7 力と運動 力のつり合いと合成・分解 ▼1 2力のつり合いの条件 ⑴ 2力のつり合い 1つの物体に2力がはたらいて いても動かないとき,2力はつり合っているという。 ⑵ 力の合成と合力 2力と同じはたらきをする1つ の力 (合力)を求めることを,力の合成という。 ⑶ 力の分解と分力 1つの力と同じはたらきをする 2力 (分力)を求めることを,力の分解という。 ▼2 力の合成と分解 速さが変わる運動 ⑴ 物体の運動のようす 運動の「速さ」と「向き」で 表される。 きょ り ⑵ 速さ 単位時間あたりに物体が移動する距離。 速さ〔m/秒〕= 移動距離〔m〕 移動するのにかかった時間〔秒〕 しゅんかん ○瞬間の速さと平均の速さとがある。 ⑶ 物体の速さの変化 物体の運動と同じ向きに力が はたらくと,速さは大きくなり,物体の運動と逆向 きに力がはたらくと,速さは小さくなる。 ⑷ 物体の速さの変化と力の大きさ 物体にはたらく 力が大きいほど,速さの変化(増減)も大きい。 ▼3 斜面上の物体にはたらく力 速さが変わらない運動 ⑴ 等速直線運動 速さが一定で,一直線上を進む運 動。移動距離は時間に比例する。 移動距離〔m〕=速さ〔m/秒〕×時間〔秒〕 ⑵ 慣性の法則 物体に力がはたらかないとき,また は,物体にはたらく力がつり合っているとき,静止 している物体はいつまでも静止し,運動している物 体はそのままの速さで等速直線運動を続ける。 ▼4 2つの物体の間にはたらく力 2つの物体の間にはたらく力 ⑴ 作用・反作用 物体に力を加えると,その物体か ら力を受ける。このとき,加える力(作用) と受ける 力(反作用)は,向きが反対で大きさが等しい。 ⑵ 物体が動き出すとき 向きが反対で大きさが等し い2つの力(作用・反作用)が,2つの物体の間には たらくと,2つの物体は逆向きに動き出す。 26 1 力のつり合いと合成・分解 ⑴ 図1は,物体にはたらく重力と,それとつり合う力Aを表している。物体に はたらく重力の大きさが 50 N のとき,力Aの大きさは何 N か。 〔 50N 〕 ⑵ 机の上などの水平面に物体を置いたとき,水平面から物体に垂直にはたらく, 重力とつり合っている力を何というか。 (垂直)抗力 〔 〕 ⑶ 図2は,一直線上ではたらく2力 F1 と F2 を表してい る。①,②で,2力の合力の大きさはそれぞれ何 N か。 6N ① 〔 2N 〕 ②〔 〕 ⑷ 1つの力を,それと同じはたらきをする2力に分けることを,力の何というか。 分解 〔 〕 ⑸ 図3は,斜面上の台車にはたらく重力と,それの斜面に平行な分力Aと垂直な 分力Bを表している。斜面の角度を大きくすると,① 重力の大きさ,② 分力Aの 大きさはどうなるか。 ① 〔 変わらない。 〕 ②〔 大きくなる。 〕 ⑶① 2+4=6〔N〕 ② 4−2=2 〔N〕 2 速さが変わる運動 ⑴ 30 km の距離を45分で進んだときの速さは,何 km/時か。30 〔km〕 ÷ 45 〔 〔時間〕 60 40km/時 〕 ⑵ 物体の速さがしだいに大きくなるのは,物体の運動の向きに対してどの ような向きの力がはたらくときか。 同じ向き 〔 〕 ⑶ 図は,斜面を下る台車の運動を記録したテープを,0.1秒ごとに切って並 べたものである。斜面の角度が大きいのはA,Bのどちらか。〔 A 〕 ⑷ 運動している物体に加わる力が大きいほど,速さの変化の割合はどうな るか。 大きくなる。 〔 〕 ⑶ 斜面の角度が大きいほうが,台車の重力の斜面に平行な分力が大きく,速さの変化が大きい。 3 速さが変わらない運動 ⑴ 速さが一定で,一直線上を進む運動を何というか。 〔 等速直線運動 〕 ⑵ 図は,なめらかな水平面上での台車の運動を,1秒間に50打点 する記録タイマーで記録したものである。台車の速さは何cm/秒 か。 5 打点で0.1秒。 60 cm/秒 〔 〕 ⑶ 物体に力がはたらかないか,物体にはたらく力がつり合っているとき,静止している物体はいつまでも静 止し,運動している物体は等速直線運動をする。物体のもつこのような性質を何というか。〔 慣性 〕 ⑵ 6〔cm〕 ÷0.1〔秒〕=60〔cm/秒〕 4 2つの物体の間にはたらく力 ⑴ ①物体Aが物体Bに力を加えると,②物体Aは物体Bから力を受ける。このとき,①と②の力の大きさと向 きはどのような関係にあるか。大きさ 〔 同じ 〕 向き 〔 逆 (反対) 〕 かべ ⑵ 図で,スケートボードに乗ったAさんが壁を押すと,Aさんは矢印の向き に動いた。これは,Aさんが何から力を受けたからか。 〔 壁 〕 ⑶ 物体に力を加えると,その物体から力を受ける。物体に加える力を作用と いうとき,物体から受ける力を何というか。 〔 27 反作用 〕 1 力のつり合いと合成・分解について,あとの問いに答えなさい。 てんじょう ⑴ 図1の矢印は,天井から糸でつるした球にはたらく重力を表している。球に 1 ⑴ 図1にかく。 ⑵ 図2にかく。 ⑶ 図3にかく。 ⑴ 糸が球を引く力で ある。 はたらく重力とつり合っている力を,図1に矢印で表しなさい。 ⑵ 図2で,O点にはたらく力 A,B の合力を,矢印で表しなさい。 ⑶ 図3で,O点にはたらく力 C を,X方向,Y方向に分解し,矢印で表しなさい。 2 しゃめん 2 図1のようにして,斜面を下る台車の運 動を,1秒間に60打点する記録タイマーで 記録した。図中の矢印は,台車にはたらく 重力W,重力Wの斜面に平行な分力 W1 と 斜面に垂直な分力 W2 を表したものである。 図2は,このときの記録テー ⑴ 0.1秒 ⑵ 52 cm/秒 ⑶ 大きくなっている。 プをはじめの打点 (A点)から 6打点ごとに区切ってB∼E きょ り ⑷ ウ ⑸ W1 点とし,A点からの距離を示したものである。次の問いに答えなさい。 ⑴ 記録タイマーが6打点するのにかかる時間は何秒か。 ⑵ 記録タイマーがB点を打ってからD点を打つまでの,台車の平均の速さは何 cm/秒か。 (11.7−1.3) 〔cm〕÷0.2 〔秒〕=52〔cm/秒〕 ⑷,⑸ 斜面の傾きを 大きくすると,W は ⑶ 台車の速さは,時間とともにどうなっているか。 ⑷ 斜面の傾きを図1より 変 わ ら な い が,W 1 大きくして,同様に台車 は 大 き く な り,W 2 の運動を記録した。この は 小 さ く な る。W 1 ときの記録テープはどう が大きくなるので, なると考えられるか。上のア∼エから選び,記号で答えなさい。 速さの変化も大きく かたむ なる。 ⑸ ⑷のようになるのは,図1の力 W,W1,W2 のどれが大きくなるためか。 3 3 図は,おもちゃの さつえい 自動車の運動を撮影 ⑴ したストロボ写真を もとにかいたもので ある。次の問いに答えなさい。 100 〔cm〕 ÷(0.25×2) 〔秒〕=200 〔cm/秒〕 ⑴ AB 間の自動車の平均の速さは,何 cm/秒か。 28 200 cm/秒 ⑵ 自動車の速さは,時間とともにどうなっているか。 ⑶ 自動車の速さが⑵のようになるのは,自動車の運動の向きに対してどのよう な向きの力がはたらいているためか。 ⑷ ⑶の力には,自動車とふれ合う面との間ではたらく力が考えられる。この力 を何というか。 4 ⑵ 小さくなっている。 ⑶ 逆(反対)向き ⑷ 摩擦力 4 打ち出し装置を使って,鉄球 を水平なレール上に打ち出し, 鉄球の運動を調べた。図は,鉄 1 球がA点を通過してから, 20 ま さつ ていこう 秒ごとの鉄球の位置を示したものである。摩擦や空気の抵抗は考えないものとし ⑴ 0.25秒 ⑵ 120 cm/秒 て,次の問いに答えなさい。 ⑴ 鉄球が AC 間を移動するのにかかった時間は何秒か。 ⑵ 鉄球がB点を通過するときの速さは,何 cm/秒か。 1 〔秒〕 ×5=0.25〔秒〕 20 ① ウ ② ア ⑶ ⑶ 鉄球が AC 間を移動 する間の,①時間と速 イ ⑷ さの関係,②時間と移 ⑵ 鉄球は AC 間を一 動距離の関係をグラフ 定の速さで進んでい に表すとどうなるか。上のア∼エからそれぞれ選び,記号で答えなさい。 る。 ⑷ AC 間を移動する鉄球にはたらく力を,すべて示したものはどれか。次のア 30〔cm〕÷0.25〔秒〕 ∼エから選び,記号で答えなさい。 =120〔cm/秒〕 ⑶② 移動距離は時間 に比例する。 鉄球にはたらく重力と垂直抗力はつり合っている。 5 Aさん,Bさんがローラースケートをはい 5 お ている。図1のように,AさんがBさんを押 したところ,Bさんは矢印⇨の向きに動き, Aさんもある向きに動いた。次の問いに答え なさい。ただし,矢印→は,AさんがBさ んを押す力を表したものである。 ⑴ 逆 ⑵ 図1にかく。 ⑶ 慣性 ⑴ Aさんが動いた向きは,Bさんが動いた向きと同じか,逆か。 ⑵ Aさんが⑴の向きに動いたのは,どのような力を受けたからか,図1に矢印 で表しなさい。 Aさんが加えたのと同じ大きさで,逆向きの力。 ⑶ 動いたBさんに外から力がはたらかなければ,Bさんはそのままの速さで一 直線上を動く。物体のもつこのような性質を何というか。 ⑷ 図2は,水平な机の上に物体を置いたときのようすで ある。矢印で表された力のうち,図1のAさんがBさん を押した力とAさんが受けた力と同じ関係にあるものは どれとどれか。記号で答えなさい。 aとbはつり合う 2 力の関係。 29 ⑷ a と c
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