第2学年 1 題材名 標準応用コース・A クラス 日 時 場 所 指導者 「図形の性質」(東京書籍p110~) 数学科学習指導案 平成22年1月28日(木) 第5校時 南阿蘇村立白水中学校 2年1組教室 南阿蘇村立白水中学校 教諭 丸山 絵里 2 単元について (1)この単元では、演繹的な推論の意味や方法を明らかにしながら、三角形や四角形、さらには円の中に潜む図形の 性質を調べていく。また、定義や定理、および定理の逆の意味や、仮定、結論を明らかにして証明することの意 味などを理解し、証明を書くことにも少しずつ慣れていくようにする。前単元では、三角形の合同条件など図形 の学習の基本的なことや基本となる性質を根拠としながら、 「仮定」から出発して「結論」を導く演繹的な推論に ついて学習している。 既習事項の図形の性質などを用いて論理的に筋道をたてて、新たな図形の性質を調べていく過程で、説明し伝 えあう活動を通して、論理的に考察し表現する能力を養うことができる内容である。 (2)系統は次のとおりである。 ( 小学校 ) [小1~小4] 三角形・四角形・ 正方形・長方形・直角三角形・二 等辺三角形・正三角形・円・直線 の平行や垂直・平行四辺形・ひし 形・台形 [小5] 図形の合同・図形の性質 ( 1年 ) 第5章 平面図形 1 対称な図形 2 基本の作図 ( 2年 ) 第4章 平行と合同 1 平行線と角 2 合同な図形 第5章 図形の性質 1 三角形 2 平行四辺形 ( 3年 ) 第5章 相似な図形 1 相似な図形 2 平行線と比 (3)生徒の実態は次のとおりである。 図形の性質の既習事項について実態調査を行った。(男子7名 女子5名 計12名) 項 目 正答率 ①平行線と同位角、錯角の関係を理解している。 11/12 ②簡単な問題について、その仮定と結論をいうことができる。 11/12 ③簡単な図から合同な三角形を見い出し、それを記号を用いて表すことができる。 11/12 ④合同な三角形について、あてはまる三角形の合同条件をいうことができる。 9/12 ⑤「2辺が等しい三角形」で二等辺三角形を選ぶことができる。 5/12 ⑥「向かい合う2組の辺が平行な四角形」を正しく選ぶことができる。 6/12 ⑦「辺の長さがすべて等しく、角の大きさもすべて等しい図形」を正しく選ぶことができる。 10/12 2年生は37名を生徒の希望により“基礎”と“標準応用”の習熟度別に分けた後、さらにそれぞれの集団を 学力的に均等になるように半分の人数に分け、AクラスとBクラスとしている。本クラスは”標準応用コース” のAクラスである。明るく、真面目に授業に取り組むことができるクラスである。基本的な数学の知識・表現処 理能力があり、意欲を持って問題に取り組むことができる。 (4)阿蘇郡市数学部会研究主題『数学的活動を通した「わかる・楽しい」授業をめざして』をふまえ、以下の内容 に留意し指導していきたい。なお今回は「活用部会」の授業であり、“活用”を意識した授業展開を目指してい る。 ・図形の性質を観察・操作・実験などの活動を通して推論の過程を視覚的にとらえられるようにしたい。 ・理由などを問うことで根拠を明らかにし,それに基づいて筋道立てて説明する必要性を感じさせたい。 ・“活用”を意識した部分では、習得した既習事項を用いて考えられる日常生活や社会のできごとなどに関係し た問題を提示し、取り組ませることで、既習の知識、技能、数学的な見方や考え方を活用することの意義を実 感させたい。 ・説明し伝え合う活動の場を多く設定し,自分の考えをきちんと伝えたり、相手の考えを認めたりすることがで きるようにさせたい。 ・グループ学習などで教え合い・学び合いの場を設定し、仲間と一緒に高め合う授業の雰囲気をつくりたい。 1 3 単元の目標 (1) 平面図形の性質を三角形の合同条件などを基にして確かめ,論理的に考察し表現する能力を養う。 ・三角形の合同条件などを基にして三角形や平行四辺形の基本的な性質を論理的に確かめたり,図形の性質の 証明を読んで新たな性質を見いだしたりすることができるようにする。 (2)単元の評価規準 関心・意欲・態度 数学的な見方や考え方 表現・処理 ・三角形や平行四 ・既習の図形の性質を根拠にしながら, ・二等辺三角形や平行四 辺形の性質や条件を,既 三角形や四角形の性質を見いだし,そ 辺形の性質につ 習の図形の性質や三角 れを証明することができる。 いて進んで考察 形の合同条件などを適 し,見いだした ・平行四辺形,長方形,ひし形,正方形 切に用いて,的確にわか の関係を考察することができる。 性質を自ら確か りやすく,そのわけを説 めようとする。 明することができる。 知識・理解 ・直角三角形の合同 条件を,三角形の 合同条件と対比し て理解している。 4 単元の指導計画及び評価計画(20時間取り扱い中、本時18/20) 節時 学習活動 評価の観点 評価規準 (内容) (B規準) 関見表知 1 1 ○二等辺三角形の導入 ○ ○二等辺三角形に関心をもち,それに関する性質を ○二等辺三角形の頂角,底辺,底角の意味 見いだしたり,それが成り立つわけを考察したりし 三 ○二等辺三角形の定義 ようとする。 角 ○定義,定理の意味 ○ ○二等辺三角形の頂角,底辺,底角の意味を理解し 形 ○二等辺三角形の底角の性質 ている。 ○ ○二等辺三角形の底角の性質を用いて二等 ○定義や定理の意味を理解している。 ○ ○二等辺三角形の性質を理解している。 2 辺三角形の角の大きさを求めること ○鋭角、鈍角の意味 ○二等辺三角形の頂角の二等分線の性質 ○ ○二等辺三角形に関する性質を考察し,証明するこ 3 ○正三角形の定義 とができる。 ○正三角形の内角の性質 4 ○二等辺三角形になるための条件と、それ ○ ○二等辺三角形になるための条件について,そのわ を利用して図形の性質を証明すること けを説明したり,その証明をよみとったりする 5 ○定理の逆の意味 ことができる。 ○あることがらの逆をいうこと ○ ○ある定理の逆をいうことができ、それが成り立つ かどうかを調べることができる。 6 ○直角三角形の合同条件 ○ ○直角三角形の合同条件に関心を持ち、それを既習 ○直角三角形の合同を合同条件から判断す 事項の図形の性質を用いて調べようとする。 7 ること ○ ○直角三角形の合同条件を既習の図形の性質をも ○直角三角形の合同条件を利用して、図形 とに考察することができる。 の性質を調べること ○ ○直角三角形の合同条件を用いて,図形の性質を考 ○三角形の内角の二等分線 察し,証明することができる。 8 基本の問題 ○ ○ ○基礎的・基本的な内容を理解し、処理することが できる。 2 9 ○四角形の対辺,対角の意味 ○ ○二等辺三角形や平行四辺形のいろいろな性質に ○平行四辺形の定義と平行四辺形の表し方 関心をもち,それらを見いだそうとする 平 10 ○平行四辺形の性質とその証明 ○ ○平行四辺形の性質や平行四辺形になるための条 件を説明することができる。 行 ○平行四辺形の性質を利用して平行四辺形 四 の角の大きさや辺の長さを求めること ○ ○平行四辺形に関するいろいろな性質を理解して いる。 辺 ○平行四辺形の性質を利用して、図形の性 ○平行四辺形の性質を用いた証明について,それを 形 11 質を証明すること ○ よみとったり表したりすることができる。 2 12 ○平行四辺形になるための条件とその証明 13 ○平行四辺形であるかどうかを判断するこ 14 と ○ ○ ○平行四辺形になるための条件を利用し て、図形の性質を証明すること 15 ○長方形,ひし形,正方形の定義と性質 ○直角三角形の斜辺の中点の性質 ○ 16 ○平行線間の距離 ○底辺に平行な直線上に頂点をもつ三角形 の面積は等しいこと ○平行四辺形の性質や平行四辺形になるための条 件を説明することができる。 ○ ○平行四辺形に関するいろいろな条件を理解して いる。 ○平行四辺形になるための条件を利用して,図形の いろいろな性質を考察し,証明することができ る。 ○ひし形、長方形、正方形を平行四辺形の特別の場 合とみることができる。 ○ ○平行四辺形の性質から,新たな図形の性質が導け ることを理解している。 ○ ○平行線間の距離が一定であることを理解してい ○ る。 ○底辺を共有し,高さが等しい2つの三角形の面積 が等しいことを理解している。 ○図形の面積を変えないで,図形の形を変える方法 を考え,その手順を説明することができる。 17 ○面積を変えないで多角形を変形すること ○ 18 ○面積を変えないで複雑な形を変形するこ (本 と ○ 19 基本の問題 ○ ○ ○基礎的・基本的な内容を理解し、処理することが できる。 ○○○ 時) 20 章の問題 3 ○図形の面積を変えないで,図形の形を変形するこ とができる。 5 本時の学習 (1) 目標 図形の面積を変えないで、図形の形を変形することができる。 (2) 展開 徹底 主な発問(指示)T 過程 学習活動 予想される生徒の反応 S 時間 (数学的活動 言語活動) 能動 (形態) 導入 1 熊本県の地図を見て、面積 徹底 T「熊本県の面積を知っているか 5分 を考える。 (一斉) な?」 S「どれくらいだろう?」 指導上の留意点 [評価] 備考 地図 T「前時でこのような形をどうし 既習事項を活用しようという 2 熊本県を直線でおおまかに 考えが浮かぶように発問、指示 カード てきたかな?」 かたどった図形を見て、既習 能動 していく。 事項を用いて求める方法を考 (個人) S「三角形に変形した」 える。 3 本時の課題を知る。 本時の中心課題 熊本県を三角形に変形して面積を求めよう。 4 熊本県をかたどった図形の 徹底 T「複雑な形をしているがどうや へこみの部分をなくし六角形 ワーク へこみをなくし、六角形にす (一斉) って求めたらよいだろう?」 にするところまでは全員です シート る。 S「どうやって変形していけばい る。 いのだろう・・・。 」 既習事項のへこみをなくす方 三角定 規 T「へこみをなくしていくことか 法をカードで確認させる。 展開 ら始めるとうまくいくよ。」 へこみをなくして六角形にな ったところで、一度新しい紙に カード 写させる。 40 分 5 4で六角形になった熊本県 能動 T「三角形まで変形していこう」 四角形まで変形できたら新し を、等積変形で三角形にして (個人) S「線がごちゃごちゃしてきた い紙に一度写させ、線が分かり (ペア) な・・・。」 いく。 やすくなるように助言する。 (個人→ペア) 面積を変えずに形を変える ことができる。 【シート・観察】 6 いくつかのペアで図を見 せてどのように三角形をつ くったか発表する。 ペアでお互いの図の変形につ 実物投影機 いて説明した後、何組かのペア に発表させる。 能動 (ペア) T「実物大の面積を求めるにはど 面積を求めることがすぐでき 7 5で作った三角形の辺の長 るように、実際の長さになおす 電卓 うしたらよいですか。」 さを実際の長さになおし、面 徹底 (ペア) S「本当の長さになおす。 方法は簡単に教える。 」 積を求める。 8 それぞれのペアで、いく つになったか発表する。 T「作った三角形の面積を求めて 三角形の高さについては、垂線 をひかせず三角定規をあてて みましょう。」 能動 S「本当の面積に一番近いのはど 簡単に測るよう指示する。 (ペア) のペアかな。 」 ま と9 学習のまとめをし、北海道 徹底 T「北海道の面積も求められるか さらに複雑な形の面積を求め め の面積をだすことを考えてみ (一斉) な。」 ようとすることでさらに興味 5分 る。 S「難しそう。やってみよう。」 を深めさせる。 4 〔評価〕○十分満足できる(A) 与えられた問題の図を、面積を求めやすい形に自分の力で等積変形できる。 〈Bの生徒への手立て〉 面積の求めやすい形に変形できるように助言し、考えさせる。 ○おおむね満足できる(B) 与えられた問題の図を、教師の助言や友だちの考えをもとに等積変形できる。 〈Cの生徒への手立て〉 与えられた問題の図の何か所かは等積変形の方法を教え、考えさせる。 ○努力を要する(C) 与えられた問題の図を教師の助言や友だちの考えをもとにしても、変形ができない。 5
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