高校生とインターネット 3年4組近年、スマートフォンが急速に普及し、中高生にとってインターネットがより身近なものとなっている。そんな中で私たちもよく利用する、スマートフォンの SNS やゲームに関する事件を取り上げる。１つ目の事例は、高校生が被害者となったケースである。２０１３年７月、アイドルグループ Kis-My-Ft２のコンサートチケットを売ると掲示板に嘘の書き込みをし、高校１年生の女子生徒にチケット２枚分の代金として現金３万５千円を現金書留で自宅に送らせだまし取った疑いで、東京都新宿区若松町、無職の秋山紋子容疑者(２５)が逮捕された。この容疑者は別のアイドルグループでも同様の手口で犯行を行っている。２つ目の事例は高校生が加害者となった事件である。２０１３年５月から８月にかけ、オンラインゲーム「サドンアタック」で、計２７回にわたって不正なプログラムを使ってキャラクターに本来はできない動作をさせ、ゲーム運営会社に対策プログラムの開発など、業務を妨害したとして、神奈川県警サイバー犯罪対策課は２５日、徳島市の専門学校生の少年(１７)、福島県会津若松市の大学１年の少年(１８)、奈良県五條市の高校３年の少年(１７)の３人を、電子計算機損壊等業務妨害容疑で横浜地検川崎支部に書類送検した。大学生と高校生はプログラムを開発、専門学校生はプログラムを動画投稿サイトで宣伝していた。プログラムはインターネットで販売し、２年間で８１０万円を稼いでいたとみられる。３つ目の事例もオンラインゲームで高校生が加害者となった事件である。２００８年、オンラインゲーム会社、ネクソンジャパンのサーバーに不正アクセスし、元社員の ID、パスワードを入手。計１３回にわたってデータを改ざんし、約３６００万円相当の仮想通貨をだまし取ったとして、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターは福井市に住む高校二年生男子(１６)を不正アクセス禁止違反と電子計算機使用詐欺容疑で逮捕した。不正アクセス方法は裏サイトで調べ、約１００人分の ID を入手していた。４つ目の事例は高校生と中学生が SNS をきっかけにトラブルに発展したケースである。２０１４年５月、無料通信アプリＬＩＮＥで高校１年生(１６)のメッセージを遊び仲間の中学３年生(１４)が受信拒否したことに高校生が腹を立て、京都府福知山市内の河川敷で中学生に殴る蹴るの暴行を加え、顔に打撲や骨折の重傷を負わせたとして、高校生を暴行容疑で逮捕し、中学生を暴行容疑で補導した。以上４つの事例から考えられる問題点は、スマートフォンが普及したことにより現代の高校生にとっては、インターネットというものが身近なものになりすぎたため、インターネットに対する警戒心が薄れてしまっていることである。スマートフォンやタブレット端末の普及は生活を便利にし、より良くしてくれるものだが、同時にインターネット上の危険を身近な存在としてしまった。人生経験の少ない中高生は被害者となりやすい環境となってしまったのである。さらに、インターネット上では不正アクセスの方法など本来あってはならない情報が野放しの状態になっており、高校生でも不正アクセスができてしまうのである。これについては、学校などの教育機関を利用しインターネットの正しい利用方法を生徒に指導すると同時に、情報を掲載した者だけでなくその情報を利用した者にも厳しく規制をかける新たなルールが必要になってくる。また、現在はインターネットのその圧倒的な拡散力が悪用され、不特定多数を対象とした詐欺や違反商品の販売が横行しているが、今後はその拡散力を利用して犯罪防止に努めるべきである。たとえば、Twitter でインターネット上の詐欺への注意・呼びかけを拡散したり、広告を設置するなどである。さらに、インターネットやスマートフォンの SNS 上では相手の顔が見えないうえ、文字だけのやりとりであるため誤解が生じやすい。それを解消するためには、本当に伝えたい事柄は直接会ったり電話を利用するようにしたり、SNS でも通常のコミュニケーション形態ではなくビデオ通話など相手の顔が見える形の SNS を利用することでこの問題は解決されるだろう。参考文献・msn 産経ニュース（http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140613/crm14061316560008-n1.htm）・毎日新聞（http://mainichi.jp/select/news/20140626k0000m040045000c.html）・読売新聞（http://archive.today/NtRAZ#selection-721.154-721.171）・朝日新聞（http://www.asahi.com/articles/ASG6B3WMNG6BPLZB006.html）