面積 メンセキ

第5学年2組
算数科学習指導案
平成24年10月24日(水)第2時限
1 単元 面積(13時間完了 本時5/13)
2 単元目標
(1)既習の面積の求め方を活用して、三角形や四角形などの面積を求める公式を進んで見出そうする。
(意欲・関心)
(2)既習の面積の求め方を活用して、三角形や四角形などの面積を工夫して求めたり、公式を導き出したり
することができる。
(数学的な考え方)
(3)公式を用いて、三角形や四角形などの面積を求めることができる。
(表現・処理)
(4)三角形や四角形などの面積の求め方を理解することができる。
(知識・理解)
3 構想
本学級は男子16名、女子16名計32名で構成されている。4月当初から児童は、週に数回クラス全員で遊
ぶ時間を設けて、楽しそうに休み時間を過ごしている。給食の時間にも、班の友達と楽しそうに会話をする姿も
度々見られる。このように生活の場面においては、多くの児童が自分の思いを相手にきちんと伝えることができ
る。しかし、授業の場面においては一人で発言をする状況になると、途端に声が小さくなってしまうことが少な
くない。あらゆる教科に渡って同様なことが言える。恥ずかしさが先行し、一人で声を出すことに対して抵抗を
感じている児童が多いと感じる。本単元を通して、パターン化した説明の仕方に考えをあてはめて、自信を持っ
て発表できる力をつけたいと考えた。
第4学年「面積」の学習では、正方形や長方形の中に1辺が1㎝の正方形1㎝2がいくつ分あるか計算するこ
とで面積が求められること、正方形や長方形の面積を求める公式を学習してきた。また、正方形や長方形でない
四角形の面積を求めるには、図形を分けたりつぎたしたりして、既習の面積を求める公式を用いて面積を求めら
れることも学習している。4年生の学習のレディネステストを行ったところ、長方形の面積を求める問題では正
答率が90%に達していた。しかし、正方形の面積を求める問題では正答率が70%程度に留まっていた。正方
形の面積を求める公式が理解できていない児童がいることが分かった。
5年生の1学期に学習した「合同な図形」の単元では、合同な四角形を描く場面には、合同な三角形の描き方
を利用することができるのではないかと見通しを持たせてから描く作業に取り組ませた。すると多くの児童が合
同な四角形を描くことができた。しかし描き方を説明する場面では、
「どのように言えばよいか分からない」など
の児童のつぶやきがあった。問題を解くことができても、どのような手順で答えを導き出したのか説明すること
を苦手としていることが分かる。
本単元「面積」の学習では、既習の公式には当てはまらない図形を、分けたりつぎたしたりして公式が使える
ように図形を変形させ、面積を求めていく。さらにさまざまな面積の求め方から面積の公式を導き出し、その公
式を使って類似の図形の面積を求めていく。問題把握してから問題解決に至るまで、明確な根拠をもとに筋道を
立てて考えていくことを重点に置いて学習を進めていきたい。
1時間の流れとしては、まず既習の面積の求め方を想起し、問題解決への見通しを持たせ、三角形や四角形で
も図形を分けたりつぎたしたりすることで面積を求めることができることに気付かせたい。
次に、課題解決のために図形を分けたりつぎたしたりして具体的操作活動をさせる。図形が描かれた用紙を自
由に活用させ、既習の面積を求める公式を用いることができるよう考えさせる。操作活動を行った後、どのよう
に面積を求めたか筋道を立てて文章化する。
「まず、○○をする」
「次に、○○をする」
「最後に、○○をする」と
いう文型に沿って文章にすることで問題解決に至るまでの筋道を明確にさせることができるだろう。
そして、各個人の発表の場を持たせるために少人数での意見交換を行う。少人数であるため、気軽に自分の考
えを説明することができ、他のメンバーと同様な考え方をしていれば自分の考え方に自信をもつことができるだ
ろう。その際、考え方が理解できなければ質問することも認める。友達の考え方に理解を深めることができ、説
明した児童は説明の仕方を考え直すきっかけとなると考える。こうした活動は、ESDの視点に立つとコミュニ
ケーション能力を高めることにつながっていくのではないかと考える。
1時間の終末には、教材提示装置を使って図形を大型ディスプレイに提示させながら、自分なりの考え方を発
表する場を設定する。自分の図形を映し出し、それを指し示しながら、自分の考えが発表できた児童を十分に称
賛して認めたい。その都度、児童の考え方を黒板にまとめることで多様な考え方があることにも気付かせたい。
また、毎時間、算数日記を書く時間を設ける。1時間の授業を振り返り「自分が気付かずに友達が気付いたこ
と、友達の発表の良かったところ」を具体的に記述させる。日記の中で児童自身が大切だと思うところや次時に
生かしたいところに下線を引かせる。それによって、1時間の学習が児童にとってどんな学びの場になったかを
教師は知ることができる。また、児童にとっても1時間の学びを確認する場となるはずである。算数日記には筋
道を立てて考えたり、
自分の考えを表現することができたりしているところを中心に称賛する朱書きを入れたい。
この単元を通して、
既習の面積を求める公式を用いることで三角形や四角形の面積を求められることを理解し、
図形を分けたりつぎたしたりして必要な情報を自ら選び出し、説明したり公式をつくり出したりする力を伸ばし
ていきたい。さらに自分の考えを文章にして表現したり、説明したりできる児童を育てたいと考える。
4 単元構想表(13時間完了)
児童の活動
直角三角形の面積の求め方を考えよう(第1時)
・長方形や正方形の面積公式を想起する。
・直角三角形をつぎたして長方形の面積を求める公式が使
える形に変形する。
・直角三角形の面積を求め、発表する。
教師の活動
・長方形の面積を求める公式が使える形に図形を変形さ
せるために、長方形や正方形を提示する。
・面積を求めるまでの筋道を明確にさせるために、文型
に沿って文章を書くように指示する。
・教材提示装置を使って図形を提示させ、考えを発表さ
せる。
工夫して三角形の面積の求め方を考えよう(第2時)
・直角三角形の面積の求め方を想起する。
・三角形を切ったりずらしたりして、直角三角形の面積を
求める公式が使える形に変形する。
・三角形の面積を求め、発表する。
・直角三角形の面積を求める公式が使える形に図形を変
形させるために、長方形や直角三角形を提示する。
・面積を求めるまでの筋道を明確にさせるために、文型
に沿って文章を書くように指示する。
・三角形は長方形の面積の半分であることを理解する。
三角形の面積を求める公式を考えよう(第3時)
・三角形のどこの長さが分かれば面積が求められるか考え
る。
・三角形の面積を求める公式や底辺、高さの用語を知る。
・公式を使って面積を求める。
・どのような求め方をしても三角形は、長方形の面積の
半分になっていることを想起させる。
・底辺をどこにするかで高さが変わることを理解させ
る。
四角形の面積の求め方を考えよう(第4時)
・四角形を三角形に分けて公式が使える形に変形する。
・四角形に対角線を引いて、2つの三角形に分ける。
・三角形の面積を求める公式を使って、四角形の面積を求
め発表する。
・三角形の面積ならば求められることに気付かせるため
に、前時の学習内容を想起させる。
・面積を求めるまでの筋道を明確にさせるために、文型
に沿って文章を書くように指示する。
・底辺の決め方によって、高さが変わってくることを確
認する。
工夫して平行四辺形の面積の求め方を考えよう(第5時本時)
・平行四辺形を分けたりずらしたりして、三角形や四角形
の形に変形する。
・図形を切ったりずらしたりすることで面積を求めるこ
とができたことを想起させる。
・平行四辺形の面積を求め、発表する。
・考え方を分かりやすく発表させるために、教材提示装
置を使うように指示する。
平行四辺形の面積を求める公式を考えよう(第6時)
・平行四辺形は三角形や長方形に変形すれば面積が求めら
・平行四辺形を三角形や長方形に変形して面積を求める
れることから、平行四辺形のどこの長さが分かれば面積
には、平行四辺形のどこの長さが分かれば良いか考え
が求められるか考える。
させる。
・平行四辺形の面積を求める公式や底辺、高さの用語を知
り、公式を使って面積を求める。
・底辺をどこにするかで高さが変わることを理解させ
る。
いろいろな三角形や四角形の面積を求めよう
(第7時)
・高さが外側にある三角形や平行四辺形の面積の求め方を
理解する。
・高さが外側にあることに気付かせるために、既習の三
角形や四角形を提示する。
・高さが外側にある場合も面積は変わらないことを理解
させるために、教科書付録の切り取り教具を使うこと
を指示する。
工夫して台形の面積の求め方を考えよう(第8時)
・台形の面積を求める公式を考える。
・台形の面積を求める公式や上底、下底、高さの用語を知
る。
・三角形や平行四辺形の面積を求める公式が使えるよう
に図形を変形させるために、三角形や平行四辺形を提
示する。
工夫してひし形の面積を求める公式を考えよう(第9時)
・ひし形の面積を求める公式を考える。
練習問題に挑戦しよう(第10時)
・公式を使って、三角形や四角形の面積を求める。
三角形の底辺や高さを変えていくと、面積はどのよう
・ひし形の対角線は、垂直でそれぞれの真ん中の点で交
わることを確認するために、大型の図形を提示する。
・面積を求められるように、三角形や四角形などの既習
の面積を求める公式を提示する。
に変わっていくのか考えよう(第11時)
・三角形の高さや底辺の長さが変わったときの面積を求め、 ・三角形の底辺や高さの長さを1㎝ずつ増やしていく
規則性に気付く。
どのような考え方で三角形の面積を求めているか、式
と、面積は一定量増えていくことに気付かせるために、
公式を使って面積を求めるように指示する。
をもとに考えよう(第12時)
・三角形をどのように分けたりつぎたしたりして面積を求
めたか考える。
・多様な考え方で図形の面積が求められたことを想起さ
せるために、ノートを振り返るように指示する。
・
( )の中の式は何を表しているか考えさせる。
練習問題に挑戦しよう。
(第13時)
・面積を求める公式を使って、三角形や四角形の面積を求
める。
・どの公式が使えるのか、図形に示された底辺や高さの
位置関係に着目するように助言する。
5 本 時(5/13時間)
(1)目標
①平行四辺形の面積の求め方を考え、言葉や式を使って表現することができる。
②平行四辺形は、
三角形や四角形に分けたりずたしたりして面積を求められることを理解することができる。
(2)準備
児童
教科書・ノート・はさみ
教師
方眼紙上に描かれた平行四辺形(児童数)
・板書用の平行四辺形
(3)展開
時間
1
児童の活動
教師の活動
・拡大した平行四辺形を提示する。
1 本時で学習する図形を知る。
・平行四辺形という名前の形だね。
3
・学習課題を板書する。
2 学習課題を把握する。
工夫して平行四辺形の面積の求め方を考えよう
10
3 平行四辺形の面積の求め方を考える。
2つの三角形
2つの三角形
・平行四辺形が描かれた用紙を配布し、いろいろな
方法で面積を求めるように指示する。
・机間指導をしながら、分けたりずらしたりして面
積を求めようとしている児童を称賛する。また、
児童がどのような考え方をしているか把握する。
・分けたりずらしたりする方法が浮かばない児童に
直角三角形と長方形
長方形
は、前時に学習した教具を提示し、三角形を作る
ことを示唆する。
長方形
5
長方形
4 グループで考え方を発表する。
・僕は(図を提示しながら)こんな考えをしました。
・私も同じ考え方をしたよ。
・その考え方をもう一回説明してほしい。
14
5 平行四辺形の面積の求め方を発表する。
・対角線を引いて、2つの三角形にする。
・対角線を引いて、2つの三角形にする。
・直角三角形と長方形に分ける。
・直角三角形を移動し、長方形にする。
・4人グループを作らせ、全員発表するように指示
する。
・発表した児童をグループ全員で称賛するように指
示する。
・教材提示装置を使って平行四辺形を映し出し、指
し示しながら説明するように指示する。
・
「まず」
「次に」
「そして」
「最後に」と文型を意識
して発表することができた児童を称賛する。
・
「なるほど」と共感し、児童に発表した達成感を持
・直角三角形をつぎたし、長方形にする。
たせる。また、全員で拍手を送り称賛するように
・直角三角形を回して、長方形にする。
促す。
・発表した児童の考え方を黒板にまとめる。
・図形を分けたりずらしたりして、長方形や三角形
の面積を求める公式が使える形に変形することで
面積が求められることに気付かせる。
7
6 立式をして、平行四辺形の面積を求める。
・机間指導をしながら、児童の考え方を把握する。
・方法が異なる児童を指名し、面積を求める式を板
・この求め方が分かりやすいな。
5
書させる。
7 算数日記を書く。
・さまざまな考え方で面積を求められることを振り
・机間指導をして、児童がどんな日記を書いている
か把握する。
返る。
(4)評価
・平行四辺形を分けたりずらしたりして自分の考えを表現することができたか。
(活動4より)
・平行四辺形を分けたりずらしたりすると、三角形や四角形ができ、面積を求められることを理解できたか。
(活動4、5、6より)
(5)板書計画
工夫して平行四辺形の面積の求め方を考えよう
2つの三角形
直角三角形と四角形
8×5÷2=20
2×5÷2=5 5×2=10
20×2=40 40㎝2
5×6=30
長方形
8×5=40 40㎝2
30+10=40 40㎝2
・対角線を引く。
・分ける。
2つの三角形
長方形
長方形
・分けて移動する。
・増やす。
8×5÷2=20
8×5=40 40㎝2
8×5=40 40㎝2
20×2=40 40㎝2
三角形や四角形に分けたりずらしたりすることで面積を求めることができる。