プチ健診を受けられた人へ <④痛風が気になる人> あなたが今回受けられました検査についての説明です。参考にしてください。 尿酸(基準値 男性:2.8~7.5 mg/dl 女性:1.9~5.6mg/dl) 体の中の細胞は毎日新しく作られていく一方、古いものは壊れていきます。細胞の核 の原形質である核酸の代謝によって生じた燃えかすが尿酸です。血清中の尿酸は、骨 髄、筋肉、肝臓などで作られた後、そのほとんどが腎臓でろ過されて尿中に排泄されま す。実際には、食事や飲酒、運動などの生活習慣による尿酸産生量と、腎臓からの排泄 量とのバランスによって血液中の尿酸値が決まってきます。 尿酸値が上がるのはどうして? ◆産生過剰型 食物や飲酒によって尿酸の元となるプリン体をたくさん含む食物やお酒を摂ったり、過度の運動な どで細胞が壊れたりして尿酸がたくさん産生されるタイプ ◆排泄低下型 腎臓の機能が衰え、尿酸の尿中への排泄が低下して血液中に残ってしまうタイプ ◆混合型 産生過剰型と排泄低下型の両方を備えたタイプ 検査結果を見る時の注意 アルコール飲酒による 高尿酸血症の機序 アルコールを飲むと体内の尿酸値が 上がります。まずアルコールは体内での 尿酸産生を増加させます。また尿中への 尿酸の排泄を阻害し尿酸を体内にとど めます。さらにアルコールの利尿作用に より尿酸は濃縮されます。ここに食物由 来のプリン体が上乗せされます。ビール だと大瓶 1 本で 50mg 程度、白子やレ バーには 100g 当り 300mg ものプリ ン体が含まれます。ちなみに日本人の 1 日の平均プリン体摂取は 150mg 程度 といわれています。尿酸が高い方がアル コールを飲んで痛風発作を起こすのは、 つまみや酒の種類だけの問題でなく、ア ルコール摂取に伴う当然の帰結だと言 えます。 基準値は、登米市民病院で 使用しているものです。 基準値は施設や性別、年齢 などで異なることがあります。 また、検査項目によっては、 検査方法や単位などが異なる ことがありますので、検査結果 を他の施設のものと比べる時 などはご注意ください。 登米市民病院は、平成 25 年度 日本臨床衛生検査技師会臨床検 査精度管理調査に参加し、A 評価 の認定を受けています。 「痛風とは?」 尿酸は元々水に溶けにくいため、尿酸が増えると、尿中や関節内で結晶化します。関節内で結 晶化すると、関節が赤く腫れ上がり激しい痛みを伴います。いわゆる「痛風発作」です。結晶は “栗のいが”のような針状のもので、いかにも痛そうです。この他にも尿酸が皮下や腎臓に析出 して炎症を起こしたり、腎臓や尿管の結石の原因になったりします。 痛風になると以下のような症状が現れます! ◆急性関節炎 ・足の関節が多い ・腫れ、発赤を生じ、強い痛みを伴う ・10 日前後で軽快する ◆皮下の痛風結節 ・尿酸結晶が皮下に析出したもので、耳たぶや手指などの皮下に現れる事が多い ・痛みはない ◆尿路結石、腎障害 ・肥満、高血圧、脂質異常症(高脂血症など) 、虚血性心疾患を伴う事が多い 急性関節炎を伴った「痛風」 痛風結節から採取した針状の尿酸結晶 プチ健診で異常が見つかったら、お早めに医療機関の受診をお勧めします(保険診療) 。その 際は、必ずプチ健診の結果をお持ちください。当院には複数の診療科がありますのでご利用 ください。 お問い合わせ 登米市立登米市民病院 事務局(医事係) 0220-44-4735
© Copyright 2024 Paperzz