はじめに・・・ 花炭とは、「飾り炭」とも呼ばれ、500 年の歴史を持ち、古くから茶の湯の世界で 菊炭と共に使用され、優雅で高尚なものとして珍重されてきたと言われています。 木の実、葉、花、果物など素材そのままの形で炭化させてつくる炭の一種です。木 炭より比較的簡単に作ることができます。マツボックリやクリなど乾燥したものは短 時間ででき、水分の多い果物などは少し時間がかかります。花びらや葉は壊れやすい ので、注意が必要です。 用意するもの ・金属の缶 ・炭にしたいもの(マツボックリ、イガグリ、枝、葉っぱ・・・) ・軍手 作り方 1.炭にしたいものを用意する 自然観察路で、炭にしたいものを拾います。 *マツボックリはかさが閉じているものでも、 加熱すると開きますので、閉じていても 大丈夫です。 2.缶の中に炭にしたいものを入れて、軽くフタをする 缶の中に、炭にしたいものを入れ、 フタをします。 ポイントはフタを固くしすぎない、 軽く乗せる程度にすることです。 1 *隙間なく入れると、形が崩れてしまう ので欲張ってたくさん入れない方が 良いでしょう。 3.窯に入れ、フタをする 1つの窯に材料の入った缶を3つ入れて、 窯にフタをします。 *缶を入れるときは熱いので注意! しばらくすると窯から白い煙がでます。そのうち黄色の 煙に変わります。 4.煙が出なくなったら、窯から取り出し、缶にフタをする 20~30 分後、煙が出なくなったら窯から缶を取り出 します。 その際、熱いのでトングを使って慎重に取り出します。 缶を取り出したら、トングなどでたたいてフタをしっ かりしめます。 *空気が入ると燃えますので、 すぐにフタを開けないようにしましょう。 5.炭を取り出す 缶が冷えたのを確認して、中から炭を取り出します。 壊れないようにやさしく出してください。 おしゃれな花炭のできあがり! 2 注意!! ①火を使用するので、火傷に注意! ②缶は密閉すると熱したときにフタが飛ぶので、 フタは軽く乗せてください。 ③炭にすると、もとの大きさより2割程度小さく なります。 ④炭は繊細です。もろく、崩れやすくなっている ので取扱注意! 家庭で行う場合 準備するもの (参考:「授業力アップへの挑戦22 自然が大好き ものづくりの理科授業」P10) 作り方 ①炭にしたい素材を用意する。 ・金属の空き缶 ②空き缶をコンロの火などで燃やして、 (缶詰の缶やお菓子の缶など) 塗料を取り除く。 ・炭にしたいもの ③焼いた空き缶に炭にしたいものを入れ、アル ・アルミニウムはく ミニウムはくで軽くフタをして、煙がでてく ・ガスコンロ る穴を開ける。 ・トングや軍手も準備した方がよい ④缶を火にかける。 ⑤穴から煙が出きったころを見計らい、火を止 め、缶が冷えたのを確認してから中身を取り 出す。 作品例 3 葛とは… 葛は秋の象徴です。秋の七草のひとつに数えられるとともに、秋の季語として多く の俳句に詠われています。 山や野原などの地面をはうつるは、節から根を出し、あちこちに根付きます。かつ ての農村では、田畑周辺の薮に育つクズのつるを活用してきました。また、葛粉として 食用や漢方薬としても利用しました。欧米では土地改良や牧草として導入されました。 しかし、アメリカでは想像以上の繁茂・拡散を遂げ、有害植物及びに侵略的外来種とし て指定されたそうです。 準備するもの ・剪定はさみ ・葛 作り方 (前準備)葛を 2 つに割く そのままでも編めますが、太く編みにくい場合は、 半分に割きます。 (切り込みを入れると手で楽に割けます) 1.軸になる葛(70~80 ㎝くらい)を 4 本用意し、放射状に重ねる 左図のように4本を放射状に重ねます。 不安定なので交点でしっかり押さえましょう。 4 2.編む葛を用意し、編み始める 編む葛を用意し、放射状の軸の下から編み始め ます。 軸の下に編む葛を通し、隣の軸のうえを通り、 さらに隣の軸の下を通り、軸に対して上下交互に 編んでいきます。 *写真の「上」「下」は1周目の表記です。 3.1 周もしくは 2 周編んだところで、軸の葛を 1 本増やす 1周(不安定な場合は2周)編んだところで、 軸用の葛を用意して、軸の交点の下側に差し込み、 軸を1本増やします。 * 上 下交 互 に編 むの で、 軸 は奇 数 にす るこ とが 基 本 です。 1本増やす 4.ひたすら編む 軸を1本ふやしたら、編む葛で軸に対して 上下交互にひたすら編みます。 5.好みの広さの底になったら、軸を立てて側面を編む 側面を編む時は、軸を立てながら編みます。 その際、きつめに編むと軸が徐々に立っていくので、好みの高さまで編んでいきま す。 5 6.編み終わり:隣の軸の内側を通し、さらに隣の軸の外側を通して内側へ 編む葛の編み終わりは、1周前と2周前の 編む葛の間に差し込みます。 軸の編み終わりは、隣の軸の内側を通り、 さらに隣の軸の外側を通り内側に入れます。 その際きつく編みましょう。 (乾燥するとゆるくなるため) 7.余分な葛を切り、形を整える 内側に入れた葛を切り落とし、形を整えます。 *切り落とす際、ぎりぎりで切ると、 乾いたときにほどけてしまうので注意! 乾いて形が安定してから、ぎりぎりで切ります。 *葛が足りなくなったら・・・ 新しく編む葛は軸の下側から始めるようにします。(右図) 使用例 今日一緒に作った炭を入れた様子です。 アレンジ次第で、取っ手もつけることがで きます! 紙ひもでもできますのでご家庭で是非☆ (本館情報センターのカウンターの様子) 6
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