2008 年 10 月 21 日(火)

DailyCMC
〒500-8847
2008 年 10 月 21 日(火)
岐阜県岐阜市金宝町 1-3
岐阜第一生命ビル 4F
株式会社中央経営コンサルティング TEL:058-264-8858 FAX:058-264-8708
Email: [email protected]
2 以上の所得者がいる場合の扶養親族の帰属
どちらの扶養親族になるの!
所得税においては、所得者が2人以上い
る場合に、これらの者の控除対象扶養親族
の取扱については、勤務先に提出する「給
与所得者の扶養控除等申告書」に記載され
たところによることとされています。
両親が所得者である場合には、お互い話
し合って、長男は夫の扶養親族に、長女は
妻の扶養親族にするか、あるいは、両親の
所得の多寡によって家計全体で最も節税と
なる扶養親族の帰属を選択するかは、その
両親の自由です(控除対象扶養親族の要件
を満たしていることが前提)。
このように、所得者が2人以上いる場合、
同一人をそれぞれの所得者の扶養親族とし
て重複して申告しない限り、どの所得者の
扶養親族としても差し支えありません。
(1)別世帯の2人以上の所得者の場合
同じ世帯であれば、だれの扶養親族にす
るかお互い話し合って決められますが、別
世帯だとこの辺がなかなか大変です。
例えば、両親が離婚した場合、元夫が養
育費を支払っている限り、その子は、元夫
の扶養親族にあたります。そこで、離婚し
た両親がそれぞれ勤務先に子を控除対象扶
養親族として申告した場合、この重複申告
は認められません。では、一体、いかなる
基準で1人の所得者の控除対象扶養親族と
判定するかが問題になります。
(2)税務署の判断
このような、離婚した両親からいずれも
自己を扶養親族とする「扶養控除等申告書」
の提出があったケースで、税務署は「合計
所得金額が大きい元夫の扶養親族に該当す
る」と判断し、元妻の扶養親族を認めませ
んでした。この処分に納得のいかない元妻
は異議申し立てをしました。
(3)審判所の判断
元妻の請求を受けた審判所は、次のよう
に判断しました。
「所得税法では、いずれの
扶養親族とするかが定められない場合は合
計所得金額の多寡で判定するが、本件の場
合はそのような事例ではなく、この場合、
先に扶養控除等申告書を提出した方の居住
者(元妻)の扶養親族とすべきである。」
事実によれば、元妻は平成 17 年 12 月に、
元夫は平成 18 年 1 月にそれぞれ勤務先に扶
養控除等申告書を提出していました。
家族関係も複雑になりました。いつ書類
を収受したか、会社にとっても管理責任が
問われる時代です。
受領した書類に日付
の「収受印」がないと
会社の責任が問われ
るかも!