2015/01/25発行 頂門の一針 □■■□──────────────────────────□■■□ わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」3558号 □■■□──────────────────────────□■■□ 2015(平成27)年1月25日(日) 八百万の神々のお恵み:加瀬英明 今の大阪城は「太閤城」ではない:毛馬一三 ナッツ姫 の鑑賞法:黒田勝弘 近藤氏の北京訪問記を読む:平井修一 鄧小平に逆った人々:渡部亮次郎 話 の 福 袋 読 者 の 声 身 辺 雑 記 □■■□ ──────────────────────────□■■□ 第3558号 発行周期 不定期(原則日曜日発行) 御意見・御感想は: [email protected] 購読(無料)申し込み御希望の方は 下記のホームページで手続きして下さい。 http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/ ブログはhttp://chomonryojiro.blog.fc2.com/ ━━━━━━━━━━ 八百万の神々のお恵み ━━━━━━━━━━ 加瀬 英明 1月にパリでイスラム過激派テロリストによって、週刊新聞社『シャル リ・エブド』が襲撃されて、17人が犠牲となった。 フランス政府は、直ちに全国で3日間の喪に服することを決定し、パリで 160万人にのぼる市民が、『シャルリ・エブド』社に対するテロに抗議 する空前のデモ行進を行った。 痛ましい事件だった。イスラム過激派のテロに対して、断乎として戦うべ きである。 しかし、200あまりの隔たりがあるものの、フランスが最大のテロ国家 だったことを思うと、隔世の感があった。 フランス革命は、1789年から99年にわたって、大量殺戮を行った。 国王、王妃から、貴族、富裕階級、革命の敵とした人々まで、休みなく断 頭台(ギロチン)に送って、処刑するか、3万人以上が虐殺された。 フランス革命は宗教を否定して、教会の財産を没収し、僧侶や尼僧を殺戮 した。 日本からノートルダム大寺院を訪れる観光客が、そろって「荘厳だ」と いって感心する。だが、フランス革命によってノートルダム大寺院から、 聖像がいっさい取り払われて、「理性の伽藍」と改名されたことを、知ら ない。ノートルダム大寺院には恐ろしい過去が、宿っている。 新政府によって祭壇が壊されて、そのかわりに模造の丘の上に、「知性に 捧げられた」ギリシア神殿のミニチュアが安置された。その右に、裸の 「理知の女神」像が赤白青の3色の腰布を巻いて立ち、左に「真実の炎」 と呼ぶ常明灯がともされた。 1月に、パリの街路を埋めて行進した群衆が3色旗を振りながら、やはり フランス革命が生んだ「自由、平等、博愛」のスローガンを連呼していた が、私はフランス革命の流血の惨事を思い起こした。 日本のテレビの特派員が人の波を背景として「花の都パリを埋めて‥‥」 と、解説していた。日本では、「花の都」と呼ばれている。 私はナポレオン3世(在位1852年―70年)が革命を恐れて、パリの中心部 に拡がる貧民街から、軍隊を使って貧民を追い出して破壊し、そのあとに 凱旋門を中心にして、街路が放射線状に整然と伸びている都市を建設した ことを、思った。 私にはパリのような無機的な街よりも、ロンドンや、東京のように有機的 に拡がった都市のほうが寛げる。 『シャルリ・エブド』が、預言者モハメドを諷刺してきたために、テロの 標的となったが、フランスをはじめとしてヨーロッパでは、宗教離れが急 速に進むようになっている。どこでも、大伽藍が観光施設になっている。 ヨーロッパでは、アフリカ人や、インド人の神父が珍しくない。 しばらく前に、アメリカの友人が「ヨーロッパの宗教離れはひどい」と慨 嘆して、『シャルリ・エブド』紙を1部くれたことがあった。1面に諷刺 画と「聖書(バイブル)も、トラも、コーランも、トイレットペーパーにし て便器に流そう」という言葉(「トラ」はユダヤ教聖書)が、載っていた。 イスラム教は一神教として、まだ若い宗教である。マホメド(570頃∼632 年)によって7世紀に、ユダヤ・キリスト教の分派として生まれてから、 1400歳あまりにしかならない。ユダヤ・キリスト・イスラム教は同じ神を 礼拝しており、中東のキリスト教徒は神を「アラー」と呼んでいる。 キリスト教がこの年齢だった時には、狂信から発した宗教戦争、異端裁 判、ユダヤ人虐殺や、異教徒との戦争に明け暮れていた。 日本では大虐殺や、宗教戦争が、1度も起らなかった。 「宗教」という言葉も、明治に入って造られるまで、存在しなかった。宗 派が共存していたので、宗門、宗旨、宗派という言葉しかなかった。 宗教という言葉は、開国後、他宗を認めないキリスト教が入ってきてから 造られた、明治翻訳語である。 ━━━━━━━━━━━━━━━ 今の大阪城は「太閤城」ではない ━━━━━━━━━━━━━━━ 毛馬 一三 国の特別史跡に指定されている大阪城が、実は「太閤秀吉築城の大阪城」 ではなく、総てが「徳川大阪城」だと知る人は、意外に少ない。 では秀吉が、織田信長から引継ぎ築城した元々の「大阪城」は一体どこに 姿を消したのか。それは追々―。 「聳える天守閣は昭和初期に再建され、城の堀は徳川方によって埋められ たことは承知していたが、だからと言って秀吉大阪城の城跡が些かも無い とは全く知らなかった」という人が多い。大阪城へ朝散歩する人々から異 口同音に同様の返事が返ってくる。 天満橋から大手前、森の宮、新鴨野橋と城郭を一周する道筋を車で回る と、「大阪城の高い石垣と深い堀」が、雨滴の葉が陽光を跳ね返す樹林の 間からと、大きく広がり、歴史の威容を誇らしげに見せ付ける。特に大手 前周辺の高さ32mもある幾重もの「反りの石垣」には、当時の石垣構築 技術の進歩の姿を覗かせる。 大阪夏の陣で豊臣家を滅亡させた徳川家康は、同戦いの2年後(1616)死 ぬが、家康遺命を受けた秀忠が、元和6年(1620)から寛永6年(1629)ま での10年3期にわたり大阪城を大改築する。 その時徳川の威令を示すために、「太閤大阪城」の二の丸、三の丸を壊 し、その上、総ての「堀」を埋め、「石垣」は地下に埋め尽して、「豊臣 の痕跡」を意図的にことごとく消し去った。 では「太閤大阪城」は、地下に眠ったままなのか。 「大阪城石垣群シンポジウム実行委員会」の論文をみると、そこに「太閤 大阪城」が地下に埋められたままになっていた遺跡の一部を発掘した調査 記録が、下記のように書かれている。 <地下に埋蔵された「太閤大阪城」の石垣を最初に見つけたのは、大阪城 総合学術調査の一環として大阪城本丸広場で行われたボーリング調査だっ た。昭和34年(1959)のことである。天守閣跡の南西にあたる地下8m か ら「石垣」が見つかったのだ。 4m以上も積まれた石垣で、花崗岩だけでなく、様々な石を積み上げた 「野面積み」だった。「野面積み」は、石の大小に規格がなく、積み方に も一定の法則が認められないもの。当時城郭作りの先駆者だった織田信長 が手掛けた安土城の「野面積み」工法と同じだったことから、秀吉がその 工法を導入して築いた「石垣」と断定された。 それから25年後の昭和61年(1986)になって、再び天守閣跡の南東部の地 表1mの深さから地下7mまで、高さ6mの「石垣」が発見されている。 この石垣も「野面積み」だったうえ、その周辺で17世紀初頭の中国製の陶 磁器が火災に遭って粉々の状態で見つかったことから、大阪夏の陣で被災 した「太閤城」の「石垣」であると断定される2回目の発見となったので ある。 両「石垣」の発見場所の位置と構造を頼りに、残された絵図と照合してい くと、この「石垣」は本丸の中で最も重要な天守や、秀吉の家族が居住し ていた奥御殿のある「詰め丸」と呼ばれる曲輪(くるわ)の南東角にあた ることが明らかになったのである。 地下に消えた「石垣」は、切り石が少なく、自然石や転用石を沢山積み上 げたもので、傾斜が比較的ゆるい、「徳川城」とは異なる「反り」の無い 直線だった>。 第3の発見は偶然が幸いした。現在の「大阪城・西外堀」の外側の大阪城 北西で、大阪府立女性総合センター建設の際の発掘調査で、地下から長さ 25m に亘る「太閤大阪城の石垣」が出現したのだ。同石垣は、いま同セ ンターの北の道沿いに移築復元されている。 「大阪城の石垣」の痕跡も、堀の外側にある学校法人追手門学院大手前セ ンターの校庭で見つかり、保存されている。 何よりもこの発掘の価値が大きかったのは、今の大阪城郭から離れた外側 の場所から「石垣」が現れたことだ。それは「徳川城」よりも「太閤城」 の方が遥かに規模の大きかったことの証であり、今後の調査で城郭外から 新たな「太閤大阪城」が出現する可能性を引き出したことだった。 地下に眠る遺跡の発掘調査は、エジプトやイタリアなど文明発祥地でブー ムになっているが、現在進められている大阪市の大阪城発掘調査で、「天 下の台所」の基礎を築いた「太閤大阪城」の遺跡が、今の城郭外から見付 かることを大いに期待したい。 余談ながら、私が主宰するNPO法人近畿フォーラム21活動の「蕪村顕彰俳 句大学講座<学長 川原俊明学長(弁護士)>は、徳川秀忠が創り代え た、高く聳える「大阪城天守閣」と、傾斜作りの幾つもの「石垣」を見な がら進めている。眺めは季節に応じて樹木により彩りが代わり、美景に包 まれる。 しかし、その全景はあくまで「徳川城」の遺跡であって、「太閤大阪城」 でないと思うと、寂しさがこころの中を翳める。 ━━━━━━━━━━ ナッツ姫 の鑑賞法 ━━━━━━━━━━ 黒田 勝弘 大韓航空(KAL)のニューヨーク便でファーストクラスに乗っていた KALの当時の女性副社長(会長の長女)が乗務員に横暴を働いた事件が 内外で話題だ。彼女は韓国で逮捕され裁判にかけられている。初公判では 拘置所から 囚人服 で出廷し目を引いた。 この事件の 鑑賞法 では「財閥一家の娘の傲慢不遜」が焦点になってい る。根底には大金持ちに対する世論の嫉妬がらみの恨みの感情があるが、 「それにしても逮捕されるほどのことかしら」との疑問が残る。 事件はナッツの出し方をめぐり飛行機の出発を10分ほど遅らせたこと以外 は、基本的には上司と部下という社内のできごとだ。ゴーマン上司から理 不尽にどやしつけられた部下が後日、その不満を外部に漏らして明らかに なった。まず、この社内処理(労使?)で収まらないというあたりが実に 韓国的なのだ。 だから鑑賞法としては、内部のことをすぐ外にばらす告発・不信社会とい うことと、世論に便乗し法律より見せしめを重視する法治主義ならぬ 情 治主義 に注目ということになる。 今回の ナッツ姫逮捕 は世論に迎合する検察の横暴である。こうした韓国 検察の法感覚は産経新聞記者に対する名誉毀損(きそん)での起訴にも通 じる。面白がってばかりではいけないのです。(在ソウル) 産経ニュース【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 2015.1.24 ━━━━━━━━━━━━ 近藤氏の北京訪問記を読む ━━━━━━━━━━━━ 平井 修一 近藤大介氏の論考「2015年の日中関係は、昨年同様、波乱の一年に!? ∼ 北京訪問記(前編)」(現代ビジネス1/12)からポイントを紹介する。小 見出しと[ ]は平井が付けた。 <*報道統制、低劣サービス 北京首都国際空港で周囲の中国人たちが、何やら慌てている。数日後には 同じ場所で小規模の爆破事故が発生したが(報道統制がかかって報じられ ていない)、この時の慌てぶりは、北京市内の地下鉄とバスが(値上げに 伴うシステムの入れ替えのために)夜9時をもって一斉にストップしたこ とによるものだった。 乗客が一週間で最も少ない時間帯に作業するという配慮には進歩を感じる が、それにしても空港には掲示すらない。そのため降り立った人々は困惑 するばかりだった。 *ガソリン値下げを喜ぶ、マナー悪いタクシー 仕方なくタクシーに乗って市内へと向かう。北京の運転手は一般にコワモ テが多いが、高速道路を疾駆する運転手が、ずっと朗らかな口調で仲間と 携帯電話でだべっていた(運転中の通話は禁止されているが、多くの運転 手が無視している)。電話を切ったところで、「北京の景気がいいのです か?」と聞いてみた。すると運転手、ニヤッとして次のように答えた。 「北京の景気がよいのではなくて、オレの景気がいいのだ。なぜなら、1 リットルあたりガソリンがいまや6.2元なのだから。これで1日20元∼30元 の経費削減になる」(1元≒19.1円) 中国のタクシーは、毎月運転手がタクシー会社に一定額を収める仕組みに なっている。燃料代は運転手持ちだ。だから原油価格が下がれば、それだ けタクシー運転手の収入は増えることになる。 タクシー運転手ばかりでなく、中国全土の車を保有する個人と企業が「原 油価格下降効果」にあずかっていることになる。 中国は、世界最大の原油輸入国で、毎月1100万tもの原油を消費してい る。最新の統計では、2014年10月の輸入量は2409万tで、サウジアラビア からが一番で399万t、ロシアからが二番で331万tとなっている。 このような中国にしてみれば、不動産バブルの崩壊や地方債焦げ付きによ る経済失速の埋め合わせを、原油価格下降が補ってくれていることにな る。まさに日照りに慈雨のようなものだ。 ついでに言うと、この後計5回タクシーに乗ったが、6人中2人の運転手 が、運転中に株式ニュースのラジオをボリューム一杯につけ、ハンドルに スマホをあてがいながら、株式の売買をやっていた(中国のタクシー運転 手は、運転中にケータイを持って私用電話もすれば、株の売買もやる)。 *個人投資家で株価上昇 このところ中国株が、にわかに息を吹き返し始めているのである。2014年 の一年で、上海総合株価指数は、2115ポイントから3234ポイントへ、52% も上昇した。ここ数年、まったく見なかった「股民」(個人投資家)を、 街のそこここで見かけるようになった。久しぶりに、レストランのトイレ で小便をしながらスマホで株を操作している男も見た。「股民」の増加も 同様に、経済効果は大きい。 *物価高 (スタバの)メニューの中で最も安い「今日のコーヒー」のスモールサイ ズは17元で、すでに日本より高い。続いてウォルマートで買った1リット ルパックの牛乳は21.7元で、こちらも日本より高い。ウォルマートは、か つての「天天平価」(毎日安売り)から「省心価」(節約価格)にキャッ チフレーズが変わっていた。習近平主席が唱える「八項規定」(贅沢禁止 令)を意識したものに違いない。 セブンイレブンのおむすびは4.2元で、ペットボトルのお茶は4元。こちら もかなり日本の物価に近づいている。こうしたことを見ても、中国に工場 を造って安価な製品を製造するという時代は終焉しつつあることが分かる。 *目立つ習近平礼賛記事 1?近く歩いて、生き残った「報刊亭」(新聞スタンド)で朝刊やニュー ス週刊誌を一通り買って読んでみた。すると、各紙誌の「人民日報化」が ますます進んでいることが、いまさらながらに判明した。「人民日報化」 というのは、「習近平礼賛記事」が目立つという意味だ。 例えば、人気週刊誌『看天下』の創刊300号記念号(12月28日号)の表紙 は、習近平主席と弟・遠平が父親の習仲勲元副首相と並んで撮った写真 だ。「毛沢東と周恩来が重用した若者・習仲勲」というタイトルの習近平 一家礼賛特集は、10ページに及んだ。 *大学院出てもいいことない? 一方、北京を代表する朝刊『新京報』のこの日のトップニュースは、「27 日に始まった全国の大学院入試で、『習近平講話』の内容がどの大学でも たくさん出た」というものだった。中国では大学院入試に、「思想政治理 論」が英語と共に必須科目で、その中で全国164万9000人の受験生たち は、『習近平講話』を熱心に筆記していたという「喜ばしい記事」だった のだ。 記事をよく読むと、大学院の受験生は前年比で6万5000人も減っている。 これは察するに、大学院を出て公務員や国有企業に就職しても、将来に希 望が持てないと若者たちが考え始めたからではなかろうか。習近平主席が 定めた「八項規定」(贅沢禁止令)によって公務員と国有企業への締め付 けが激しくなったことが原因に違いないが、エリート青年たちが敬遠し始 めたことが、将来の中国にどんな影響を及ぼすのかは不明だ。 *日中関係は相変わらず厳しそう この日の『新京報』には、北京駐在の12人の大使へのインタビューが一人 1ページずつ載っていて、日本の木寺昌人大使も出ていた。おそらくは新 聞社が恣意的に行ったことだと思うが、12人の大使のうち、木寺大使の写 真だけ、厳しい顔つきのカットを選んでいた。これをもって2015年の日中 関係は相変わらず厳しいと即断することはできないが、何となく察するこ とはできる。 *レストラン以外は閑古鳥 まだ行ったことがなかったショッピングモールの「芳草地」に、北京っ子 の友人の車に同乗して行ってみた。完成は2012年9月で、東京ドーム4個分 にあたる20万?もの面積を誇り、オフィス棟やショッピングモールなどが 建っている。ショッピングモールは、巨大なピラミッドのような三角形 で、採光を考えた設計になっている。 たしかに日曜日の「芳草地」は若い家族連れなどで賑わっていた。だが、 よく眺めると「人山人海」(人だかり)なのは、地下のレストラン街ばか りだった。日本のトンカツ屋が店を出していて、一番安いトンカツのラン チセットが70元(日本の2倍!)もする。それでも「門庭若市」(門前市を なす)。そのすぐ近くでは、博多ラーメンの店が内装工事を行っていて、 まもなくオープンすると書かれていた。 夕刻に、北京最高級デパート「新光天地」に足を延ばしてみた。日曜の夕 刻というのに、ガラガラである。入口の巨大なグッチの店は、3年前ほど 前には週末ともなると人が押しかけるため、入口で整理券を配っていたほ どだが、店内を覗くと客は皆無である。1階奥の化粧品売り場を歩いて も、客は私だけ。化粧品売り場で店員さんからあれほど声をかけられたの は初めてだった。 「新光天地」の近くにある庶民的なデパート「新世界」にも行ってみた が、やはりガラガラ。こちらの店員たちは、こっそり自分のスマホでテレ ビドラマを観ているではないか。 北京っ子たちに聞いたところでは、デパートやショッピングモールの不況 は、主に三つの理由があるという。第一に、八項規定により、賄賂の横行 が止んだことだ。 3年前に「新光天地」でよくみかけた光景は、若い美女がカードを使っ て、手に持ちきれないほどのブランド品を買い漁るというものだった。こ うした美女はかなりの確率で高級官僚の愛人で、その官僚の認可がほしい 業者などが、官僚本人の代わりに愛人にカードを持たせて自由に使わせる ということが横行していた。だがいまこれをやれば、官僚も業者も逮捕さ れるので、すっかり自粛ムードなのである。 二つ目は、中国経済そのものの不況だ。中国もご多聞にもれず格差社会が 拡大していて、庶民の買い控えが起こっているのだ。 三つ目は、ネット通販の拡大である。ネット通販の方が商品が豊富で、お まけに値段も安い。気温氷点下でPM2.5飛びまくりの屋外に出なくても済む。 というわけで、デパートやショッピングモールで人が入るのは、レストラ ンだけなのである。数年内に「レストラン以外はゴーストモール」という 状況になる予感がする。 *習近平版「文革」再来 北京の旧知のインテリ諸氏とランチ。そこでまず議論になったのは、「武 漢模式」は是か非かということだった。 湖北省の省都・武漢市のトップである阮成発党委書記(57歳)は、マルク ス主義の専門家で、「習近平思想」に心酔しているという(もしかしたら 習近平に媚を売っているだけかもしれないが)。その阮書記が2014年秋か ら、800万武漢市民に対して、「社会主義の核心的価値観の暗記運動」を 始めた。 これは、「富強、民主、文明、和諧、自由、平等、公正、法治、愛国、敬 業、誠信、友善」という、習近平総書記が「中国の社会主義の核心」と定 めた24文字を、全市民に暗記させるという運動だ。(できないと懲罰、で きればご褒美) いま、こうした文化大革命の再来のような滑稽な運動が行われているので ある。「習近平の24字」の中に「自由」も入っているのならば、「暗記し ない自由」もあるのでは? と私が素朴な疑問を問うたら、「それはそう だ」とインテリたちは頷いていた。 「われわれのように従来から政治に関心を持っている者ばかりか、これま で政治に無関心だった家庭の主婦や年金生活者たちまでもが『文革の再来 だ』と言い始めた」 「そのうち都市部の大学教授や言論人たちが、農村に下放される時代が来 るのではないか」 「この12月に習近平が新たな文化部長(文化大臣)に指名したのは、小学 校を4年しか出ていない学歴の雒樹剛だった。まさに文化のない文化大革 命だ」 北京の街にも、あちこちに「雷鋒に学んで道徳的な人間になろう」「社会 主義の価値観を育成しよう」という紅い横断幕が掲げられていて、ギョッ としてしまった。[雷鋒は滅私奉公の模範兵士で毛沢東が盛んに称揚し た]。毛沢東の死後、長くこの若者のことは忘れ去られていたが、習近平 主席が再び「雷鋒に学べ」と唱え始めたのだ。 次に、私がいたからかもしれないが、「習近平政権の反日」の話題になっ た。その中に、南京出身の中年男性がいたが、彼はこう述べた。 「私の南京の学生時代は中日友好の時代で、日本軍の大虐殺の一件は、口 にすることも禁止されていた。1989年の天安門事件の直後だったと思う が、ある犠牲者の遺族が、日本政府を被告にして訴訟を起こそうとした ら、中国政府に阻止されたくらいだ。 いまや12月13日に習近平主席が南京へ行って追悼集会に参加したり、国の 追悼の日に定めたりと隔世の感があるが、反日なんて時の政府の風向きで コロコロ変わるのだ。つまり習近平は反日を御旗にして、国内とアジアの 覇権を取ろうとしているに過ぎない」 だがこの意見に、年配の男性は血相を抱えて反論した。[「反省しろ」と いう中共のクチパク] *都市でも仕事がない そこで私は話題を変えて、「中国のいま一番の問題点は何か?」と聞いて みた。すると彼らが異口同音に口にしたのが、「地方の衰退だ」というこ とだった。 「中国は毎年、冬の春節(旧正月)になると、都市へ出稼ぎに出ていた 人々が帰郷し、春節が終わると再び都市へ向かう。ところが2014年の春節 に起こったのは、帰郷した農村の人々が仕事がなくて都市へ戻らないとい う現象だった。そうかといって農村には産業がないので、地方には大量の 失業者が溢れている」 「同感だ。2008年のリーマンショック後の過剰投資の手痛いツケがきてい る。いまの中国は完全な中央集権国家なので、地方の破綻を中央政府から の補助で支えているにすぎない。輸出も伸びず、消費も振るわないこの状 態が続けば、『第二のロシア』と化してしまうかもしれない」 「経済問題はマンション問題に行き着く。中国の土地は国家のものなの で、国家は土地の使用権をマンション開発業者に売って収入を得ていた。 ところが高いマンションを買える一部の人はすでに買い、買えない多くの 庶民には依然として高嶺の花なので、マンションを買う層がいなくなって きた。それで鉄鋼、電力、家電など多くの産業を支えていたマンション建 設ブームが消え、地方政府は大幅な収入減となった」 「中国が資本主義国家なら、多くの地方都市がとっくに破綻している。黒 竜江省や安徽省では、学校の教師たちがストライキを始めた。地方財政が 悪化したことで教育関連費が削られ、教師の給料を払えなくなったためだ。 それで学校の統廃合と教師のリストラが始まっている。残った学校は遠方 に住む子供たちを学校内に住まわせ、家賃と食費を取って何とか教師の給 料を工面している状況だ。家賃と食費が払えない家庭の子供は、教育も受 けられない。これでは[腹いせに]毒食品を作り出すのも仕方ない」 *インテリは習が嫌い? 最後に、彼らが一様に評価していたのが、「トラもハエも同時に叩く」と いうキャッチフレーズの習近平主席の汚職追放運動だった。 「今後、どこまでこの方針を貫けるかは未知数だ。鄧小平、江沢民、胡錦 濤の過去3人の時代は、経済が右肩上がりの急成長の時代だったから、国 民はある程度の不具合にもついてきた。だがこれからは、右肩下がりの不 安定な時代を迎えるのだから、国民がいつまでも習近平を支持するとは限 らない」 習近平政権の支持率に関しては、中国のどの機関も統計を取ったことがな い。だから私は半年ごとに北京へ行くたびに、友人知人からタクシー運転 手、ホテルの掃除婦まで、会う人会う人計30人に聞いて「定点観測」して いる。その結果、今回は23人が「支持する」と答え、7人が「支持しな い」と答えた。政権の支持率は76%である。 一般庶民は全員が「支持ずる」と答え、逆に「支持しない」と答えたのは 全員がインテリだった。男女や出身地による偏りは見られなかった。ちな みに過去3回は、いずれも75%∼80%だった。習近平政権は、確かに高支持 率を維持しているのである。 *抗日ドラマはおいしい ある方の紹介で、中国の有名な俳優に会った。以下は私との一問一答だ。 ――最近の中国のドラマや映画は、製作者が比較的自由に作れる状態ですか? 「とんでもない。自由闊達だった胡錦濤時代は終わって、いろいろと制約 のうるさい時代に入った。殺人、性犯罪、強盗などを描くのはご法度だ。 マンション建設のため無理やり自宅を立ち退かされた人などという党・政 府の政策に反する設定もダメだ。 逆に、シナリオの段階で、習近平主席が唱える『中国夢』(チャイニー ズ・ドリーム)が主題として描かれていると評価されれば、北京市政府か ら500万元(1億円弱)もの制作補助費が出る。だがそもそもが『中国夢』 とは曖昧な概念で、市当局も何が『中国夢』なのかについては言及してい ない。 そのためどの制作会社も必ず、『中国夢会議』をやるのだ。中国人の庶民 のサクセスストーリーにするかとか、習近平主席が唱える社会主義的価値 観を何らかの形で入れるかとか、侃侃諤諤議論する」 ――2015年も抗日ドラマは減らないのか? 「中国でテレビドラマを作る際には、シナリオの段階と完成した段階で、 それぞれ新聞出版広電総局の許可を得ないといけない。この2段階の許可 を得て作られたものが、年間約6000話で、そのうち放映されるのは、半分 の約3000話にすぎない。 抗日ドラマにすれば2段階ともほぼフリーパスで、かつ放映もほぼ確実な のだ。正直言って制作者の側からすれば、抗日ドラマほど制作リスクの少 ないものはない。 ちなみに2014年は、『8%条項』という不文律があった。これは、ドラマ全 体の8%以上を抗日ドラマにするということだ。抗日戦争勝利70周年の2015 年は、さらに一層、抗日ドラマが増えることだろう」 *「アジアの盟主」夢想する習 江沢民時代から続く大晦日夜7時の『新聞聯播』恒例の国家主席による 「新年の辞」を見る。昨年に続き、中南海にある習近平執務室からのス ピーチだ。 なかなか格調高く、かつ自信に満ちていたが、一つだけ気になった箇所が あった。それは3つもの抗日記念日を指定したと誇ったくだりだ。ここに 習近平主席の2015年の狙いが透けて見える。おそらく習近平主席は、次の ようなことを考えているのだ。 古代から清朝まで、アジアは中国を中心とした冊封体制下にあった。とこ ろが1840年のアヘン戦争と1894年の日清戦争で敗北したことで、中国に代 わって日本がアジアの盟主となった。それを2015年は、再び中国を中心と したアジアに引き戻す年にするのだ。 そのために、「抗日戦争勝利70周年」という謳い文句を存分に利用する。 何といってもわれわれは勝者であり、日本は敗者なのだ。このことをはっ きりさせた上で、全力を挙げて日本を貶め、中国が再びアジアの盟主と なっていく・・・ 日本は「中国の敗者であること」は認めたくないのだから、2015年の日中 関係は、昨年同様、波乱の一年になる予感がする>(以上) 習近平暗殺はまだか。「新彊で6人射殺、自爆テロ未遂か」から。 <【大紀元日本1月13日】中国新疆ウイグル自治区カシュガル地区疏勒県 中心部で12日午前、警官襲撃や爆発物の起爆などを試みた容疑者6人が相 次いで警察当局に射殺された。自治区政府系ニュースサイト「天山網」が 伝えた。 それによると、同県中心部のある商業地域で、爆発装置を運ぶ不審者を発 見した市民が警察に通報した。現場に駆けつけた警察隊は、斧で襲い掛 かってきた1人を射殺した。その後また、爆発装置を起爆させようとする5 人を次々と射殺した。市民や警官に、けが人はいないという。 中国国営新華社通信によると、現場の近くで爆発装置が付けられた一台の ミニバンが発見された。新華社英語版は、射殺された5人は爆発物を身体 に縛りつけていたと報じ、自爆テロを企てた可能性があるとみられる。 同自治区のウルムチ市は昨年12月、公共の場で顔を覆う民族衣装の着用を 禁止する規定を発表し、民族紛争を加速させる可能性が指摘されている。 同自治区で過去2年間、当局に「テロ襲撃」と呼ばれる暴力事件が頻繁に 発生しており、約400人の犠牲者を出した。海外に亡命したウイグル人組 織、「世界ウイグル会議」は当局の宗教や文化活動に対する弾圧がウイグ ル人の反発を招いたと北京政府を批判している> ウイグル人の攻撃力は急速に高まっているようだ。(2015/1/14) ━━━━━━━━━ 鄧小平に逆った人々 ━━━━━━━━━ 渡部 亮次郎 中国経済の改革開放を主張する鄧(とう)小平。その彼自身を含む八大 元老こそが彼の敵だったのである。 八大元老(はちだいげんろう)とは八老とも呼ばれ、1980年代から1990 年代にかけて強い権力をふるった中国共産党の長老で構成された集団で ある。 非公式の集団ではあるが、中共中央政治局常務委員会(1987年11月は趙 紫陽、李鵬、喬石、胡啓立、姚依林の5人)をしのぐ権威を持っており、 重要な決定は彼らにゆだねられる事もあった。 第2次天安門事件の武力行使【6・4事件】、趙紫陽の総書記解任(解任理 由の1つに、訪中したゴルバチョフに「最終決定は鄧(とう)小平にあ る」と明かしたためとされる)や、後任を江沢民に据える決定は彼らの意 思で行 われたとされる。当時、中国は「八老治国」と揶揄された。 メンバーのうち7人は以下の通り。 (1)鄧(とう)小平 中央軍事委員会主席(1980年-1989年)、中央顧問委員 会主任(1982年-1987年) (2)陳雲 中央顧問委員会主任(1987年-1992年) 。彼がとうの最大の敵 だった。つまり毛沢東路線の継承第一人者だった。 (3)彭真 全国人民代表大会主席(1983年-1988年) (4)楊尚昆 中華人民共和国主席(1988年-1993年) 。彼はとう支持者。 (5)薄一波 中央顧問委員会副主任 (6)李先念 中華人民共和国主席(1983年-1988年)、その後全国政協会議主 席 (7)王震 中央顧問委員会副主任 8人目が誰になるかについては諸説あるが、一般的には鄧頴超(中国人民 政治協商会議議長(1983年-1988年)、周恩来未亡人)とされる。 後に李先念より下の3人と入れ替わる形で、宋任窮 中央顧問委員会副議 長、全国人民代表大会主席(1988年-1993年)を勤めた万里、習仲勲が入っ た。 この中で2007年現在存命しているのは万里だけである。 とう反対派の実行部隊は鄧(とう)力群元中央宣伝部長、宋平政治局常務 委員、李錫銘北京市党委書記らで、とうはいたるところで彼らを名指 しで批判した。 とうの反対派は天安門広場での人民解放軍による人民虐殺、いわゆる6・4 事件の結果冷えた自由国家群からの投資冷却の責任をとうに押し付けて、 開放改革そのものを押しつぶそうとした。それを覆そうとしたのが南巡 講話なのである。 !とう小平自身が提唱した改革開放政策が六四天安門事件(1989年) ソビ エト連邦崩壊(1991年) によって頓挫の危機に陥いり、中国が国際社会 から孤立したことからとうは最後の力と知力を振り絞ってひねり出した。 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 南巡講話(なんじゅんこうわ)は、鄧(とう)小平(Deng xiaoping)が 1992年1月から2月にかけて武漢、深セン、珠海、上海などを視察し、重要 な声明を発表したもの。 国内外の情勢を分析し、第11期第3回中央委員会総会以来の中国共産党 (以下、党と呼ぶ)の主な実践と経験は全て終結し、日ごろの混乱と思 想統制の多くの重要な認識問題に対して、明確に答えた。計画と市場は 全て経済的手段であり、社会主義と資本主義の質において違いはないと 指摘した。 その内容は、「社会主義の本質は生産力の自由、生産力の発展、搾取の 削減、対立勢力の分裂をなくし、最終的には共に裕福になることである。 基準の判断の是非を問う。 主に考えてほしいのは社会主義の発展が社会の生産力に有益かどうか、社 会主義の高まりは国家の総合的な国力に有益かどうか、人民の生活レベル を上げることは有益かどうか。チャンスを掴み続け、思い切った改革を し、発展に弾みをつけ、党の基本的な方針を長く維持し揺るぎないものと する」といったもの。 しかし、このことについての解説は日本側では全くされてなかった。そ の理由は日中記者交換協定があるからである。一般の日本人はほとんど知 らない。 1964年4月19日、当時LT貿易を扱っていた高碕達之助事務所と廖承志事務 所は、その会談において、日中双方の新聞記者交換と、貿易連絡所の相互 設置に関する事項を取り決めた。会談の代表者は、松村謙三・衆議院議員 と廖承志・中日友好協会会長。この会談には、日本側から竹山祐太郎、岡 崎嘉平太、古井喜実、大久保任晴が参加し、中国側から孫平化、王暁雲が 参加した。 (1)日本政府は中国を敵視してはならない。 (2)米国に追随して「2つの中国」をつくる陰謀を弄しない。 (3)中日両国関係が正常化の方向に発展するのを妨げない の3点の遵守が取り決められた 要すれば中国政府が行う発表物(新華社記事)以外には書くなという足か せが履かされているのが在中国日本報道機関の束縛なのである。 隙間はある。共同通信の特派員の任期を終えてなお産経新聞社に転籍し て中国報道を続けているのが伊藤正総局長。彼が今回初めて、とう小平 の死力を尽くした最期の闘いを余すところなく描破しているのが「鄧小 平秘録」である。 とう反対派は国内外に溢れていた。反対派は毛沢東思想を身にまとうこ とで自己を正当化し、とうの言う改革・解放路線は毛思想を否定し、崩壊 したソ連のあとを追うものだと党の機関紙「人民日報」まで動員して攻 撃した。 しかし、この動きは日本には全く伝えられなかった。なぜなら国営通信 「新華社」には発表が一切無かった(当然である)からである。特派員た ちは懸命の勘を働かせたろうが、取り付く島はどこにも無かった。無い まま21世紀に来てしまった。而して伊藤正なかりせば永遠の謎として葬 られるところだった。 連載はいよいよ命を張った!鄧(とう)の巻き返し「南方視察」に乗り出 すところに差し掛かった。このときすでにとうトウは江沢民に失望してい たのだ という。 ━━━━━━━ 話 の 福 袋 ━━━━━━━ ◎◆◇写真映像情報網◇◆週刊AWACS 2015年1月25日◆◇ ◇残忍なイスラム国への怒り 写真は湯川遥菜さんの処刑写真を持つ後藤健二氏、写真の真偽はまだ明確 ではありませんが、政府は非難をしており、湯川さんは殺害されたものと 見られます。「金はもう要らない。ヨルダンのサジダ・リシャウィ死刑囚 が釈放されれば、後藤氏も解放する」との後藤氏の声ではないと思われる 音声メッセージが入っています。 安倍首相が殺したなどのメッセージがありますが、当然ながら、殺害した のはイスラム国であり、テロリストに同調するメディアはイスラム国と同 じであるとみるべきです。 いずれにしても日本政府の対応は全世界が注目しており、この対応により より多くの人命が失われたりすることになってはなりません。殺害犯を地 の果てまで追い詰めることこそ、我々日本人の命を救うことになると感じ 取ってもらいたいものです。 http://www.geenstijl.nl/mt/archieven/2015/01/japanners_onthoofd_door_isis.ht ml 音声メッセージの内容は以下の通りです。 私はゴトウ・ケンジ・ジョゴだ。あなたがたは私の同房、ユカワ・ハルナ がイスラム国の地において殺害された写真を見た。あなたがたは警告と期 限を聞いた。われわれを捕捉した人々は、その警告に沿って行動した。ア ベがハルナを殺害した。あなたは警告を深刻に受け止めず、期限の72時間 内に行動しなかった。 愛する妻よ。愛している。2人の娘に会いたい。どうか、私にも同じこと が起きないようにしてほしい。あきらめるな。あなたは私の家族、友人、 同僚たちとともに政府に圧力を加え続けなくてはいけない。 彼らの要求は易しく、またフェアになった。彼らはもはや金は要求してい ない。だから、テロリストに金を渡すことを心配する必要はない。彼ら は、ただ獄中にある彼らの姉妹、サジダ・リシャウィの解放を求めている だけだ。それは簡単だ。 あなたがたはサジダを釈放すれば私は解放される。日本政府は石を投げれ ば届く距離にいる。日本政府代表団は皮肉なことに、彼らの姉妹が獄中に あるヨルダンにいる。私は強調したい。私の命を助けることが如何に簡単 なことか。これがこの世での最後の時間になるかもしれない。この言葉を あなたが聞く私の最後の言葉にしないでほしい。どうかアベに私を殺させ ないでほしい。 では、今週号をお楽しみください。 その1/今週のニュース http://ameblo.jp/unarigoe/entry-11981273351.html その2/今週のイロイロ http://ameblo.jp/unarigoe/entry-11981274006.html その3/誕生日の音楽映像 http://ameblo.jp/unarigoe/entry-11981225928.html ◇Be Beauty Chorus Japan ウィーン黄金の間演奏会 プレ日本公演 ・日時 2月2日(月)19時開演 ・会場 東京文化会館(JR上野駅公園口、2014/12/3 新装オープン) 指揮:金井 敬 ソプラノ:鈴木美登里 バリトン:田代和久 合唱:Be Beauty Chorus Japan 管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ・曲目 ブラームス/ドイツレクイエム ・チケット料金 SS席¥5,000 S席¥4,000 A席¥3,500 自由席¥3,000 ∼チケットのお問い合わせ∼ 東京シティ・フィル チケットサービス Tel:03-5624-4002 (平日10時∼18時) 水曜会とお伝えください。 2015/1/25 唸声 ◎「死刑制度」容認80%超 否定派を大幅に上回る 内閣府世論調査 日本で死刑制度容認派が80%を超え、否定派を大幅に上回っているこ と が24日、内閣府の発表した「基本的法制度に関する世論調査」で分 かった。法務省は「(過去の結果と)傾向は変わらない」としており、国 内の死刑容認論の根強さが浮き彫りになった。 それによると、「死刑もやむを得ない」と容認したのは80・3%。 逆 に「死刑は廃止すべきである」と否定したのは9・7%。 死刑容認の理由(複数回答)は「被害者や家族の気持ちがおさまらな い」が53・4%で最も多く、次いで「凶悪犯罪は命をもって償うべき だ」(52・9%)、「生かしておくとまた同じような犯罪を犯す危険が ある」(47・4%)の順。逆に否定の理由(同)は「裁判に誤りがあっ たとき取り返しがつかない」(46・6%)、「生かして償いをさせた方 がよい」(41・6%)、「国家であっても人を殺すことは許されない」 (38・8%)の順だった。 今回は、仮釈放のない終身刑の導入を仮定した質問を初めて設置。死 刑 について「廃止する方がよい」は37・7%にとどまり、「廃止しない 方 がよい」が51・5%と過半数を占めた。 調査は昨年11月、全国の成人3千人に面接で実施し、60・9%が 回答し た。昭和31年から10回目だが、質問文を過去2回を変更してい る。6回 目(平成6年)から前回(21年)までは「どんな場合でも死刑 は廃止す べきである」「場合によっては死刑もやむを得ない」だった。今 回は有 識者からなる検討会を設置し、「より明瞭な回答」を得られるとし て変 更した。 死刑制度容認派は3回目(昭和50年)の56・9%を底に増え続 け、前回 は過去最高の85・6%を記録。一方、否定派は5・7%だっ た。常磐大 学国際被害者学研究所の諸沢英道教授は「今回の結果は日本に おける死 刑支持の根強さを示した。質問の文言などを変えたので過去との 単純な 比較はできない」と指摘した。 産経新聞 1月24日(土)17時22分配信 ◎殺害脅迫ドキュメント 「人命第一」「連絡は」…緊迫の3日間 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件 で、日本政府が身代金支払いの期限とみる23日午後を迎えた。ビデオ声 明が確認されてから72時間。人質2人を救出するため、政府関係者らは 情報収集に奔走した。緊迫の3日間を追った。 ◆20日(時間は日本時間) 14・50ごろ イスラム国とみられるグループが、日本人2人を殺 害 すると脅迫するビデオ声明を、外務省がインターネット上で確認。声明 では72時間以内に身代金2億ドルを支払うよう要求。直後にエルサレム 滞在中の安倍晋三首相が報告を受ける 15・00 首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。外務省 が 斎木昭隆事務次官をトップとする緊急対策本部を、警察庁が高橋清孝警 備局長をトップとする対策本部を設置 15・30 安倍首相も映像を確認。周辺と対応を協議 16・00 安倍首相が菅義偉(すが・よしひで)官房長官に(1) 事 実関係の確認に全力を尽くす(2)関係各国と協力し、人命第一に対応 する−ことを指示 16・35 菅官房長官が官邸で会見。ビデオの真偽、拘束された2 人 の身元はいずれも「確認中」と説明 17・45 安倍首相がエルサレムで会見。「人命を盾にとって脅迫 す ることは許し難いテロ行為」と2人の解放を求める。会見後、パレスチ ナ自治政府のアッバス議長と会談 18・00ごろ 千葉市にある湯川遥菜(はるな)さんの実家で父が 報 道陣に「情報が交錯している中で、答えられることは何もありません」 18・15 警察庁がヨルダンの首都アンマンに出張中の職員を国際 テ ロリズム緊急展開班(TRT−2)として活動させると発表 21・30ごろ 中山泰秀外務副大臣がアンマンに到着 23・00 安倍首相がエルサレムで、ヨルダンのアブドラ国王と電 話 会談し、協力を要請。国王は「あらゆる協力を行う用意がある」 ◆21日 00・00 安倍首相がトルコのエルドアン大統領と電話会談し、協 力 を求める 00・30 安倍首相がエジプトのシーシー大統領と電話会談し、協力 を 求める 11・20 菅官房長官が官邸で会見。拘束された2人は後藤健二さ ん、 湯川さんと判断、「イスラム国関係者による犯行である可能性が高 い」 との見解示す 13・00 警察庁が外事特殊事案対策官らをTRT−2としてヨルダ ン に追加派遣すると発表 16・26 安倍首相が羽田空港に到着 17・48 関係閣僚会議で、安倍首相がテロ対策に万全を期すよう 指 示。「あらゆるチャンネル、ルートを最大限生かしながら政府を挙げて 手段を尽くす」 22・35 中山外務副大臣がヨルダンのアブドラ国王と会談 ◆22日 9・10ごろ 湯川さんの実家で母が報道陣に「ちょっとだめです ね。 すみません」と言葉少なに話す 10・00 イスラム学者で元大学教授の中田考氏が東京都内で会見。 「自分が交渉に向かう用意もある」 11・20 菅官房長官が官邸で会見。2人の安否は「承知していない」 14・00 安倍首相がオーストラリアのアボット首相と電話会談 19・15 安倍首相が英国のキャメロン首相と電話会談 ◆23日 9・30 後藤さんの母が都内で会見。「健二はイスラム国の敵では な い」と解放を訴える 10・10ごろ 湯川さんの父、報道陣に政府関係者からの連絡の有無 を 問われ、「ご勘弁を」 13・03 国家安全保障会議(NSC)を官邸で開催し、情報収集 や 交渉ルート確保に全力を挙げる方針を関係閣僚と確認 14・50 政府が「72時間の期限」とする時刻を迎える。現地対 策本 部がある在ヨルダン日本大使館周辺も緊迫した空気に包まれた 16・07 会見で「犯行グループ側からの連絡はない」と菅官房長官 産経新聞 1月24日(土)7時55分配信 ━━━━━━━ 読 者 の 声 ━━━━━━━ 1)ドイツは2013年度今までで最高の130万人ほどの移民を引き受け たと先日統計が発表されました。 国別でみますと、1番多いのがポーランド、2番目がルーマニア,そして 様々な国名があげられ、40歳以下の男性が殆どだそうです。 1955年以降の歴史をみますと、片方の親が外国人も数えますと、全体 のほぼ20%に辺り、5人に1人は移民の背景がある人になります。 ドイツ人とは、過去3代までドイツ人である事を証明できる人になります。 次の10年間は、専門職など不足する分野が多く、移民を必要としている と発表されています。 先日、外人局に滞在ビザの通訳でいきましたら、本当に飛行場の如く 多くの外国人が居まし、外国語が飛び交い溢れていました。 この移民の中には何と3歳から18歳以下の孤児が居まして、ミュンヘンに 2600名、ハンブルクに1100名、ミュンヘンに集中して負担が大きいので 他の州に今後は依頼するそうです。この孤児の世話をするのがカトリック の最大の福祉機関のカリタス、また新教のディアコニー、その他4つの 機関や市の施設等があります。 くつ、洋服などをリサイクルに出しますが、アフリカ行きのみならず、市 内の福祉期間へも回されています。ミカド協会と命名し、孤児を引き受け て育ててもらえる家庭を探している活動がありますが、偶然この前5軒の 有機農家がバイオガス製造をしている成功例を訪問しましたが、その1軒 80ヘクタールの有機農家+9000羽の養鶏農家を訪問をしましたが、4人の 自分のお子さんを育て、2人の14,16歳のイタリア人の男の子を育て職業 教育を受けさせて社会に出した話を聞きました。 イタリア人の子供は、犯罪組織に入ってしまう寸前だったそうで、本当に 2人は感謝しているそうです。この育ての親とは、一生付き合いが続く事 でしょう。 長男は、ルーマニアの3000ヘクタールの農場で農業指導しているそうです が、そこは電気がなく、馬車を使い生活はまるで中世のごとし、でも汚染 がないと言う 貴重な場所だそうです。 最近来たばかりの4歳のドイツ人の女の子は、鶏が大好き、お母さんが亡 くなりお父さんがアル中になり自分でもう育てられないと施設に移され て、その子を引き受けたそうです。 体だけでなくそのドイツ人夫妻の大きな人間愛に感心しました。大きな 農家の家でしたが、これもキリスト教の隣人愛です。里親になる家庭がま だ足りないそうです。 永冶ベックマン啓子 ミュンヘン在住 2)<政府を悩ます邦人人質事件>何故か「被害者」はいつも「日本基 督教団」:白井 修二 「混乱と激戦が続くシリア。4年前の内戦勃発以来、この地で取材を続け る一人の日本人ジャーナリストがいる。日本基督教団田園調布教会の信徒 であり、国際ジャーナリストとして活躍する後藤健二さんだ。 後
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