平成 25 年度Ⅱ回 公認会計士試験 管理会計論 I C O 短答式本試験

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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
平成 25 年度Ⅱ回
公認会計士試験
管理会計論
アイ・シー・オー
I C O 短答式本試験解答&解説
平成 25 年度第Ⅱ回講評
全体的に易しかったと思います。落とせない問題は問題 3, 問題 4,問題 5,問題 6,問題 8,問題
10,問題 11,問題 12,問題 13,問題 15,問題 16,問題 17,問題 19,問題 20 です。
予想合格点ラインは 70 点です。
問題番号
難易度
出
題
範
囲
問題 1
C
材料を有償支給する場合の処理(理論問題)
問題 2
C
部門別計算(複数基準配賦法による階梯式配賦法)
問題 3
C
部門別計算(連立方程式法)
問題 4
D
個別原価計算
問題 5
D
原価計算基準(理論問題)
問題 6
C
工程別総合原価計算
問題 7
C
組別総合原価計算
問題 8
D
標準原価計算・原価計算基準(理論問題)
問題 9
C
パーシャル・プランによる標準原価計算
問題 10
C
全部原価計算と直接原価計算の比較
問題 11
D
利益増減分析表
問題 12
D
バランスト・スコアカード(BSC)(理論問題)
問題 13
C
予算管理(理論問題)
問題 14
C
財務情報およびキャッシュ・フロー管理(理論問題)
問題 15
D
原価企画(理論問題)
問題 16
C
マテリアル・フローコスト会計
問題 17
D
品質原価計算(理論問題)
問題 18
C
連産品を追加加工するか否かの業務的意思決定
問題 19
C
投資意思決定
問題 20
D
事業部制会計
A~Eランクで評価
A…難解
B…やや難解
C…普通
D…やや容易
- 1 -
E…容易
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
ICO解答
問題 1
1
問題 2
2
問題 3
3
問題 4
4
問題 5
5
問題 6
2
問題 7
2
問題 8
3
問題 9
5
問題 10
4
問題 11
4
問題 12
2
問題 13
5
問題 14
3
問題 15
5
問題 16
4
問題 17
3
問題 18
3
問題 19
4
問題 20
2
(ICO解説)
問題 1
[解
<難易度>C<出題範囲>材料を有償支給する場合の処理(理論問題)
説] (単位:円)
ア.正しい:仮に取得原価を@50、交付価格を@60、契約価格を@65、数量を10個とすると、有償支給時
の仕訳は、@50×10個=500
(借) A
社
600 (貸) 材
料
交 付 材 料 差 益
500
100
加工済みの合格品9個を受け入れた時の仕訳は, @65×9個=585
(借) 部
品
585 (貸) A
社
585
イ.正しい:上記アのとおり、合格品9個に契約価格@65を乗じた価額を外注加工品受払帳に記録する。
ウ.誤
り:不合格品1個については、取得原価を仕損費とすると、交付価格と取得原価の差@10は、
交付材料差益と相殺される。不合格品は交付価格で評価されない。
(借) 仕
損
費
交 付 材 料 差 益
エ.誤
50 (貸) A
10
社
60
り:A社の債権・債務の差額はA社に支払う加工賃で、契約価格と交付価格の差に合格品の数
量を乗じた(@65-@60)×9個=45である。
(借) A
社
45 (貸) 現
金
45
このような有償支給の場合、外注加工賃という勘定科目は生じないため、直接経費にも
ならない。合格品の取得原価と交付価格の差は、部品勘定から控除されるとともに、同
額が合格品分の交付材料差益と相殺される。
したがって、正解は[1]である。
- 2 -
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問題 2
[解
平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>C<出題範囲>部門別計算(複数基準配賦法による階梯式配賦法)
説](単位:円)
階梯式配賦方法については。配賦表への記入の際、どの補助部門を先順位(右)に配列するかが重要
である。本問の場合,他の補助部門への用役提供部門数は、工場事務部門3、動力部門と用水部門が2
であるため、工場事務部門が一番後順位(左)となる。
動力部門と用水部門は無差別だが、部門費の金額によれば、変動費、固定費共に動力部門>用水部門
であるため、動力部門が先順位(右)となる。
1.変動費(予定消費量で配賦)
製
部門固有費
造
部
門
補
第一製造部門
第二製造部門
用水部門
14,340,000
7,705,000
590,000
動力部門費
①
800,000
405,000
100,000
用水部門費
②
400,000
290,000
690,000
15,540,000
840,000
合
計
予定配賦率
③
@3,700
助
部
門
動力部門
工場事務部門
1,305,000
-
@2,800
①
1,305,000×6,400kWh÷10,440(=6,400+3,240+800)kWh=800,000
②
690,000×5,600kℓ ÷9,660(=5,600+4,060)kℓ =400,000
③
15,540,000÷4,200h=@3,700
2.固定費(消費能力で配賦)
製
部門固有費
造
部
門
補
用水部門
助
部
第一製造部門
第二製造部門
動力部門
10,920,000
6,950,000
350,000
760,000
工場事務部門費
①
400,000
300,000
100,000
200,000
動力部門費
②
560,000
320,000
80,000
960,000
用水部門費
③
300,000
230,000
530,000
12,180,000
7,800,000
合
計
予定配賦率
④
@2,900
@2,600
①
1,000,000×12人÷30(=12+9+6+3)人=400,000
②
960,000×7,000kWh÷12,000(=7,000+4,000+1,000)kWh=560,000
③
530,000×6,000kℓ ÷10,600(=6,000+4,600)kℓ =300,000
④
12,180,000÷4,200h=@2,900
3.原価差異
(1) 第一製造部門と第二製造部門の製造間接費の変動費予算差異
第一製造部門:実際1,172,000-予算@3,700×320h=12,000(有利)
第二製造部門:実際655,000-予算@2,800×230h=△11,000(不利)
- 3 -
門
工場事務部門
1,000,000
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
∴12,000(有利)+△11,000(不利)=
1,000(有利)
→選択肢1.は誤り。
(2) 第一製造部門と第二製造部門の製造間接費の固定費予算差異
第一製造部門:実際1,088,000-予算@2,900×350h(=4,200h÷12ヵ月)=△73,000(不利)
第二製造部門:実際644,000-予算@2,600×250h(=3,000h÷12ヵ月)=6,000(有利)
∴△73,000(不利)+6,000(有利)=
△67,000
→選択肢2.が正しい。
(3) 第一製造部門と第二製造部門の製造間接費の操業度差異
第一製造部門:@2,900×(実際320h-予定350h)=△87,000(不利)
第二製造部門:@2,600×(実際230h-予定250h)=△52,000(不利)
∴△87,000(不利)+△52,000(不利)=
△139,000
→選択肢3.は誤り。
(4) 第一製造部門の製造間接費総差異
12,000(有利)+△73,000(不利)+△87,000(不利)=
△148,000(不利)
→選択肢4.は
誤り。
(5) 第二製造部門の製造間接費総差異
△11,000(不利)+6,000(有利)+△52,000(不利)=
△57,000(不利)
→選択肢5.は誤
り。
したがって、正解は[2]である。
問題 3
[解
<難易度>C<出題範囲>部門別計算(連立方程式法)
説](単位:円)
自部門へのサービスの提供を無視しない場合の計算式である。
a=9,348,000+
5人
×a+0×b
100(=42+40+13+5)人
13 人
100(=42+40+13+5)人
上記の2つの式を変形すると
b=14,400,000+
19
×a+0×b=9,348,000
20
-
13
×a+
100
10
×b=14,400,000
11
したがって、正解は[3]である。
- 4 -
)×a+
1,200
×b
13,200(=4,800+7,200+1,200)h
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問題 4
[解
平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>個別原価計算
説] (単位:円)
(単位:円)
製造指図書別原価計算表
#10
月初仕掛品原価
直 接 材 料 費
加
工
合
費
(注 1)
計
仕損品評価額
#10-2
#20
#20-2
6,500
-
-
#30
-
-
8,800
30,000
42,000
9,000
60,000
12,000
40,000
60,000
16,000
24,000
27,300
70,000
102,000
25,000
84,000
△15,200
-
-
-
(注 2)△7,600
12,100
70,000
102,000
25,000
作業屑評価額
差
仕
(注 3)△8,000
引
損
68,400
費
△12,100
12,100
25,000
△25,000
1,500
当月製品製造原価
-
82,100
127,000
-
69,900
備
考
#10-2 へ
完成
完成
#20 へ
完成
(注 1) @400{=160,000÷400h(=500h×80%)}×30h=12,000
(注 2) 仕損品評価額
(注 3) 作業屑評価額:200/kg×40kg=8,000
したがって、正解は[4]である。
問題 5
[解
<難易度>D<出題範囲>原価計算基準(理論問題)
説]
ア.誤
り。
「 … 等級別総合原価計算にあたっては、各等級製品について適当な等価係数を定め、一期間に
おける完成品を総合原価または一期間の製造費用を等価係数に基づき各等級品あん分してその
製品原価を計算する。」
(原価計算基準・二十二)
イ.正しい。
「 … 組別総合原価計算にあたっては、一期間の製造費用を組直接費と組間接費または原料費と
加工費とに分け、個別原価計算に準じ、組直接費または原料費は、各組の製品に賦課し、組間接
費または加工費は、適当な配賦基準により各組に配賦する。次いで一期間における組別の製造費
用と期首仕掛品原価とを、当期における組別の完成品とその期末仕掛品とに分割することによ
り、当期における組別の完成品総合原価を計算し、これを製品単位に均分して単位原価を計算す
る。」
ウ.誤
(原価計算基準・二十三)
り。
「 … 加工費について期末仕掛品の完成品換算量を計算することが困難な場合には、当期の加工
費総額は、すべてこれを完成品に負担させ、期末仕掛品は、直接材料費のみをもって計算するこ
とができる。
」
(原価計算基準・二十四・
(二)
・四)
- 5 -
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
エ.正しい。
「 … ただし、必要ある場合には、連産品の一種または数種の価額を副産物に準じて計算し、こ
れを一期間の総合原価から控除した額をもって、他の連産品の価額とすることができる」
(原価計算基準・二十九)
したがって、正しいものはイエであり、正解は[5]である。
問題 6
[解
<難易度>C<出題範囲>工程別総合原価計算
説] (単位:千円)
1.第1工程
第
1
工
原料費
数
月初仕掛品
当 月 投 入
計
減
損
月末仕掛品
完 成 品
量
3,500
49,500
53,000
500
2,500
50,000
金
額
4,095
58,905
63,000
-
(注 1) 3,000
60,000
数
量
700
51,050
51,750
(注 4) 250
1,500
50,000
(数量単位:ℓ 、金額単位:千円)
程
加工費
合 計
金 額
(注 2)
994
5,089
(注 3) 71,106
130,011
72,100
135,100
-
-
(注 5) 2,100
5,100
70,000
130,000
(注 1) @1.2(=63,000÷52,500ℓ )×2,500ℓ =3,000
(注 2) 直接労務費 710+製造間接費 710×0.4=994
(注 3) 直接労務費 50,790+製造間接費 50,790×0.4=71,106
(注 4) 500ℓ ×0.5=250
(注 5) @1.4(=72,100÷51,550ℓ )×1,500ℓ =2,100
2.第2工程
(数量単位:kg、金額単位:千円)
第
前工程費
数
量
金
2
工
原料費
額
数
量
金
加工費
額
月 初 仕 掛 品
3,000
4,050
3,000
1,350
当 月 投 入
100,000
130,000
100,000
計
103,000
134,050
103,000
4,000
(注1) 5,206
99,000
128,844
月 末 仕 掛 品
完
成
品
程
数
量
金
額
合
計
2,400
2,240
7,640
44,850
97,800
109,984
284,834
46,200
100,200
112,224
292,474
4,000 (注 2) 1,794
1,200
(注 3)1,344
8,344
99,000
110,880
284,130
99,000
(注 1)(134,050÷103,000ℓ )×4,000ℓ ≒5,206
(注 2)(46,200÷103,000ℓ )×4,000ℓ ≒1,794
44,406
まとめて計算すると割り切れる。
(134,050+46,200)÷103,000ℓ ×4,000ℓ =7,000
(注 3)(112,224÷100,200ℓ )×1,200ℓ =1,344
- 6 -
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
したがって、正解は[2]である。
問題 7
[解
<難易度>C<出題範囲>組別総合原価計算
説] (単位:円)
1.製品Bの完成品原価
(数量単位:kg、金額単位:円)
製
品
原料費
数
当 月 投 入
異常仕損品
差 引
月末仕掛品
差 引
月初仕掛品
完 成 品
量
465
20
445
70
375
125
500
金
額
139,500
(注 1) 6,000
133,500
21,000
112,500
38,500
151,000
数
B
加工費
量
425
4
521
21
500
100
500
合
金 額
(注 2)340,000
(注 3) 3,200
336,800
16,800
320,000
80,500
400,500
計
479,500
9,200
470,300
37,800
432,500
119,000
551,500
(注 1) @300(=139,500÷465kg)×20kg=6,000
(注 2) @2,000{=1,200+@800(=14,400,000÷18,000h)}×425kg×0.4=340,000
(注 3) @800(=340,000÷425kg)×4kg=3,200
∴551,500÷500kg=@1,103
2.製品Aの完成品原価
(数量単位:kg、金額単位:円)
製
原料費
数
量
品
仕損費
金
額
金
額
A
加工費
数
量
製品B
金
額
金
合
額
計
当 月 投 入
2,500
1,750,000
-
正 常 仕 損 品
100
(注1)△70,000
90,000
50
(注3)△20,000
-
-
差
引
2,330 (注2) 932,0000 (注4) 204,055
2,886,055
2,400
1,680,000
90,000
2,280
912,000
204,055
2,886,055
月 末 仕 掛 品
400
280,000
15,000
280
112,000
-
407,000
副産物評価額
150
(注5)△76,500
-
150
-
-
△76,500
1,850
1,323,500
75,000
1,850
800,000
204,055
2,402,555
完
成
品
(注 1) @700(=1,750,000÷2,500kg)×100kg=70,000
(注 2) @2,000×0.2×2,330kg=932,000
(注 3) @400(=932,000÷2,330kg)×50kg=20,000
(注 4) @1,103×185kg{=1,850kg(=2,500kg-100kg-150kg-400kg)×0.1}=204,055
(注 5) @510(=800/kg-290/kg)×150kg=76,500
したがって、正解は[2]である。
- 7 -
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問題 8
[解
平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
<難易度>D<出題範囲>標準原価計算・原価計算基準(理論問題)
説]
ア.誤
り。
「 … 標準消費量は、通常生ずると認められる程度の減損、仕損等の消費余裕を含む。」
(原価計算基準・四十一・(一)・二)
イ.正しい:実際歩留は、実際消費量をもとに計算されるので、実際消費量の標準配合量と実際配合
量の差に標準単価を乗じた原料配合差異が把握される。標準歩留量と実際消費量の標準
配合量の差に標準単価を乗じると原料歩留差異が把握される。
ウ.正しい。
「数量差異, 作業時間差異、能率差異等であって異常な状態に基づくと認められるもの
れを非原価項目として処理する。」
エ.誤
は、こ
(原価計算基準・四十七・(二)・一)
り:パーシャル・プランとは、標準原価計算を採用した場合における仕掛品勘定へ記帳方法
をいい、借方に記入される直接材料費、直接労務費、製造間接費のすべてを実際発生額
で記帳する。
したがって、正しいものはイウであり、正解は[3]である。
問題 9
[解
<難易度>C<出題範囲>パーシャル・プランによる標準原価計算
説](単位:円)
1.直接材料費差異
実際原価
実 1,450円/kg
○
3,842,500
(=3,842,500
÷2,650kg)
材料価格差異:132,500(有利差異)
標 1,500 円/kg
○
材料数量差異:
標準原価
3,780,000
△195,000(不利差異)
仕損差異:
消費量差異:
△45,000
△150,000
(不利差異)
(不利差異)
標 2,520kg(注 2)
○
2,550kg(注 1)
実 2,650kg
○
(注 1) 510 個(=480 個+30 個)×5kg=2,550kg
(注 2) 504 個{=510 個-異常仕損費 6 個(=30 個-480 個×0.05)
}×5kg=2,520kg
- 8 -
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
2.直接労務費差異
実際原価
実 1,200円/kg
○
2,700,000
(=2,700,000
賃率差異:0
÷2,250h)
標 1,200 円/kg
○
作業時間差異:
標準原価
△280,800(不利差異)
2,418,000
仕損差異:
消費量差異:
△28,800
△252,000
(不利差異)
(不利差異)
標 2,016h(注 2)
○
実 2,250h
○
2,040h(注 1)
(注 1) 510 個×4h=2,040h
(注 2) 504 個×5h=2,016kg
3.製造間接費差異
金 額
仕損差異:
△ 12,000
実際発生額
× 1,800,000 円
能率差異:
△105,000
)変動費能率差異
△117,000(不利差異)
1,125,000
@500
@300
固定費能率差異
△70,200(不利差異)
)
標準
実際
2,016h 2,250h
0
基準操業度
2,250h
(注)
2,040h
仕損差異:
(注) 27,000h÷12 ヵ月=2,250h
△ 7,200
能率差異:
△63,000
4.選択肢の検討
(1) 直接材料費差異:132,500+△195,000=△62,500
直接労務費差異:△280,800
合計:△280,800-△62,500=△218,300
(2) 材料数量差異:△195,000
→選択肢1.は誤り。
→選択肢2.は誤り。
(3) 製造間接費変動費能率差異:△117,000
労働賃率差異:0
合計:△117,000-0= △117,000
→選択肢3.は誤り。
- 9 -
675,000
操業度
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
(4) 直接材料費の仕損差異:△45,000
直接労務費の仕損差異:△28,800
合計:△45,000-△28,800=△16,200
→選択肢4.は誤り。
(5) 仕損差異の合計:△45,000+△28,800+△12,000+△7,200=△93,000
その他の原価差異の合計:132,500+△150,000+△252,000+△105,000+△63,000=△437,500
差額:△93,000-△437,500=
344,500
→選択肢5.が正しい。
したがって、正解は[5]である。
問題 10
[解
<難易度>C<出題範囲>全部原価計算と直接原価計算の比較
説](単位:千円)
1.全部原価計算によった場合
第5期末の在庫が無いため、第1期から第5期までの合計で損益計算書を書くと早く計算できる。
第 1 期~第 5 期の合計
Ⅰ売上高
76,000
(=18,000+20,000+16,000+10,000+12,000)
Ⅱ売上原価
48,800
(=7,600 個(注)×@4+3,600×5 期)
売上総利益
27,600
Ⅲ販売費及び一般管理費
14,600
営業利益
(=7,600 個×@1+1,400×5 期)
13,000
(注) 第 1 期から第 5 期までの販売価額:(18,000+20,000+16,000+10,000+12,000)÷@10
=7,600 個
2.直接原価計算によった場合
(単位:千円)
第1期
Ⅰ売上高
第2期
第3期
第4期
第5期
18,000
20,000
16,000
10,000
12,000
7,200
8,000
6,400
4,000
4,800
製造差益
10,800
12,000
9,600
6,000
7,200
Ⅲ変動販売費
1,800
2,000
1,600
1,000
1,200
貢献利益
9,000
10,000
8,000
5,000
6,000
1.固定製造間接費
3,600
3,600
3,600
3,600
3,600
2.販売費及び一般管理費
1,400
1,400
1,400
1,400
1,400
4,000
5,000
3,000
0
1,000
Ⅱ変動売上原価
当期製品製造原価
Ⅳ固定費
営業利益
- 10 -
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
3.選択肢の検討
(1) 全部原価計算によって計算される営業利益の第1期~5期の合計:
3,000+3,000+5,000+1,000+1,000=13,000
(2) 第2期の貢献利益: 10,000
→選択肢ア.は誤り。
、第4期の貢献利益: 5,000
→選択肢イ.は正しい。
(3) 第1期の期末製品数量=2,000個-18,000÷10/個=200個
第2期の期末製品数量=200個+2,400個-20,000÷10/個=600個
第1期の期末製品たな卸高=200個×4/個=800
第2期の期末製品たな卸高=600個×4/個=
2,400
(4) 直接原価計算による第3期の営業利益:3,000
→選択肢ウ.は正しい。
→選択肢エ.は誤り。
したがって、正解は[4]である。
問題 11
[解
<難易度>D<出題範囲>利益増減分析表
説](単位:千円)
1.前期の販売価格・単位原価
前期販売価格=5,000÷100 千個=50 円/個
前期単位原価=4,800÷100 千個=48 円/個
2.利益増減分析表の空欄について
1.(1) a.当期売上高(販売価格に変化がない場合)=50 円/個×105 千個=5,250
(ア)= 5,250-5,000=
250
(イ)= 5,040-5,250= △210
2.(1)a.当期売上原価(単位原価に変化がない場合)=48 円/個×105 千個=5,040
(ウ)= 5,040-4,800= 240
(エ)= 4,914-5,040= △126
したがって、正解は[4]である。
問題 12
[解
<難易度>D<出題範囲>バランスト・スコアカード(BSC)(理論問題)
説]
ア.誤
り:BSCは戦略的経営管理会計の手法であり、上場企業のオンバランスによる情報開示の手段
である財務会計のシステムではない。
イ.正しい:たとえば、残余利益や事業価値など財務諸表に表示されていない「財務の視点」の指標
を利用できる。
ウ.正しい:中小企業を含む非上場企業や病院、学校、行政、NPOの実践事例が多く存在する。
エ.誤
り:多くの非財務的指標の具体的な尺度や数値例は、開示されていないことが多く、投資家
- 11 -
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
が直接利用できるようなものでない。
したがって、誤っているものはアエであり、正解は[2]である。
問題 13
[解
<難易度>C<出題範囲>予算管理(理論問題)
説]
ア.正しい:予算管理は、組織目標を達成するために、組織が所有する有限の経営資源を責任単位に
効率的かつ効果的に配分していく手段である。
イ.正しい:予算管理は、組織目標を達成するために、組織メンバーを動機づけの手段として大いに
活用されなければならない。
ウ.誤
り;予算ゲームとは、下記のエ.の予算スラックの説明から、予算編成過程において行われ
る交渉上のゲームをいう。予算ゲームは、ボトムアップ型や折衷型の予算編成において
問題を生じせしめる。
エ.誤
り:予算スラックは、予算編成に参加することで、
「費用を多めに、収益を控えめに」計画し
ようとすることで形成される。つまり、参加型の予算編成が予算スラックと呼ばれる問
題を引き起こす。
したがって、誤っているものはウエであり、正解は[5]である。
問題 14
[解
<難易度>C<出題範囲>財務情報およびキャッシュ・フロー管理(理論問題)
説]
ア.正しい:信用販売額の大きさや生産量の増加による全部原価計算上の営業利益の増加により、損
益計算では増益基調にあっても、売上債権回転期間やたな卸資産回転期間が伸張してい
るときは、営業活動によるキャッシュ・フローが減少し、投資活動によるキャッシュ・
フローのマイナスや財務活動によるキャッシュ・フローのマイナスを補えず、黒字倒産
する可能性がある。
イ.誤
り:自己資本利益率=売上高利益率×総資本回転率×財務レバレッジ
自己資本比率が一定であるとき財務レバレッジは一定であるので、上記式の売上高利益
率も一定なら、総資本回転率が上昇すると、自己資本利益率はむしろ上昇する。
ウ.誤
り:総資本利益率=自己資本比率×自己資本利益率
上記式で、自己資本比率が上昇しているのに総資本利益率が一定である場合、自己資本
利益率は低下していることになる。
エ.正しい:次の財務レバレッジ効果を示す式を用いる。
ROE={ROA-(ROA-負債利子率)×負債比率}×(1-税率)
この式のROEは、自己資本純利益率、ROAは総資産事業利益率を示す。
自己資本比率が低い企業は相対的に負債比率が高い。A社の負債比率を20%、B社の負債
- 12 -
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
比率を40%とする。ROA、負債利子率、税率はA社もB社もともにそれぞれ、5%、2%、
0.4であったとする。このとき、
A社のROE={5%+(5%-2%)×20%}×(1-0.4)=3.36%
B社のROE={5%+(5%-2%)×40%}×(1-0.4)=3.72%
両社の業績が悪化して、ともにROAが4%になったとすると、
A社のROE={4%+(4%-2%)×20%}×(1-0.4)=2.64%
B社のROE={4%+(4%-2%)×40%}×(1-0.4)=2.88%
A社のROEの差=2.64%-3.36%=△0.72%
B社のROEの差=2.88%-3.72%=△0.84%
となり、負債比率の高い(つまり、自己資本比率の低い)B社のほうが、業績悪化時に減
益幅が拡大していることがわかる。
したがって、誤っているものはイウであり、正解は[3]である。
問題 15
[解
<難易度>D<出題範囲>原価企画(理論問題)
説]
ア.正しい:機能横断的な活動によって革新的な原価低減が実現できる。
イ.正しい:目標原価=目標販売価格-目標利益
目標原価と積上式の見積原価とのギャップを埋めるために、VE活動を実施する。
ウ.誤
り;価値=機能÷原価が正しい。実際は次の式で価値比率を1.0以上にすることを 目標に機
能別展開・部品別展開を行う。
価値比率=目標原価÷実際原価
エ.誤
り:原価企画は、製造段階ではなく、製品の開発・設計段階、あるいはそれ以前の商品企画
段階も含めた原価の低減を目指す活動をいう。
したがって、誤っているものはウエであり、正解は[5]である。
問題 16
[解
<難易度>C<出題範囲>マテリアルフローコスト会計(計算・理論問題)
説] (単位:円)
*: (エ 正の製品)
1 : (オ 負の製品)
2 : (カ 物量センター)
3 : (シ 68,500)円
4 : (コ 15,300)円
5 : (ソ 214,200)円
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平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
当月原料費=20㎏×3,000/kg+80kg×2,500/kg=260,000
第1工程加工費=7,000/時間×2時間=14,000
第1工程において廃棄される廃棄物の原価=(260,000+14,000)×25kg÷100kg
= 68,500
3 ― シ
第2工程加工費=8,000/時間×3時間=24,000
第2工程において生じた減損分の原価
=(260,000+14,000-68,500+24,000)×5kg÷75kg= 15,300
4 ―
コ
工程を通過した製品の原価
=260,000+14,000-68,500+24,000-15,300= 214,200
5 ― ソ
したがって、正解は[4]である。
問題 17
[解
<難易度>D<出題範囲>品質原価計算(理論問題)
説]
ア.正しい:品質適合原価とは、製品仕様を守るための原価で予防原価と評価原価からなる。品質不
適合原価とは、製品仕様を守らなかったことにより発生する原価で、内部失敗原価と外
部失敗原価からなる。
イ.誤
り:品質不適合によって消失した売上機会が推定できる場合は、外部失敗原価に含める。
ウ.誤
り:不良品の回収費用は、外部失敗原価である。
エ.正しい:品質適合コストを増加すると、品質適合コストは減少するというトレードオフの関係の
中で、品質原価の合計を最小化することを考えるアプローチである。
したがって、正しいものはアエであり、正解は[3]である。
問題 18
[解
<難易度>C<出題範囲>連産品を追加加工するか否かの業務的意思決定
説] (単位:千円)
製品AとBは分離して生産できないので、選択肢 1.の場合少なくともまず製品Aと製品Bを作る。こ
の段階での売上総利益は、
600 円/kg×10,000kg+800 円/㎏×10,000kg-1,000-8,000= 5,000
よって、選択肢 5 は誤り。
次に、製品 A を追加加工し製品 X としたときの売上総利益(製品 B はそのまま販売)は、800 円/kg×
10,000kg+800 円/kg×10,000kg-1,000-8,000-3,600 円/時×500 時間=5,200
よって、1 の場合の売上総利益の増加額=5,200-5,000= 200
なので、選択肢 1 も誤り。
また、製品 B を追加加工し製品 Y としたときの売上総利益は、差額利益で計算すると、
(1,200 円/kg-800 円/kg)×10,000kg-3,600 円/時×1,200 時間= △320
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なので、選択肢 2 も誤り。
ICO<無断複写・複製を禁じます>
平成 25 年Ⅱ回短答式本試験・管会解答
製品 X と製品 B を販売する時の売上総利益=5,000+200= 5,200
なので、選択肢 3 は正しい。
製品 X と製品 Y を販売する時の売上総利益
=(800 円/kg+1,200 円/kg)×10,000kg-1,000-8,000-3,600 円/時×(500 時間+1,200 時間)
= 4,880
なので、選択肢 4 も誤り。
したがって、正解は[3]である。
問題 19
[解
<難易度>C<出題範囲>投資意思決定
説](単位:万円)
現価係数の計算で小数点第四位を四捨五入する。
1÷(1+0.1)1≒0.909
1÷(1+0.1)2≒0.826
1÷(1+0.1)3≒0.751
1÷(1+0.1)4≒0.683
1÷(1+0.1)5≒0.621
1÷(1+0.1)6≒0.564
1÷(1+0.1)7≒0.513
7 年の年金現価係数=0.909+0.826+0.751+0.683+0.621+0.564+0.513=4.867
単位当たり変動費をvとすると、
{(2,000 円-v)×10 万個-4,000 万円}×4.867-20,000 万円=9,202 万円
∴ v=1,000 円
これを次の式に代入しても成立する。
{(1,800 円-1,000 円)×10 万個-4,000 万円}×4,867-20,000 万円=△532 万円
定販売価格が 2,000 円で変動費が 10%増加した場合の正味現在価値
={(2,000 円-1,000 円×1.1)×10 万個-4,000 万円}×4,867-20,000 万円= 4,335 万円
したがって、正解は[4]である。
問題 20
[解
<難易度>D<出題範囲>事業部制会計
説](単位:千円)
増産投資後の本社費配賦前営業利益=1,200,000×150%×5%=90,000
増産投資後の事業部利益=90,000-(300,000+60,000)×5%=72,000
増産投資後の使用総資本利益率=72,000÷(300,000+60,000)×100%= 20%
したがって、正解は[2]である。
- 15 -