蒸留装置と操作法 B4 竹内 祐介 蒸留とは • 各成分の蒸気圧の和が系の圧力と等しく なると沸騰が始まる。 pA(成分Aの蒸気圧)+pB (成分Bの蒸気圧) =P(系の圧力) このときの蒸気圧pの差を利用して混合物 の特定成分を濃縮する操作 分子間相互作用の小さい蒸気の組成 はラウールの法則に従う ラウールの法則 • 蒸気分圧は、その成分の溶液中でのモル分 率と、その物質が純粋なときに示す蒸気圧 に比例する pA=pA*・xA pA*:純物質の蒸気圧 xA:モル分率 蒸気圧は溶液中に含まれる物質のモル分率 理想溶液 と関係している。 120 トルエンの沸点 110 温度 t(℃) 気相線 100 90 液相線 ベンゼンの沸点 80 70 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 モル分率 X A(ベンゼン) 理想溶液のモル分率と温度の関係 66 共沸点 温度 t(℃) 64 気相線 62 60 クロロホルムの 沸点 58 液相線 アセトンの沸点 56 54 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 モル分率 XA(クロロホルム) 非理想溶液のモル分率と温度の関係 水蒸気蒸留 • 水に溶解しない有機化合物を、水と一緒に加熱 することで共沸させる、という蒸留法 この時、蒸気圧はモル分率に依存せず、純粋な 蒸気圧P*とみることができる。 PA*<P(系の圧力) 沸騰しない PA*+PW*>P(系の圧力) 沸騰する 高沸点成分も比較的低温で蒸留可能 長いガラス管 リービッヒ還流管 水蒸気発生器 水蒸気が吹き込まれている 留出液 水蒸気蒸留の装置 常圧蒸留 • 1atm(760mmHg)の状態で蒸留する基本 的な蒸留法 pA(成分Aの蒸気圧)+pB (成分Bの蒸気圧) =760mmHg 沸騰が始まる すりを合わせる リービッヒ還流管 ホイルで巻いておく 水は下から上へ流す 沸石を必ず入れる 常圧蒸留の装置 液が少し残っている 状態で止める 温度を上げすぎない 常圧蒸留の操作 減圧蒸留 • 蒸留装置の内部を減圧にし、系の内部の 圧を下げることにより低い温度で蒸留 pA(成分Aの蒸気圧)+pB (成分Bの蒸気圧) =P(系の圧力)<760mmHg 高温で分解してしまう物質、沸点が高 い物質も蒸留可能 キャピラリー リービッヒ還流管 アダプター 開閉コック ポンプ ナス型フラスコ 氷水を入れる 減圧蒸留の装置 キャピラリー 190℃ 平行に線を 引く DMSO b.p:190℃ (760mmHg) 85℃ DMSO b.p:85℃ (20mmHg) 減圧蒸留の温度設定 コック 全開 全閉 2,開閉コック 全閉 1,ポンプON 減圧蒸留の操作 空気がキャピラリーから入っている 4,加熱 (突沸注意) 3,ポンプ排気口確認 減圧蒸留の操作 1,加熱を止める 2,コックをゆっくり全開にする 3,ゴム管を引き抜く 4,スイッチを止める 減圧蒸留の終了法
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