自主トレーニングの効果が表れるまで

理学療法士
鈴木 徹大
温かくなり運動しやすい季節になりました。このタイミングで運動
し始めようと思っている方も多いと思います。最近では、テレビ番組
や書籍などで、誰でも簡単に短時間で行えるような自主トレーニング
が紹介されています。そこで気になるのは、どれくらいの期間を継続
して行えば効果が表れるのかということではないでしょうか。そこで
今回は、自主トレーニングの中でも、馴染みのあるストレッチと筋肉
トレーニングの効果が表れる期間についてお話しさせていただきた
いと思います。
実際のところ、ストレッチや筋肉トレーニングの効果については、
全員が同じ期間で効果が表れるというわけではありません。「体を柔
らかくしたい」・「筋肉をつけたい」と意気込んでも、何の目安もな
くトレーニングを続けることは気持ち的にも難しいと思います。そこ
で、ストレッチや筋肉トレーニング効果の目安を覚えておきましょう。
ストレッチにおいては、3か月~半年以上の期間、規則的なストレ
ッチを行うことで効果を得ることができると言われています。定期的
に運動を行っている人は、筋肉を縮めたり伸ばしたりするのでよいの
ですが、運動不足の人は筋肉の柔軟性が落ちていってしまいます。筋
肉の柔軟性を維持するためには、20秒~30秒程度のストレッチを1
日1回行うことが必要です。ストレッチはきちんと行うことで必ず効
果が表れてきます。そして、ストレッチは「ゆっくり行う」・「呼吸
を止めない」・「筋肉が伸びていることを意識する」・「気持ちよさ
を感じる」
「気持ちの良い角度で止める」以上のコツを覚えておくと、
ストレッチの効果がグンと上がります。
筋肉トレーニングにおいては、それぞれの体質やスポーツ経験、生
活環境のよって大きく違ってきます。充実したトレーニング内容や、
継続期間が長い程、その効果が大きくなっていきます。
医療法⼈社団めぐみ会
南大沢メディカルプラザ
リハビリテーション科
しかし、アスリートの様に本格的なトレーニングを行うわけでは
ないので、皆さんが今現在自宅で実践している筋肉トレーニングで
考えてみてください。「筋肉がついてきた」と実感し始めるのは、
週に 2 回程度の筋肉トレーニングを約 3 か月間継続して行った場合
にそうなると言われています。実感するとともに、筋肉トレーニン
グの回数は大幅に増えていきます。それ程ハードな筋肉トレーニン
グを行わなくても、真面目にコツコツと数か月間取り組めれば、筋
肉の成長を感じ取れると思います。豆知識として、筋肉トレーニン
グをより効果的に行うには、空腹時や食後は避けること・夜に行う
と効率がよいということを覚えておくといいと思います。空腹時に
は、血糖値が低下しているため、あまり力が出せません。食後にト
レーニングをしてしまうと、消化不良を起こしてしまいます。夜に
行うと効率がよいというのは、寝ている時に筋肉の成長を促すホル
モンが分泌されるからです。夜に筋肉トレーニングをして食事をと
り、十分に睡眠をとれば筋肉がつきやすくなると言われています。
但し、糖尿病の場合は夜食を食べないため、例外となります。
現在、ご自宅で自主的に運動を行っている方が増えてきています。
少しの知識を知っておくだけで、自主トレーニングに対するモチベー
ションも変化し、頑張ろうという気持ちが強くなると思います。大事
なことは「継続は力なり」です。ですが、意気込みすぎての無理だけ
はしてはいけません。コツコツ努力をして病気や怪我をしにくい体を
つくっていきましょう。
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南大沢メディカルプラザ
リハビリテーション科