第1編 労働基準法

第1編
労働基準法
第1章 総則
4
第2章 賃金
16
第3章 労働契約
26
第4章 解雇
34
第5章 労働時間、休憩、休日
41
第6章 割増賃金
56
第7章 みなし労働時間制
60
第8章 年次有給休暇
65
第9章 年少者
71
第10章 妊産婦等
75
第11章 就業規則、寄宿舎
78
第12章 雑則
84
※本書の内容は、執筆時点(平成26年8月末)で確定しているものとなっており、
その後の改正情報等は反映しておりません。
労働基準法の概要
科目の紹介
〈法別表第1〉
労働基準法は、労働者保護のための、さまざまなルールを定めた法律です。使
用者が違反すると、厳しい罰則があります。
労働者保護のための強行法規!
労働基準法といえば?
使用者には厳しい罰則。特に強制労働の禁止は、最も罰則が重い
労働基準法は原則として、事業の種類を問わず、労働者を使用する全ての事業
に適用されます。適用の単位は、場所ごとです。本社と別の場所に支店や工場、
第
1
編
① 製造業
⑧ 商業
② 鉱業
⑨ 金融・広告業
③ 建設業
⑩ 映画・演劇業
④ 運輸交通業
⑪ 通信業
⑤ 貨物取扱業
⑫ 教育研究業
⑥ 農林業
⑬ 保健衛生業
(林業は要注意)
⑭ 接客娯楽業
⑦ 畜産・水産業
⑮ 清掃・と畜場の事業
労
働
基
準
法
(④、⑧∼⑪、⑬⑭と、官公署の事業は、一斉に休憩を与えなくてよい)
営業所があるなら、労働基準法は別々に適用されます。
試験対策
場所ごとに適用される例
労働基準法は、このように「場合によっては、こうなります」という例外が多く、
それを整理しながら学習していくことになります。数字の暗記や丸暗記する用語
本社
工場
工場
は他の科目に比べれば少なく、考え方を理解していく科目です。常に「労働者保護、
使用者には厳しい」と意識しておきましょう。
ここにまとめて適用されるわけではない(原則)
出題傾向
総則は、条文をそのまま出題する、少し言葉を変える、選択式でキーワードを
実際には、新聞社の支社の通信部で連絡要員としてそこに1人いるだけ、とい
入れさせる、といった、ありとあらゆる方法での出題例があります。他に目立っ
う例もあります。このように規模が極めて小さく独立性がないものは、場所が離
て出題が多いのが、賃金支払の5原則の例外や禁止事項、休業手当、労働契約、
れていても、直近上位の機構と一括して適用されます。
解雇制限や解雇するときのルール、労働時間の原則と例外、年次有給休暇の付与
反対に、同じ場所にあっても、工場の中に食堂や診療所がある場合など、事業
の種類が違うと、別々に適用されます。
労働基準法は、業種によっては、1週間の労働時間の上限に特例があります。
の要件です。労働時間、休憩、休日の規定が適用されない「法41条該当者」に関
する通達も、出題が多くなっています。平成26年度の選択式も、「管理監督者性」
に関するものでした(P.15参照)。
また、労働時間・休憩・休日の適用が除外される業種や、一斉に休憩を与えなく
ても良いとされる業種があります。その区分は法別表第1によるものですが、た
賃金は?
解雇のルールは?
労働時間は?
有休は?
とえこの表に載っていない業種でも、労働者を使用する事業には、労働基準法が
適用されます。
2
一般的に関心が高いことが出題される!
3
1
第
第1章 ● 総則
総則
章
(2)「人たるに値する生活」
*4
この言葉は、何も見なくても書けるぐらい、完全に覚えておこ
この章のポイント
う。第1章で取り上げる条文は、どれも重要で、そのまま選択式
1.どの条文も、書いて覚える。
2.労働基準法の学習は試験勉強のスタートとゴール。
3.労働に関する一般常識の用語も、同時に押さえていこう。
に出る可能性がある。「書いて覚える」という習慣をつけてほし
い。ほかの科目でも、目的条文は常に選択式の最有力候補となる。
法律の趣旨は、必ず、目的条文に表れている。
労働基準法の目的は、憲法25条1項が求めているものを、具
1.労働条件の原則(法1条)
通達 *1
労働者に人格として
価値ある生活を営む
必要を充たすべき労
働条件の保障を宣明
し、本法各解釈の基
本 観 念 を 為 す( 昭
22.9.13発基17
号)
。
過去問 *2
労働基準法第1条第
1 項 に お い て は、
「労働条件は、労働
者が人たるに値する
生活を営む た め
の必要を充たすべき
ものでなければなら
ない。
」と規定され
① 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必
要を充たすべきものでなければならない。*1 *2
② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるか
低下させてはならないことはもとより、その向上を図るよう
化した法律でもある。
具体化!!
労基法
憲法 25 条1項(生存権)
すべて国民は、健康で文化的な最低
限度の生活を営む権利を有する
に努めなければならない 9記 18択 25択 。
(1)労働基準法は、全科目のヒントになる
労働基準法は、社労士試験の勉強の第一歩であり、同時に、最
憲法 27 条2項(勤労条件の基準)
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、
法律でこれを定める
後に帰ってくる場所である。最初は全科目がバラバラに見える
が、だんだんと、
“横断整理”が鍵を握っていることが分かって
憲法には、さまざまなことが定められているように見えるが、
くる。特に、労働に関する一般常識は、労働基準法と同時進行で
具体的な内容については、別に法律を作り、そちらのほうで定め
学習するのが良い。*3
ている。年金なら憲法25条2項が根拠となり、労働組合法なら
憲法28条となる。
労働基準法といえば、人たるに値する生活、生存権、健康で文
労働組合法
*3
化的な最低限度の生活を営む権利と、ここまで思い浮かぶように
労働者派遣法
均等法
しておこう。*5
労基
最低賃金法
憲法
注意!!
労働契約法
(3)「最低のもの」
労働基準法は、最低限の労働条件を定めている。労働基準法の
基準を上回る労働条件は、違法ではない。
労働安全衛生法にも、
「最低基準」という言葉がある。最低賃
勉強中に迷ったり悩んだりしたときは、労働基準法に戻ってみ
てほしい。考え方の中心が分かり、すっきりすると思う。
次に、法1条のポイントを詳しくみてみよう。
4
また、労働基準法は、憲法27条2項の勤労条件の基準を具体
ら、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を
職業安定法
労働一般常識は、労
働組合法や労働契約
法が、択一式で出題
されることが多い。
均等法や最低賃金法
は、選択式での出題
が目立つ。範囲が広
いが、時間をかけて
準備し、最低限必要
な点数を確保しよ
う。
人たるに値する生活
とは、その時その社
会の一般通念による
標準家族の生活をも
含 む( 昭 22.9.
13発 基17号、 昭
22.11.27基 発
401号)。
体的に実現していくことである。
ている 19選 。
ポイント
通達 *4
金法は、その名のとおり、最低限これだけは払ってほしい、とい
う賃金額についての決まりである。いずれも、労働基準法から独
ポイント
*5
「健康で文化的な最
低限度の生活」は、
最低賃金法にも登場
する。また、生活保
護のキーワードとし
て出題されたことも
ある。どこで出題さ
れても、「そういえ
ば、一番最初に労働
基準法の勉強をした
ときに……」と思い
出すことができれ
ば、得点できる。
立した法律で、同じ考え方を持っている。
5
第
1
編
労
働
基
準
法
第1章 ● 総則
過去問 *6
労働基準法第2条第
1項 に お い て は、
「労働条件は、労働
者と使用者が対等の
立場において決定す
べ き も の で あ る。
」
と規定されている
安全衛生
労働基準法
たとえ名称が部長や
課長等の管理職的な
名称であっても、こ
のような権限が与え
られておらず、単に
上司の命令の伝達者
にすぎない場合は、
同法上の使用者とは
み な さ れ な い( 昭
22.9.13 基 発 17
号) 11択 。
過去問 *8
使 用 者 は、 労 働 協
約、就業規則及び労
働契約を遵守し、誠
実にその義務を履行
しなければならない
が、使用者よりも経
済的に弱い立場にあ
る労働者については
このような義務を定
めた規定はない。→
誤り 21択 。
ポイント
*9
労働組合数、労働組
合員数とも減少傾向
にあるが、女性の労
6
対等の立場
最低賃金法
労働者
労基法の災害補償(業務上のケガ、
死亡など)をもとにしている
(通勤災害は労災保険独自の保護)
使用者
(2)労働協約、就業規則及び労働契約*10 (4)「この基準を理由として」
労働基準法では、労働時間は1日8時間、1週40時間までと定
められている。1日7時間労働だったのに、「労働基準法は8時
間までOKなんだから、8時間労働にしましょう」といったら、
「労働基準法の基準を理由として労働条件を低下させる」という
ことになる。
労働協約は労働組合と使用者が締結するもので、就業規則より
効力が強い。
就業規則は使用者が作成するもので、労働者の意見聴取は必要
だが、反対意見でもよい。就業規則は、労働契約よりも効力が強
労働条件の低下は、労働基準法違反にならない(昭22.9.13発基
順番を覚えよう。いずれも、労働基準法に違反することはできな
17号、昭63.
3.
14基発150号) 12択 。
いので、労働基準法による最低基準は守られる。
① 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定
*10
就業規則と労働契約
の関係は労働契約法
12条に、労働協約
と労働契約の関係は
労働組合法16条に
定められている。
労働契約は、使用者と、労働者個人との契約である。最初は、
「労働協約」と1文字しか違わないので戸惑うが、効力の強さの
2.労働条件の決定(法2条) ポイント
い。
一方、社会経済情勢の変動等、他に決定的な理由がある場合の
効力の強い順に左から並べると……
労基法
労働協約
就業規則
労働契約
すべきものである 9記 25択 。*6 *7
② 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を
遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない
15択 。*8
(3)法1条と2条には罰則がない
労働基準法の1条と2条は、絶対に忘れてはいけない重要な条
文だが、罰則は設けられていない 7択 13択 。
労働基準法は戦後の昭和22年にできた法律で、
「労働者保護」
(1)対等の立場
のために作られた。長すぎる労働時間、働いても自分に賃金が入
この言葉も、何も見なくても書けるようにしておこう。労働組
らない、やめたくてもやめられない……という悪習を繰り返さな
合法や労働契約法でも、キーワードとなっている。労働者は使用
いために、厳しい罰則が設けられている。そのことを、いつも考
される側なので、どうしても、使用する側よりも立場が弱くなる。
えて勉強してほしい。本番の試験で解答に迷ったときも、「労働
現実に対等にするために労働組合法が登場するが、労働組合の推
者保護の趣旨に合っているのはどれだろう」と落ち着いて考えれ
定組織率は17∼18%と、非常に低い状態にある。*9
ば、解くことができる。
第
1
編
労
働
基
準
法
労災保険法
通達 *7
務について実質的に
一定の権限を与えら
れている者であり、
労働組合
賃金
19選 。
労働基準法上の使用
者は、同法各条の義
労働安全衛生法
働組合員数、パート
タイム労働者の割合
は増加傾向。
実現
その上で、法1条と2条は、
「訓示的規定で、罰則がない」と
7
第1章 ● 総則
押さえておこう。
性別は入っていない
均等待遇
(4)法15条よりも範囲が広い
雇入れは含まない
平成16年に、こんな出題があった。
「労働基準法第15条に基づいて明示すべき労働条件の範囲は、
同法第1条労働条件の原則及び第2条労働条件の決定でいう労働
条件の範囲とは異なる。
」
これは正しい文章である。使用者が労働者に、労働契約の締結
の際に明示するべき内容は、範囲が限定されている。法1条と2
過去問 *11
派遣中の労働者の派
遣就業に関しては、
労働者派遣法第44
条第1項に掲げられ
た労働基準法第3条
等の規定の適用につ
いては、派遣中の労
働者は労働契約関係
にある派遣元の事業
に加えて、労働契約
関係 に な い 派 遣 先
条の「労働条件」は、それとは異なり、労働条件全般を指す 25択 。
範囲が違う!!
法 15 条の方が
狭い
通達 *13
信条とは特定の宗教
的若しくは政治的信
念をいい、社会的身
分とは生来の身分を
いう(昭22.9.13
発基17号) 24択 。
8
教育訓練など)。
賃金についてのみ、男女差別を禁止
男女雇用機会均等法は、昭和61年4月1日に施行された。同じ
日に、国民年金で「第3号被保険者」の制度が始まり、婦人の年
金権が確立した。社労士試験の内容は、女性、高齢者、若年者な
かし、これはあくまでも、雇い入れてからの話である。その人を
ど、いくつかのテーマに分けて考えることができる。最後は、い
雇い入れるかどうか、というときに、このような理由で差別が
ずれも社会保障制度の問題に集約されていく。
あったとしても、それは法3条違反にならない 9択 21択 。
はない(最判大昭48.12.12三菱樹脂事件)
また、ここに「性別」が入っていないことにも注意しよう 14択
19択 。
「国籍、信条又は社会的身分」は限定列挙で、他のもの
が入っていたら誤りである 23択 。
*15
就業規則に差別待遇
の規定あるのみで、
差別の事実なきとき
は違反とならぬが、
その就業規則の規定
は 無 効( 昭23.12.
25 基 収 4281 号、
平9.9.25基発648
号)。
通達 *16
この法3条でいう「労働条件」も、労働条件の全般を指す。し
労働基準法3条は労働者の雇入れそのものを制約する規定で
ポイント
ほかのことは均等法!
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、
はならない 25択 。*12 *13
合 を 含 む 10択
12択 21択 ( 昭
63.3.14基 発150
労働基準法では、賃金についてのみ、男女差別を禁止している
24択 。他のものが出てこないことに注意しよう。
労基法
3.均等待遇(法3条) 法4条が禁止する差
別的取扱いには、女
性を男性より有利に
取扱う場合は含まれ
ない。→誤り。女性
を有利に取り扱う場
号)。
*11
みなされる 24選 。
11択 。
いて、男性と差別的取扱いをしてはならない 20択 25択 。*16
別によるさまざまな差別を禁止している(定年、解雇、福利厚生、
法1条、2条は
労働条件全般
賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をして
その他の労働条件に
は解雇、災害補償、
安全衛生、寄宿舎等
に関する条件も含む
( 昭 23.6.16 基
収1365号、 昭63.
3.14基発150号)
使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金につ
賃金以外については、一般常識の、男女雇用機会均等法で、性
の事業とも労働契約
関係 に あ る も の と
通達 *12
4.男女同一賃金の原則(法4条) *14 *15
過去問 *14
5.強制労働の禁止(法5条) 26択
職 務、 能 率、 技 能、
年齢、勤続年数がす
べて同一である場
合、男性はすべて月
給制、女性はすべて
日給制とし、労働日
数の同じ女性の賃金
を男性より少なくす
るのは違法(昭63.
3.14 基 発 150
号)。
使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不
当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制
してはならない 20択 。*17
これは、労働基準法の中で、罰則が最も重い規定である。違反
すると、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の
罰金となっている。身体だけでなく、精神を拘束することも禁止
される 10択 。
通達 *17
不当とは、不法なも
ののみに限らず、社
会通念上是認し難き
程度の手段をもって
することを含む(昭
63.3.14基 発150
号)。
9
第
1
編
労
働
基
準
法
第1章 ● 総則
ちゅう か ん さ く し ゅ
はい じょ
6.中間搾取の排除(法6条) 26択
6.中間搾取の排除
通達 *18
違反行為主体は、法
の適用を受ける事業
主に限らず、個人、
団体又は公人、私人
を問わない(昭23.
3.2基発381号)
。
過去問 *19
1回の行為であって
も、反覆継続して利
益を得る意思があれ
ば充分であり、それ
が主業としてなされ
る場合と副業として
なされる場合とを問
わない 13択 。
何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就
業に介入して利益を得てはならない 20択 23択 。*18 *19
法律に基づいて許される場合というのは、職業安定法による有
料職業紹介事業などを指す 10択 。
また、労働者派遣は、法6条違反にはならない。
平成14年の出題例を紹介する。
「労働者派遣は、派遣元と労働
者との間の労働契約関係及び派遣先と労働者との間の指揮命令関
係を合わせたものが全体として当該労働者の労働関係となるもの
であり、したがって、派遣元による労働者の派遣は、労働関係の
外にある第三者が他人の労働関係に介入するものではなく、労働
基準法第6条の中間搾取に該当しない(昭61.6.6基発333号、昭
限り」なのか?ということに注意しよう。あくまでも、労働者の
労働者が労働審判手
続の労働審判員とし
ての職務を行うこと
は、労働基準法第7
条の「公の職務」に
権利は保障される。
最近話題の裁判員は、「公の職務」に該当する。*21 *22
① 必要な時間を与えなければならないが、有給にする義務
② 使用者は請求された時刻を変更することができるが、就
派遣先
労働契約関係
指揮命令関係
労働者
の防衛招集又は訓練
召集は、公の職務に
③ 公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得
ずして公職に就任した者を懲戒解雇に付する旨の就業規則
条項は、公民権行使の保障を定めた労働基準法第7条の趣
い 12択 。行政事件訴訟法による民衆訴訟は、
「公民権の行
使」に該当する 7択
8.労働者(法9条)*23
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は
事務所(以下「事業」という。
)に使用される者で、賃金を支
3つの関係が複雑そうに見えるが、派遣元と労働者との間に、
労働契約関係があることがポイントである。労働者は派遣先の指
揮命令を受けて働くが、派遣元の労働者である。
払われる者をいう 10択 。
「労働者」に該当するかどうかは、使用従属関係があるかどう
4
4
か、実態で判断される。他人の指揮命令下にあるか、労働の対償
として賃金を受けているかどうか、ということである。
7.公民権行使の保障(法7条)
使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民として
の権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を
請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行
使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変
更することができる 23択 。
*22
発1575号)
④ 訴権の行使は、一般には公民としての権利の行使ではな
派遣元
ポイント
非常勤の消防団員の
職務や、予備自衛官
判所の判例である 9択 23択
労働者派遣契約
該当する 21択 。
業時間内の行使を禁ずるような定めは違法(昭23.10.30基
旨に反し、無効のものと解すべきであるとするのが最高裁
63.3.14基発150号、平11.3.31基発168号)
。
」
過去問 *20
ない 15択 。
過去問 *21
はない(昭22.11.27基発399号) 10択 24択 26択
これを図にしてみよう。*20
所定の手続を踏んで
いない違法な労働者
派遣事業でも、労働
基準法6条違反では
使用者が時刻を変更することができるのは、何に「妨げがない
労働基準法の「労働者」に該当すれば、業務災害や通勤災害が
起こってしまったとき、労災保険法の保険給付を受けることがで
きる。労働安全衛生法の健康診断を受けることもできる。
該当しない 14択 。
通達 *23
同居の親族は事業主
と居住及び生計を一
にするものであり、
原則として労働基準
法上の労働者には該
当しないが、同居の
親族であっても、常
時同居の親族以外の
労働者を使用する事
業において一般事務
又は現場作業等に従
事し、かつ、業務を
行うにつき、事業主
の指揮命令に従って
いることが明確であ
り、始業及び終業の
時刻、休憩時間、休
日、休暇等、賃金の
決定、計算及び支払
の方法、賃金の締切
り及び支払の時期等
について、就業規則
その他これに準ずる
ものに定めるところ
により、その管理及
び就労の実態が他の
労働者と同様になさ
れている場合には労
働基準法上の労働者
として取り扱う(昭
54.4.2基発153号)
。
10
11
第
1
編
労
働
基
準
法
第1章 ● 総則
第1編 労働基準法
労基法9条の労働者
ポイント
コミュニケーションを良くして
事業を育てていくのが、社労士。
それが労働者等の福祉の向上に
つながっていく。
*24
労働基準法と労災保
険法は、不法就労の
外国人にも適用され
る 10択 。
労働安全衛生法でも
労働者。
・・・・・・
一次健康診断を受けられる
過去問 *25
当することはない。
過去問 *26
労働基準法において
「使用者」とは、
「事
業主又は事業の経営
担当者その他その事
業の労働者に関する
事項について、事業
主のために行為をす
る すべての者 」 を
いう 21選 。
事業主
二次健康診断等給付を受けられる
(労災保険法の保険給付のうち
過労死の予防のためのもの)
株式会社の取締役で
ある者は労働者に該
→誤り 13択 。
労災保険法でも
同様の解釈 *24
労働者
派遣先の事業主には
労働基準法は適用さ
れ な い。 → 誤 り
10.派遣労働者
派遣労働者は派遣元の労働者だが、派遣先の指揮命令を受けて
働く。
〈注意点〉
① 在籍出向の場合は、出向元と出向先と出向労働者の三者間
賃金の支払や、労使協定の締結などは、派遣元の使用者に責任
の取り決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元
がある。労働時間や休憩、休日、育児時間など、実際の指揮命令
又は出向先の使用者が責任を負う(平11.3.31基発168号)
に関することは、派遣先の使用者に責任がある 25択 。*28 *29
12択 14択 19択
② 法人のいわゆる重役で業務執行権又は代表権を持たない者
が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合は、その限
りにおいて労働者(昭23.3.17基発461号) 19択
*25
〈注意点〉
① 休業補償を行うのは派遣元 18択
② 就業規則の作成や労使協定の締結の際、派遣されてきてい
る人は人数に含めない
通達 *27
事務代理の委任を受
けた社会保険労務士
がその懈怠により労
働基準法の規定で義
務づけられている申
請等を行わなかった
場合には、当該社会
保険労務士は、同法
第10条 に い う「 使
用者」等に該当する
ものであり、当該申
請等の義務違反の行
為者として罰則規定
及び両罰規定により
責任を問うことがで
き る( 昭62.3.26
基発169号)15択 。
12
③ 派遣中の労働者の派遣就業に関し、派遣先の事業主が、当
9.使用者(法10条)
該派遣労働者をフレックスタイム制の下で労働させる場合に
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他
その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為
をするすべての者をいう 24択 26択 。
*26
「労働者に関する事項について、事業主のために行為をするす
べての者」というのは、最終的には、事業の利益を上げるための
仕事をしていることになるため、使用者としての位置付けにな
る。
所要の手続を行う必要がある(昭63.1.1基発1号) 7択 15択 。
36協定の締結も派遣元 17択
11.適用事業*30
労働基準法は、原則として、事業の種類を問わず、労働者を使
用するすべての事業に適用される(平11.1.29基発45号)。
原則として場所別に適用されるので、本社と工場が別々の場所
にあれば、36協定などはそれぞれについて届出をすることになる
社労士もこれに当たるので、使用者として責任を問われること
10択 。
過去問 *29
派遣労働者に関して
は、これと労働契約
関係にない派遣先事
業主が業務遂行上の
指揮命令を行うとい
う特殊な労働関係に
あるので、労働者派
遣法による労働者派
遣事業の制度化に合
わせて、派遣労働者
の法定労働条件を確
保する観点から、同
法において、労働基
準法等の適用につい
て必要な特例措置が
設けられた 15選 。
は、当該派遣労働者の派遣元の使用者が労働基準法に定める
これは、ちょっと覚えにくい。
「事業主」「事業の経営担当者」
は、まだ良いのだが、その次にあるのは一体何だろう?
過去問 *28
26択 。
ポイント
*30
企業の保養所は、法
別 表 第 1 の 第14号
の「接客娯楽業」に
該当する。列車食堂
における食事サービ
スの提供を行う事業
は、第 4 号の「接客
娯楽業」に該当する。
電気、ガス、水道及
び熱供給の事業は、
第 1 号の「製造業」
に該当する 9択 。
*27
がある。
13
第1章 ● 総則
① 工場内の食堂、診療所は、別個に適用する
7.公職の就任を使用者の承認にかからしめ、その承認を得ずして公職に就任した
者を懲戒解雇に付する旨の就業規則条項は、
② 場所的に離れていても、規模が極めて小さく独立性がない
7条の趣旨に反し、
ものは、直近上位の機構と一括して適用する 7択
A
の保障を定めた労働基準法第
B のものと解すべきであるとするのが最高裁判所の判例
労
働
基
準
法
である。
③ 一般職の国家公務員には適用なし
→ ただし、特定独立行政法人の職員(国立印刷局、造幣局)
には、労基法が100%適用される。労災保険法は適用なし
④ 一般職の地方公務員
■
第 1 章のまとめ
労働基準法を学習しながら、労働組合法、労働者派遣法、安衛法等の要点をつか
んでいこう。総則は、年次有給休暇や解雇に比べて、格段に得点しやすい。
→ 一部適用なし。例えば原則の労働時間は適用されるが、フ
レックスタイム制等は適用されない 10択
練習問題解答
1.B 2.B 3.B 4.A、D 5.B 6.A
7.A.公民権行使 B.無効
第1章の
キーワード
適用事業、労働者、使用者、人たるに値する生活、健康で文化的な最
低限度の生活、憲法25条1項、憲法27条2項、労働組合、労働協約、
就業規則、労働契約、最低基準、対等の立場、指揮命令、労働条件の範囲、国籍、
〈平成26年度選択式〉
小売業、飲食業等において、いわゆるチェーン店の形態により相当数の店舗を
信条、社会的身分、介入、公民としての権利、公の職務、使用従属関係、労働者派
展開して事業活動を行う企業における比較的小規模の店舗においては、店長等
遣、出向、両罰規定
の少数の正社員と多数のアルバイト・パート等により運営されている実態がみら
れるが、この店舗の店長等については、十分な権限、相応の待遇等が与えられて
◆◆◆練習問題◆◆◆
いないにもかかわらず労働基準法(昭和22年法律第49号)第41条第2号に規定
1.法3条で禁止されているのは、
〔A.国籍、信条又は性別 B.国籍、信条又
する「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という。
)として
は社会的身分〕を理由とする差別的取扱いである。
2.派遣労働者の場合、労働時間、休憩、休日については〔A.派遣元 B.派遣
先〕に責任がある。
3.労働基準法の中でもっとも重い罰則が規定されているのは、
〔A.法6条の中
間搾取の排除 B.法5条の強制労働の禁止 C.法1条の労働条件の原則〕で
取り扱われるなど不適切な事案もみられるところである。
〔中略〕
「賃金等の待
遇」についての判断要素として、「実態として長時間労働を余儀なくされた結果、
時間単価に換算した賃金額 において、店舗に所属するアルバイト・パート等の
賃金額に満たない場合には、管理監督者性を否定する 重要な要素 となる。
ある。
4.派遣労働者は、
〔A.派遣元の使用者 B.派遣先の使用者〕と労働契約関係
にあり、〔C.派遣元の使用者 D.派遣先の使用者〕と指揮命令関係にある。
5.工場内の食堂、診療所については、労働基準法は〔A.一括して B.別個に〕
適用される。
6.地方公務員には、労働基準法は〔A.一部適用される。 B.全く適用されな
い。
〕
14
第
1
編
15