要以上の刺激を避けるためです。 ■外旋、内旋タイプの仙骨の向き、腸骨の動き方がいまいち理解できません。 回答:私の書いた図になります。下の説明を見てください。 後仙腸靭帯 前仙腸靭帯 第5腰椎腸腰靭帯 腰椎伸展時に 緊張 股関節外旋時には腸骨は 内転して仙腸関節(耳状面 上部)を押すことで、骨盤全 体が緩まないで前方に傾き ます。そのために弯曲や側 弯が強くなると後仙腸靭帯 (側弯側)が伸長します。 第4腰椎腸腰靭帯 股関節内旋時には腸骨は 腰椎屈曲時に 外転して恥骨を押すことで、 緊張 仙腸関節(耳状面下部が接点)は 緩んで仙骨と腸骨がクロスする感 じで荷重を受けとめる。そのために 弯曲や側弯が強くなると前仙腸靭 帯(側弯側の反対側)が伸長します。 ■L4、5が開くということは、反対側は閉じているのでしょうか? 回答:閉じていることが多いと思います。 ■腰痛、坐骨神経痛について詳しく教えて下さい。 回答:深くタイプなどを伝えようと思うとずいぶんな量になってしまいますので、全体的 に解かりやすい部分を伝えます。 下肢の左右差により必ず人は側弯が起きます。生理的湾曲が側弯により強くなります。右 に側弯している人はその右への側弯が強くなると弯曲も強くなると言うことです。そして その側弯が強くなればなるほど骨盤との間と胸部との間で左右差が激しくなり、骨盤では 左右の仙腸関節の差、胸部では第11胸椎の椎間関節の左右差が強くなります。その左右 差の強さが痛みの強さで有り機能障害の発生に関係します。腰椎の側弯と仙骨の前後左右 の傾きが神経の伸長を発生させます。坐骨結節からハムストリングにでる神経症状は仙骨 の傾きが原因しています。鼡頚部や臀部下肢に至る神経症状は腰椎の側弯が影響している ことが多いと考えています。 上記より、整復は第11胸椎の整復と仙骨の傾きに対しての整復をしています。どちらに しても無痛方向の整復です。特にヘルニアなどの症状が考えられる場合は、徹することが 重要です。 ■仙骨の圧迫方向がイメージし難かったのでどの部位をどの方向になど、教えて頂きたい。 回答:先の腸骨の動きのところで図を示しました。前仙腸靭帯なのか後仙腸靭帯なのかは っきりイメージして行うことです。あくまでも無痛方向です。 ■T11やその他の整復で痛みが移動することは良くある事なんでしょうか? 回答:影響することは症状の変化が有ります。できれば予想できればいいのですが、経験 が必要になります。考えて施術しての経験の内容は身になります。 ■骨盤の変化とギックリ腰はとても重要だと最近思っていました。特に後上腸骨棘を診る ようにしています。仙骨の整復も行いますが、後上腸骨棘を整復するとT11、T4,5 で取れない痛みが大きく変化することが多くあるように思っています。 回答:後上腸骨棘は整復をするうえで重要な部分と考えています。仙骨の整復には必ず固 定したりする部位になります。そのほかでは尾骨の位置確認が重要に思っています。後上 腸骨棘や尾骨を正しく調節することで仙腸関節の動きが回復することが多いと考えていま す。 仙腸関節は、回復すると動くようになりますが損傷が強くなると極度の機能障害を発生す る部分であるとも考えています。ですから整復において準備をしておく部分と考えていま す。整復部分はあくまでやり直しができる部分の方が安全です。ですから第11胸椎を整 復することが多くなります。 ■間違った方向へ行っていても、その人がその方向が楽な場合はそちらの方向へ整復して 良いでしょうか? たとえば、前腕が強い人に仙骨や腸骨を前腕の強い方向へ持っていき ますか? 回答: 「見た目ではだめです」の内容になります。無痛方向が結果的に正しい整復結果が出 ます。あす以降の変化を信じることが必要です。勝手な基準が患者さんを余分な期間苦し めることになります。関節面の関係は個人差が有る場合が多いと考えています。 ■肩と胸鎖丁と肩鎖の関連性を教えて頂きたいです。 回答:鎖骨は関節で上腕と体幹を結ぶ唯一の骨です。機能障害が鎖骨の関節で起きている ことを気が付いていない場合が多く、その関節の整復は必要性が高いです。多方向に動く 関節ですから疼痛方向と無痛方向を見極めて整復を考えてください。関節の動きの特徴は 再確認の連続になります。 ■仙骨の傾きと整復の方向をもう一度教えて頂きたい。 回答:上記してあります。参考にしてください。 ■54 歳の女性で右肩V0の五十肩と整形外科に手診断され、当院へお越しになる。右上肢 挙上が水平位までで、それ以上の挙上は不可能。頚部右旋回の方が楽とのことなので整復 かけ、色々な角度(痛くない方向)での圧をかけるが、これと言った変化は見られず。週 3 から 4 の来院を望みますが、忙しい為週1回のペースです。少しでも良い意味で変化の出 る方法がありましたらお聞かせ下さい。 回答:脊柱の状態を良くすることは必要だと考えます。肩関節は最も難しい関節でまだま だ課題が多いのでこの機会にじっくり考えてみようと思っています。 右肩を動かせなければ、左肩の動きを完璧にすれば改善するかもしれません。右肩を使わ ずに左でできることは左でしてもらう。左右差をなくすうえでも効果が期待できるかもし れません。週1回は逆に良い間隔かもしれません。 ■ある患者さんの症状なのですが、20 年前スキーにて尻もちを付き尾骨が前方へ曲がって しまい整復をしたけれども治らず、今に至り現在はL4、5の中の(奥に)方に痛みがあ ると訴えられ、特に朝が居たいと言われます。尾骨の曲がりは関係あると思いますか。 回答:尾骨は基準がわかりません。診断でしょうから否定してもしょうがないですが、整 復しても治らなければ問題が無かったとも考えられます。仙骨の強打は間違いないでしょ うから仙腸関節に当時問題が有ったのかもしれません。 L4、5の問題は、継続的に20年間続いていますか?最近(何年か前からでも)痛みを感 じているのであれば、最近の変化として考えてもいいと思います。継続性があれば転倒の 仕方をあらためて聞きなおしてみてください。尻もちをつく感じは上級者ではありません (上級者だったらごめんなさい)のでスキーが暴走気味で足が跳ね上がっていると思いま す。左右どちらのターン時に起きたか聞くだけで損傷部位が見えてきます。右が目的側で 左が目的補助側ならば状況にもよりますが左ターンで暴走していますので右の仙腸関節を 痛めている可能性が強いと思います。 朝に痛みが有る場合は、身体を丸くしていることでのこわばりから起きる症状が多いので、 C タイプの L4~5間の左右差が強めに一時的に起きていることが考えられます。下肢のふ くらはぎの緊張を気尾付けて(ヘルニアが出るタイプです)整復してください。 少し思い込みが強く出ていますので冷静に判断してあげてください。 スキー歴48年の私の意見です。 ■筋肉、靭帯の硬結、圧痛と靭帯の伸長と短縮を見分ける時に迷う事があるのですが、何 かヒントがあれば教えて下さい。 回答:使うことができて筋の痛みを訴えるのは、靭帯の問題です。硬結は筋その者の問題 ではなく緊張過多と考えています。筋挫傷又は筋打撲は程度にもよりますが筋の収縮はし にくいはずです。神経症状も迷いやすい症状ですが運動と言うよりは姿位で起きてくるこ とが多いと考えています。腰を伸ばすのか曲げるのか痛みが出る姿位が有ればその格好は させない事です。そして逆で無痛方向であれば整復してください。 今回、深く考えていただいている先生が多かったようです。質問もその傾向が有りました。 より掘り上げて、素晴らしい内容が発見されてフィーッドバックされてくることを期待し ています。
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