ホルモンと産生臓器 松果体ホルモン 視床下部ホルモン 下垂体前葉ホルモン 松果体,間脳(視床,視床下部, 脳下垂体) 下垂体後葉ホルモン 甲状腺ホルモン 副甲状腺ホルモン 副腎皮質ホルモン 副腎髄質ホルモン 性腺ホルモン 頚部 左右腎臓の上 精巣,卵巣,胎盤 膵臓ホルモン 腎臓ホルモン 消化管ホルモン 胃,小腸 心臓 松果体ホルモ メラトニン(Circadian rhythm) ン(A) トリプトファン⇒セロトニン(朝の目覚め)⇒メラト ニン(夜の入眠) 下垂体前葉ホルモンの分泌を促進(放出ホルモ 視床下部ホル ン)する。抑制ホルモン(ソマトスタチン→GH分 モン(P) 泌抑制:ドーパミン→PRP分泌抑制)もある。 成長ホルモン(GH):入眠(1~3 h)期↑ 甲状腺刺激ホルモン(TSH) 副腎刺激ホルモン(ACTH):早朝↑,ストレス↑ 下垂体前葉ホ ゴナドトロピン{卵胞刺激ホルモ(FSH)と黄体形 ルモン(P) 成ホルモン(Luteinizing hormone,LH)}を分泌 する 。性腺ホルモンの分泌を刺激する(男女) プロラクチン(PRL:乳汁分泌↑)を分泌する 下垂体中葉 別名,メラニン細胞刺激ホルモン(MSH: ホルモン(P) Melanotropin) バソプレシン(ADH):別名,アルギニンバ 下垂体後葉 ソプレシン(AVP),血圧上昇ホルモン ホルモン(P) オキシトシン:子宮筋収縮作用 サイロキシン(T4)(A) 甲状腺ホルモ トリヨードサイロニン(T3)(A) ン カルシトニン(P) 副甲状腺 ホルモン(P) パラトルモン(PTH) 副腎皮質ホルモン (コルチコステロイ ド) (S) 鉱質(ミネラル)コルチコイド=アルドステ ロン 糖質(グルコ)コルチコイド=コルチゾー ル(早朝に高い:ストレス↑) アドレナリン(別名,エピネフリン):主に 副腎で分泌される。(働き:グリコーゲン 分解,脂肪分解,脈拍↑,血圧↑,ストレ ス↑) 副腎髄質ホルモン (カテコールアミン) (A) ノルアドレナリン(別名,ノルエピネフリ ン):交感神経終末で分泌される。(働き: グリコーゲン分解,脂肪分解,脈拍↑, 血圧↑,ストレス↑:神経伝達物質として の働きもある) ドーパミン(神経伝達物質としての働きが 大きい) 1 インスリン(β) 性腺ホルモン(S) 膵臓ホルモン(P) Women Men エストロゲン(卵胞ホルモン) プロゲステロン(黄体ホルモン) 卵巣 副腎皮質 胎盤 ソマトスタチン(δ):膵(インスリンとグルカゴン)・ 消化管ホルモンの分泌抑制 エリスロポエチン(P):⇒骨髄(赤血球造血) 女性ホルモンと男性ホルモンの分泌 アンジオテンシンⅡ(P):昇圧作用(⇒ALD) 腎臓ホルモン ビタミンD(S) 絨毛性ゴナドトロピン(hCG) (糖蛋白) レニン(酵素):アンジオテンシンⅡ産生に働く セクレチン(重炭酸,水の分泌) アンドロゲン, hCG(糖蛋白) 精巣 グルカゴン(α) • 女性ホルモン(Estrogen):E1(エストロン),E2(エストラジ オール),E3(エストリオール) • 男性ホルモン(Androgen):テストステロン,アンドロステロン コレシストキニン(アミラーゼ分泌) 消化管ホルモン (P) ガストリン(塩酸とペプシノーゲンの分泌) ガストリノーマ(膵臓あるいは十二指腸にできるガ ストリン産生腫瘍) BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド) 心臓(P) ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド) 脂肪細胞 アディポネクチン(蛋白質):糖利用・脂肪の燃焼 膜7回貫通型受容体 7-transmembrane helix receptor • G蛋白質(G protein)・GTP(アデニル酸シクラーゼを活性化) ↓ cAMP(cAMP + Pyrophosphate←ATP) ↓ cAMP依存性プロテインキナーゼの活性化 ↓ プロテインキナーゼA ⇒ Functional proteinをリン酸化 G蛋白質・ホスホリパーゼ ⇒ activate a Ca channel ↓ イノシトール3燐酸(小胞体からCa分泌) ↓ Ca ↓ Ca・カルモジュリン複合体(Ca・カルモジュリン依存性キナーゼ を活性化) H inactive Active form Receptor G protein Receptor G protein GDP GTP Receptor G protein GTP replace dissociate? GDP activate a Ca channel H Ca Phospholipase C activation Inositol + triphosphate Phosphatidiyl inositol Diacyl glycerol Adenylate cyclase ATP → cAMP + Pyrophosphate GDP: guanine diphosphate GTP: guanine triphosphate cAMP: cyclic adenosine monophosphate Ca activation cAMP dependent protein kinase (Protien kinase A) phosphorylation Functional protein endoplasmic reticulum Calmodulin Ca・Calmodulin Functional protein phosphorylation Protein kinase C 2 膜1回貫通型受容体 Second messenger single-helix membrane receptor Hormone(受容体) ACTH,TSH,ADH, FSH, LH カルシトニン,PTH グルカゴン,ソマトスタ cAMP チン セクレチン (アドレナリン) アンジオテンシンII Inositol triphosphate/Diacylgle ガストリン cerol (アドレナリン) • 受容体が酵素活性(チロシンキナーゼ⇒リン酸化) をもつホルモン受容体(受容体型チロシンキナー ゼ ): インスリン受容体 • 受容体が酵素活性をもたないホルモン受容体(ホル モンが受容体と結合すると,チロシンキナーゼを結 合する): GH受容体,プロラクチン受容体,エリス ロポエチン受容体 リガンド リガンド 核内受容体:Nuclear receptor • 脂溶性リガンド(脂溶性ビタミン,ステロイドホ ルモン,甲状腺ホルモン)の受容体で,細胞 核内でのDNA転写を調節する。 • 核内受容体スーパーファミリー(遺伝子スー パーファミリー :遺伝子配列に高い相同性)を 形成しており,ヒトでは48種類存在すると考え られている。 細胞質内 受容体 ホルモン 応答配列 標的遺伝子 mRNA Protein (生理機能) コリプレッサー コアクチベーター 第54,56回臨床検査技師国家試験問題 Orphan 3 第54,58回臨床検査技師国家試験問題 第55,56回臨床検査技師国家試験問題 • 下垂体前葉からは6種のホルモン(成長ホルモン,副腎皮質刺激ホルモン, プロラクチン,卵胞刺激ホルモン,黄体形成ホルモン,甲状腺刺激ホルモ ン)が分泌される。 • 後3者は同一のαサブユニット(糖蛋白質ホルモン)とβのサブユニットから なる。 • βサブユニットは異なっており,βサブユニットで細胞膜受容体に結合しG蛋 白を介してcAMPを増加させる。 • hCGのαサブユニットも同一にある。 視床下部ホルモン(生理的意義:下垂体前 葉ホルモンの分泌を促進) • • • • • • GRF(≈GHRF:成長ホルモン放出ホルモン) TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン) CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン) GnRH(LH-RH:黄体形成ホルモン放出ホルモン) PRF(プロラクチン放出ホルモン) 測定法 ○RIA(放射免疫測定法) ○CLEIA(化学発光酵素免疫測定法) ○CLIA(化学発光免疫測定法) ○ECLIA(電気化学発光免疫測定法) 機能検査(視床下部⇒下垂体前葉) 検査名 注射するホルモン 測定項目 TRHテスト TRH(甲状腺刺激ホルモ 甲状腺刺激ホルモン (TSH) ン放出ホルモン) LH-RHテスト 卵胞刺激ホルモ( LH-RH(黄体形成ホルモ FSH)と黄体形成ホ ン放出ホルモン) ルモン(LH) GH-RLテスト GRF(≈GHRF:成長ホル モン放出ホルモン) CRHテスト CRH(副腎皮質刺激ホル 副腎刺激ホルモン( ACTH) モン放出ホルモン) 成長ホルモン(GH) 下垂体前葉ホルモン • 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) • 甲状腺刺激ホルモン(TSH) ○低下: 下垂体性小人症 • 成長ホルモン(GH) ○増加: 巨人症,末端肥大症 ○低下: 小人症 • 黄体形成ホルモン(LH)→プロゲステロン • 卵胞刺激ホルモ(FSH)→エストロゲン • 測定法 ○ RIA(放射性免疫測定法) ○ CLEIA(化学発光酵素免疫測定法) ○ CLIA(化学発光免疫測定法) ○ ECLIA(電気化学発光免疫測定法) メルクマニュアル医学百科より • 末端肥大症(先端巨大症)では,GHの過剰分泌が20代か ら40代の間に始まる。骨端閉鎖後にGHの過剰分泌が始 まったときは,初期臨床症状に顔貌粗造および手足の軟 部組織の腫大がある。外見は変化し,以前よりも大きな 指輪,手袋,靴が必要になる。疾患の経過を追跡する上 で患者の写真は重要である。 • 成長ホルモンが過剰につくられると、発育しすぎてしま います。小児では巨人症、成人では先端巨大症(末端肥 大症)を発症します。成長が止まってしまう前(つまり 小児期)に成長ホルモンが過剰につくられはじめると、 巨人症になります。長骨がどんどん伸びて、身長が異常 に伸びて手足も長くなります。さらに思春期の遅れや生 殖器の発育不良がみられることがあります。 4 第58回臨床検査技師国家試験問題 下垂体後葉ホルモン (オキシトシンとバソプレシン) • オキシトシン:子宮筋収縮作用 • アルギニンバソプレシン(AVP),抗利尿ホルモ (ADH) バソプレシン: Antidiuretic hormone, ADH • 別名,アルギニンバソプレシン(AVP),血圧上昇ホルモン,抗 利尿ホルモン • 多くの動物ではアルギニンバソプレッシンであるが,豚ではリ ジンバソプレッシン,鳥類ではアルギニンバゾトシンである。 • 腎臓の細胞膜 → G蛋白質 → アデニル酸シクラーゼ → cAMP → cAMP依存性プロテインキナーゼの活性化: プロ テインキナーゼ Aは小胞にあるアクアポリン2を管腔側に移 行させて,管腔内の水を細胞内に再吸収する。それにより抗 利尿作用が促進される(正確には,AQP3,AQP4に水を渡す) • 血漿浸透圧の上昇や循環血液量の減少で分泌が促進される。 血漿浸透圧の低下や循環血液量の増加,飲水・アルコール で分泌が抑制される。 • 分泌過剰: SIADH(シアダー) 分泌~ : 腎性尿崩症 • 分泌低下: 中枢性尿崩症 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 (SIADH:Syndrome of Inappropriate Secretion of Antidiuretic Hormone) • ADHの過剰分泌によって腎臓における水の再吸収 が亢進し,循環血液量が増加する。血液が希釈 され低ナトリウム血症(希釈性低ナトリウム血 症)となる。 • 低血圧 • 血漿浸透圧低下 • 浮腫となることは,通常はない。 • 高カルシウム血症,高カリウム血症 • 尿中ナトリウム排泄量増加(尿浸透圧高値:高 張尿) AQP2 AQP3 AQP4 尿崩症(Diabetes insipidus) • 腎性尿崩症(AVPR2,AQP2遺伝子変異?:X連鎖性) バソプレッシンの作用する腎臓(受容体)が傷害を受け、バソプ レッシンは正常に分泌されるもののその作用が低下するために起 こる。 血漿浸透圧:正常ないし軽度上昇 尿浸透圧:低下(低張尿) 高ナトリウム血症 血清カリウム:低カリウム血症 血清カルシウム値:高カルシウム血症 • 中枢性尿崩症 下垂体が障害を受け、バソプレッシン分泌が低下するために起こ る。 血漿浸透圧:高値 尿浸透圧:低下(低張尿) 高ナトリウム血症 血清カリウム:正常ないし軽度増加 血清カルシウム値:正常 5 水制限試験 • 12時間にわたって定期的に尿の量や血液中の電解 質濃度、体重を測定:その間の水分摂取は禁止 • 検査の間、患者の状態を注意深く観察 • 12時間経過後(あるいは血圧降下、心拍数増加、 体重の5%以上が減少した場合)、検査を中止して 抗利尿ホルモンを注射 • 抗利尿ホルモンに反応して過剰な排尿が止まり、尿 が濃くなりはじめ、血圧が上昇し、心拍数が正常に 近くなった場合は、中枢性尿崩症 • 注射後も大量の排尿が続き、尿は薄いままで、血圧 や心拍数も変化しない場合は、腎性尿崩症 第54,58回臨床検査技師国家試験問題 ↑ ↑ 抗利尿ホルモンの分泌過剰により, 排尿量が減り血液中の水分量が増 加する→低Na(低浸透圧) →Na利尿も亢進 ↑ 1,3,4 ↑ 2,3 ⑤ 甲状腺ホルモン • 甲状腺で生成され,T3(トリヨードサイロニン), T4(サイ ロキシン),rT3として血中に分泌される(T4が最も多い) T4は代謝(肝)されT3,rT3となる。 rT3は生理活性をもたない。 これらは分泌時にサイロキシン結合グロブリン(肝で生成)さ らにトランスサイレチンと結合し血中を輸送される 蛋白から遊離した遊離型が核内受容体に結合する(FT3は FT4の4~5倍の生理活性にある) • カルシトニンは副甲状腺ホルモンに拮抗し,血清Ca濃度を 下げ,骨吸収を抑制する。またカルシトニンは甲状腺髄様癌 (C細胞の癌)で上昇する 6 測定法 バセドウ病(代謝亢進:コレステロー ル・中性脂肪低値,BMR↑,TRAb↑ (TSAb↑):骨吸収(ALP↑) 甲状腺機能亢進症 (TSH ↓,T3↑, T4↑) 甲状腺機能低下症 (TSH↑,T3 ↓ ,T4 ↓,CK 高値,コレス テロール高値) 橋本病(抗Tg抗体↑,TPO抗体↑) 粘液水腫(BMR↓) クレチン病(小人症:cretin of dwarf) • TSH,T3,T4 ○ CLEIA(化学発光酵素免疫測定法) ○ CLIA(化学発光免疫測定法) • カルシトニン ○ RIA(放射性免疫測定法) 柑皮症:皮膚乾燥 Ⅱ型(病態) • 自己抗体 • 自己免疫性溶血性貧血(温式・冷式) • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP):自己抗体により脾 臓で血小板が破壊される⇒出血傾向(点・斑状出血) • 重症筋無力症(アセチルコリン受容体抗体) • 橋本病(甲状腺機能低下症) • パセドウ病 • グッドパスチャー症候群(糸球体基底膜抗体:肺出血・ 進行性腎炎) • 異型輸血 細胞損傷型(Ⅱ型) • 自分の細胞(血球)・組織表面が抗原として認識さ れ,自分の細胞に対する抗体(IgM, IgG)が自分の 細胞を攻撃する(⇒自己抗体) メルクマニュアル医学百科より 自己抗体 • バセドウ病 グレーヴス病(バセドウ病)は,抗体が 甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを過剰につくり,分泌 させることで起こる自己免疫疾患。しばしば遺伝し,特 に女性では患者のほとんどは甲状腺が肥大する • 橋本病 甲状腺の慢性自己免疫性炎症(慢性甲状腺 炎)で,リンパ球の浸潤を伴う。無痛性の甲状腺腫大お よび甲状腺機能低下症状がある • 粘液水腫 甲状腺機能低下症(粘液水腫)は甲状腺ホ ルモンの欠乏である。典型的な顔貌,嗄声および言語緩 徐,皮膚乾燥といった臨床特徴ならびに甲状腺ホルモン 低値によって診断がつく。処置には基礎にある原因の治 療およびサイロキシン投与が含まれる • クレチン病 ヨード欠乏は小児の風土病性クレチン病 を引き起こしうる。ヨード欠乏地域における先天性甲状 腺機能低下症の最も一般的な原因であり,世界中の精神 遅滞の主要原因である(先天性をクレチン症として分ける 場合もある) • TRAb :抗TSH受容体抗体(thyroid stimulating hormone receptor antibody): 甲状腺のTSH受容 体に対する自己抗体である ○ TRAbにはTSAbと甲状腺刺激遮断抗体(thyroid blocking antibody:TSBAb)の2つがある • TSAb :甲状腺刺激性抗体(thyroid-stimulating antibody): TSH受容体に結合(TSHと拮抗)して 無制限にT3,T4分泌を刺激する。 • 抗Tg抗体: 抗サイログロブリン抗体(antithyroglobulin antibody) • TPO抗体: 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(antithyroid peroxidase antibody) 7 第54,58回臨床検査技師国家試験問題 第54回臨床検査技師国家試験問題 副甲状腺ホルモン(パラトルモン) 3 • 生理的意義 ○ パラトルモン(PTH )は血漿イオン化Ca濃度の低 下を感知して副甲状腺から分泌される。 ○ 血漿イオン化Ca濃度が低下する前に,25ヒドロキ シビタミンD濃度の低下で分泌される。 • 測定法(Intact-PTH ≑ 1.7×Whole-PTH:高感度PTH≈ 高濃度PTH) ○ RIA(放射性免疫測定法) ○ ECLIA(電気化学発光免疫測定法) ○ IRMA(免疫放射測定法) PTH 小腸 活性化ビタミンD カルシトンン Ca吸収 骨 破骨 破骨 破骨を抑制 腎 Caの再吸収 ビタミンDの活性化 Caの再吸収 Ca再吸収を 抑制 破骨(=骨吸収):骨からCaの溶出 骨化(=骨新生):骨にCaが蓄積 8 PTH fragments(測定に用いる抗体のエピトープ) 1-6 7-84 Intact PTH =Whole PTH+6 fragments 活性型フラグメント (N-PTH) Whole PTH 1-84 (M-PTH) High sensitive PTH =M-PTH+C-PTH 非活性型フラグメント (C-PTH) 原発性亢進症 (副甲状腺に病因) 副甲状腺機能亢 進症(高PTH血症) 二次性亢進症 (ビタミンD不足,カルシ ウム・リンの摂取不足, 腎疾患による尿排泄の 増加) 高カルシウム血症 低リン血症・ALP上 昇 骨密度低下・骨粗鬆 症・尿路結石 第55回臨床検査技師国家試験問題 低カルシウム血症 高リン血症が病因 骨密度低下・骨粗鬆 症・尿路結石 ↓ 特発性低下症 低カルシウム血症 副甲状腺機能低 続発性低下症 高リン血症 下症(低PTH血症) 偽牲低下症(PTH受容 骨折? 体異常) 高ミネラルコルチ コイド(アルドステ ロン)血症 アルドステロン症(高血圧,高Na 血症{腎でのNaの再吸収を促 進},低K血症(尿排泄量増大), 代謝性アルカローシス(重炭酸 高値) 高グルココルチコ イド(コルチゾー ル)血症 ○クッシング症候群(副腎性:高 血糖,高血圧,高Na血症,低K血 症,低Ca血症,ACTH 低値 ):高 コレステロール血症 ○クッシング病(下垂体線腫: 高血糖,高血圧,高Na血症,低K 血症,低Ca血症,ACTH 高値) 副腎皮質機能 亢進症 副腎皮質機能 低下症 低ミネラルコルチ コイド(アルドステ ロン)血症 低グルココルチコ イド(コルチゾー ル)血症 アジソン病(低血糖,低血圧,低 Na血症,高K血症{尿K排泄量減 少},高Ca血症,重炭酸低値, ACTH高値,コレステロール・中 性脂肪低値 ↓ ↓ 副腎皮質機能検査 (クッシング症候群とクッシング病の鑑別試験) • デキサメサゾン抑制試験(経口投与) 合成グルココルチコイド ⇒ACTH/コルチゾール分泌を測定する • メチラポン試験(経口投与) ステロイド合成酵素阻害剤 ⇒ACTH/コルチゾール/尿中17-OHCS(コルチゾー ルの代謝物)/17-KS(コルチゾールまたテストステロ ン由来)を測定する 9 第55,56回臨床検査技師国家試験問題 第57,58回臨床検査技師国家試験問題 ○ ○ ○ ↓ ∵ 第55,57回臨床検査技師国家試験問題 ↓ メルクマニュアル医学百科より • シモンズ病 下垂体全体の機能が著しく低下するために起こる病気 です。下垂体前葉の機能が低下するのは,下垂体前葉に行く小血管に 異常があり,前葉が貧血から壊死(細胞、組織の局部的な死)を起こ した場合が多く,妊娠末期や出産時に多くみられます。これはシーハ ン症候群とも呼ばれます。そのほか結核,梅毒,出血,腫瘍なども原 因になります。 この病気にかかると,発育が著しく悪くなり,体重が減少し,無力, 筋肉の緊張低下,体温下降,知能低下が起こるようになります。また 汗をかかなくなるので,皮膚が乾燥します。 • Gauche病 ゴーシェ病は,グルコセレブロシダーゼの欠損によるス フィンゴ脂質症であり,グルコセレブロシドおよび関連化合物の沈着 を引き起こす。症状および徴候は病型によって異なるが,最も多いの は肝脾腫または中枢神経系変化である。診断は白血球の酵素分析によ る(遺伝子疾患の検査として診療点数が認められている)。 • Niemann-Pick病 ニーマン-ピック病は,スフィンゴミエリナーゼ の活性欠損に起因するスフィンゴ脂質症であり,網内細胞におけるス フィンゴミエリン(セラミドホスホリルコリン)の蓄積を引き起こす。 下垂体機能低下症 メルクマニュアル医学百科より • クッシング症候群 クッシング症候群は,血中のコルチゾルの慢 性高値によって引き起こされた一群の臨床異常である。クッシング 病は下垂体のACTH過剰産生に起因するクッシング症候群で,通常は 下垂体腺腫に続発する。典型的な症状には,満月様顔貌および痩せ た四肢を伴う体幹肥満がある。 • アルドステロン症 原発性アルドステロン症は,(過形成,腺腫 または癌による)副腎皮質の自律的なアルドステロン産生が引き起 こすアルドステロン症である。症状および徴候には,発作性脱力, 血圧上昇および低カリウム血症がある。 • アジソン病 アジソン病は副腎機能の低下によって、すべての副 腎ホルモンが不足する病気です。 アジソン病はあらゆる年齢層の人 に,また男女いずれにも同じように発症します。アジソン病の70% は正確な原因は不明ですが,体の免疫系が副腎皮質を攻撃し破壊す る自己免疫反応の影響を受けています。 アジソン病になるとすぐに,脱力感、疲労感が生じ,座ったり横 になった姿勢から立ち上がるとめまいを感じます。これらの症状は, 徐々に,知らぬ間に進行することがあります。アジソン病では皮膚 に黒ずんだ斑点が現れ,日焼けのようにみえますが,日光にさらさ れていない部分にも現れます。 副腎髄質ホルモン(カテコールアミン) ○測定法:HPLC 高値 低値 アドレナリン(別名,エピネフリン):主 に副腎で分泌される。(働き:グリコー ゲン分解,脂肪分解,脈拍↑,血圧 ↑,ストレス↑) 褐色細胞腫 (血圧↑:ア ドレナリン↑ =副腎性,ノ ノルアドレナリン(別名,ノルエピネフ ルアドレナリ Addison リン):交感神経終末で分泌される。 ン↑=副腎 病 (働き:グリコーゲン分解,脂肪分解, 外) 下垂体機 脈拍↑,血圧↑,ストレス↑:神経伝 能低下症 神経芽細胞 達物質としての働きもある) 腫瘍(ノルア ドーパミン(神経伝達物質としての働 ドレナリン↑, アドレナリン きが大きい) ~or↑) 10 メルクマニュアル医学百科より • 褐色細胞腫 褐色細胞腫は,典型的には副腎に 局在する,クロム親和性細胞からなるカテコール アミン産生腫瘍である。持続性または発作性の高 血圧を引き起こす。診断は,血中または尿中のカ テコールアミン産物の測定によって行う。 • 神経芽細胞腫 神経芽細胞腫とは,よくみられ る小児癌で,神経系の一部に発生します。 この病気は,体のいろいろな部位にある特定の 種類の神経組織に発症します。腹部や胸にある神 経、特に副腎(左右の腎臓の上にある)に発症す ることがよくあります。非常にまれですが,脳に できることもあります。 症状は,神経芽細胞腫が最初にどこにできたか, 転移が起きるかどうかによって異なります。 膵ホルモン • インスリン(IRI:immunoreactive insulin) プロインスリン→ インスリン + C-ペプチド 空腹時↑(インスリン抵抗性,2型糖尿病,インスリ ノーマ→低血糖) 空腹時(基礎分泌能)↓(1型糖尿病) 糖負荷後(追加分泌不全,分泌遅延・過剰分泌) 溶血で低値(インスリン分解酵素) 基準値:3~15μU/mL(15μU/mL以上ではインスリ ン抵抗性を考える) • C-ペプチド(CPR:C-peptide immunoreactivity) 内因性インスリン分泌能を知ることができる(インスリ ン抵抗性か,インスリン分泌不全か):生理活性はな い。 • クルカゴン 高値(グルカゴノーマ→高血糖) インスリン{anabolic hormone:insulin target organs (liver, muscle and adipose tissue)}インスリンは,栄養素の同化を促進し て筋肉,脂肪組織,肝臓に取り込む • グルコースの細胞内への取り込みの促進(HK・GKの活性化) • グリコーゲン合成の促進 • 糖新生の抑制(ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ 発現の抑制) • 蛋白質合成の促進(BCAAの細胞内への取り込みを増加) • 脂肪分解の抑制(脂肪細胞での脂肪の合成を促進) リポ蛋白リパーゼ(LPL)の活性化 {TG(血中)→FA(脂肪蓄積)+Glycerol} ホルモン感受性リパーゼ(adipose tissue lipoprotein lipase or hormone-sensitive llipase)の活性を抑制 {TG(脂肪細胞)-(抑制)→FA+Glycerol} homeostasis model assessment • インスリン分泌能 HOMA-β=360 ×空腹時IRI (μU/mL) / ( FBS (mg/dL)-63) 基準値:40~60(この値が低いとインスリン分泌の 低下を考える。増加ではインスリン分泌の増加・抵 抗性を考える) • インスリン抵抗性 HOMA-IR(HOMA-R)= FBS (mg/dL)×空腹時 IRI (μU/mL) / 405 基準値:1.6以下(2.5以上をインスリン抵抗性) 11 第58回臨床検査技師国家試験問題 ヒト絨毛性ゴナドトロピン:HCG (Human Chorionic Gonadotropin) • 胎盤から分泌される性腺刺激ホルモンである • α鎖とβ鎖(特異的)からなる • 妊娠3~4週から検出され,出産まで尿中に排泄され る(検出感度:50 mIU/mL) • 腫瘍マーカー(卵巣癌)としても用いられる( ⇒βHCG産生腫瘍:血清・尿を試料とする) • 尿を試料とする。イムノクロマト法で測定される(OTC 試薬) • 排卵≈受精(この頃が妊娠2週に相当) • 1週間かかり着床(HCG50U/L産生):この頃 が妊娠3週となる(早期検査25U/Lでは,2日く らい前から陽性となる) 12 心臓ホルモン(脳性ナトリウム利尿ペプチド) (BNP:brain natriuretic peptide) • BNPとNT-proBNP(amino terminal proBNP)がある。 • 心筋ストレスにより心臓(心室筋細胞)でpre-proBNP として合成され,蛋白分解酵素により BNPとNTproBNPに分解され血中に放出される。 • 心不全により合成量(血中放出量・血中濃度)が増加 する。 • 腎臓に働いて利尿作用を促進する。ナトリウムの尿 中排泄の増加(水,ナトリウムの再吸収の抑制) • 末梢血管で血圧を低下させる(血管拡張作用)。 • (参考)心房で合成されるANP(心房性ナトリウム利 尿ペプチド)もある。臨床的意義は,BNPに同じ。 心筋トロポニン(Cardiac Troponin:cTn) • 心筋(筋原線維)の構成蛋白質である。 • CTnI(22.5 kDa:心筋特異度が高い, inhibits prevents the contraction of muscle in the absence of calcium and Troponin C),cTnT(37 kDa,binds the Troponin complex to tropomyosin),cTnC(18 kDa,binds with Ca2+) がある。 • 心筋に損傷(心筋梗塞)で血中に逸脱する。 • 心筋障害後2~4時間で上昇する(≈ CK-MB)。 • POC platforms BNP NT-proBNP 生理作用 あり なし 血中半減期 20分 2時間 尿中排泄 腎機能障害の影 響 測定試料 採血後の安定性 腎で異化される。 尿中に排泄される。 尿中に排泄される。 大きい(高値とな 少ない る) 血清・血漿(ヘパリ EDTA血漿 ン,EDTA)も可 冷蔵で24時間(不 室温/冷蔵で24時 間 (安定) 安定) H-FABP(ヒト心臓型遊離脂肪酸結合蛋白) Heart-type fatty acid binding protein • 心筋内の遊離脂肪酸の細胞内輸送に関与す る蛋白質(15 kD )。 • 心筋障害(心筋梗塞)で血中に逸脱する。 • 心筋障害後0.5~2時間で上昇する(≈ ミオグ ロビン)。 13
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