暖房設備容量の計算

2011.10.26 会沢健二
NO5
石油ストーブの復活ニュースから
このところの新聞で、石油ストーブの売れ行きが爆
発的で大手コロナ社などは大幅な黒字収益修正した
とまで報道されています。(10/25朝日新聞)
被災地や非常用としての買い求めがその要因とい
うことです。
ストーブの種類は違いますが、私はかねてから、FF
ストーブが高断熱住宅に復活しないかと願っていま
す。ナショナルの暗いCMですっかりイメージダウンさ
せられたFFストーブですが、利点は沢山あります。
1.何といってもイニシャルコストが安い(温水パネル
や電気蓄熱式に比較したら1/3)
2.温度調整も弾力的で省エネ、結果、経済的
3.それでいて、高断熱住宅なら暖かさ十分
4.他
諸々
木造14畳用1台で30~40坪住宅の全室暖房が可能
QPEXがあれば計算は簡単
電気蓄熱暖房が流行ってから、暖房容量計算を
相手任せにしてしまった傾向があります。
何年か前を思い返せば、ストーブ1台で全室暖房
できることを高断熱のウリにして、真冬雪の中、体
験見学会をしていたものでした。あの頃は、そのス
トーブの出力容量を自分たちでも計算していたは
ずです。
暖房設備容量の計算
計算式
右は北海道のBISの教科書に記載されている「暖
房容量」の計算式です。本州を建設地としてこの
式に当てはめようとすると W がわからないので
目安が立ちません。 E には日射取得熱が必要
だからです。
ところが、QPEXが登場してからその懸念はなくな
りました。 E が計算されて出力されるからです。
Hmax=n×{(ti-to)×qa-E}
Hmax
n
暖房設備容量 W/h
補正係数
n=√24/T Tは暖房時間
ti
暖房設定室温 ℃
to
暖房設計用外気温 ℃
Qa
住宅の総熱損失係数 W/K
E
室内取得熱(W/h)
*E,QaはQPEXで計算できます。
(印刷用ファイルの結果表)
QPEXの「計算結果表」から「印刷用ファイル」をクリックして出てくる一覧表に、次の欄があります。この室米
内取得熱と総熱損失係数を適用すればいいのです。
今仮に、
設計用外気温(厳寒期の想定外気温) -3℃
設計用室温
22℃
暖房 24時間連続暖房 n=1
として、この式に当てはめると、右の計算で 答えは4.9KW/
hとなります。右上のストーブ(コロナ社)は1.71~5.47KWと表
示されています。 つまり、このストーブ一台で容量的には十
分全室暖房できることになります。
これから、断熱リフォームも増えてゆくでしょう。そういう住宅
には手頃なFFストーブの暖房設備がいいと思うのです。
Hmax=n×{(ti-to)×qa-E}
1×{(-22℃-(-3℃)×263}-1641=4934
=4.9KW/h
*BIS教科書ではtoが盛岡-5.8 仙台-1.1
長野-3.8 新潟-1.3になってます