ヤマワ・レポート

ヤマワ・レポート
(平成 28 年 1 月 12 日号)
今週の株式相場見通し
*日経平均
17,200~18,500 円
TOPIX 1,410~1,520
*期待材料 国内外の政策対応 成長戦略の加速 企業ガバナンス改革
*不安材料 地政学的リスク 中国経済及び新興国経済の動向
・年明け以降、イスラム教シーア派国のイランと、サウジを筆頭としたスンニ派国の緊張激
化、これに伴うシリア情勢の混迷化及び、対 IS への国際共闘基調の後退懸念、さらには 1
月 4 日の中国では一段の経済指標悪化を受けて株式市場は大幅下落となり、場中にサーキッ
トブレーカーが発動、6 日には北朝鮮が金正恩体制下での 2 度目となる核実験の実施と、ネ
ガティブニュースのラッシュとなっている。これら悪材料を受けて日本においても円高及び
株安が進展しており、日経平均株価は 12 月 15 日の直近安値を下回る水準まで下落が進行し
た。長期的なトレンドであるアメリカの覇権後退、さらに本年は大統領選を控えてオバマ政
権のレームダック化が進む事が想定される事を踏まえると、折に触れて地政学的リスクが頻
発する状況が沈静化する事は想定し難い。また、中国経済についても、底割れ回避は図りつ
つも構造改革を優先する習近平の政策スタンスは継続せざるをえず、中国の経済指標で世界
の金融市場が大きく振れる局面は今後も継続しよう。このような状況においては、これまで
同様に相場全体の PER 水準を意識したうえで、押し目での買いと上昇局面での着実な利益
確定が重要になるものと思われる。3 ページ目にはアベノミクスが実質的に始動した 13 年以
降の主要株価指数の年間パフォーマンス(各年納会終値の比較)を掲載している。14 年相場に
ついては、13 年の高パフォーマンス指数がアンダパフォームする一方、13 年の低パフォー
マンス指数がアウトパフォームする動きが目立った。15 年のセクターパフォーマンスについ
ても 14 年相場ほどには顕著では無いものの、やはり同様のリターン・リバーサル(逆バリ)
的な傾向が見て取れる。外部環境において不透明感が強まり、ボラティリティが高まる局面
が今後も頻発する事が想定される昨今の状況を鑑みれば、前年の相対的高パフォーマンス銘
柄の売りと低パフォーマンス銘柄の買い等のマーケット・ニュートラル、あるいはロング・
ショート戦略によるポートフォリオ構築も、投資手法の一つとして一考に値するのではない
か。(1 月 7 日現在、多功 毅)
今週の予定
1/12(火)
13(水)
14(木)
15(金)
国内
12 月景気ウォッチャー調査(15:00)
12 月マネーストック(8:50)
11 月機械受注(8:50)
海外
[米]アルコア決算(7:00)
[中]貿易収支
[台]TSMC 決算
[米]インテル決算(7:00)
[米]12 月小売売上高(22:30)
[米]12 月鉱工業生産(23:15)
出所はロイター、ブルームバーグより、時刻は日本時間(予定)
山和証券 本店営業部
TEL:3668-5412
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。
1
今週の参考銘柄
エンジャパン(4849)
決算期
14年03月
15年03月
16年03月予)
東証 JASDAQ
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
(百万円) 前年比(%) (百万円) 前年比(%) (百万円) 前年比(%) (百万円) 前年比(%)
16,755
23.5
3,441
23.6
3,747
31.9
2,789
80.5
19,623
17.1
3,943
14.6
4,259
13.7
2,531
-9.3
25,900
32.0
4,800
21.7
4,850
13.9
3,000
18.5
株価
株価(1月7日 ・円)
4,185
予想PER(16年3月期・倍)
31.6
売買単位(株)
100
業種
サービス
担当者
松本 直志
1月7日
13週移動平均
EPS
(円)
126
113
132
配当金
(円)
24.5
32.0
33.0
4,185 円
26週移動平均
4,500
3,500
2,500
1,500
千
1000
500
0
2015/1/31
2015/4/30
2015/7/31
2015/10/31
15 年度上期で全社売上の 34.9%を占める転職情報サイトの「エン転職」を中心に、派遣、ア
ルバイトなどのインターネット求人サイトやエージェントを活用した人材紹介事業を主に運営
している。
転職情報サイトの「エン転職」を中心に業績が伸び、上期決算は前年比 32.4%増収、65.4%営
業増益。会社の上期計画を超過達成し、通期計画も上方修正。団塊世代の引退による就労人口の
減少に伴い企業の採用意欲が増加するなか、景気回復により業務量が増加した企業の中途採用需
要が強まっており、
「エン転職」に対する引き合いが増加している。また、就業環境の改善に伴
い、良い条件を求めて転職する人が増加しており、欠員を埋めるために中途採用を強化する動き
も出ている。加えて、新卒採用がしにくくなったことで第 2 新卒の採用需要も拡大。産業構造の
変化により、サービス業の就業者数が増加しているものの、この業種は新卒採用では不人気なう
え離職率も高いことから採用ニーズが強く、求人件数の増大に貢献している。企業の中途採用意
欲が強い好環境のなか、15 年 6~7 月には久しぶりに大規模 TVCM を実施し企業や個人に対し
て認知度が向上したことで、業界平均を大きく上回る売上成長を達成。転職市場の活況に伴いネ
ット広告の広告効果が高まり、広告宣伝費を抑制できたことも寄与し前年比大幅増益になった。
転職広告掲載企業に対する口コミ情報と同企業の求人広告の連動に業界初で取り組むなど、14
年 8 月に「エン転職」で応募者の利便性を第一に考えたサイトリニューアルを実施。リニューア
ル効果で、転職広告 1 件あたりの応募数がリニューアル前に比べて、15 年 4-6 月の平均で 1.4
倍に拡大。リクルートなど同業大手を上回る広告効果が出る求人サイトとして顧客企業側からも
評価されており、15 年 9 月の「エン転職」の掲載件数は過去最高だった 07 年 11 月の水準まで
回復。また、スマートフォンを通じた転職者の応募が増加しており、ネットを基盤とする「エン
転職」の業績拡大の追い風になっている。
下期も「エン転職」中心に売上の拡大を見込むが、TVCM 費用など戦略的投資を追加で 5.8
億円投入するため、通期の営業利益の上方修正幅は上期上振れ分の約 13 億円に対して 8 億円に
とどめている。転職市場の活況を追い風に、サイトリニューアルや TVCM 効果による競争力の
高まりにより、
「エン転職」が牽引し今後の業績拡大余地も大きいものと思われる。
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。
2
各株価指数の年間パフォーマンス推移
順位
13年
1
マザーズ
2
日経平均
3
中型指数
4
大型指数
5
TPXグロース
6
TOPIX
7
TPXバリュ8
J日経400
9
日経JQ
10
小型指数
11
東証2部
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
情報・通信
証券・商品
海運
ゴム
不動産
その他金融
その他製品
鉄鋼
パルプ・紙
サービス
輸送用機器
機械
金属
小売
電気機器
ガラス土石
銀行
保険
非鉄金属
建設
精密
化学
食料
倉庫
医薬
陸運
電気・ガス
繊維
空運
卸売
水産・農林
石油・石炭
鉱業
137.2%
56.7%
52.8%
51.7%
51.5%
51.5%
51.4%
49.9%
45.3%
45.1%
44.2%
89.5%
87.1%
81.0%
73.4%
70.8%
68.1%
58.6%
58.3%
56.7%
56.3%
56.1%
54.9%
54.3%
52.7%
52.5%
52.0%
50.1%
49.9%
46.6%
45.3%
43.1%
40.5%
39.9%
39.6%
38.9%
36.9%
36.7%
32.6%
28.9%
27.8%
25.5%
21.6%
20.7%
14年
東証2部
23.0%
日経JQ
15.1%
小型指数
11.8%
中型指数
11.2%
TPXグロース
9.2%
J日経400
8.5%
TOPIX
8.1%
日経平均
7.1%
TPXバリュ6.9%
大型指数
6.2%
マザーズ
-5.2%
以下、東証業種別指数
空運
39.7%
化学
25.1%
水産・農林 23.8%
繊維
20.8%
電気機器
20.1%
陸運
20.1%
精密
19.4%
食料
15.9%
建設
15.4%
医薬
13.8%
サービス
13.6%
輸送用機器 11.3%
機械
10.5%
ゴム
10.1%
小売
6.5%
電気・ガス
6.4%
卸売
6.2%
倉庫
6.1%
その他製品
5.9%
保険
5.6%
ガラス土石
2.5%
非鉄金属
0.0%
鉱業
-1.8%
金属
-2.0%
鉄鋼
-2.6%
情報・通信 -2.6%
銀行
-3.9%
海運
-4.9%
石油・石炭 -7.7%
その他金融 -12.1%
パルプ・紙
-13.1%
証券・商品 -14.1%
不動産
-15.7%
15年
中型指数
日経JQ
小型指数
TPXグロース
TOPIX
TPXバリュJ日経400
日経平均
東証2部
大型指数
マザーズ
水産・農林
医薬
小売
食料
陸運
情報・通信
その他製品
保険
建設
空運
精密
その他金融
繊維
パルプ・紙
サービス
化学
電気・ガス
銀行
ガラス土石
金属
卸売
輸送用機器
石油・石炭
非鉄金属
ゴム
電気機器
倉庫
不動産
機械
証券・商品
鉱業
海運
鉄鋼
※TPX バリュー:TOPIX バリュー TPX グロース:TOPIX グロース
日経 JQ:日経ジャスダック指数 大型指数、中型指数、小型指数:東証規模別株価指数
東証業種別指数の緑のラインより上は、対 TOPIX アウトパフォーム業種
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに
記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。
3
14.1%
12.0%
11.3%
10.3%
9.9%
9.6%
9.3%
9.1%
7.7%
7.7%
-2.5%
40.8%
32.6%
28.8%
26.4%
21.5%
20.5%
20.4%
19.2%
19.1%
18.4%
18.2%
17.8%
15.1%
14.1%
13.7%
12.7%
11.6%
9.5%
8.5%
7.7%
4.3%
3.8%
1.9%
0.4%
-0.7%
-1.7%
-1.7%
-3.2%
-5.3%
-6.8%
-11.5%
-16.8%
-19.2%
やまわ
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発行 山和証券調査室