非殺傷武器「テイザー」(TASER)を考える )を考える ( その6 その6 セキュリティー 東京支社長 田中 敏郎 We fight like we train! 「訓練したように戦う」古くから言 われる言葉として、今も引き継がれ ている。 “ TAESER ” ! “TASER”! “ TASER ” ! テーザー! テーザ ー! テーザー! 今この瞬間からも、この言葉が世 界各地のどこかの警察官によって発 せられている。非殺傷武器テーザーECD を現場で使用する場合には、被疑者に対してこの ように警告をするようになっている。被疑者制圧の訓練として、日々トレーニングが実施 されている。 すでにお知らせしているように、このテーザーは米国を始め、英国、カナダ、オースト ラリア、フランスなど先進諸国の警察現場で広く採用されていることによって、テーザー ECD の取扱トレーニングを始め、基本的な知識の習得はたいへん重要なものとなってきて いる。 (拳銃の取扱についてと同様ではないだろうか) 正しい知識と取り扱いによって、 この装置テーザーECD はもっとも有効な被疑者制圧のための装備となりうるものである。 メーカーであるテーザーインターナショナル社は、単に製品の供給だけに終わることな く、あらゆるデータの積み重ねによりトレーニングシステムを構築することができた。 それが「TRAIN-THE-TRAINER」プログラムである。あらゆる警察署単位からトレーナー候補 者、適格者を数名人選して小単位のグループに分けてテーザーECD の専門的知識から使い 方までを受講させるエキスパートトレーニングを行い、適格者には受講証明書を交付する ことで、トレーナーとなった適格者は所属の警察署、各部署所属での警察官にトレーニン グを行うという最も合理的なプログラムとなっている。当初米国内のみで採用されたプロ グラムであるが、テーザーECD の採用国である警察現場にも認められ実証され始めている。 これは 従来からある、武器(拳銃)、通信機器、車両の操作など幅広い技能の習得手法と 同様な伝統的なものである。 携帯していることによる抑止力として効果を発揮することもある拳銃などの殺傷武器と は異なり、このテーザーECD は制圧装置であり必要に応じて使用することが目的となり、 それの取り扱いについては十分な知識と技術が必要になってきている。 (予断であるが、最近わが国で拳銃による目的外使用が起きているのはなぜか?) テーザーインターナショナル本社には、「テーザートレーニング専門講座」を設けて、先 の警察官トレーニングだけではなく、特殊部隊要員、軍関係者、刑務官、医療関係者、警 備会社員、一般民間人などから求められるトレーニングを幅広く受け付けている。各種コ ースなどが設けられ、座学による学習から実体験が中心の実地訓練があり、 「TRAIN-THE-TRAINER」プログラムを担当するインストラクターは、現役及び退官した警察 官や軍人の人たちによって実施されるものである。 時として、 インストラクターの中には、 世界的に知られた人物もエキスパートとして登場することもある。 次回は、トレーニング講座の具体的内容について、ご紹介することでより一層 このテ ーザーECD への理解が深まるのではないかと考える次第である。
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