けやき通信No.4 - 環境安全研究センター

2011 年 5 月
けやき
No.4
東京大学けやきの会
〒113-0033 文京区本郷 7-3-1
東京大学環境安全研究センター横山研究室
Fax:03-5841-1232
http://www.esc.u-tokyo.ac.jp/etc/keyaki.html
温度のデータを分析してみました
60
タヒロン(切り返しなし)
温度(℃)
50
タヒロン(切り返しあり)
40
堆肥箱A
30
堆肥箱B
20
切り返した日
10
0
1
21
41
61
81
101
実験開始からの経過日数
121
141
161
図1 切り返しの効果
図1にケヤキ 100%タヒロンバッグと堆肥箱の「切り返しの有無」による温度変化を示しました。タヒロン
バッグも堆肥箱も切り返しを行う前は、温度が 10 度前後まで下がっています。どれも切り返しの直後に
温度が急上昇して 40 度を超えています。これは切り返しによって空気が入り、好気性菌が活発に活動
するようになっていることを示しています。好気性発酵を促進するために、切り返しの作業の有効性が確
認できました。
70
①イチョウ100%
②
60
②イチョウ100%粉砕済み
温度(℃)
50
③イチョウ40%ケヤキ
60%
④イチョウ30%ケヤキ
70%
40
30
③
①
20
10
④
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
実験開始からの経過日数
90
100
110
120
130
切り返した日
図2 イチョウの堆肥化実験
図2はイチョウをタヒロンバッグで堆肥化している温度グラフです。イチョウとケヤキの配合率を変えて
います。①②のイチョウ 100%のものはケヤキをブレンドした③④より、最初の好気性発酵が持続してい
ます。③と④を比べても、イチョウの多い③の方がやや温度が持続しています。また①と②をくらべると、
落ち葉を粉砕して入れた②の方が、やや高温が持続しています。イチョウは堆肥化しにくいと言われて
いますが、発酵しにくいわけではないことが確認できました。むしろケヤキより発酵しやすいようで、この
発酵によって、どこまで腐葉土として出来あがるか確認するのが楽しみです。③を切り返ししたら 50 度ま
で急上昇しました。ここでも切り返しの効果が確認できました。
3 回目の切り返し
4 月 21 日(木)に 3 回目の切り返し作業をしました。
1 回目と 2 回目で切り返しをしたタヒロンバッグと堆肥
箱の中で、早く完成させたいものを選び、2 度目の切り
返しをしました。かなり落ち葉の色が黒っぽくなり、堆
肥箱からは湯気がもうもうと上がって、腐葉土らしくなっ
てきました。「5 月には完成できそうだな」という参加者
の笑みがこぼれました。腐葉土は完熟まであと少しで
す。
いよいよコマツナとハツカダイコンの発芽実験!
5 月 9 日にタヒロンバッグで堆肥化したケヤキ
100%の腐葉土を取り出してみました。中の方は、
完熟しており、手でしごくと崩れました。しかしまだ崩
れにくいものもあり、完熟までは、もう少し時間がか
かりそうな出来栄えでした。この腐葉土を使用して発
芽実験を始めました。
腐葉土 100%と腐葉土 40%赤玉土小粒 50%ク
ンタン 10%の培養土をポットに入れて、5 月 11 日
14 時に、コマツナとハツカダイコンの種を蒔きました。
3 日目に発芽し右の写真は 5 月 16 日 10 時の状態
です。
一緒に腐葉土を収穫しましょう!
私たちは半年かけて、落ち葉を腐葉土へと育ててきました。園芸店から買った腐葉土とは違います。
私たちが手塩にかけて育ててきたのです。多くの人の協力に支えられて作られたものです。これを皆で
収穫して、多くの皆さんに使ってもらいます。最初に五月祭で配布します。その後収穫作業を 2 回実施
しますのでご参加ください。初年度の全体作業は、これで終了します。
6 月 22 日(水)14 時~16 時
7 月 14 日(木)14 時~16 時
今秋の作業への参加をお願い致します!
2 年目の作業を 10 月に開始する予定です。具体的には次の作業を予定しています。
・ 残った腐葉土を書き出す作業
・
・
・
・
タヒロンバッグや堆肥箱に落ち葉を積み込めるように整備する作業
落ち葉を運ぶ作業
水分を落ち葉に含ませる作業
落ち葉を積み込む作業
皆さんのご参加をお待ちしています。よろしくお願い致します!